# ジャンプ拡散モデル（マートン、ベイツ）

> ジャンプ拡散モデルは、原資産価格の動きを、連続的な揺れ（拡散）に、不連続な価格の飛び（ジャンプ）を足した過程で表す価格モデルです。短い満期のオプションに出るスマイルの形を、価格の飛びで表したいときに使います。ベイツのモデルは、これにヘストン・モデルの確率的ボラティリティを足したものです。

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- 分野: 評価 › 評価モデル
- 最終確認日: 2026-10-23
- 英語版: https://www.derivatives-compass.org/en/valuation/jump-diffusion/index.md

## 要点

- ジャンプ拡散モデルは、拡散にポアソン過程のジャンプを足し、ジャンプの大きさに対数正規分布を置きます。
- リスク中立では、ジャンプの平均の動きをドリフトから引き、割引価格をマーチンゲールにします。
- ヨーロピアン・オプションの価格は、ジャンプの回数ごとのブラック・ショールズの価格の重み付き和です。
- 下向きのジャンプが多いと右下がりのスマイルになり、満期が短いほど強く、長いと平らになります。
- ベイツのモデルは、ヘストンにジャンプを足したもので、特性関数が 2 つの積になります。

満期の短いオプションの[スマイル](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/volatility-smile/)に、価格の急な飛びが織り込まれている可能性があるとき、評価の担当者は、拡散だけのモデルでどこまで説明できるかを確かめる必要が出ます。

## 拡散に足すジャンプ

[ブラック・ショールズ・モデル](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/black-scholes-model/)は、原資産価格が連続に動き続けると置きます。日本銀行金融研究所の資料は、円・ドル為替レートと日経平均株価指数の収益率の尖度が、正規分布の 3 を上回る例を示し、拡散だけで動くという仮定は必ずしも適当でないとしています[^jd-kurt]。[ジャンプ拡散モデル](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/jump-diffusion-model/)は、この連続の動き（拡散）に、ときどき起こる価格の飛び（ジャンプ）を足したモデルです。マートンは、ジャンプの大きさに対数正規分布を置いて、[ヨーロピアン・オプション](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/european-option/)の価格を式で求められる形にしました[^jd-lognormal]。

ジャンプが 1 回起こると価格は $$J$$ 倍になるとし、ジャンプで価格が平均して動く割合を $$k = E[J] - 1$$ とします。配当のない[原資産](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/underlying-asset/)の価格 $$S_t$$ は、[リスク中立確率](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/risk-neutral-probability/)の下で次の式に従います。

$$
\frac{dS_t}{S_{t-}} = (r - \lambda k)\,dt + \sigma\,dW_t + (J - 1)\,dN_t
$$

$$S_{t-}$$ はジャンプの直前の価格、$$r$$ は金利です。$$W_t$$ は標準の[ブラウン運動](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/brownian-motion/)で、拡散を作ります。$$N_t$$ は強度 $$\lambda$$ の[ポアソン過程](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/poisson-process/)で、ジャンプが起こった回数を数えます。$$J$$ はジャンプのたびに独立に抽出し、$$W_t$$、$$N_t$$、$$J$$ は互いに独立です[^jd-model]。強度 $$\lambda$$ のポアソン過程では、時間 $$t$$ の間にちょうど $$n$$ 回のジャンプが起こる確率は $$e^{-\lambda t}(\lambda t)^n/n!$$ です[^jd-poisson]。

マートンのモデルは、$$J$$ の対数が平均 $$\mu_J$$、標準偏差 $$\delta$$ の正規分布に従う（$$J$$ が[対数正規分布](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/lognormal-distribution/)に従う）と置きます。このとき $$k$$ は、次の式で決まります[^jd-lognormal]。

$$
k = E[J] - 1 = e^{\mu_J + \delta^2/2} - 1
$$

モデルのパラメータは次の 4 つです。

| 記号          | 名前           | 役割                                       |
| ----------- | ------------ | ---------------------------------------- |
| $$\sigma$$  | 拡散のボラティリティ   | ジャンプを除いた連続の揺れの大きさ。一定                     |
| $$\lambda$$ | ジャンプの強度      | 1 年に平均 $$\lambda$$ 回のジャンプが起こる            |
| $$\mu_J$$   | ジャンプの対数の平均   | ジャンプの大きさの中央値の対数。負なら下向きのジャンプが多く、正なら上向きが多い |
| $$\delta$$  | ジャンプの対数の標準偏差 | ジャンプの大きさのばらつき                            |

