DvP は、証券決済システムが、証券の振替と資金の振替を結び付けて実行します。決済を債務 1 件ごとに行うか、差し引いて行うかで、モデル 1 からモデル 3 の区分があります1。日本銀行は、国債の DvP 決済を、日銀ネットの当預系の個々の資金の振替と国債系の個々の国債の振替を結び付ける形で提供しています2。

E 証券が F 証券に債券を 99 億円で売る架空の例で考えます。DvP では、F 証券が 99 億円を払う場合にだけ債券が移り、払えなければ債券も動きません。DvP がなく、E 証券が先に債券を渡すと、F 証券が払う前に破綻したとき、E 証券は債券を渡したまま 99 億円を受け取れません。

DvP は、2 つの債務を同じ瞬間に履行することまでは求めません。また、元本リスクは除きますが、参加者の債務不履行による流動性の偏りなど、システム全体の混乱が生じるリスクまでは除きません3。

注

  1. 「金融市場インフラのための原則」(仮訳、2012 年 4 月)のパラグラフ 3.4.9 と 3.4.11(53〜54 ページ)。 ↩

  2. 日本銀行「日本銀行が運営する国債振替決済制度に関する情報開示」(2025 年 7 月 31 日)の 3-1(7〜8 ページ)。 ↩

  3. 「金融市場インフラのための原則」(仮訳、2012 年 4 月)のパラグラフ 3.12.1 の注 112 とパラグラフ 3.12.4(107〜109 ページ)。 ↩