用語集
デリバティブの用語を、日本語と英語の見出し語を対応させて、短い定義とともに並べています。
英数字
- 3 ゾーン・アプローチThree-zone approach
- 3 ゾーン・アプローチは、VaR のバックテストで、直近 250 営業日に損失が VaR を上回った回数に応じて、モデルをグリーン、アンバー、レッドの 3 つのゾーンに分ける方式です。
- 3 次スプラインCubic spline
- 3 次スプラインは、隣り合う点の間を 3 次式でつなぎ、点で値、傾き、曲がり方(2 階微分)が連続になるようにした補間です。割引係数の対数に当てはめると、フォワードレートは点でなめらかにつながる区間ごとの 2 次式になります。
- ALMALM
- ALM(資産負債管理)は、金融機関が、預金、貸出金、有価証券などの資産と負債をまとめて見て、金利の動きなどから生じるリスクを総合的に管理することです。
- BA-CVABA-CVA
- BA-CVA(CVA リスクの基礎的方式)は、CVA リスクの資本賦課で、取引相手の信用リスクの計算に使う債務不履行時のエクスポージャーと実効マチュリティ、取引相手のセクターと信用力で決まるリスク・ウェイトから、決められた式で資本を求める方式です。会計上の CVA を計算していなくても使え、金融庁長官の承認は要りません。
- CDS インデックスCDS index
- CDS インデックスは、複数の参照組織の CDS を決まった規則で等しい重みに束ねたもので、インデックスそのものを 1 つの CDS の取引として売り買いします。
- CDS のオークションCDS auction
- CDS のオークションは、クレジット・イベントの後に、参照組織の債務の価格を入札で 1 つに決め、その価格で同じ参照組織の CDS をまとめて決済する手続きです。
- CMSCMS
- CMS(コンスタント・マチュリティ・スワップ)は、片方のレグの金利に、10 年物のような期間の決まったスワップレートを参照する金利スワップです。長期金利に連動する利息を受け払いするため、CMS 債などの仕組商品に組み込まれます。
- CMS スプレッド・オプションCMS spread option
- CMS スプレッド・オプションは、観測日の 2 つのスワップレート(例えば 10 年と 2 年)の差と行使価格を比べて、受け取りが決まるオプションです。差が行使価格を上回った分を受け取るのがコール、下回った分を受け取るのがプットです。
- CS01CS01
- CS01(Credit Spread 01)は、クレジット・スプレッドが 1bp(0.01%)上がったときの、クレジット・デフォルト・スワップなどの価格の変化額です。信用リスクの市場での価格が動いたときに、時価がどれだけ動くかを表します。
- CVACVA
- CVA(信用評価調整)は、取引相手がデフォルトする可能性をデリバティブの時価に反映する評価調整です。取引相手がデフォルトしない前提の時価と、デフォルトの可能性を加味した時価の差額にあたります。
- CVA デスクCVA desk
- CVA デスクは、先進的な金融機関が、ほかのトレーディング・デスクから独立して CVA を一元的に管理するために置く部署(か、同じ機能)です。CVA のヘッジ、リスク管理、価格付け、担保契約の見直しを担います。
- DTCCDTCC
- DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)は、米国ニューヨークに本拠を置く持株会社で、証券の清算と決済を担う取引後の市場インフラを運営します。デリバティブの取引情報を集める取引情報蓄積機関のサービスも提供します。
- DV01DV01
- DV01 は、市場の金利がすべて 1bp(0.01%)上がったときの、取引や資産の現在価値の変化額です。金利が動いたときに時価がどれだけ変わるかを表し、金利リスクの大きさを測るのに使います。
- DVADVA
- DVA(Debt Valuation Adjustment)は、自社がデフォルトする可能性をデリバティブの時価に反映する評価調整です。自社の信用力が下がるほど大きくなり、デリバティブの時価を引き上げる向きに働きます。
- EB 債Exchangeable bond
- EB 債は、決めた条件に当たると、満期に額面の金銭の代わりに、発行体とは別の会社の株式(対象株式)で償還される債券です。投資家は対象株式のプット・オプションを売ったのと同じ立場になり、その対価として利率が高くなります。
- ESG 連動のデリバティブESG-linked derivative
- ESG 連動のデリバティブは、金利スワップや通貨スワップなどの通常のデリバティブに、環境や社会の目標の達成状況で受け払いが変わる条件を加えた取引です。サステナビリティ・リンク・デリバティブともいいます。
- FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)FINMAC
- FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)は、特定非営利活動法人で、金融商品取引法の指定紛争解決機関として、証券会社などの顧客の苦情の解決と、金融機関との紛争のあっせんを行う機関です。
- FpMLFpML
- FpML(Financial products Markup Language)は、店頭デリバティブなどの取引の情報を電子的にやりとりして処理するための、XML で書くオープンソースの標準です。国際スワップ・デリバティブズ協会の後援を受けて開発されました。
- FRAFRA
- FRA(金利先渡取引)は、将来の決めた期間の金利について、今決めた約定金利と、期間の始めに決まる指標金利との差額を受け渡す取引です。差額は想定元本をもとに計算し、期間の始めに 1 回だけ受け渡します。
- FRTBFRTB
- FRTB(トレーディング勘定の抜本的見直し)は、バーゼル銀行監督委員会が 2016 年 1 月に公表し、2019 年 1 月に見直した、銀行の市場リスクの最低所要自己資本の枠組みです。内部モデル方式では、VaR に代えてストレス期間の期待ショートフォールを使います。
- FVAFVA
- FVA(Funding Valuation Adjustment)は、担保のない取引で生じる資金調達のコストをデリバティブの時価に反映する評価調整です。担保でカバーされない時価のプラスの部分に、自社の資金調達のスプレッド(ファンディング・スプレッド)を掛けて求めます。
- IFRS 会計基準IFRS Accounting Standards
- IFRS 会計基準は、国際会計基準審議会(IASB)が策定する会計基準で、140 を超える法域で使用が求められています。デリバティブを含む金融商品にも適用されます。
- ISDAISDA
- ISDA(国際スワップス・デリバティブズ協会)は、店頭デリバティブ市場の主要な参加者でつくる業界団体です。1985 年に設立され、店頭デリバティブの標準の契約書であるマスター契約を作っています。
- ISDA CDMISDA CDM
- ISDA CDM(Common Domain Model)は、金融商品、その商品の取引、取引のライフサイクル・イベントを、機械が読めて実行もできる形で表す標準のデータモデルです。オープンソースの仕様として公開されています。
- ISDA プロトコルISDA protocol
- ISDA プロトコルは、ISDA(International Swaps and Derivatives Association)が用意した契約改定の文書に当事者が批准することで、批准した当事者どうしの対象の契約を一斉に修正する仕組みです。ISDA マスター契約や CSA などの既存の契約を、多数の相手と同じ内容に直すときに使います。
- ISDA マスター契約ISDA Master Agreement
- ISDA マスター契約は、国際スワップス・デリバティブズ協会(ISDA)が作った、店頭デリバティブの基本契約書の書式です。同じ相手と結ぶ取引すべてに共通する条件を定め、取引ごとの条件は確認書に書きます。
- KVAKVA
- KVA(Capital Valuation Adjustment)は、デリバティブの取引を満期まで続けるために持つ規制資本のコストを、現在価値で表した評価調整です。将来の所要資本にハードル・レートを掛け、割り引いて足し合わせて求め、時価を下げる向きに働きます。
- LEILEI
- LEI(取引主体識別子)は、取引をする法人を世界共通で識別するための、ISO 17442 に従う 20 文字の英数字のコードです。店頭デリバティブの取引情報の報告で、報告する者と取引の当事者を示すのに使います。
- LIBORLIBOR
- LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は、パネル銀行がロンドンの銀行間市場で無担保で資金を借りるときの金利を呈示し、運営機関が集計して通貨と期間ごとに公表していた指標金利です。2024 年 9 月 30 日の公表を最後に、すべての公表が終わりました。
- LIBOR マーケット・モデルLIBOR market model
- LIBOR マーケット・モデルは、3 か月や 6 か月といった一定の期間の単利のフォワードレートを、市場で見える金利のまま確率的に動かして、金利デリバティブを評価するモデルです。
- MVAMVA
- MVA(Margin Valuation Adjustment)は、差し入れる当初証拠金を資金調達するコストを、デリバティブの時価に反映する評価調整です。将来の各時点の当初証拠金の期待値に、ファンディング・スプレッドを掛け、取引の期間で積み上げて求めます。
- n 番目のデフォルトNth-to-default
- n 番目のデフォルトは、複数の参照組織を束ねたバスケットのうち、n 番目にデフォルトした 1 社の損失を売り手が補償する CDS です。n 番目のデフォルトで取引は終わり、n が 1 の場合がファースト・トゥ・デフォルトです。
- NDFNDF
- NDF(ノン・デリバラブル・フォワード)は、2 者が、将来の決めた日に公表される為替相場と、約定した相場との差額だけを、米ドルなどの 1 つの通貨で受け払いする取引です。
- OISOIS
- OIS(Overnight Index Swap)は、固定金利と、一定期間の翌日物金利を複利で計算した変動金利を交換する金利スワップです。日本円の OIS は無担保コール翌日物レートを参照し、その固定金利を OIS レートと呼びます。
- PRDCPRDC
- PRDC(Power Reverse Dual Currency)は、一方が利払日の為替レートで金額が決まるクーポンを、もう一方が円などの変動金利を、長い期間にわたって交換する為替と金利のスワップです。
- PRIIPsPRIIPs
- PRIIPs(packaged retail and insurance-based investment products)は、EU の規則 (EU) No 1286/2014 が対象にする商品の総称で、小口投資家が受け取る金額が、参照する値や投資家が直接買わない資産の成績で変わる投資と、満期や解約の返戻金が市場の変動にさらされる保険商品を指します。
- SA-CCRSA-CCR
- SA-CCR(カウンターパーティ信用リスクエクスポージャーの計測に係る標準的手法)は、自己資本比率規制で、デリバティブ取引のデフォルト時エクスポージャーを、再構築コストとポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーから計算する標準的な方式です。
- SA-CVASA-CVA
- SA-CVA(CVA リスクの標準的方式)は、CVA リスクの資本賦課で、CVA とヘッジ手段のリスク感応度にリスク・ウェイトを掛け、相関を使って合算して資本を求める方式です。使うには、金融庁長官の承認が要ります。
- SABR モデルSABR model
- SABR モデルは、フォワードとそのボラティリティが、相関を持つ 2 つのブラウン運動で動くと仮定する確率的ボラティリティ・モデルです。ハーガンらが 2002 年に示した近似式でインプライド・ボラティリティを行使価格ごとに求められるため、金利のオプションのボラティリティ・スマイルの補間に使われます。
- SIMMSIMM
- SIMM(Standard Initial Margin Model)は、清算機関を通さない店頭デリバティブの当初証拠金を、取引の感応度にリスク・ウェイトを掛け、相関を使って足し合わせて計算するモデルです。国際スワップ・デリバティブ協会が公表する、業界標準のモデルです。
- SOFRSOFR
- SOFR(Secured Overnight Financing Rate)は、米国債を担保にした翌日物のレポ取引の金利をもとに、ニューヨーク連邦準備銀行が営業日ごとに算出して公表する米ドルの指標金利です。取引量で重み付けした中央値で、取引の翌営業日に公表します。
- SONIASONIA
- SONIA(Sterling Overnight Index Average)は、担保のない翌日物の英ポンドの預金取引の金利をもとに、イングランド銀行が営業日ごとに算出して公表する英ポンドの指標金利です。取引量で見て上下 25% ずつを除いた刈り込み平均で、取引の翌営業日に公表します。
- STPSTP
- STP(Straight-Through Processing)は、取引の約定から決済までの処理を、標準の形式のメッセージでシステムどうしを自動でつなぎ、人の手を介さずに一続きで行うことです。
- TARFTARF
- TARF(ターゲット・リデンプション・フォワード)は、決まった日ごとに決めた相場で通貨を売買する予約を何回か連ね、利益の累計があらかじめ決めた目標に届くか超えると、残りの予約がすべて消える為替のデリバティブです。
- TIBORTIBOR
- TIBOR(東京銀行間取引金利)は、全銀協 TIBOR 運営機関が毎営業日に算出して公表する、銀行間の無担保の資金取引の実勢を表す円の指標金利です。1 週間物から 12 か月物までの 5 つの期間があり、利息を計算する期間が始まる前に値が決まります。
- TLACTLAC
- TLAC(総損失吸収力)は、世界的に重要な銀行(G-SIB)が、破綻処理で損失を吸収し、資本を立て直すために、あらかじめ持つことを求められる資本と負債の額を定める国際基準です。
- TONATONA
- TONA(無担保コール翌日物金利)は、金融機関どうしが担保なしで今日借りて翌営業日に返す資金の金利を、日本銀行が営業日ごとに出来高で加重平均して公表する指標金利です。日本円のリスク・フリー・レートとして、OIS や後決め複利の変動金利に使われます。
- TORFTORF
- TORF(東京ターム物リスク・フリー・レート)は、QUICK ベンチマークスが算出・公表する、1 か月物、3 か月物、6 か月物のターム物金利の指標です。
- UPIUPI
- UPI(固有商品識別子)は、店頭デリバティブの取引情報の報告で、取引した商品を識別するための、ISO 4914 に従うコードです。商品を表す参照データの項目と値の組に付け、日本の報告事項では 12 文字で、Derivatives Service Bureau が決めた値を使います。
- UTIUTI
- UTI(固有取引識別子)は、店頭デリバティブの取引情報の報告で、報告の対象になる取引の 1 件ごとに付ける固有のコードです。ISO 23897:2020 に従う最大 52 文字の英数字で、最初の 20 文字は UTI を付けた者の取引主体識別子です。
- VaRVaR
- VaR(バリュー・アット・リスク)は、持ち高を決めた期間(保有期間)持ち続けたときに、決めた確率(信頼水準)の範囲で生じうる最大の損失額です。
- VIXVIX
- VIX(Cboe Volatility Index)は、S&P 500 指数のオプションの価格から Cboe が算出する、米国の株式市場の今後 30 日の予想変動率を年率の % で表した指数です。
- WTI 原油WTI crude oil
- WTI 原油は、米国で生産される軽質で硫黄分の少ない原油です。オクラホマ州クッシングの取引の拠点での価格が、ブレント原油、ドバイ原油と並ぶ原油の価格の主な指標になっています。
- XVAXVA
- XVA は、デリバティブの時価に、取引相手と自社の信用リスクや、資金調達、当初証拠金、規制資本のコストを反映する評価調整の総称です。
あ
- アウト・オブ・ザ・マネーOut of the money
- アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)は、オプションの買い手が権利行使をするとき、行使による差額(原資産の価格と行使価格の差)が損失になる状態です。コールでは行使価格が原資産の価格を上回るとき、プットでは行使価格が原資産の価格を下回るときです。
- アジアン・オプションAsian option
- アジアン・オプションは、満期の原資産の価格ではなく、期間中に決めた日に観測した価格の平均で受け取りが決まるオプションです。
- アタッチメント・ポイントとデタッチメント・ポイントAttachment point and detachment point
- アタッチメント・ポイントは、トランシェが損失を負い始める、ポートフォリオの損失の水準です。デタッチメント・ポイントは、損失がそこに達するとトランシェの元本をすべて失う水準です。
- アット・ザ・マネーAt the money