向きの言い方は 2 通りあります。$$\mu_J$$ の符号はジャンプの向きの多さを表し、$$k$$ の符号は、平均して価格を上げるか下げるかを表します。$$k < 0$$ になるのは $$\mu_J < -\delta^2/2$$ のときで、$$\mu_J = 0$$ では $$k > 0$$ です。

## リスク中立のドリフトの補正

式の[ドリフト](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/drift/)が $$r$$ でなく $$r - \lambda k$$ なのは、ジャンプの項が平均して価格を動かす分を、あらかじめ引いておくためです。$$J$$ と $$N_t$$ は独立なので、$$E[(J-1)\,dN_t] = \lambda k\,dt$$ になります。これを引くと、価格の期待される増え方が金利 $$r$$ になり、割引価格 $$e^{-rt}S_t$$ が[マーチンゲール](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/martingale/)になります[^jd-drift]。

$$k < 0$$（平均では価格を下げるジャンプ）なら、$$-\lambda k$$ は正です。ジャンプが起こらない間、価格は $$r$$ より速く上がり、ときどき下へ飛んで、平均では $$r$$ に戻ります。

ジャンプのあるオプションは、原資産と預金だけでは一般に複製できません。不確実性がブラウン運動とポアソン過程の 2 つあり、市場が完備でないためです。マートンは、ジャンプのリスクは分散でき、リスク・プレミアムは要求されないと仮定しました。この仮定の妥当性には議論があります[^jd-inc]。市場の価格に合わせるときは、$$\lambda$$、$$\mu_J$$、$$\delta$$ を、リスク中立確率の下のパラメータとして扱います[^jd-q]。

## ジャンプの回数で分けた価格式

ジャンプの回数が $$n$$ 回と決まれば、満期の対数価格は正規分布に従います。そのため、条件を付けた価格は、ボラティリティと金利を置き換えた[ブラック・ショールズの式](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/black-scholes-model/)になります。ヨーロピアン・コールの価格は、$$n$$ ごとの価格を、次の重みで足し合わせた和です。重みはポアソン確率の形ですが、強度は実際のジャンプの強度 $$\lambda$$ でなく $$\lambda'$$ で、実際の確率とは違います[^jd-series]。

$$
C = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{e^{-\lambda' T}(\lambda' T)^n}{n!}\,C_{BS}(S_0, K, T, r_n, \sigma_n)
$$

$$C_{BS}(S, K, T, r, \sigma)$$ は、金利 $$r$$、ボラティリティ $$\sigma$$ のブラック・ショールズ・モデルのコールの価格です。$$K$$ は[行使価格](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/strike-price/)、$$T$$ は満期までの年数です。重みの強度 $$\lambda'$$ と、$$n$$ 回目の金利 $$r_n$$、ボラティリティ $$\sigma_n$$ は、次のとおりです。

$$
\lambda' = \lambda(1+k)
$$

$$
r_n = r - \lambda k + \frac{n\ln(1+k)}{T}
$$

$$
\sigma_n^2 = \sigma^2 + \frac{n\delta^2}{T}
$$

$$n$$ 回のジャンプは、対数価格の分散を $$n\delta^2$$ だけ増やし、平均を $$n\mu_J$$ だけずらします。$$\sigma_n$$ はその分散を、$$r_n$$ は平均のずれと補正の $$-\lambda k$$ を、ブラック・ショールズの式に取り込む値です。$$\ln(1+k) = \mu_J + \delta^2/2$$ です。重みは足すと 1 になります。$$r$$ での割引と $$r_n$$ での割引の差 $$e^{(r_n - r)T}$$ は $$(1+k)^n e^{-\lambda k T}$$ に等しく、これをポアソン確率に掛けると、強度が $$\lambda$$ から $$\lambda(1+k)$$ に変わります。$$n$$ が大きいほど重みは急に小さくなるため、$$n$$ を途中で打ち切って計算できます[^jd-series]。

> **深掘り: ジャンプの回数で条件を付ける導出**
>
> 上の確率微分方程式の解は、対数価格で次のように書けます。
>
> $$
> \ln S_T = \ln S_0 + \left(r - \lambda k - \frac{\sigma^2}{2}\right)T + \sigma W_T + \sum_{i=1}^{N_T} \ln J_i
> $$
>
> $$N_T$$ は満期までのジャンプの回数、$$J_i$$ は $$i$$ 回目のジャンプでの価格の倍率、$$W_T$$ は満期でのブラウン運動の値です。$$N_T = n$$ と条件を付けると、$$\ln S_T$$ は平均 $$\ln S_0 + (r - \lambda k - \sigma^2/2)T + n\mu_J$$、分散 $$\sigma^2 T + n\delta^2$$ の正規分布に従います。金利 $$r_n$$、ボラティリティ $$\sigma_n$$ のブラック・ショールズ・モデルでは、満期の対数価格の平均が $$\ln S_0 + (r_n - \sigma_n^2/2)T$$、分散が $$\sigma_n^2 T$$ です。2 つを等しくすると、上の $$r_n$$ と $$\sigma_n$$ が決まります。
>
> このとき、条件付きの割引前の期待ペイオフは $$e^{r_n T}\,C_{BS}(S_0, K, T, r_n, \sigma_n)$$ です。現在価値にするときの割引は、$$r_n$$ でなく $$r$$ で行うため、$$e^{-rT}e^{r_n T} = e^{-\lambda k T}(1+k)^n$$ が掛かります。これをポアソンの確率 $$e^{-\lambda T}(\lambda T)^n/n!$$ に掛けると、
>
> $$
> e^{-\lambda T}\frac{(\lambda T)^n}{n!}\,e^{-\lambda k T}(1+k)^n = \frac{e^{-\lambda' T}(\lambda' T)^n}{n!}
> $$
>
> となり、重みが強度 $$\lambda'$$ のポアソン確率になります。ジャンプの回数で場合分けする手順は、資料の補論 2 のリスク中立化法と同じです[^jd-cond]。

## 計算例

$$S_0 = 100$$、$$K = 100$$、$$T = 1$$ 年、金利 $$r = 1\%$$、$$\sigma = 15\%$$、$$\lambda = 1$$、$$\mu_J = -0.10$$、$$\delta = 0.10$$ のコールの架空の例で考えます。$$\mu_J + \delta^2/2 = -0.095$$ なので、$$k = e^{-0.095} - 1 = -0.0906$$ です。重みの強度は $$\lambda' = 1 \times 0.9094 = 0.9094$$、$$-\lambda k = 0.0906$$ です。$$n$$ ごとの値は次の表のとおりで、$$r_n = 1\% + 9.06\% - 9.5\%\,n$$、$$\sigma_n^2 = 0.0225 + 0.01\,n$$ から出ます。

| $$n$$ |       重み | $$\sigma_n$$ | $$r_n$$ | $$C_{BS}$$ | 重み × $$C_{BS}$$ |
| ----: | -------: | -----------: | ------: | ---------: | --------------: |
|     0 | 0.402777 |       15.00% |  10.06% |    11.7102 |          4.7166 |
|     1 | 0.366274 |       18.03% |   0.56% |     7.4462 |          2.7274 |
|     2 | 0.166540 |       20.62% |  −8.94% |     4.7109 |          0.7845 |
|     3 | 0.050482 |       22.91% | −18.44% |     2.9839 |          0.1506 |
|     4 | 0.011477 |       25.00% | −27.94% |     1.8956 |          0.0218 |
|     5 | 0.002087 |       26.93% | −37.44% |     1.2082 |          0.0025 |
|     6 | 0.000316 |       28.72% | −46.94% |     0.7726 |          0.0002 |