- アット・ザ・マネー(ATM)は、オプションの買い手が権利行使をするとき、行使による差額(原資産の価格と行使価格の差)が生じない状態です。コールもプットも、行使価格と原資産の価格が等しいときです。
- アドオンAdd-on
- アドオンは、SA-CCR で、将来の潜在的なエクスポージャー額の元になる、資産クラスごとの額です。取引ごとに想定元本などから実効想定元本を求めて掛目を掛け、ヘッジ集合と資産クラスで集計して求めます。
- 後決め複利Compounding in arrears
- 後決め複利は、利息の期間中の日々の翌日物金利を期間の終わりに複利で積み上げて、その期間の利率を決める計算の方法です。TONA を参照する OIS や貸出で、変動金利の利息を求めるために使います。
- アファメーションAffirmation
- アファメーションは、ブローカーや取引の場などから送られてきた取引の内容を、取引の当事者が内容を点検して受け入れる手続きです。受け入れると、取引の記録の作成や取引の確認などの次の手続きが始まります。
- アフィン・モデルAffine model
- アフィン・モデルは、短期金利や割引債の利回り(ゼロクーポンレート)が、いくつかのファクターのアフィン関数(定数に 1 次式を足した形)で書ける金利のモデルです。ファクターが短期金利 r だけの例として、ハル・ホワイト・モデルでは、割引債の価格は A·exp(B·r) の形で書けます。
- アメリカン・オプションAmerican option
- アメリカン・オプションは、買い手が取引を始めてから取引最終日までのいつでも権利を行使できるオプションです。
- 暗号資産Crypto-asset
- 暗号資産は、資金決済法が、代価の弁済に不特定の者へ使え、不特定の者を相手に売買できる電子的な財産的価値で、電子情報処理組織で移転できるもの(通貨などを除く)と、それと相互に交換できるものとして定める財産的価値です。日本では、暗号資産を対象にしたデリバティブ取引は金融商品取引法の規制の対象です。
- 安定調達比率Net stable funding ratio
- 安定調達比率(NSFR)は、満期までが長い資産や、売りにくい資産を多く持つ銀行に、資金の出どころも中長期で安定したものにするよう求める規制で、利用可能な安定調達額を所要安定調達額で割った比率を 100% 以上にします。
- イールドカーブYield curve
- イールドカーブは、金利と満期までの残りの期間の関係を表したものです。年限ごとの金利を並べて表し、スワップの固定金利や OIS の固定金利など、もとにする金利ごとに別のカーブになります。
- 一括清算Close-out netting
- 一括清算は、同じ相手と基本契約書に基づいて結んだ複数のデリバティブなどの取引について、相手が破綻したときに評価額を合算して差し引き、1 つの債権か債務にすることです。
- 一般誤方向リスクGeneral wrong-way risk
- 一般誤方向リスクは、取引相手の PD が金利、株式、為替などの一般的な市場のリスクファクターと正の相関を持つことで、エクスポージャーが増える場面で相手の PD も高まるリスクです。
- 移転価格Transfer price
- 移転価格は、同じ企業グループに属する企業どうしが、モノや無形資産の移転、役務の提供、金融取引などに付ける価格です。税務では、関係のない者どうしの取引の価格と比べます。
- 伊藤の補題Ito's lemma
- 伊藤の補題は、ブラウン運動で動く量 X の関数 f(t, X) の微小な変化を、ふつうの連鎖律に 2 階微分の項を 1 つ足して表す公式です。幾何ブラウン運動の解やブラック・ショールズの偏微分方程式を導くのに使われます。
- イングランド銀行Bank of England
- イングランド銀行は、英国の中央銀行で、金融政策の運営と金融システムの安定を担います。健全性規制機構を一部とし、略称は BoE です。
- インサイダー取引Insider trading
- インサイダー取引は、上場会社などの公表されていない重要な情報を知った者が、その情報の公表前に、その会社の株券などの売買等をすることです。日本では金融商品取引法が、一定の者によるこの取引と、他人への情報の伝達や取引の推奨を禁じています。
- イン・ザ・マネーIn the money
- イン・ザ・マネー(ITM)は、オプションの買い手が権利行使をするとき、行使による差額(原資産の価格と行使価格の差)が利益になる状態です。コールでは行使価格が原資産の価格を下回るとき、プットでは行使価格が原資産の価格を上回るときです。
- インプライド・ボラティリティImplied volatility
- インプライド・ボラティリティは、オプションの市場価格を評価の式(ブラック・ショールズ・モデルなど)に入れ、逆に解いて求めたボラティリティです。ボラティリティが高いほどプレミアムは高くなり、両者は 1 対 1 に対応するため、通貨オプションの市場では価格をインプライド・ボラティリティで示します。
- インフレ・キャップInflation cap
- インフレ・キャップは、物価の上昇率が決めた水準(ストライク)を上回った分に想定元本を掛けた金額を受け取る権利を売買する取引です。物価の上昇に伴う負担に上限を付けるのに使います。
- インフレ・スワップInflation swap
- インフレ・スワップは、2 つの当事者が、決めた期間の物価指数の上昇率に連動する金額と、あらかじめ決めた固定の率による金額を交換する取引です。物価の上昇のリスクを移すのに使われます。
- インフレ・フロアInflation floor
- インフレ・フロアは、物価の上昇率が決めた水準(ストライク)を下回った分に想定元本を掛けた金額を受け取る権利を売買する取引です。物価が下がったときの収入や元本に下限を付けるのに使います。
- 受渡日Delivery date
- 受渡日は、金融商品の取引で、売買の決済をする日です。
- 運賃先物Forward freight agreement (FFA)
- 運賃先物(FFA)は、船主や運航会社などの 2 者が、航路や船の種類を決め、将来の決めた期間の運賃を契約で固定して、契約の運賃と期間中の運賃の指数との差額を現金で受け払いする取引です。
- 運賃指数Freight index
- 運賃指数は、海上の貨物輸送の運賃を、航路や船の種類ごとに数字にした指数で、運賃先物(FFA)の受け払いを決める原資産に使われます。
- 営業日の調整Business day convention
- 営業日の調整は、利払日などの予定日が休日に当たるときに、その日を前後のどの営業日にずらすかの決まりです。
- 英国銀行協会British Bankers' Association
- 英国銀行協会は、英国の銀行の業界団体で、2014 年 2 月まで LIBOR の定義を定め、運営していました。略称は BBA です。
- 英国金融行為監督機構Financial Conduct Authority
- 英国金融行為監督機構は、英国の金融サービスの企業の行為を規制する独立の公的機関で、消費者の保護、英国の金融システムの健全性の保護、消費者の利益になる有効な競争の促進を、運営上の目的とします。略称は FCA です。
- エキゾチック・オプションExotic option
- エキゾチック・オプションは、標準的なコールとプット(バニラ・オプション)に、受け取りの決め方や権利が有効になる条件などを加えたオプションです。
- エクイティ・スワップEquity swap
- エクイティ・スワップは、2 つの当事者が、株式や株価指数のリターンと、変動金利をもとにした金利を、決めた期間にわたって交換する取引です。株式のリターンを受け取る側は、株式を買わずに株価の値動きに連動する受け払いを受け取れます。
- エクスポージャーExposure
- エクスポージャーは、取引相手が破綻したときに失いうる額です。デリバティブでは、取引相手との取引の時価のプラスの部分(マイナスなら 0)を指し、回収がないとした場合に失う額にあたります。
- €STR€STR
- €STR(euro short-term rate)は、ユーロ圏の銀行が担保なしで翌日物のユーロを借りる取引の金利をもとに、欧州中央銀行が営業日ごとに算出して公表するユーロの指標金利です。取引量で見て上下 25% ずつを除いた刈り込み平均で、取引の翌営業日に公表します。
- 欧州市場インフラ規則European Market Infrastructure Regulation
- 欧州市場インフラ規則(EMIR)は、店頭デリバティブの清算、清算されない取引のリスク管理、デリバティブ契約の報告を、EU の金融機関や事業会社に求め、清算機関と取引情報蓄積機関の要件を定める EU の規則です。
- 欧州証券市場監督機構European Securities and Markets Authority
- 欧州証券市場監督機構は、EU の金融市場の規制と監督を担う独立の EU 機関で、投資者の保護、秩序ある市場、金融の安定を使命とします。
- 欧州中央銀行European Central Bank
- 欧州中央銀行は、ユーロ圏の中央銀行で、物価の安定を主な任務とし、ユーロ圏の銀行を監督します。1998 年 6 月 1 日に設立され、略称は ECB です。
- オーストラリア健全性規制庁(APRA)Australian Prudential Regulation Authority (APRA)
- オーストラリア健全性規制庁(APRA)は、オーストラリアの健全性規制の当局で、銀行法などに基づく健全性基準を定め、そのうち CPS 226 で、清算されない店頭デリバティブの証拠金を求めます。
- オーストラリア証券投資委員会(ASIC)Australian Securities and Investments Commission (ASIC)
- オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、オーストラリアの金融規制当局で、店頭デリバティブについて、取引情報の報告と中央清算の義務を定めるデリバティブ取引規則を作り、執行します。
- オートコールAutocallable
- オートコールは、仕組債などで、あらかじめ決めた観測日に原資産の価格が決めた水準以上になると、満期の前に自動的に償還される仕組みです。償還されると、投資家は元本とあらかじめ決めたクーポンを受け取ります。
- オプションOption
- オプションは、原資産をあらかじめ決めた価格で、将来の決めた時期に買う権利か売る権利を売買する取引です。買い手は代金(プレミアム)を払って権利を持ち、売り手は買い手が権利を使えば応じる義務を負います。
- オプションのスプレッドOption spread
- オプションのスプレッドは、満期や行使価格の違うオプションを、買いと売りで組み合わせる取引です。
- オペレーショナル・リスクOperational risk
- オペレーショナル・リスクは、業務の過程、役職員の活動、システムが不適切であったり機能しなかったりすること、または外生的な事象によって、金融機関が損失を被るリスクです。自己資本比率規制の定義では法的リスクを含み、戦略リスクと風評リスクを除きます。
か
- 会員の破綻時のオークションDefault auction
- 会員の破綻時のオークションは、清算会員が破綻したときに、清算機関が破綻した会員のポジションを、破綻していない会員が参加するオークションで処理する方法です。CDS のクレジット・イベントの後に決済価格を決めるオークションとは別のものです。
- 外貨償還特約付預金Deposit with a foreign-currency repayment clause
- 外貨償還特約付預金は、判定日の為替相場によって、元本が円で払い戻されるか外貨で払い戻されるかが決まる仕組預金です。判定レートより円高になると、元本は判定レートで外貨に換えて払い戻されます。
- 回収率Recovery rate
- 回収率は、参照組織がデフォルトしたときに、その債券の額面のうち回収できる割合です。CDS では、デフォルトのときにプロテクションの売り手が払う額が、想定元本 ×(1 − 回収率)になります。
- 解約清算金Termination payment
- 解約清算金は、デリバティブ取引を期日の前に解約するときに、当事者の一方が他方に払う金額です。額は残りの期間の取引の時価をもとにし、取引を組み直す費用などが加わることがあります。
- ガウシアン・コピュラGaussian copula
- ガウシアン・コピュラ(Gaussian copula)は、コピュラのうち、相関を持つ標準正規分布に従う値の組から依存関係を作るものです。クレジットでは、各社の値を共通要因と社ごとの要因で作るワンファクターの形が、トランシェの評価に使われます。
- カウンターパーティ・クレジットリスクCounterparty credit risk
- カウンターパーティ・クレジットリスクは、デリバティブなどの取引相手が取引を決済し終える前に破綻し、時価がプラスの取引で受け取るはずだった価値を失うリスクです。失いうる額が相場とともに変わり、取引の両方の当事者が負う側になりうる点が、貸出の信用リスクと違います。
- 確率的ボラティリティStochastic volatility
- 確率的ボラティリティは、ボラティリティを定数にも時間や原資産の価格の関数にもせず、原資産とは別のランダムな動きに従って変わるものとして扱うことです。ボラティリティ・スマイルを表すために使われる考え方の 1 つです。
- 確率微分方程式Stochastic differential equation
- 確率微分方程式は、確率過程 X の微小な変化を、時間に比例する項(ドリフト)とブラウン運動の増分に比例する項の和で表す式です。株価などの動きを表すモデルを、短い時間の動きの形で書くのに使われます。
- カストディアンCustodian
- カストディアンは、他人のために証券などの資産を預かって保管する機関です。デリバティブの担保では、受け取った当初証拠金を受け取った側の資産と分けて管理する方法の例として、カストディアンを使うことが挙げられています。
- カナダ金融機関監督庁Office of the Superintendent of Financial Institutions
- カナダ金融機関監督庁は、OSFI 法に基づいてカナダ連邦政府の中に置かれた機関で、連邦の金融機関と年金制度を規制し、監督します。略称は OSFI です。
- カバード・コールCovered call
- カバード・コールは、原資産を持ったまま、その原資産を対象とするコール・オプション(コール)を売る組み合わせです。受け取るプレミアムの分だけ損益が増える代わりに、原資産の値上がりの利益に上限ができます。
- 株価指数オプションEquity index option
- 株価指数オプションは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)のような株価指数を原資産にして、決めた価格で買う権利か売る権利を売買するオプションです。
- 株価指数先物Equity index futures
- 株価指数先物は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)のような株価指数を取引の対象にした先物です。
- 株価指数連動債Equity index-linked note
- 株価指数連動債は、日経平均株価などの株価指数の動きによって、満期の償還額やクーポンが決まる債券です。満期に額面で償還されることを条件にする、いわゆる元本確保型と、指数が決めた水準まで下がり、満期の指数も当初価格を下回ると償還額が額面を下回るノックイン付きの型があります。
- カレント・エクスポージャーCurrent exposure
- カレント・エクスポージャーは、今の時価をもとにした、取引相手がデフォルトしたときに失う額です。ネッティング・セットの時価がプラスならその額で、マイナスなら 0 です。
- 為替スワップFX swap
- 為替スワップは、2 つの当事者が、外貨と円などの 2 つの通貨を今決めた相場で交換し、決めた期日に、同じ額の外貨を今決めた別の相場で逆の向きに交換し直す取引です。ある通貨を担保にして、別の通貨を一定の期間借りるのと同じ働きをします。
- 為替予約FX forward
- 為替予約は、企業などの顧客と銀行が、将来の決めた日か期間に、外貨と円を今決めた相場で交換する取引です。
- 為替リスクCurrency risk
- 為替リスクは、為替相場が変わることで損失が生じるおそれです。外貨建ての売掛金や買掛金は、円に換えたときの金額が為替相場によって変わります。
- 監督指針Supervisory guidelines
- 監督指針は、金融庁が、銀行や金融商品取引業者などの検査・監督を担う職員向けに公表している手引書で、監督の基本的な考え方、事務処理の留意点、評価項目(着眼点)を業態ごとにまとめたものです。評価項目の例は、市場リスク管理や顧客への説明などです。
- ガンマGamma
- ガンマは、原資産の価格が少し動いたときに、オプションのデルタがどれだけ変わるかを表す量です。オプションの買いではプラスで、原資産の価格が行使価格の近くにあるときに大きくなります。
- 幾何ブラウン運動Geometric Brownian motion
- 幾何ブラウン運動は、価格の対数がドリフト付きのブラウン運動に従う確率過程です。ある時点の価格は対数正規分布に従い、ブラック・ショールズ・モデルで株価などの動きを表すのに使われます。
- 機関投資家Institutional investor