$$n = 6$$ までの和は 8.4036、$$n = 10$$ まで足すと 8.4037 で、以後は動きません[^jd-calc]。$$r_n$$ は、ジャンプの回数に合わせて割引と平均をそろえるための調整値で、実際の金利ではありません。ジャンプのない同じ条件のブラック・ショールズの価格は、ボラティリティ 15% で 6.46 です。ジャンプを足すと、オプションの価格は 1.94 高くなります。8.4037 をブラック・ショールズの式でボラティリティに直すと 19.92% で、ジャンプが 1 年に平均 1 回起こる分が、拡散の 15% に上乗せされた形です。

## パラメータとスマイルの形

マートンの価格をブラック・ショールズの式で[インプライド・ボラティリティ](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/implied-volatility/)に直すと、行使価格ごとに値が違います。上の例の条件で、満期ごとに行使価格 80 から 120 までを計算した値です。単位は % です[^jd-iv]。

|     満期 | 行使価格 80 |    90 |   100 |   110 |   120 |
| -----: | ------: | ----: | ----: | ----: | ----: |
| 0.25 年 |   26.30 | 22.33 | 19.08 | 17.65 | 17.32 |
|    1 年 |   21.68 | 20.73 | 19.92 | 19.29 | 18.80 |
|    4 年 |   20.57 | 20.35 | 20.16 | 19.99 | 19.83 |

$$\mu_J$$ が負で、下向きのジャンプが多いので、行使価格が低いほどインプライド・ボラティリティが高い右下がりの形になります。行使価格の低いオプションほど、ブラック・ショールズの価格（ボラティリティ 15%）より大きく上乗せされるためです。満期 0.25 年では、行使価格 80 が行使価格 100 より 7.2 ポイント高く、満期 4 年では 0.4 ポイントです。満期が長いほど平らになるのは、ジャンプの回数が増えると、満期までの対数収益率の分布が正規分布に近づき、行使価格による差が小さくなるためです。差は 4 年でも残ります。水準も拡散の 15% には戻らず、4 年の行使価格 100 は 20.16% で、1 年の 19.92% より上です。日本銀行金融研究所の資料は、ジャンプが起こる回数が増え、ジャンプによる変動が平均してドリフトに吸収されるためと説明します[^jd-flat]。

**図 1: 満期 0.25 年と 1 年のインプライド・ボラティリティ**

計算例の条件で、マートンの価格から逆算したインプライド・ボラティリティを、行使価格 75 から 125 まで描いた図です。満期 0.25 年の曲線は、行使価格が低いほど高い右下がりで、低い側ほど傾きが急です。右端の付近では、わずかに右上がりに戻ります。満期 1 年の曲線は、同じ向きでより平らです。2 本の曲線は行使価格 95 と 97.5 の間で交わり、これより低い行使価格では 0.25 年が高く、高い行使価格では 1 年が高くなります。縦線は現在の価格 100 の位置です。ジャンプのない場合の 15% は、行使価格によらず一定の水平線です。短い満期ほど、ジャンプが作る傾きと曲がりが大きいことを示します。

パラメータを 1 つずつ動かしたときの、満期 0.25 年のインプライド・ボラティリティを見ます。ほかは計算例の値のままです。$$\mu_J$$ と $$\delta$$ を動かすと $$k$$ も変わり、補正の $$-\lambda k$$ も変わります[^jd-iv]。

| 条件                                                       | 行使価格 80 |   100 |   120 |
| -------------------------------------------------------- | ------: | ----: | ----: |
| 計算例（$$\lambda = 1$$、$$\mu_J = -0.10$$、$$\delta = 0.10$$） |   26.30 | 19.08 | 17.32 |
| $$\lambda = 2$$                                          |   30.54 | 23.00 | 19.53 |
| $$\delta = 0.20$$                                        |   33.84 | 22.28 | 23.90 |
| $$\mu_J = 0$$                                            |   20.43 | 17.42 | 19.81 |
| $$\mu_J = +0.10$$                                        |   17.62 | 19.78 | 26.19 |

$$\lambda$$ を大きくすると、どの行使価格でも値が上がります。$$\delta$$ を大きくすると、両端が持ち上がって曲がりが強くなります。傾きの向きは $$\mu_J$$ の符号で決まります。$$\mu_J = 0$$ なら左右ほぼ対称のスマイルで、完全な対称ではありません。$$\mu_J = +0.10$$ なら、上向きのジャンプが多いので、右上がりになります。