- 機関投資家は、日本版スチュワードシップ・コードでは、資金の運用を受託して投資する運用機関と、その資金の出し手を含むアセットオーナーに大別される投資家です。金融庁が公表するリストでは、信託銀行等、投信・投資顧問会社等、生命保険・損害保険会社、年金基金等、その他に区分されています。
- 貴金属Precious metal
- 貴金属は、金、銀、プラチナ(白金)、パラジウムの金属で、コモディティの取引では非鉄金属と分けて扱います。日本銀行金融研究所の論文は、貴金属を、消費するコモディティとしての性質より金融資産としての性質が強いと説明しています。
- 期限前償還Redemption before maturity
- 期限前償還は、発行体が選んで、債券を満期の前に償還することです。コーラブル債では、発行体が償還するかどうかを選びます。
- 期限前解約Early termination
- 期限前解約は、デリバティブ取引を、決めた期日の前に終えることです。顧客の申し出による中途解約と、デフォルトなど契約で決めた事由によるものがあります。
- 期待エクスポージャーExpected exposure
- 期待エクスポージャーは、将来のある時点のエクスポージャーの平均です。シナリオごとに時価のプラスの部分をとってから平均し、CVA の計算に使います。
- 期待エクスポージャーの平均Expected positive exposure
- 期待エクスポージャーの平均は、将来の時点ごとの期待エクスポージャーを、時点の間の長さで加重して平均した値です。規制では、期待エクスポージャーをそれまでの最大値に置き換えてから最初の 1 年で平均した実効 EPE を使います。
- 期待ショートフォールExpected shortfall
- 期待ショートフォールは、損失が VaR を超えたときの損失の平均を表す、市場リスクの量です。VaR が映さない分布の裾の損失の大きさを測るために使います。
- ギブアップGive-up
- ギブアップは、あるブローカーが顧客のために執行した取引を、顧客の指示で別のブローカーに引き渡すことです。
- 基本情報文書(KID)Key information document (KID)
- 基本情報文書(KID)は、EU の PRIIPs 規則に基づき、商品の作成者が作り、販売者が契約の前に小口投資家へ渡す、商品の性質、リスク、費用、損益の可能性を示す書類です。
- キャッシュフローCash flow
- キャッシュフローは、取引や資産から生まれるお金の受け払いを、誰が、いつ、受け取るか支払うか、いくらかで表したものです。利息や元本の受け払いがその例で、将来のキャッシュフローを割り引いて足し合わせると現在価値になります。
- キャッシュ・フロー・ヘッジCash flow hedge
- キャッシュ・フロー・ヘッジは、認識済みの資産・負債の将来のキャッシュフローの変動や、実行の可能性が非常に高い予定取引のキャッシュフローの変動を、ヘッジする関係で、ヘッジ会計の型の 1 つです。
- キャットボンドCatastrophe bond
- キャットボンドは、保険会社などのスポンサーが特別目的の媒体(SPV)を通じて発行し、決めた災害などの事象が起きると、投資家の元本の一部または全部がスポンサーに渡る債券です。事象が起きなければ、投資家はクーポン(利息)と元本を受け取ります。
- キャットボンドのトリガーCat bond trigger
- キャットボンドのトリガーは、担保が投資家ではなくスポンサーに渡るかどうかを決める、事象の条件です。スポンサーの実際の保険金、風速や地震の規模などの測定値、産業全体の損害などで定めます。
- キャップ・アンド・トレードCap and trade
- キャップ・アンド・トレードは、事業者の排出量に上限(キャップ)を設けて排出枠を配り、実際の排出量との差を事業者の間で取引することを認める制度です。排出量取引制度とも呼ばれます。
- キャップレットCaplet
- キャップレットは、金利キャップのうち、利払いの 1 期間分だけを取り出したオプションです。期間の初めに決まる変動金利が行使金利を上回った分に、期間の長さと想定元本を掛けた金額を、期間の終わりに受け取ります。
- キャリブレーションCalibration
- キャリブレーションは、モデルが出す価格が市場で付いている価格に合うように、モデルのパラメータを選ぶ手続きです。取引の多い商品の市場価格に合わせたモデルで、市場に価格の付かない商品を評価します。
- 記録の保存Record keeping
- 記録の保存は、金融機関が法令に基づき、業務と取引の記録を作り、定められた期間と方法で残すことをいいます。残した記録は、監督当局の検査や調査で使われます。
- 金融安定理事会Financial Stability Board
- 金融安定理事会は、各国の金融当局と国際的な基準設定機関の作業を国際的に調整し、金融規制や監督の政策づくりと実施を進める組織です。
- 金融委員会Financial Services Commission
- 金融委員会は、韓国で、金融政策と金融の監督などを担う、首相の所管下の中央行政機関です。
- 金融 ADR(裁判外紛争解決)Financial ADR
- 金融 ADR(裁判外紛争解決)は、金融機関と利用者のトラブルを、業態ごとに行政庁が指定した紛争解決機関が、弁護士などの紛争解決委員の和解案によって、裁判以外の方法で解決を図る制度です。
- 金融カウンターパーティFinancial counterparty
- 金融カウンターパーティは、欧州市場インフラ規則(EMIR)が列挙する、投資会社、信用機関、保険会社、投資ファンドなどの区分です。EMIR の義務の対象を分ける 2 つの区分の 1 つで、もう 1 つは非金融カウンターパーティです。
- 金融活動作業部会Financial Action Task Force
- 金融活動作業部会(FATF)は、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融への対策の国際基準である「40 の勧告」を策定し、加盟国の実施状況を相互に審査する国際的な枠組みです。
- 金融経済教育推進機構Japan Financial Literacy and Education Corporation
- 金融経済教育推進機構は、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に基づき 2024 年 4 月に設立された、金融庁所管の認可法人です。中立・公正な立場から、官民一体で金融経済教育を進める唯一の公的機関とされます。略称は J-FLEC です。
- 金融サービス機構Financial Services Authority
- 金融サービス機構は、2000 年の金融サービス・市場法に基づき、英国の金融サービスを規制した当局です。2013 年 4 月 1 日に、行為規制と一部の健全性規制を英国金融行為監督機構が引き継ぎました。略称は FSA で、日本の金融庁の英語の略称と同じです。
- 金融サービス仲介業Financial service intermediary business
- 金融サービス仲介業は、預金等媒介業務、保険媒介業務、有価証券等仲介業務、貸金業貸付媒介業務のいずれかを業として行うことで、内閣総理大臣の登録を受けた者(金融サービス仲介業者)だけが行えます。
- 金融サービス提供法Financial Services Provision Act
- 金融サービス提供法は、金融商品を販売する者に重要事項の説明を求め、説明をしなかったときの損害賠償責任を定め、金融サービス仲介業者の登録制度を置く法律です。正式名称は「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」で、旧名は「金融商品の販売等に関する法律」(金融商品販売法)です。
- 金融商品市場規則(MiFIR)Markets in Financial Instruments Regulation (MiFIR)
- 金融商品市場規則(MiFIR)は、EU が 2014 年に定めた規則で、取引データの公表、当局への取引報告、取引基盤でのデリバティブ取引などを定め、加盟国に直接適用されます。
- 金融商品市場指令(MiFID II)Markets in Financial Instruments Directive II (MiFID II)
- 金融商品市場指令(MiFID II)は、EU が 2014 年に定めた指令で、投資会社の認可と運営の条件、規制市場、データ提供サービスの事業者、当局の監督と協力を定めます。
- 金融商品取引業者Financial instruments business operator
- 金融商品取引業者は、金融商品取引法に基づく登録を受けて、金融商品取引業を行う者です。デリバティブ取引では、店頭デリバティブ取引などを業として行うために、第一種金融商品取引業の登録を受けます。
- 金融庁Financial Services Agency
- 金融庁は、内閣府の外局として置かれた行政機関で、金融機能の安定、預金者や投資者などの保護、金融の円滑を任務とし、金融制度の企画立案と、銀行や金融商品取引業者などの検査・監督を担います。略称は FSA です。
- 金利キャップInterest rate cap
- 金利キャップは、変動金利が決めた水準(行使金利)を上回った利払いの期間ごとに、その差に想定元本と期間の長さを掛けた金額を受け取る権利を売買する取引です。変動金利で借りている企業が、利払いの負担に上限を付けるために使います。
- 金利先物Interest rate futures
- 金利先物は、将来の決まった期間の短期金利を対象に、「100 − 金利」で表した価格で取引所で売買する先物取引です。
- 金利スワップInterest rate swap
- 金利スワップは、同じ通貨の同じ想定元本について、固定金利の利息と変動金利の利息を交換する取引です。
- 金利の確定Rate fixing
- 金利の確定は、変動金利の取引で、利息の期間ごとに、その期間の利息の計算に使う指標金利の値を決めることです。決まる時期で、TIBOR のような前決めと、TONA の後決め複利のように支払日の直前に決まる後決めに分かれます。
- 金利フロアInterest rate floor
- 金利フロアは、変動金利が決めた水準(行使金利)を下回った利払いの期間ごとに、その差に想定元本と期間の長さを掛けた金額を受け取る権利を売買する取引です。変動金利を受け取る側が、受け取る金利に下限を付けるために使います。
- 金利平価Covered interest parity
- 金利平価は、2 つの通貨の間の先物相場が、直物相場と 2 つの通貨の金利で決まるという関係です。先物相場がこの関係からずれると、預金と為替予約を組み合わせた裁定ができます。
- 金利リスクInterest rate risk
- 金利リスクは、金利が変わることで損失が生じるおそれです。変動金利で借りている事業会社では、金利が上がると支払う利息が増えます。
- クオント・オプションQuanto option
- クオント・オプションは、外国の通貨で値が付く原資産のオプションで、受け取りを取引の初めに決めた為替レートで自国の通貨に換えるものです。
- 組込デリバティブEmbedded derivative
- 組込デリバティブは、債券、預金、貸出などの契約に組み込まれ、その契約の利息、償還の金額、満期を指標の値に応じて変えるデリバティブです。
- グリークスGreeks
- グリークスは、原資産の価格、ボラティリティ、時間の経過、金利が少し動いたときに、オプションの価格がどれだけ変わるかを表す量をまとめた呼び名です。デルタ、ガンマ、ベガ、セータ、ローがあり、ガンマだけは価格ではなくデルタの変化を表します。
- グリーンウォッシュGreenwashing
- グリーンウォッシュは、サステナビリティに関する説明や行動が、企業、金融商品、金融サービスの実際の姿を明確かつ公正に映しておらず、投資家などを誤解させるおそれがある行為です。
- クリケットCliquet
- クリケットは、期間を 1 年ごとなどの期に区切り、各期の値上がり率に上限と下限を付けて合計し、その合計にも上限と下限を付けた率で受け取りが決まるオプションです。
- 繰延ヘッジDeferral hedge accounting
- 繰延ヘッジは、日本基準のヘッジ会計の方法の 1 つで、ヘッジ手段の損益や評価差額を、ヘッジ対象の損益が認識されるまで純資産の部に繰り延べます。
- クレジット・イベントCredit event
- クレジット・イベントは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で、プロテクションの売り手に支払いの義務を生じさせる、参照組織の倒産、支払不履行、リストラクチャリングなどの事由です。
- クレジット・サポート・アネックスCredit support annex
- クレジット・サポート・アネックス(CSA)は、店頭デリバティブの基本契約に付けて、担保の受け渡しの条件を定める条項です。担保の差し入れを求めない限度額(信用極度額)、受け渡しの最低金額、値洗いの頻度、担保に使える資産などを決めます。
- クレジット・スプレッドCredit spread
- クレジット・スプレッドは、社債の利回りから、同じ満期の国債の利回りを引いた差です。発行体の信用リスクに対する上乗せ幅を表し、CVA の計算では、取引相手のデフォルト確率を推計するもとになります。
- クレジット・デフォルト・スワップCredit default swap
- クレジット・デフォルト・スワップは、プロテクションの買い手が売り手にプレミアムを払い、参照組織にクレジット・イベントが起きたときに、売り手から支払いを受ける取引です。企業や国の信用リスクを対象にするデリバティブで、略して CDS と呼びます。
- クレジット・リンク債Credit-linked note
- クレジット・リンク債は、債券にクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプロテクションの売りを組み込み、参照組織にクレジット・イベントが起きると額面より少ない額で償還される債券です。投資家は参照組織の信用リスクを引き受ける対価として、上乗せした利息を受け取ります。
- グロスベースの市場価値Gross market value
- グロスベースの市場価値は、デリバティブ取引の市場価値を、ネッティングの契約による取引相手ごとの差し引きをする前の金額で合計したものです。受け取り超過の取引の正の市場価値と、払い超過の取引の負の市場価値を、それぞれ別に合計します。
- 経済制裁Economic sanctions
- 経済制裁は、国際約束の履行や国際平和への寄与などのために、特定の対象者との支払や取引などを制限する措置です。日本では、外国為替及び外国貿易法に基づき、主務大臣が支払や取引を許可制にして実施します。
- 契約締結前交付書面Pre-contract document
- 契約締結前交付書面は、金融機関がデリバティブ取引などの契約を結ぶ前に、金融商品取引法 37 条の 3 にもとづいて顧客に渡す、契約の概要、手数料、損失のおそれなどを書いた書面です。
- 経路依存型オプションPath-dependent option
- 経路依存型オプションは、満期の原資産の価格だけでなく、満期までにたどった価格によって受け取りが決まるオプションです。
- 決済額のネッティングPayment netting
- 決済額のネッティングは、同じ取引相手との、同じ日に同じ通貨で受け払う額を差し引いて、差額だけを受け払うことです。受け払いの回数と額を減らし、支払ったのに受け取れないときに失いうる額を小さくするために使います。
- 決済の不履行Settlement fail
- 決済の不履行は、決済日に受け取るはずの支払いが、取引相手から届かないことです。取引相手の破綻だけでなく、送り先の誤りなどの事務の誤りでも起きます。
- 限月Contract month
- 限月は、先物やオプションで、取引できる期限の月です。
- 現在価値Present value
- 現在価値は、将来に受け取るお金や支払うお金を、今の時点の価値に直した金額です。
- 原資産Underlying asset
- 原資産は、デリバティブの損益を決める元になる資産や指標です。株式、債券、外国為替のような金融商品のほか、金利の水準や、気温や降雨量のような指標も原資産になります。
- 健全性規制機構Prudential Regulation Authority
- 健全性規制機構は、イングランド銀行の一部として、英国の銀行、住宅金融組合、信用組合、保険会社、大手の投資会社の健全性を規制し、監督する当局です。略称は PRA です。
- 源泉徴収Withholding tax
- 源泉徴収は、所得を支払う者が、支払いの際に所得税の額を差し引き、国に納める仕組みです。日本の所得税法は、利子等や配当等の支払い、非居住者や外国法人への国内源泉所得の支払いなどについて、支払う者に徴収と納付を求めています。
- 限度枠Risk limit
- 限度枠は、金融機関が取引の部門やトレーダーに割り当てる、取ってよいリスクや損失の上限です。市場リスクでは、感応度や想定元本に置くポジション枠、VaR などに置くリスク・リミット、損失限度があり、リスク管理部門が日々の使用状況を点検します。
- 権利行使Exercise
- 権利行使は、オプションの保有者(買い手)が、オプション契約にもとづいて、行使価格で原資産の取引を実際に行うことです。
- 権利放棄Abandonment
- 権利放棄は、オプションの買い手が、権利行使期間の満了日になっても権利行使をしないことです。
- 交換比率Conversion factor
- 交換比率は、国債先物の受渡決済で、標準物の値段を受渡適格銘柄ごとの値段に換えるために掛ける係数です。銘柄と限月ごとに決まり、受渡決済代金は清算値段に交換比率を掛けて求めます。
- 恒久的施設Permanent establishment
- 恒久的施設は、外国法人が国内に持つ支店、工場など事業を行う一定の場所や、建設や据付けの工事の場所、自己のために契約を結ぶ権限のある者などをいいます。
- 行使価格Strike price
- 行使価格は、オプションで、原資産を買う権利や売る権利を行使するときの、あらかじめ決められた売買の価格です。
- 合成先物Synthetic forward
- 合成先物は、同じ満期、同じ行使価格のコール・オプションとプット・オプションを組み合わせて、先物の買いや売りに近い損益になるようにしたものです。コールを買ってプットを売ると、先物の買いに近い損益になります。
- 高品質流動資産High-quality liquid assets
- 高品質流動資産(HQLA)は、流動性が高く、ストレス時にも大きく値下がりせずに現金化できる資産で、流動性カバレッジ比率(LCR)の分子になります。金融庁の告示では適格流動資産と呼び、レベル 1、レベル 2A、レベル 2B に分けます。
- コーラブル債Callable bond
- コーラブル債は、発行体が、あらかじめ決めた日に、決めた価格で満期の前に償還できる権利(コール)を持つ債券です。投資家は、この権利を発行体に売った対価として、償還の条項のない同じ条件の債券より高い利率を受け取ります。
- コーラブル・スワップCallable swap
- コーラブル・スワップは、当事者の一方が、権利の対価と引き換えに、金利スワップを満期の前に解約できる権利を持つスワップです。期限前に返済できる債務を持つ機関が、債務とヘッジのスワップの期間のずれを避けるために使います。
- コール・オプションCall option
- コール・オプション(コール)は、オプションのうち、原資産をあらかじめ決めた価格(行使価格)で買う権利です。満期の原資産の価格が行使価格とプレミアムの合計より高ければ、コールの買い手は利益を得ます。
- コール市場Call money market
- コール市場は、銀行や証券会社などの金融機関が、日々の資金の過不足を調整するために、短期の資金を貸し借りする市場です。
- 国際決済銀行Bank for International Settlements
- 国際決済銀行は、1930 年に設立された、中央銀行を会員とする組織で、本部はスイスのバーゼルにあります。中央銀行間の協力の場を提供します。略称は BIS です。
- 国債先物JGB futures
- 国債先物は、実際に発行された国債ではなく、利率や償還までの期間を取引所が決めた実在しない国債(標準物)を取引の対象にした先物です。
- コ・ターミナル・スワップションCo-terminal swaption
- コ・ターミナル・スワップションは、原資産の金利スワップの終了日が同じで、行使日が違うスワップションの組です。バミューダン・スワップションの行使日ごとのヨーロピアンのスワップションにあたり、モデルを市場の価格に合わせるときの合わせる先にされます。
- 固定金利Fixed rate
- 固定金利は、取引や借入の期間を通じて、契約のときに決めた率から変わらない金利です。
- コピュラCopula
- コピュラは、複数の確率変数について、1 つずつの分布と、変数どうしの依存関係を分けて決め、組み合わせて同時の分布を作る関数です。クレジットでは、各社のデフォルトまでの時間を結び付けるのに使います。
- 個別株オプションSingle stock option
- 個別株オプションは、個別の会社の株式を原資産にして、決めた価格で買う権利か売る権利を売買する取引です。
- 個別誤方向リスクSpecific wrong-way risk
- 個別誤方向リスクは、取引の性質のために、特定の取引相手に対するエクスポージャーが、その相手の PD と同じ向きに増減するリスクです。取引相手と参照企業の間に法的な関係がある場合などに生じます。
- 誤方向リスクWrong-way risk
- 誤方向リスクは、取引相手の信用力が下がるときに、その取引相手に対するエクスポージャーも大きくなるリスクです。取引相手の破綻の確率が市場全体の要因と一緒に動く一般誤方向リスクと、特定の取引相手で破綻の確率とエクスポージャーが一緒に高まる個別誤方向リスクに分けることがあります。
- コモディティ・デリバティブCommodity derivative
- コモディティ・デリバティブは、原油や天然ガス、金属、農産物、電力などのコモディティや、その価格を原資産にするデリバティブです。
- コンダクト・リスクConduct risk
- コンダクト・リスクは、金融機関の役職員の行為が、顧客、市場、金融機関自身に悪い結果をもたらすリスクです。法令に定めがない行為や、法令を守っていても社会の期待から外れた行為も対象になります。
- コンタンゴContango
- コンタンゴは、同じ商品の先物の価格が、限月の遠いもの(期先)ほど高くなっている形です。
- コンベキシティ調整Convexity adjustment
- コンベキシティ調整は、CMS のように、期間の決まったスワップレートを 1 回の利払日に受け払いする商品で、今の市場から求めた先の金利に加える調整です。受け払いする時点の期待値として見た金利が、先の金利と一般には一致しないために要ります。
さ
- 最悪のシナリオWorst-case scenario
- 最悪のシナリオは、デリバティブ取引の説明で、取引の対象の金融指標などの水準が顧客に最も不利に動く場合を、過去のストレス時のデータなど合理的な前提で想定したものです。金融機関は、このシナリオでの想定最大損失額や解約清算金の試算額を顧客に説明します。
- 再構築コストReplacement cost
- 再構築コストは、取引相手が破綻したとき、同じ取引を今の相場で結び直すのにかかる額です。取引の時価がプラスならその時価にあたり、マイナスなら 0 とします。
- 最低受渡額Minimum transfer amount
- 最低受渡額は、担保の契約で、担保を受け渡す最低の金額です。必要な担保と今の担保の差がこの額に満たなければ、担保を受け渡しません。
- 裁定取引Arbitrage
- 裁定取引は、性格が同じ 2 つの商品の間で、割高な方を売って割安な方を買い、その価格差を利益にする取引です。
- 債務不履行事由Event of default
- 債務不履行事由は、デリバティブ取引の基本契約書で、相手方に倒産や支払の不履行などが起きたときに、取引を期限前に終えられるようにするものとして定めた事由です。
- 最良執行Best execution
- 最良執行は、金融商品取引業者などが、顧客の注文を最良の取引の条件で執行するために、方針と方法を定め、その方針に従って注文を執行することです。日本では金融商品取引法が定めています。
- 最割安銘柄Cheapest-to-deliver (CTD)
- 最割安銘柄(CTD)は、国債先物の受渡適格銘柄のうち、売り手が渡したときに最も有利になる銘柄です。受渡価格(先物の値段 × 交換比率)から現物価格を引いた値が最も大きい銘柄がこれに当たります。
- 先物相場Forward exchange rate
- 先物相場は、外国為替の売買で、取引の成約から 2 営業日目でない日に資金を受け渡す取引に使う相場です。2 つの通貨の金利で決まり、直物相場との差で表します。
- 先物取引Futures contract
- 先物取引は、将来の決めた日に今決めた価格で原資産を売買する約束を、取引所が決めた規格に従って取引所で売買する取引です。
- 先渡取引Forward contract
- 先渡取引は、買い手と売り手が、将来の決めた日に、今合意した価格で原資産と代金を交換する取引です。
- 差金決済Cash settlement
- 差金決済は、原資産や元本を受け渡さず、約定した値段などと決済の値段の差額だけを受け払いして決済する方法です。
- 参照組織Reference entity
- 参照組織は、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で、信用リスクの対象にする企業や国です。参照組織の倒産や支払不履行などがクレジット・イベントと認められると、プロテクションの売り手が買い手に支払います。
- 三線管理Three lines model
- 三線管理は、業務を行う部門が第一線、リスクの管理を専門知識で支えて牽制する部門が第二線、独立した内部監査が第三線となって、リスクの管理と牽制を分担する考え方です。オペレーショナル・リスクの管理の枠組みとして使われます。
- 時価(公正価値)Fair value
- 時価(公正価値)は、会計基準が、測定日に市場参加者の間の秩序ある取引で、資産を売ると受け取る価格、または負債を移すと払う価格として定める値です。
- 時価のレベルFair value hierarchy
- 時価のレベルは、時価(公正価値)の測定に使う入力を、観測できる度合いで 3 つに分ける区分です。レベル 1 は活発な市場の同一の資産・負債の相場、レベル 2 は観測できる入力、レベル 3 は観測できない入力です。
- 時間的価値Time value
- 時間的価値は、オプションのプレミアムのうち本質的価値を超える部分で、満期までに原資産の価格が有利な向きに動くことへの期待の値打ちです。満期までの期間が長いほど、ボラティリティが高いほど大きくなる傾向があり、満期が近づくと減ります。
- 閾値Threshold
- 閾値は、担保の契約で、相手に担保の差し入れを求めない限度額です。時価がこの額を超えた分だけ担保を受け渡すため、閾値までのエクスポージャーは担保で埋まりません。
- 直物相場Spot exchange rate
- 直物相場は、外国為替の売買で、取引の成約から 2 営業日目に資金を受け渡す取引に使う相場です。
- 資金移転価格(FTP)Funds transfer pricing (FTP)
- 資金移転価格(FTP)は、金融機関の中央の管理部門が、取引を始めた時点で測った資金調達と偶発的な流動性のリスクのコストと便益を、事業部門、商品、活動に社内で割り当てる手続きです。税務の移転価格とは別のものです。
- 資金流動性リスクFunding liquidity risk
- 資金流動性リスクは、金融機関などが、日々の業務や財務の状態を損なわずには、予定した支払いや予定していない支払いに応じたり、求められた担保を用意したりできなくなるリスクです。
- 仕組債Structured note
- 仕組債は、債券にスワップやオプションなどのデリバティブを組み合わせ、利息や償還の金額が株価、株価指数、金利、為替相場などの指標で決まる債券です。
- 仕組預金Structured deposit
- 仕組預金は、デリバティブ取引を組み込んだ預金の総称です。銀行が満期を決める権利を持ったり、払い戻しの通貨が為替相場で決まったりする代わりに、一般の預金より高い金利が期待できます。
- 仕組ローンStructured loan
- 仕組ローンは、通常の貸出にスワップやオプションなどのデリバティブ取引を組み合わせた貸出です。
- 自己勘定取引Proprietary trading
- 自己勘定取引は、ボルカールールでは、銀行事業体が本人(プリンシパル)として、自らのトレーディング勘定で金融商品を売買することです。
- 自己資本比率Capital adequacy ratio
- 自己資本比率は、銀行の自己資本の額を、リスク・アセット(RWA)で割った比率です。国際統一基準の最低水準は、普通株式等 Tier1 比率が 4.5%、Tier1 比率が 6%、総自己資本比率が 8% です。
- 市場データMarket data
- 市場データは、金利、為替、価格、ボラティリティなど、金融機関が持ち高の時価とリスク量を計算するために使う市場の値です。取引所の価格や配信される価格、ブローカーの気配、金融機関自身の入力から集めます。
- 市場リスクMarket risk
- 市場リスクは、金利、為替、株価などの市場の値動きで、持っている資産や負債の価値が下がり、損失が出るリスクです。
- システマティック・インターナライザーSystematic internaliser
- システマティック・インターナライザー(SI)は、取引基盤の外で、多角的システムを運営せずに、顧客の注文を自己勘定で執行する投資会社を指す、MiFID II の区分です。
- システミック・リスクSystemic risk
- システミック・リスクは、金融システムの全体または一部が損なわれて金融サービスの流れが途切れ、実体経済に深刻な悪影響を与えるおそれのあるリスクです。
- 実現ボラティリティRealized volatility
- 実現ボラティリティは、ある期間に実際に観測された原資産の価格の変動の大きさを、年率に直した値です。その 2 乗が実現バリアンスで、バリアンス・スワップとボラティリティ・スワップの受け払いを決めます。
- 指定契約市場Designated contract market
- 指定契約市場(DCM)は、米国で、米国商品先物取引委員会が商品取引所法に従って契約市場として指定した、取引所(board of trade)です。スワップの取引でも、清算義務の対象のスワップを執行できる場の 1 つです。
- 自動微分Automatic differentiation
- 自動微分は、プログラムで書かれた計算を基本の演算の合成とみなし、連鎖律を順に当てはめて、入力に対する出力の導関数を求める方法です。差分で近似する方法と違い、導関数を機械精度の範囲で求められます(計算そのものが真の感応度と合っているかは別です)。
- 指標金利Benchmark rate
- 指標金利は、貸出やデリバティブ取引などで利息や受け払いの額を決めるときに参照する金利として、運営機関が決まった方法で算出して公表する金利です。
- 収穫年度Crop year
- 収穫年度は、農産物の統計や取引で、ある作物の収穫から次の収穫までを 1 つの区切りにした年度です。
- 収束取引Convergence trade
- 収束取引は、関連する 2 つの証券の一方を買い、他方を売って、2 つの価格の差が自分に有利な方向に動くことを狙う取引です。
- 重要なベンチマークCritical benchmark
- 重要なベンチマークは、EU のベンチマーク規制で、終了や信頼性の低下が市場の健全性、金融の安定、実体経済に重大な影響を与えうるとして、欧州委員会の一覧に載るベンチマークです。
- 主要スワップ参加者Major swap participant
- 主要スワップ参加者は、米国の商品取引所法(CEA)で、スワップ・ディーラーでない者のうち、ヘッジ目的などを除いて大きなスワップのポジションを持つなどの基準に当たる者をいい、米国商品先物取引委員会(CFTC)への登録が求められます。
- 償却型スワップAmortizing swap
- 償却型スワップは、想定元本が取引の期間とともに、あらかじめ決めた予定に沿って減っていく金利スワップです。元本を少しずつ返す借入の利払いを固定するときに、想定元本を借入の残高に合わせて設定して使います。
- 証券監督者国際機構International Organization of Securities Commissions
- 証券監督者国際機構は、各国・地域の証券監督当局や証券取引所などが加盟する国際的な組織で、証券分野の規制や監督に関する国際基準をつくります。略称は IOSCO です。
- 証券先物事務監察委員会(SFC)Securities and Futures Commission (SFC)
- 証券先物事務監察委員会(SFC)は、香港の証券及び先物条例のもとで、店頭デリバティブの報告や清算の規則を定め、中央清算機関などを指定し、法人の免許を付与する当局です。
- 証券ベースのスワップSecurity-based swap
- 証券ベースのスワップは、米国の証券取引所法の定義で、原則として、スワップのうち、単一の証券や貸付、狭い範囲の証券指数、または単一の発行体に生じる事象に基づくものです。米国証券取引委員会(SEC)が規制します。
- 照合Reconciliation
- 照合は、同じ取引や資金の動きについての 2 つの記録を突き合わせ、違いを見つけて解決することです。自社の記録と取引相手の確認書、部署ごとのシステムの記録、予想した資金の出入りと口座の実際の出入りなどを照合します。
- 照合の紛争の解決Dispute resolution (reconciliation)
- 照合の紛争の解決は、取引相手との間で、契約の認識や時価、担保の受け渡しをめぐる食い違いを、特定して記録し、期限を意識して解決する手続きです。
- 証拠金Margin
- 証拠金は、取引で損失が生じても決済が履行されるように、取引の相手方や証券会社、清算機関に差し入れる現金や有価証券です。
- 証拠金規制Margin requirements for uncleared derivatives
- 証拠金規制は、清算機関を通さない店頭デリバティブ取引を行う金融商品取引業者等に、取引相手との間で変動証拠金と当初証拠金を受け渡す措置を求める日本の規制です。
- 上場デリバティブExchange-traded derivative
- 上場デリバティブは、取引所が定めた規格と売買の方法に従って、取引所の市場で売買するデリバティブです。
- 消費者物価指数Consumer price index