## ベイツのモデル

ベイツのモデルは、[ヘストン・モデル](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/heston-model/)の確率的ボラティリティに、マートンと同じ形のジャンプを足します[^jd-bates]。リスク中立確率の下の式は、次のとおりです。

$$
\frac{dS_t}{S_{t-}} = (r - \lambda k)\,dt + \sqrt{v_t}\,dW_t^{S} + (J - 1)\,dN_t
$$

$$
dv_t = \kappa(\bar v - v_t)\,dt + \xi\sqrt{v_t}\,dW_t^{v}, \qquad dW_t^{S}\,dW_t^{v} = \rho\,dt
$$

$$v_t$$、$$\kappa$$、$$\bar v$$、$$\xi$$、$$\rho$$ はヘストン・モデルと同じ記号で、ジャンプの $$\lambda$$、$$J$$、$$N_t$$、$$k$$ はマートンと同じです。ジャンプの平均 $$k$$ は、平均回帰の速さ $$\kappa$$ とは別の量です。ここでは、ジャンプの回数と大きさは、2 つのブラウン運動と独立と置きます。ヘストンの式、特性関数、半解析解は[ヘストン・モデル](https://www.derivatives-compass.org/ja/valuation/heston/)で扱います。

この仮定の下で、満期の対数株価は、ヘストンの部分とジャンプの部分の和で、2 つは独立です。独立な確率変数の和の[特性関数](https://www.derivatives-compass.org/ja/glossary/characteristic-function/)は、それぞれの特性関数の積なので、ベイツのモデルの特性関数は次の形になります[^jd-bates-cf]。

$$
\varphi_{\text{Bates}}(u, T) = \varphi_{\text{Heston}}(u, T)\cdot\exp\Bigl(\lambda T\bigl(e^{iu\mu_J - \delta^2u^2/2} - 1 - iuk\bigr)\Bigr)
$$

$$\varphi_{\text{Heston}}$$ は、ヘストン・モデルの記事の特性関数（配当なし）です。右の因子の中の $$e^{iu\mu_J - \delta^2u^2/2} - 1$$ が複合ポアソン過程の部分で、$$-iuk$$ が補正の $$-\lambda k$$ に当たります。価格は、ヘストン・モデルと同じ積分の式 $$C = S_0P_1 - Ke^{-rT}P_2$$ に、この特性関数を入れて求めます。$$\lambda = 0$$ ならヘストン・モデル、$$v_0 = \bar v$$ のまま $$\xi \to 0$$ として分散を一定にすれば、$$\sigma^2 = v_0 = \bar v$$ のマートンのモデルです。

ヘストン部分を $$v_0 = \bar v = 0.0225$$（ボラティリティ 15%）、$$\kappa = 2$$、$$\xi = 0.2$$、$$\rho = -0.5$$、ジャンプを計算例と同じ $$\lambda = 1$$、$$\mu_J = -0.10$$、$$\delta = 0.10$$、$$S_0 = 100$$、金利 1% とする架空の例で考えます。ヘストンだけの場合と、ジャンプを足した場合のインプライド・ボラティリティ（%）は次のとおりです[^jd-bates-calc]。

| 行使価格 | ヘストン（0.25 年） | ベイツ（0.25 年） | ヘストン（1 年） | ベイツ（1 年） |
| ---: | -----------: | ----------: | --------: | -------: |
|   80 |        18.13 |       26.63 |     16.91 |    22.33 |
|   90 |        16.40 |       22.90 |     15.71 |    21.09 |
|  100 |        14.81 |       19.14 |     14.66 |    19.89 |
|  110 |        13.65 |       16.58 |     13.84 |    18.75 |
|  120 |        13.23 |       15.96 |     13.29 |    17.73 |

ジャンプを足すと、どの行使価格でもインプライド・ボラティリティが上がり、行使価格が低いほど大きく上がります。満期 0.25 年では、行使価格 80 が 8.50 ポイント、120 が 2.73 ポイントです。日本銀行金融研究所の資料は、短期のオプションではジャンプを加えるとモデルの説明力が上がり、長期のオプションには確率的ボラティリティ・モデルが考えられるという先行研究の指摘を紹介しています[^jd-flat]。ベイツのモデルは、両方を 1 つのモデルに持つ形です。このページの記号では、パラメータは 8 つ（$$v_0$$、$$\bar v$$、$$\kappa$$、$$\xi$$、$$\rho$$、$$\lambda$$、$$\mu_J$$、$$\delta$$）です。

## 前提と限界

パラメータの値で、結果は大きく動きます。計算例で $$\lambda$$ を 1 から 2 にすると、1 年のコールの価格は 8.40 から 10.03 に上がり、満期 1 年・行使価格 80 のインプライド・ボラティリティは 21.68% から 25.95% に上がります[^jd-iv]。

マートンのモデルは、$$\sigma$$、$$\lambda$$、$$\mu_J$$、$$\delta$$ をすべて一定と置きます。そのため、満期が長くなるとスマイルが平らになり、市場で見られる長期のスマイルを説明し切れない可能性があります[^jd-flat]。ボラティリティが動く効果は、ベイツのモデルのように確率的ボラティリティを足して取り込みます。

市場の価格に合わせる作業は、安定しません。DAX のオプションの価格に最小二乗法を当てた研究では、ジャンプの強度の出発点を 1 と 5 に変えただけで、合わせたジャンプの分布の形が別になりました。マートンのモデルでも、$$\lambda$$ を増やして $$\sigma$$ を下げると、誤差がほぼ同じ水準で残ります[^jd-calib]。上の表でも、$$\lambda$$、$$\delta$$、$$\mu_J$$ のどれもが、スマイルの水準と形を一緒に動かします。合わせ込みの手順と過剰適合は[キャリブレーション](https://www.derivatives-compass.org/ja/valuation/calibration/)で扱います。

[^jd-kurt]: [久田祥史「ジャンプ拡散過程を用いたオプション価格付けモデルについて」](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)（日本銀行金融研究所「金融研究」2003 年 6 月）の 2 節（53〜54 ページ）の図表 2。尖度は、円・ドル為替レート（1998 年 8 月〜1999 年 7 月）が 12.01、日経平均株価指数（2000 年 10 月〜2001 年 9 月）が 4.93 です。

[^jd-lognormal]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の 3 節（2）（57 ページ）。ジャンプ幅率の対数が正規分布に従う場合を、マートン（1976 年）が解析解の求まる例としたこと、$$k = \exp(\mu_J + \delta^2/2) - 1$$（資料の記号は $$m_J$$、$$s_J$$）。

[^jd-model]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の 3 節（1）（55〜56 ページ）の式 (1)。資料はドリフトを期待収益率 $$m$$ で書き、本文は $$m$$ をリスク中立の $$r$$ に置き換えています。

[^jd-poisson]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の補論 1（70 ページ）の式 (A-3)。

[^jd-drift]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の 56 ページの注 10。複合ポアソン過程の期待値 $$\lambda k\,dt$$ を引き、ドリフトへの影響を平均で 0 にします。[Cont と Tankov](https://staff.fnwi.uva.nl/a.khedher/winterschool/2cont1.pdf) の 2.2 節（5 ページ）の式 (8) は、割引価格がマーチンゲールになる条件を、ドリフトの制約として示しています。

[^jd-inc]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の 5 節（66 ページ）。不確実性が 2 つあると市場が不完備になること、マートンの仮定（ジャンプのリスクは分散でき、プレミアムは要求されない）と、その妥当性に議論があること。