- 消費者物価指数(CPI)は、世帯が購入する財やサービスの価格の平均的な変動を、指数の値で表したものです。日本では総務省統計局が全国の指数を毎月作っています。
- 商品先物取引法Commodity Derivatives Transaction Act
- 商品先物取引法は、商品取引所の組織と商品市場の取引の管理を定め、商品先物取引業を行う者の業務の運営を規律する法律です。商品デリバティブ取引の定義、商品先物取引業の許可、顧客を保護する行為規制を置きます。
- 商品取引所Commodity exchange
- 商品取引所は、商品先物取引法に基づき、商品や商品指数の先物取引をするために必要な市場を開設する会員商品取引所と株式会社商品取引所です。金融商品取引法の金融商品取引所とは、根拠の法律が違います。
- 職務の分離Segregation of duties
- 職務の分離は、同じ人や部署に、取引をすることと、その取引の記録、確認、決済を兼ねさせない内部管理の考え方です。損失の隠蔽や資産の着服を、ほかの人が見つけられるようにするために行います。
- シンガポール金融管理局Monetary Authority of Singapore
- シンガポール金融管理局は、シンガポールの証券先物法 2001 で「Authority」とされている機関です。
- 新商品承認New-product approval
- 新商品承認は、金融機関が、新しい商品や取引、市場を扱い始める前に、リスク管理、法務、会計などの関係する部署が審査して承認し、承認の記録を残してから導入するプロセスです。
- シンセティック CDOSynthetic CDO
- シンセティック CDO は、複数の参照組織の CDS を束ねたポートフォリオの損失を、損失を負う順番で区切ったトランシェに分けて売り買いする取引です。債券や貸出を束ねる現物の CDO と違い、参照ポートフォリオが CDS でできています。
- 信用リスクCredit risk
- 信用リスクは、貸出の借手や取引の相手方が、合意した条件どおりに債務を果たせなくなり、損失を被るリスクです。
- 信頼水準Confidence level
- 信頼水準は、VaR を求めるときに決める、損失が VaR 以内に収まる確率です。信頼水準が 99% なら、損失が VaR を超える確率は 1% です。
- 随伴自動微分Adjoint algorithmic differentiation
- 随伴自動微分は、自動微分の後退(随伴)モードを計算プログラム全体に使い、1 つの出力の多数の入力に対する感応度を、元の計算の数倍の手間でまとめて求める方法です。モンテカルロ法によるグリークスや、CVA の感応度の計算に使った例があります。
- スキン・イン・ザ・ゲームSkin in the game
- スキン・イン・ザ・ゲームは、清算機関が自らの資金の一部を、清算会員の破綻の損失に充てるために、破綻していない会員の清算基金より先に置く仕組みです。清算機関がリスク管理を適切に行う動機になります。
- 裾の厚い分布Fat-tailed distribution
- 裾の厚い分布は、十分大きな損失のように平均から大きく離れた値が起こる確率が、正規分布より高い確率分布です。
- スタティック・ヘッジStatic hedge
- スタティック・ヘッジは、バリア・オプションなどの取引を始めるときに、バニラ・オプションなどの組み合わせを作り、権利が消えたときに解消する以外は、組み直さないヘッジの方法です。
- ストラドルStraddle
- ストラドルは、満期と行使価格が同じコール・オプション(コール)とプット・オプション(プット)を両方買うか、両方売る組み合わせです。損益は、満期の原資産の価格が上がるか下がるかではなく、行使価格からどれだけ動くかで決まります。
- ストラングルStrangle
- ストラングルは、満期が同じで行使価格の違うコール・オプション(コール)とプット・オプション(プット)を両方買うか、両方売る組み合わせです。多くの場合、今の価格より低い行使価格のプットと高い行使価格のコールで組み、ストラドルに比べて損益の分かれ目になる 2 つの価格の間が広くなります。
- ストレステストStress testing
- ストレステストは、市場が大きく動く場面や経済の厳しい状況を想定し、そのときに金融機関の持ち高や資本がどれだけ損なわれるかを見積もる方法です。過去のデータにもとづく VaR では捉えにくい、まれで大きな損失を示すために使います。
- ストレス VaRStressed VaR
- ストレス VaR は、市場が大きく荒れた連続した 1 年のストレス期間のデータで求めた VaR です。バーゼル 2.5 で、銀行の市場リスクの資本の計算に加わりました。
- スノーボールSnowball
- スノーボールは、各期の利息を、前の期の利息に変動金利などを足し引きして決める商品です。債券の利息や、スワップの片方の受け払いに使われます。
- スプレッド調整値Spread adjustment
- スプレッド調整値は、フォールバックで参照する金利を指標金利から後継の金利に切り替えるときに、両者の水準の差を埋めるためにフォールバック・レートに足す一定の値です。LIBOR からのフォールバックでは、過去 5 年の差の中央値で求め、2021 年 3 月 5 日に値が確定しました。
- スポットレートSpot rate
- スポットレートは、今から将来のある時点までの期間の金利で、途中に利息の受け払いがない割引債の複利の利回りとして定義します。その時点に受け払うお金は、スポットレートで割り引くと現在価値になります。
- スワップSwap
- スワップは、2 つの当事者が、あらかじめ決めた方法で計算したキャッシュフローを、決めた期間にわたって定期的に交換する取引です。
- スワップ執行ファシリティSwap execution facility
- スワップ執行ファシリティ(SEF)は、米国の商品取引所法が定める、複数の参加者が出す売り気配と買い気配を受けてスワップを執行できる取引のシステムかプラットフォームのうち、指定契約市場(米国の取引所の登録の区分)でないものです。
- スワップションSwaption
- スワップションは、あらかじめ決めた固定金利(行使金利)で、将来に金利スワップを始める権利を売買するオプションです。固定金利を払う側になる権利をペイヤーズ・スワップション、受ける側になる権利をレシーバーズ・スワップションといいます。
- スワップ・ディーラーSwap dealer
- スワップ・ディーラーは、米国の商品取引所法(CEA)で、スワップのディーラーとして名乗る、マーケットメイクをする、通常の業務として自己の計算でスワップを結ぶなどに当たる者をいい、米国商品先物取引委員会(CFTC)への登録が求められます。
- スワップ・ディーラーのデミニミス除外Swap dealer de minimis exception
- スワップ・ディーラーのデミニミス除外は、米国の CFTC の規則が定める、スワップのディーラー活動の量がわずかな者をスワップ・ディーラーの登録の対象から外す基準です。過去 12 か月のディーラー活動に連なるスワップの想定元本の総額が 80 億ドル以下などの条件を満たす者が対象です。
- スワップ・データ・リポジトリSwap data repository
- スワップ・データ・リポジトリ(SDR)は、米国の商品取引所法(CEA)のもとで、第三者が結んだスワップの取引、建玉、条件の情報や記録を集めて保管し、スワップの記録を一元的に置く場を提供する者です。
- 正規分布Normal distribution
- 正規分布は、平均を中心に左右対称の釣鐘型をした確率分布です。平均と標準偏差で形が決まり、平均から標準偏差 1 つ分の範囲に入る確率は約 68.3%、2 つ分の範囲では約 95.4% です。
- 正規ボラティリティNormal volatility
- 正規ボラティリティは、バシュリエ・モデル(正規モデル)で使うボラティリティで、原資産の値の変化幅の標準偏差を年率で表したものです。金利のオプションでは bp で示します。
- 清算機関Central counterparty
- 清算機関は、取引の当事者の間に入り、売り手に対しては買い手、買い手に対しては売り手になって、取引の決済を保証する機関です。
- 清算基金Default fund
- 清算基金は、清算機関が、複数の清算会員が破綻した場合を想定して、証拠金に加えて会員にあらかじめ預けさせる資金です。会員が破綻したとき、その会員の証拠金で足りない損失を埋めるのに使い、破綻していない会員の清算基金も使うことがあります。
- 清算参加者Clearing member
- 清算参加者は、清算機関に直接参加して取引を清算し、証拠金や清算基金を預ける者です。会員でない顧客の清算を取り次ぐこともあります。
- 清算集中義務Mandatory clearing
- 清算集中義務は、金融商品取引業者等が、金融庁長官の指定した店頭デリバティブ取引を行うときに、自己と相手方の債務を金融商品取引清算機関(金利スワップの取引では外国金融商品取引清算機関を含む)に負担させなければならないとする、金融商品取引法の義務です。
- 正方向リスクRight-way risk
- 正方向リスクは、取引相手の信用力が下がるときに、その相手に対するエクスポージャーが小さくなる関係です。相手が破綻する場面のエクスポージャーが小さいため、CVA は両者に関係がない場合より小さくなります。
- セータTheta
- セータは、時間がたって残存期間が短くなったときに、オプションの価格がどれだけ変わるかを表す量です。時間がたつとオプションの時間価値が減るため、オプションの買いのセータは多くの場合マイナスになります。
- 世界銀行World Bank
- 世界銀行は、国際復興開発銀行と国際開発協会からなる国際開発金融機関で、途上国に融資、保証、助言などを提供します。国際復興開発銀行は、資金の大半を世界の金融市場で調達します。
- 説明義務Duty to explain
- 説明義務は、金融商品を販売する者が、契約の前に、相場の変動などで元本を下回る損失が出るおそれなどの重要事項を、顧客に説明しなければならない義務です。説明は、顧客の知識、経験、財産の状況、契約の目的に照らして、理解されるために必要な方法と程度でします。
- 説明を受けたことの確認書Written acknowledgment of explanation
- 説明を受けたことの確認書は、金融機関がデリバティブ取引などの契約を結ぶ前に、顧客から取る書面です。顧客が説明を受けたこと(監督指針)と、理解して自分の判断と責任で取引すること(協会の規則)を、記録に残します。
- 全国銀行協会Japanese Bankers Association
- 全国銀行協会は、国内で活動する民間銀行のほとんどが加盟する一般社団法人で、銀行の健全な発展を通じて日本経済の成長に貢献することを目的とします。消費者保護への対応、決済システムの企画運営、銀行業務に関する調査と政策提言などを行います。略称は全銀協です。
- センシティビティSensitivity
- センシティビティは、金利、株価、ボラティリティなどのリスクファクターを 1 つだけ小さく動かしたときの、持ち高の時価の変化です。DV01、デルタ、ベガがその例で、市場リスクの大きさを持ち高ごとにつかみ、限度を置くのに使います。
- 全米先物協会National Futures Association (NFA)
- 全米先物協会(NFA)は、米国のデリバティブ業界の自主規制機関で、米国商品先物取引委員会(CFTC)が登録先物協会に指定した団体です。スワップ・ディーラーの登録の申請書の提出先でもあります。
- 相関Correlation
- 相関は、2 つの値が同じ向きや反対の向きに動く関係の強さです。強さは、−1 から 1 までの値をとる相関係数で表します。
- 総勘定元帳General ledger
- 総勘定元帳は、すべての取引を勘定科目の種類別に分類して整理し、計算する帳簿です。金融機関では、デリバティブの取引の記録も、この帳簿に載せます。
- 早期解約の一時停止(ステイ)Resolution stay
- 早期解約の一時停止(ステイ)は、金融機関が破綻処理に入ったとき、取引相手がその破綻処理だけを理由に契約を解約する権利を、短い期間、使えなくする措置です。法令による措置のほか、契約の条項やプロトコルで取り込む形があります。
- 想定元本Notional amount
- 想定元本は、金利スワップなどで、交換する利息の金額を計算するもとになる元本の金額です。
- 相場操縦Market manipulation
- 相場操縦は、取引が活発に見えるように装ったり、売買や情報の流布で相場を人為的に動かしたりして、市場で形成される価格を歪める行為です。日本、米国、EU などの法令が禁止しています。
- 組織的取引システムOrganised trading facility
- 組織的取引システム(OTF)は、EU の第 2 次金融商品市場指令が定める、規制市場でも多角的取引システムでもない多角的システムで、債券、証券化商品などの structured finance products、排出枠、デリバティブの売買の意向が契約に至る形で交わるものです。
- 租税条約Tax treaty
- 租税条約は、日本が他国と締結する条約で、各条約が、源泉徴収される税率の上限(限度税率)を規定しています。日本の源泉徴収では、条約に基づく軽減や免除を受けるために、受け取る側が「租税条約に関する届出書」を出します。
- ソフト・コモディティSoft commodity
- ソフト・コモディティは、鉱山や油田から採る資源と違い、栽培して収穫する農産物のコモディティで、砂糖、コーヒー、カカオ、綿花などを指す呼び方です。
- 損益の説明P&L explain
- 損益の説明は、日次の損益を、市場の動き、時間の経過、新しい取引などの要因に分け、どこから損益が出たかを示すことです。要因で説明できない損益が大きいときは、時価の評価の誤りや捉えていないリスクを疑って原因を調べます。
- 損益分岐点Break-even point
- 損益分岐点は、オプションなどの満期の損益が 0 になる原資産の価格です。コール・オプション(コール)では行使価格にプレミアムを足した価格、プット・オプション(プット)では行使価格からプレミアムを引いた価格になります。
- 損失の負担の順序Default waterfall
- 損失の負担の順序は、清算機関が清算会員の破綻の損失を埋めるときに、どの財源をどの順で使うかを定めたものです。JSCC は、破綻した会員の負担、清算機関自身の負担、破綻していない会員の負担の順に使うのを基本にしています。
た
- ターム物金利Term rate
- ターム物金利は、1 週間や 3 か月のように、1 日より長い期間について示す金利です。日本円 TIBOR や TORF のように、利息を計算する期間の初めに値が決まる指標金利があります。
- 対数正規分布Lognormal distribution
- 対数正規分布は、値の自然対数が正規分布に従う確率分布です。とりうる値は 0 より大きい範囲に限られます。
- 多角的取引システムMultilateral trading facility
- 多角的取引システム(MTF)は、EU の金融商品市場指令が定める、投資会社か市場運営者が運営し、第三者の複数の売買の意向を、非裁量的なルールに従って契約に至る形で引き合わせる多角的システムです。
- 建玉Open position
- 建玉は、先物やオプションの取引所取引で、まだ決済していない約定の数量です。買いで持っているものを買建玉、売りで持っているものを売建玉といいます。
- 短期金利モデルShort-rate model
- 短期金利モデルは、ごく短い期間の金利(短期金利)が時間とともにどう動くかを確率的に表し、そこから割引債やオプションの価格を求める金利のモデルです。ハル・ホワイト・モデルや CIR モデルが例です。
- 担保Collateral
- 担保は、デリバティブなどの取引で、相手が破綻したときの損失に備えて受け渡す現金や債券です。店頭デリバティブでは、時価がプラスの側が相手から担保を受け取り、受け取った現金の担保に付く金利(付利)を相手に払います。
- 担保の差し替えCollateral substitution
- 担保の差し替えは、担保を差し入れる側が、差し入れた資産を替える場面を指す言葉です。
- 担保の変換Collateral transformation
- 担保の変換は、手持ちの流動性の低い資産などを、担保として使える質の高い資産に、期間を区切って取り替える取引です。レポ取引や証券貸借の形をとります。
- 地域銀行Regional bank
- 地域銀行は、金融庁の資料で、地方銀行と第二地方銀行を合わせて指す呼び方です。地域銀行に信用金庫と信用組合を加えた範囲は、地域金融機関と呼ばれます。
- 注記Notes to the financial statements
- 注記は、財務諸表の本表(貸借対照表、損益計算書など)とは別に、会計方針や項目の内訳、リスクの情報を書き添える部分です。デリバティブでは、契約額、時価、ヘッジの状況などをここで開示します。
- 中国证监会Zhongguo Zhengjianhui (中国证监会)
- 中国证监会は、中国で、証券会社や先物会社など、自らが監督する業界のデリバティブ取引を規制する当局です。
- 長寿スワップLongevity swap
- 長寿スワップは、年金の支払い義務を負う年金基金などと、保険会社や再保険会社などの受け手が、あらかじめ合意した固定の支払いと、実際の年金の支払い(または人口の指数から決まる額)を交換する取引です。受給者が想定より長生きするリスクを、受け手に移すために使います。
- 長寿リスクLongevity risk
- 長寿リスクは、年金の受給者や保険の契約者などが、全体として想定より長生きすることで、年金などの支払いが想定より長く、多く続くリスクです。
- 通貨オプションCurrency option
- 通貨オプションは、外国通貨をあらかじめ決めた相場(行使価格)で、将来の決めた時期に買う権利か売る権利を売買する取引です。円を払ってドルを買う権利は、ドル・コール(円・プット)と呼びます。
- 通貨監督庁Office of the Comptroller of the Currency
- 通貨監督庁は、米国財務省の中に置かれた局で、国法銀行、連邦貯蓄組合、外国銀行の連邦支店と連邦代理店などの安全性と健全性を監督します。略称は OCC です。
- 通貨スワップCross-currency swap
- 通貨スワップは、2 つの当事者が、異なる通貨の金利と元本を、決めた期間にわたって交換する取引です。元本を交換せずに金利だけを交換するものは、クーポンスワップと呼ばれます。
- 通貨ベーシスCross-currency basis
- 通貨ベーシスは、為替スワップや通貨スワップで円などを担保にドルを調達するときの、金利平価からのずれを、円などの側から見た符号付きの値で表したものです。金利平価が成り立っていれば 0 で、ドルの調達が割高なときはマイナスになります。
- ディーラーDealer
- ディーラーは、自己の計算で(自分の資金と損益で)顧客やほかの業者の取引の相手方になる業者です。
- ディスパーション取引Dispersion trading
- ディスパーション取引は、株価指数のオプションと、その構成銘柄のオプションに反対の持ち高を持つ取引です。指数のバリアンスが、構成銘柄の変動の大きさと銘柄どうしの相関で決まることを使い、実現した相関とインプライド相関の差から損益を得ようとします。
- 適格金融契約Qualified financial contract
- 適格金融契約(QFC)は、米国のドッド・フランク法第 2 編 210 条(c)(8)(D) が定める、デリバティブ、レポ、証券の貸借などの契約の区分で、破綻処理や倒産の手続で、解約や相殺の権利が特別に扱われます。
- 適合過程Adapted process
- 適合過程は、各時点の値が、その時点までにわかっている情報だけで決まる確率過程です。将来の値を先取りして使えないことを表し、伊藤積分の被積分関数に求められる条件です。
- 適合性原則Suitability principle
- 適合性原則は、金融商品取引業者と登録金融機関が、顧客の知識、経験、財産の状況と契約を結ぶ目的に照らして不適当な勧誘をしてはならないとする決まりです。
- デグリーデーDegree day
- デグリーデーは、日平均気温と基準の気温との差を、決めた期間の日ごとに足し合わせた値で、日本の気温(摂氏)で数えると単位は℃日です。日平均気温が基準より低い日の差を足す暖房デグリーデー(HDD)と、高い日の差を足す冷房デグリーデー(CDD)があり、天候デリバティブの指数に使われます。
- デジタル・オプションDigital option
- デジタル・オプションは、満期の原資産の価格が行使価格を超えたか(プットなら下回ったか)どうかだけで、あらかじめ決めた額を受け取るか何も受け取らないかが決まるオプションです。超えた幅が大きくても、受け取る額は変わりません。
- デジタル・クーポン債Digital coupon note
- デジタル・クーポン債は、あらかじめ決めた判定日に、指数などの水準が基準価格以上なら発行体が決まった額のクーポンを払い、基準価格未満ならクーポンを払わない(または低い利率にする)債券です。クーポンを払うかどうかだけが水準で決まり、基準価格を超えた幅は受け取りを変えません。
- デフォルト時エクスポージャーExposure at default
- デフォルト時エクスポージャーは、取引相手がデフォルトしたときのエクスポージャーの額です。自己資本比率規制で信用リスクを計算するときに使い、デリバティブでは規制で決まった方法で求めます。
- デフォルト相関Default correlation
- デフォルト相関は、複数の参照組織のデフォルトが同じ時期に重なりやすい度合いです。ファースト・トゥ・デフォルト(FTD)やシンセティック CDO の価値は、この相関の想定に左右されます。
- デフォルト・リスクの資本賦課Default risk charge
- デフォルト・リスクの資本賦課は、FRTB で、トレーディング勘定のクレジット商品と株式について、債務者や発行体がデフォルトしたときの損失に備えて求める資本です。標準的方式と内部モデル方式のどちらにもあり、価格の変動とは別に、デフォルトによる損失を対象にします。
- デュピールの式Dupire formula
- デュピールの式は、コール・オプションの価格の満期方向と行使価格方向の微分から、ローカル・ボラティリティ・モデルのローカル・ボラティリティ(局所ボラティリティ)を求める式です。市場のコールの価格がすべての行使価格と満期でそろっていれば、その価格すべてに合う局所ボラティリティが決まります。
- デリバティブDerivative
- デリバティブは、株式、債券、金利、為替などの原資産の価格や指標の値に応じて損益が決まる取引です。先渡取引と先物取引、スワップ、オプションが基本の形です。
- デルタDelta
- デルタは、原資産の価格が少し動いたときにオプションの価格がどれだけ動くかを、原資産の価格の変化に対するオプションの価格の変化の比で表した量です。絶対値は 0 から 1 の間で、1 に近いほど、オプションの価格は原資産の値動きの影響を大きく受けます。
- デルタ・ヘッジDelta hedging
- デルタ・ヘッジは、オプションの持ち高のデルタを打ち消す量の原資産を売買し、原資産の価格の小さな動きによるオプションの損益を相殺する方法です。デルタが変わるため、決めた時点ごとなどに原資産の量を直します(リヘッジ)。
- 転換価額Conversion price
- 転換価額は、転換社債(CB)を株式に換えるときの、株式 1 株あたりの価格です。CB を株式に換えると、額面を転換価額で割った数の株式を受け取ります。
- 転換社債Convertible bond
- 転換社債(CB)は、正式には転換社債型新株予約権付社債といい、あらかじめ決めた転換価額で、発行した会社の株式に換えられる社債です。新株予約権を行使するときは、金銭を払い込む代わりに社債の全額が償還され、投資家は社債を差し出して株式を受け取ります。
- 天候デリバティブWeather derivative
- 天候デリバティブは、気温や降水量などの観測値から作った指数が、決めた値からどれだけ離れたかに応じて、当事者どうしが金額を受け払いする取引です。天候によって販売量や費用が変わる企業が、利益の変動を抑えるために使います。
- 電子確認プラットフォームConfirmation platform
- 電子確認プラットフォームは、約定のあとの取引の確認を、システムの上で電子的に行う仕組みです。当事者の取引の条件を受け取り、突き合わせや受け入れの手続きを経て、確認を成立させます。
- 電子取引基盤Electronic trading platform
- 電子取引基盤は、店頭デリバティブの取引を、システムの上で成立させる場です。日本の金融商品取引法は、このシステムを電子情報処理組織と呼び、特定店頭デリバティブ取引を、この組織を使って行うよう金融商品取引業者等に求めています。
- 店頭デリバティブOTC derivative
- 店頭デリバティブは、取引所を通さずに、当事者どうしが相対で価格や数量などの条件を決めて結ぶデリバティブです。
- 電力先物Power futures
- 電力先物は、将来の一定の期間の電力の価格を対象にした先物取引です。東京商品取引所の電力先物は、日本卸電力取引所のスポット市場のエリアごとの価格の平均を最終決済価格にして、現金で決済します。
- 投機Speculation
- 投機は、相場の上げ下げを予想して先物などのポジションを取り、予想どおりに動いたときに反対売買で利益を得ようとする取引です。
- 投資信託協会The Investment Trusts Association, Japan
- 投資信託協会は、金融商品取引法に基づく認定金融商品取引業協会の一般社団法人で、投資信託の運用に関する規則などを定めていました。2026 年 4 月に日本投資顧問業協会と統合し、資産運用業協会になりました。
- 当初証拠金Initial margin
- 当初証拠金は、取引の参加者が破綻したときに、その取引を処理し終えるまでの間に時価が動いて生じうる損失に備えて、あらかじめ差し入れる証拠金です。
- 登録金融機関Registered financial institution
- 登録金融機関は、金融商品取引法の登録を受けた、銀行、協同組織金融機関、その他政令で定める金融機関です。デリバティブ取引では、有価証券に関連しないデリバティブ取引などを業として行うために、この登録を受けます。
- トークン化Tokenization
- トークン化は、分散型台帳技術(DLT)などの新しい技術を使って、資産をトークンという電子的な形で発行し、表すことです。株式、債券、銀行預金などの資産が対象になります。
- トータル・リターン・スワップTotal return swap
- トータル・リターン・スワップは、対象の資産の値上がりと値下がりに配当や利息などの収益を加えたリターンの全体と、変動金利をもとにした金利を交換する取引です。対象には株式、株価指数、債券、ローンなどがあり、対象が株式のものはエクイティ・スワップとも呼ばれます。
- 特性関数Characteristic function
- 特性関数は、確率変数 X について、実数 u を入れると exp(iuX) の期待値(i は虚数単位)を返す関数です。どんな確率変数でも定義でき、確率密度が式で書きにくいモデルでも、対数株価の特性関数が簡単な式で書けることがあります。
- 特定金融取引Specified financial transaction
- 特定金融取引は、日本の一括清算法(金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律)が一括清算の対象とする取引で、店頭デリバティブ取引、先物外国為替取引、有価証券の買戻条件付売買などを、施行規則が列挙しています。
- 特定投資家Professional investor
- 特定投資家は、金融商品取引法が挙げる、適格機関投資家、国、日本銀行、投資者保護基金その他の内閣府令で定める法人です。顧客が特定投資家のとき、同法の一部の規定は、内閣府令が定める場合を除き適用されません。
- 特別清算数値Special quotation
- 特別清算数値(SQ 値)は、株価指数先物の最終決済や株価指数オプションの権利行使に使う数値です。日経平均VI先物では、最終決済に使う数値(最終清算数値)を SQ 値と呼び、SQ 日の最初の 30 分間の日経平均VIの平均から計算します。
- 独立企業間原則Arm's length principle
- 独立企業間原則は、同じグループの法人どうしの取引の価格を、関係のない独立した企業どうしが同じ状況で付けたはずの価格と比べて、税務上の所得を決める考え方です。
- 独立した時価の検証Independent price verification
- 独立した時価の検証は、毎日の時価の評価とは別に、トレーディングから利益を得る人や部署から独立した部署が、市場の価格と評価の入力値を定期的に点検し直すことです。英国の規則は、少なくとも月 1 回行うよう金融機関に求めています。
- ドッド・フランク法Dodd-Frank Act
- ドッド・フランク法は、2010 年 7 月 21 日に成立した米国の連邦法(Public Law 111-203)で、金融システムの安定と透明性を高めるための規制を幅広く定めています。
- トランシェTranche
- トランシェは、シンセティック CDO などで、ポートフォリオの損失を負う順番で区切った一つの層です。損失はエクイティ、メザニン、シニアの順に当たります。
- 取引確認書Trade confirmation
- 取引確認書は、デリバティブなどの取引を結んだ後、決済の前に、当事者が取引の条件を書いて相手に送る記録です。相手の記録と突き合わせて条件の誤りを見つけ、合意した条件の証拠にするために使います。
- 取引可能の判定(MAT)Made available to trade (MAT)
- 取引可能の判定(MAT)は、米国で、スワップ執行ファシリティや指定契約市場が、スワップを自らの取引システムで取引できるものとする判定です。清算義務の対象のスワップは、判定されると、指定契約市場かスワップ執行ファシリティでの執行が求められます。
- 取引情報蓄積機関Trade repository
- 取引情報蓄積機関は、店頭デリバティブの取引情報を集めて保存する業務をする者として、内閣総理大臣の指定を受けた機関です。金融機関と清算機関から取引情報を受け取り、その記録を作って保存し、当局に報告します。
- 取引説明書Product explanation
- 取引説明書は、金融機関が店頭デリバティブ取引の商品の仕組みとリスク、中途解約と解約清算金を、顧客に具体的に分かりやすく解説するために渡す書面です。
- 取引のマッチングTrade matching
- 取引のマッチングは、取引の当事者が送った取引の内容を、システムが突き合わせて、一致するかを調べる手続きです。一致した取引は、電子的に確認されます。
- 取引報告書Trade report
- 取引報告書は、証券会社などの金融商品取引業者等が、顧客との取引が成立したときに、取引の内容を知らせるために顧客に渡す書面です。金融商品取引法 37 条の 4 が求める契約締結時等の情報の提供に使われます。
- ドリフトDrift
- ドリフトは、確率過程の微小な変化を、時間に比例する項とブラウン運動の増分に比例する項の和で書いたときの、時間に比例する項の係数です。ドリフトが定数のブラウン運動では、時点 t の期待値が、ドリフトに t を掛けた値になります。
- トレーディング勘定と銀行勘定の境界Trading book and banking book boundary
- トレーディング勘定と銀行勘定の境界は、銀行が持つ商品を、トレーディング勘定と銀行勘定のどちらに入れるかを分ける線です。トレーディング勘定の商品のリスクは、市場リスクの資本の計測対象になります。
な
- 内部監査Internal audit
- 内部監査は、金融機関の中で、被監査部門から独立した部門が、業務の執行状況や内部管理の適切性、有効性を検証し、経営陣に助言や勧告をする仕組みです。三線管理では第 3 線に当たります。
- 内部モデル方式Internal model method
- 内部モデル方式(IMM)は、自己資本比率規制で、デリバティブ取引のデフォルト時エクスポージャーを、銀行が自社のモデルで計算した将来のエクスポージャーから求める方式です。使うには当局の承認が要り、日本の告示では「期待エクスポージャー方式」と呼びます。
- 二項モデルBinomial model
- 二項モデルは、原資産の価格が一定の間隔ごとに上がるか下がるかの 2 通りだけに動くと考えて、オプションの価格を求める方法です。
- 二次変動Quadratic variation
- 二次変動は、区間を細かく分けたときの、各小区間の増分の 2 乗の和が、分け方を細かくした極限で近づく値です。ブラウン運動の二次変動は経過時間に等しく、滑らかな関数の二次変動は 0 です。
- 日数計算の慣行Day count convention
- 日数計算の慣行は、利息を計算するときに、利息の期間の日数の数え方と、それを 1 年の何分の何とみなすかを決めた計算の方法です。Act/360、Act/365F、30/360 などがあり、取引の契約ごとに決めます。
- 日本基準Japanese GAAP
- 日本基準は、日本で一般に公正妥当と認められる企業会計の基準で、企業会計基準委員会(ASBJ)が公表する企業会計基準などからなります。
- 日本銀行Bank of Japan
- 日本銀行は、日本銀行法に基づく認可法人で、わが国の中央銀行として、銀行券の発行、通貨及び金融の調節、金融機関の間の資金決済の円滑の確保を行います。略称は BOJ です。
- 日本公認会計士協会The Japanese Institute of Certified Public Accountants
- 日本公認会計士協会は、公認会計士と監査法人で組織する日本で唯一の公認会計士の団体で、公認会計士法に基づく特別民間法人です。会員の指導、連絡、監督と、公認会計士の登録に関する事務を行います。略称は JICPA です。
- 日本証券業協会Japan Securities Dealers Association
- 日本証券業協会は、金融商品取引法に基づいて内閣総理大臣の認可を受けた認可金融商品取引業協会で、全国の証券会社などを協会員とし、協会員の取引を公正かつ円滑にして投資者の保護に資することを目的とします。略称は JSDA です。
- 日本証券クリアリング機構Japan Securities Clearing Corporation
- 日本証券クリアリング機構は、金融商品取引法の免許を受けた金融商品取引清算機関で、取引所取引、クレジット・デフォルト・スワップと金利スワップの店頭デリバティブ取引、国債店頭取引の債務を引き受ける株式会社です。略称は JSCC です。
- 日本政策投資銀行Development Bank of Japan Inc.