[^jd-q]: [Cont と Tankov](https://staff.fnwi.uva.nl/a.khedher/winterschool/2cont1.pdf) の 2.2 節（5 ページ）。価格をリスク中立確率の下で $$S_t = e^{rt + X_t}$$ と置き、オプションの価格に合わせる枠組みです。

[^jd-series]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の 3 節（2）（57 ページ）の式 (2)。記号は本文に合わせています。[Cont と Tankov](https://staff.fnwi.uva.nl/a.khedher/winterschool/2cont1.pdf) の 5 節（24 ページ）も、マートンのモデルのコールの価格を、重みが指数的に 0 に近づくブラック・ショールズの価格の重み付き和に展開できるとしています。

[^jd-cond]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の補論 2（72〜73 ページ）。リスク中立化法で、ジャンプの回数ごとの期待値を、回数の確率で足し合わせます。回数で条件を付けたときの平均と分散の合わせ方は、本文の式による計算です。

[^jd-calc]: 計算による。級数（$$n = 40$$ まで）の値を、特性関数の数値積分で確かめています。

[^jd-iv]: 計算による。級数の価格から、ブラック・ショールズの式でインプライド・ボラティリティを逆算した値です。

[^jd-flat]: [久田祥史](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf)の 3 節（2）（58 ページ）の図表 6 の説明。Bakshi, Cao and Chen（1997 年）の指摘の紹介を含みます。合計の分布が正規分布に近づくという説明は、資料でなく本文の計算（中心極限定理）によります。

[^jd-bates]: [Bates のワーキング・ペーパー](https://www.nber.org/system/files/working_papers/w4596/w4596.pdf)（1993 年 12 月）の I 節の式 (1)（4 ページ）。分散の式の $$\alpha - \beta V$$、$$\sigma_v$$ は、本文の $$\kappa(\bar v - v)$$、$$\xi$$ に当たります。掲載版は 1996 年の Review of Financial Studies 誌です。

[^jd-bates-cf]: [Bates のワーキング・ペーパー](https://www.nber.org/system/files/working_papers/w4596/w4596.pdf)の式 (9)〜(10)（10 ページ）。特性関数の指数が、ヘストンに当たる項とジャンプの項 $$\lambda T[\ldots - 1]$$ の和で、確率は式 (13) のフーリエ逆変換で求めます。ジャンプが 2 つのブラウン運動と独立という置き方は本文のモデルの仮定で、指数が和の形になる式 (9)〜(10) と整合します。ヘストンの部分は[Albrecher ほか](https://www.ma.imperial.ac.uk/~ajacquie/IC_Num_Methods/IC_Num_Methods_Docs/Literature/HestonTrap.pdf)の 3 節（4 ページ）。

[^jd-bates-calc]: 計算による。特性関数の数値積分で求めた価格を、モンテカルロ法（ヘストンの部分は 1 年を 400 刻みにした近似）と照らして確かめています。

[^jd-calib]: [Cont と Tankov](https://staff.fnwi.uva.nl/a.khedher/winterschool/2cont1.pdf) の 3.1 節（13〜14 ページ）の図 1 と図 2。

## 出典

- [ジャンプ拡散過程を用いたオプション価格付けモデルについて](https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk22-b1-3.pdf) — 日本銀行金融研究所（久田祥史、「金融研究」2003 年 6 月）
- [Calibration of jump-diffusion option-pricing models: a robust non-parametric approach](https://staff.fnwi.uva.nl/a.khedher/winterschool/2cont1.pdf) — Rama Cont、Peter Tankov（Ecole Polytechnique）
- [Jumps and Stochastic Volatility: Exchange Rate Processes Implicit in PHLX Deutschemark Options](https://www.nber.org/system/files/working_papers/w4596/w4596.pdf) — David S. Bates（NBER Working Paper No. 4596, 1993 年 12 月）
- [The Little Heston Trap](https://www.ma.imperial.ac.uk/~ajacquie/IC_Num_Methods/IC_Num_Methods_Docs/Literature/HestonTrap.pdf) — Hansjörg Albrecher, Philipp Mayer, Wim Schoutens, Jurgen Tistaert（Wilmott Magazine, 2006 年 1 月）