- 日本政策投資銀行は、株式会社日本政策投資銀行法に基づく株式会社で、出資と融資を一体的に行う手法などを用いて、長期の事業資金の供給を円滑にすることを目的とします。略称は DBJ です。
- ニューメレールNumeraire
- ニューメレールは、ほかの資産の価格を割って比べる基準にする、価格がつねに正の資産(資産の組み合わせでもよい)です。
- ニューヨーク連邦準備銀行Federal Reserve Bank of New York
- ニューヨーク連邦準備銀行は、米国の中央銀行である連邦準備制度の 12 の地区連邦準備銀行の 1 つで、ニューヨーク州などを含む第 2 区を受け持ちます。連邦公開市場委員会の指示のもとで公開市場操作を行い、米ドルの指標金利も公表します。
- 値洗いMark-to-market
- 値洗いは、未決済の取引を直近の値で評価し直すことです。先物では、建玉を毎日の清算値段で評価し直し、その日の損益を計算します。
- ネッティング・セットNetting set
- ネッティング・セットは、取引相手が破綻したときに一括清算で差し引く取引のまとまりです。法的に有効な相対ネッティング契約の下にある取引は 1 つのまとまりになり、それ以外の取引は取引ごとに別のネッティング・セットになります。
- 年限別の感応度Key rate sensitivity
- 年限別の感応度は、1 つの年限の金利だけを 1bp(0.01%)上げたときの、持ち高の時価の変化です。すべての年限の値を足すと DV01 にほぼ等しくなり、カーブの形が変わったときの損益をつかむのに使います。
- ノックアウト付きフォワードKnock-out forward
- ノックアウト付きフォワードは、決めた日に決めた相場で通貨を売買する予約に、相場が決めた水準(バリア)に一度でも触れると取引が消える条件を付けた取引です。バリアに触れなければ予約どおりに決済し、触れれば決済はありません。
- ノックイン・プットKnock-in put
- ノックイン・プットは、原資産の価格があらかじめ決めた水準(ノックイン水準)に達したときに初めて効力が生まれるプット・オプションです。オートコールなどの仕組債では、投資家が仕組債を通じてこのプットを売った形になります。
- ノベーションNovation
- ノベーションは、デリバティブの取引の一方の当事者が取引から抜け、第三者がその位置に入ることです。元の取引は終わり、残る当事者と新しく入った当事者の間に新しい取引ができます。
は
- バーゼル銀行監督委員会Basel Committee on Banking Supervision
- バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、自己資本比率や流動性比率など、銀行規制の国際基準(バーゼル規制)を策定する委員会です。合意した基準は最低基準で、各国・地域は、より厳しい規制を採用できます。
- バーゼル IIIBasel III
- バーゼル III は、金融危機後にバーゼル銀行監督委員会(BCBS)が進めた銀行規制の改革で、自己資本の質と量の強化、レバレッジ比率規制、流動性規制の導入などを含みます。2017 年 12 月にリスク計測手法の見直しが最終化され、バーゼル III 最終化と呼ばれます。
- ハードル・レートHurdle rate
- ハードル・レートは、KVA の規制資本のコストを求めるために資本へ掛ける率(資本コスト)を指す言葉です。取引の採算の基準としても使います。
- パーレートPar rate
- パーレートは、金利スワップで、約定した時点の時価が 0 になる固定金利です。今のカーブの割引係数から求め、固定金利と変動金利の受け払いの現在価値が等しくなる値です。
- 排出枠Emission allowance
- 排出枠は、排出量に上限を設けた制度が事業者に認める、二酸化炭素 1 トンに相当する排出の枠です。EU の制度の排出枠は EUA とも書かれます。
- 配当Dividend
- 配当は、株式会社が得た利益のうち、持株数に応じて株主に分けられるものです。
- 配当先物Dividend future
- 配当先物は、株式や株価指数の配当を指数にした値を原資産にして、取引所で売買する先物取引です。
- 配当スワップDividend swap
- 配当スワップは、決めた期間に実際に支払われた配当と、契約のときに決めた固定の配当レートを交換する店頭デリバティブです。買い手は実現した配当を受け取り、固定の配当レートを払います。
- 配当同等額Dividend equivalent
- 配当同等額は、米国株の配当に連動して支払われる一定の金額で、米国の税法が米国源泉の配当とみなし、源泉徴収の対象にするものです。内国歳入法が定め、財務省規則が対象となる契約と金額の計算を決めています。
- 配当利回りDividend yield
- 配当利回りは、株式の 1 株あたりの年間の配当金が、株価の何 % に当たるかを示す値です。
- ハザード率Hazard rate
- ハザード率は、ある時点まで参照組織がデフォルトしていないという条件のもとで、その直後の短い期間にデフォルトが起きる確率を、年率で表した量です。CDS の評価で、生存確率とプロテクション・レグの価値を求めるのに使います。
- バシュリエ・モデルBachelier model
- バシュリエ・モデルは、フォワードレートなどの原資産の値そのものが正規分布に従うと仮定して、オプションの価格を求めるモデルです。原資産が 0 以下の値もとれるため、マイナス金利の下での金利オプションの評価に使われます。
- バスケット・オプションBasket option
- バスケット・オプションは、複数の原資産の価格を決めた重みで合計した値(バスケットの値)と行使価格の差で、受け取りが決まるオプションです。
- バタフライ・スプレッドButterfly spread
- バタフライ・スプレッドは、オプションのスプレッドの一つで、中央の行使価格のオプションと、その上下の行使価格のオプションを組み合わせる形です。買いの形は、満期の原資産の価格が中央に近いほど利益が大きく、利益も損失も上限があります。
- 破綻処理計画Resolution plan
- 破綻処理計画は、金融機関が破綻したときに、当局が重要な機能を保ちながら秩序ある処理をするための指針で、処理の手法、条件、必要な情報を、平時から当局が定めておく計画です。
- バック・オフィスBack office
- バック・オフィスは、金融機関で、フロント・オフィスが結んだ取引を記録し、取引相手と条件を確認し、資金や証券を受け渡して決済する部署です。
- バックテストBacktesting
- バックテストは、VaR を計るモデルの正確さを評価するために、毎日の VaR と実際の日次の損益を比べ、損失が VaR を上回った日(超過)の数を調べる検証です。
- バック・トゥ・バック取引Back-to-back trade
- バック・トゥ・バック取引は、ある取引のリスクを打ち消すために、向きが逆の取引を別の相手と結ぶ取引です。グループ内では、顧客と取引した法人が、同じ条件で向きが逆の取引をグループ内の別の法人と結び、市場リスクにあたる部分(受け払いの変動)をその法人に移します。
- バックワーデーションBackwardation
- バックワーデーションは、同じ商品の先物の価格が、限月の遠いもの(期先)ほど低くなっている形です。
- パネル銀行Panel bank
- パネル銀行は、LIBOR や TIBOR などの銀行間の指標金利で、運営機関に市場実勢のレートを呈示するために選ばれた複数の銀行です。
- バミューダン・オプションBermudan option
- バミューダン・オプションは、買い手があらかじめ決めた複数の日に権利を行使できるオプションです。行使できる時点は、ヨーロピアン・オプションとアメリカン・オプションの中間にあたります。
- バリア・オプションBarrier option
- バリア・オプションは、満期までに原資産の価格が決められた水準(バリア)に触れたかどうかで、権利が消えたり(ノックアウト)生まれたり(ノックイン)するオプションです。
- バリアンス・スワップVariance swap
- バリアンス・スワップは、2 者が満期に、期間中の実現バリアンス(ボラティリティの 2 乗)と契約のときに決めたストライクとの差に、想定元本を掛けた金額を受け払いする取引です。ボラティリティ・スワップと違い、行使価格の 2 乗に反比例する重みでオプションを並べた組み合わせで複製できます。
- ハル・ホワイト・モデルHull-White model
- ハル・ホワイト・モデルは、短期金利が平均回帰しながら正規分布に従って動くと考え、今のイールドカーブに合うようにドリフトの時間の関数を決める短期金利モデルです。ヨーロピアンの債券オプション、キャップ、スワップションの価格を式で求められます。
- 反社会的勢力Anti-social forces
- 反社会的勢力は、暴力、威力、詐欺的な手法を使って経済的な利益を求める集団や個人です。金融機関は、取引の前の審査などで、反社会的勢力と取引を含めた一切の関係を持たないようにします。
- 反対売買Offsetting trade
- 反対売買は、先物やオプションで、持っている建玉と反対の向きの取引をして、その建玉を決済することです。買い建てたものは転売し、売り建てたものは買い戻します。
- ヒストリカル法Historical simulation
- ヒストリカル法は、過去の観測期間の各日の値動きを今の持ち高に当てはめて損益を作り、損失の大きい順に並べて VaR を求める方法です。
- ヒストリカル・ボラティリティHistorical volatility
- ヒストリカル・ボラティリティは、過去の一定の期間の原資産の価格の動きから求めたボラティリティです。1 営業日ごとの価格の変化率の標準偏差を、年率に直した値です。
- ビッド・アスク・スプレッドBid-ask spread
- ビッド・アスク・スプレッドは、売り気配(アスク)と買い気配(ビッド)の差です。投資家が負担する取引の費用に直接かかわり、マーケット・メイカーにとっては収益の源になります。
- 非鉄金属Base metal
- 非鉄金属は、コモディティの取引では、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、錫、鉛を指し、貴金属と分けて扱う金属です。工業の原材料として使われます。
- 標準決済指図Standard settlement instructions
- 標準決済指図は、取引の当事者が商品と通貨ごとに決めておき、その商品と通貨の取引の決済に共通して使う指図です。資金を誤って送ることによる食い違いを減らすために使います。
- 標準誤差Standard error
- 標準誤差は、標本の平均として求めた推定値が、標本によってどれだけばらつくかを表す値です。標本の値の標準偏差を、標本の数の平方根で割って求めます。
- 標準偏差Standard deviation
- 標準偏差は、データの値が平均のまわりにどれだけ散らばっているかを表す量で、分散の正の平方根です。
- 標準物Notional bond
- 標準物は、国債先物の売買の対象になる、利率と期間を標準的な値に決めた仮想の債券です。現物は存在しないため、最終決済では、受け渡してよいと決められた実在の国債(受渡適格銘柄)を受け渡します。
- ピン・リスクPin risk
- ピン・リスクは、満期の近くで原資産の価格が行使価格の近くを行き来するとき、ヘッジに必要な原資産の売買が大きくなり、小さな価格の動きによる損失や売買の費用が、売ったデジタル・オプションの最大の負債を上回りうるリスクです。
- ファースト・トゥ・デフォルトFirst-to-default
- ファースト・トゥ・デフォルト(FTD)は、複数の参照組織を束ねたバスケットのうち、最初にデフォルトした 1 社の損失だけを売り手が補償する CDS です。最初の 1 社のデフォルトで取引は終わります。
- ファンディング・スプレッドFunding spread
- ファンディング・スプレッドは、金融機関が自社の信用力のもとで資金を調達するときの金利が、リスク・フリー・レートを上回る幅です。FVA と MVA は、この幅を担保の資金や当初証拠金の資金に掛けて求めます。
- ブートストラップBootstrapping
- ブートストラップは、金利スワップなどの市場の金利から、割引係数やスポットレートを年限の短い順に 1 つずつ求める方法です。前の年限で求めた値を、次の年限の計算に使います。
- フェラー条件Feller condition
- フェラー条件は、ヘストン・モデルなどの CIR 過程(平方根過程)で、分散が 0 に届かず厳密に正の値にとどまるためのパラメータの条件です。平均回帰の速さを κ、長期の水準を v̄、揺れの係数を ξ とすると、2κv̄ ≥ ξ² と書けます。
- フォールバックFallback
- フォールバックは、契約で参照している指標金利の公表が止まったときに、参照する金利を前もって合意した後継の金利に切り替えることです。切り替えを定めた契約の条項をフォールバック条項といいます。
- フォワード・スタート・オプションForward-start option
- フォワード・スタート・オプションは、将来のリセット日に、その日の原資産の価格に比例した行使価格のオプションが、追加の費用なしで手に入る権利です。
- フォワード測度Forward measure
- フォワード測度は、満期 T の割引債をニューメレールに選んだときの確率測度で、割引債の価格を、その満期 T の割引債の価格で割った値は、この測度のもとでマルチンゲールになります。金利のデリバティブの評価で、将来の 1 時点の受け取りの期待値に、割引債の価格を掛ける形で価格を書くのに使います。
- フォワード・ポイントForward points
- フォワード・ポイントは、為替の先物相場と直物相場の差です。2 つの通貨の金利の差を反映し、先物相場は直物相場にフォワード・ポイントを加減して求めます。
- フォワードレートForward rate
- フォワードレートは、将来のある時点から別の時点までの期間の金利を、今のスポットレートから求めたものです。
- 複製Replication
- 複製は、ある商品と将来の受け払いがどの場合でも同じになる組み合わせ(複製ポートフォリオ)を、価格の分かるほかの商品の売買で作ることです。裁定の機会がない市場では、組み合わせを作る費用がその商品の価格になります。
- 複利Compound interest
- 複利は、利息を元本に加え、次の期間はその合計に利息を付ける利息の数え方です。利息にも利息が付くため、同じ金利なら、期間が長いほど元本だけに利息を付ける単利より金額が大きくなります。
- 不招請勧誘Unsolicited solicitation
- 不招請勧誘は、勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し、または電話をかけて、金融商品取引契約の締結を勧誘する行為です。金融商品取引法が、金融商品取引法施行令で定める契約について禁じています。
- 不正取引Rogue trading
- 不正取引は、トレーダーが与えられた権限や限度を超えた取引をし、その持ち高や損益を架空の取引や記帳の操作で隠すことです。見つかるまでに損失が膨らみやすく、銀行ではオペレーショナル・リスクの 1 つとして管理されます。
- 物価連動国債Inflation-linked bond
- 物価連動国債は、元本の額が物価指数に連動して増減し、増減した元本に固定の利率を掛けて利子を払う国債です。物価が上がると利子と償還の額が増えるため、物価の上昇のリスクのヘッジに使われます。
- ブッキング法人Booking entity
- ブッキング法人は、複数の法人を持つ金融機関のグループで、取引を自らの帳簿に載せる法人です。顧客と営業をする営業法人と同じ法人のこともあり、別の法人になることもありえます。
- プット・オプションPut option
- プット・オプション(プット)は、オプションのうち、原資産をあらかじめ決めた価格(行使価格)で売る権利です。満期の原資産の価格が行使価格からプレミアムを引いた値より低ければ、プットの買い手は利益を得ます。
- プット・コール・パリティPut-call parity
- プット・コール・パリティは、原資産、行使価格、満期が同じヨーロピアン・オプションのコールとプットについて、コールの価格からプットの価格を引いた差が、原資産の価格から行使価格の現在価値を引いた差に等しくなる関係です。
- 不動産デリバティブProperty derivative
- 不動産デリバティブは、不動産の価格や収益率を表す指数の値を対象にした取引です。不動産の現物を売買せずに、値動きのリスクを減らしたり、不動産に投資したのと同じ収益率を得たりするために使います。
- ブラウン運動Brownian motion
- ブラウン運動は、時間とともに連続に動く確率過程で、重ならない期間の増分がたがいに独立に、平均 0、分散が期間の長さに等しい正規分布に従います。ランダムウォークの間隔と幅を細かくした極限として得られ、株価などの価格の動きのモデルに使われます。
- ブラック・ショールズ・モデルBlack-Scholes model
- ブラック・ショールズ・モデルは、原資産の価格が幾何ブラウン運動に従い、ボラティリティと金利が一定であるといった前提のもとで、ヨーロピアン・オプションの理論価格を式で求める評価のモデルです。1973 年にフィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズが論文で示しました。
- ブラック・モデルBlack model
- ブラック・モデルは、先物価格やフォワードレートの変化率が正規分布に従うと仮定して、それを原資産とするオプションの価格を求めるモデルです。キャップ、フロア、スワップション、国債先物オプションの価格やボラティリティの表示に使われます。
- 不履行リスクNonperformance risk
- 不履行リスクは、企業が債務を履行しないリスクです。企業自身の信用リスクを含み、会計基準は、負債の公正価値にこのリスクの影響を反映するよう求めています。
- プルーデント・バリュエーションPrudent valuation
- プルーデント・バリュエーションは、規制資本の計算で、公正価値で測る持ち高を、価格の不確実さを見込んだ保守的な値で評価する考え方です。欧州連合の規則では、会計上の評価との差を追加の評価調整として計算し、普通株式等 Tier 1 資本の調整に使います。
- ブレーク・イーブン・インフレ率Breakeven inflation rate
- ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、固定利付国債の利回り(名目金利)から、同じ年限の物価連動国債の利回り(実質金利)を引いた値です。物価の上昇率が BEI と等しいと、2 つの国債のどちらで運用しても収益が同じになります。
- プレミアムOption premium
- プレミアムは、オプションの価格で、買い手が権利を手に入れるために売り手に払う代金です。株式の取引での株価にあたります。
- ブローカーBroker
- ブローカーは、自分では取引の相手方にならず、顧客の注文を取引所に取り次いだり、店頭の取引の当事者どうしを仲介したりする業者です。
- プロダクト・コントロールProduct control
- プロダクト・コントロールは、金融機関の中で、トレーディングの損益と、そのもとになる持ち高と時価を、取引をする部署から独立した立場で検証する部署です。そのためにフロントの数字をそのまま使わず、時価と損益を計算し直します。
- プロテクティブ・プットProtective put
- プロテクティブ・プットは、原資産を持ったまま、その原資産を対象とするプット・オプション(プット)を買う組み合わせです。払うプレミアムの分だけ損益が減る代わりに、原資産の値下がりの損失に上限ができます。
- フロント・オフィスFront office
- フロント・オフィスは、金融機関で、顧客や取引相手と取引を結び、持ち高を管理する部署です。営業とトレーディングの担当者が属します。
- 分散型台帳技術Distributed ledger technology
- 分散型台帳技術(DLT)は、複数の当事者で共有できる台帳に情報を記録するための規約と基盤です。ブロックチェーンは、DLT の 1 つの形です。
- 分散共分散法Variance-covariance method
- 分散共分散法は、損益が正規分布に従うと仮定し、損益の標準偏差に信頼水準で決まる係数を掛けて VaR を求める方法です。
- ヘアカットHaircut
- ヘアカットは、担保として受け渡す債券などの価値を評価するときに、時価から差し引く割合です。担保の価格の変動や売って現金にするまでの時間に備えるため、担保の種類ごとに決めます。
- ペイオフPayoff
- ペイオフは、オプションで、満期の原資産の価格ごとに、オプションを行使して得る金額です。行使しないときは 0 で、ペイオフから払ったプレミアムを差し引いたものが満期の損益になります。
- 平均回帰Mean reversion
- 平均回帰は、金利のような変数が、ランダムに動きながらも、ある水準に向けて引き戻される性質です。水準から離れるほど、戻る向きの力が大きくなります。
- 米国会計基準US GAAP
- 米国会計基準は、米国で一般に認められた会計原則(US GAAP)で、米国の基準設定主体である財務会計基準審議会が基準を定めます。
- 米国証券取引委員会(SEC)Securities and Exchange Commission (SEC)
- 米国証券取引委員会(SEC)は、米国の証券取引所法に基づいて置かれた連邦機関で、証券の取引や、証券ベースのスワップなどを規制します。
- 米国商品先物取引委員会(CFTC)Commodity Futures Trading Commission (CFTC)
- 米国商品先物取引委員会(CFTC)は、米国の商品取引所法(CEA)に基づいて置かれた独立の連邦機関で、商品の先物取引やスワップなどを規制します。
- ベーシス・スプレッドBasis spread
- ベーシス・スプレッドは、参照する金利や期間の違う 2 つの変動金利を交換するベーシス・スワップで、釣り合わせるために一方の変動金利に上乗せする金利の幅です。翌日物金利と TIBOR のように性質の違う 2 つの金利の差の目安になります。
- ベーシス・スワップBasis swap
- ベーシス・スワップは、2 つの当事者が、同じ想定元本について、参照する金利や期間の違う 2 つの変動金利の利息を交換する金利スワップです。日本円では、TONA の複利と TIBOR の交換や、3 か月物と 6 か月物のように期間の違う TIBOR どうしの交換があります。
- ベーシスリスクBasis risk
- ベーシスリスクは、ヘッジの対象と、ヘッジに使う商品や指数の値動きがずれることで、損益が打ち消し合わない部分が残るリスクです。
- ベース相関Base correlation
- ベース相関は、トランシェの市場の価格に合わせたガウシアン・コピュラの相関のうち、損失 0 からトランシェの上端までのエクイティ・トランシェに当てはめる値です。上端ごとに 1 つの値を、下から順に求めます。
- ベガVega
- ベガは、原資産のボラティリティが少し動いたときに、オプションの価格がどれだけ変わるかを表す量です。行使価格と満期が同じコール・オプションとプット・オプションでは同じ値になり、原資産の価格が行使価格の近くにあるときに大きくなります。
- ヘストン・モデルHeston model
- ヘストン・モデルは、株価の変動の大きさを表す分散そのものも、長期の水準へ戻る平均回帰を持つ確率過程で動くとした確率的ボラティリティ・モデルです。株価と分散の動きは相関でつながり、ヨーロピアン・オプションの価格は特性関数を使った半解析解で求められます。
- ヘッジHedging
- ヘッジは、持っている資産や将来持つ予定の資産の値動きによる損失を、先物やオプションで反対のポジションを取って抑える取引です。
- ヘッジ会計Hedge accounting
- ヘッジ会計は、ヘッジ手段(デリバティブなど)の損益とヘッジ対象の損益を同じ期間に計上するための会計処理です。基準が定める要件を満たしたヘッジ関係にだけ使えます。
- ヘッジ集合Hedging set
- ヘッジ集合は、SA-CCR で、ネッティング・セットの取引を、リスク・ドライバーの同じもの同士に分けたまとまりです。アドオンの計算で、取引の差し引きを認める単位になります。
- ヘッジのコストCost of hedging
- ヘッジのコストは、オプションの時間的価値、先渡取引のフォワード要素、通貨ベーシスをヘッジ手段の指定から外して、コストとして別に処理する部分の呼び名です。
- ヘッジの有効性Hedge effectiveness
- ヘッジの有効性は、ヘッジ手段とヘッジ対象の価値やキャッシュフローの変動が、ヘッジされるリスクについてどれだけ相殺し合うかを表す、ヘッジ会計の適用要件の考え方です。
- ヘッジ比率Hedge ratio
- ヘッジ比率は、為替や金利などの変動にさらされている金額のうち、デリバティブなどでヘッジする金額の割合です。
- ヘッジ比率の調整Rebalancing of a hedging relationship
- ヘッジ比率の調整は、IFRS 会計基準で、ヘッジ関係がヘッジ比率の要件を満たさなくなったとき、リスク管理の目的が変わらないなら、ヘッジ手段かヘッジ対象の指定する量を変えて、要件を満たし直す処理です。
- ヘッジファンドHedge fund
- ヘッジファンドは、借入やデリバティブで元手より大きな持ち高を持ったり、買いと売りを組み合わせたりして、収益を大きくしようとするファンドです。
- ベンチマーク管理者Benchmark administrator
- ベンチマーク管理者は、EU のベンチマーク規制で、ベンチマークの提供を支配する者です。提供とは、算出の仕組みの運営、入力データの収集と処理、算式か評価による算出を指します。
- 変動金利Floating rate
- 変動金利は、取引や借入の期間の途中で、指標にする金利の水準に合わせて率が見直される金利です。金利スワップでは、TONA や TIBOR などの指標金利をもとに、利息を計算する期間ごとに決まります。
- 変動証拠金Variation margin
- 変動証拠金は、取引の時価の変動をカバーするための証拠金です。
- 偏微分方程式Partial differential equation
- 偏微分方程式は、未知の関数が 2 つ以上の独立変数を持つ問題に使われる語です。ブラック・ショールズ・モデルでは、オプションの価格を原資産の価格と時間の関数として、その関係を偏微分方程式で表します。
- ポートフォリオ・コンプレッションPortfolio compression
- ポートフォリオ・コンプレッションは、金融機関が互いの取引の情報を持ち寄り、リスク量を概ね変えないように複数のデリバティブ取引を一斉に解約して、想定元本の総額で測る残高を小さくする仕組みです。
- ポートフォリオの照合Portfolio reconciliation
- ポートフォリオの照合は、デリバティブの取引相手どうしが、取引の主な条件と時価を交換して突き合わせ、食い違いを解決する手続きです。
- 補間Interpolation
- 補間は、値が分かっている点の間の値を、決まった仮定で求める方法です。金利のカーブでは、市場の金利から求めた年限ごとの割引係数やゼロレートの点の間を埋め、市場に金利がない年限の値を決めます。
- 保険リンク証券Insurance-linked security
- 保険リンク証券(ILS)は、台風や地震などの災害が起きたかどうかに応じて、投資家の受け取りが変わる金融商品の総称です。キャットボンドのほか、担保付き再保険、産業損失保証、サイドカーなどがあります。
- ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーPotential future exposure
- ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーは、将来のある時点のエクスポージャーの分布の、95% や 99% のような高い信頼水準の分位点の値です。取引相手ごとの与信枠の管理に使います。
- 保有期間Holding period
- 保有期間は、VaR を求めるときに決める、損失を測る先の期間です。今の持ち高をその期間持ち続けたときの損失を測ります。
- ボラティリティVolatility
- ボラティリティは、資産の価格の変動の大きさを、収益率の標準偏差で表した量です。ふつう年率(%)で表し、過去の価格から計算するヒストリカル・ボラティリティと、オプションの市場価格から逆算するインプライド・ボラティリティがあります。
- ボラティリティ・サーフェスVolatility surface
- ボラティリティ・サーフェスは、同じ原資産のオプションのインプライド・ボラティリティを、行使価格と満期の 2 つの軸について並べた面です。満期を 1 つに決めた断面がボラティリティ・スマイルで、行使価格を 1 つに決めた断面が満期による違い(期間構造)です。
- ボラティリティ・スマイルVolatility smile
- ボラティリティ・スマイルは、満期が同じオプションのインプライド・ボラティリティを、行使価格かデルタごとに並べたときの形です。評価の式の前提どおりなら平らになりますが、実際の市場では行使価格によって違う値になります。
- ボラティリティ・スワップVolatility swap
- ボラティリティ・スワップは、2 者が満期に、期間中の実現ボラティリティと契約のときに決めたストライクとの差に、ボラティリティ 1 ポイントあたりの想定元本を掛けた金額を受け払いする取引です。
- ボラティリティ・リスク・プレミアムVolatility risk premium
- ボラティリティ・リスク・プレミアムは、実現したボラティリティ(バリアンス)と、オプションの価格に織り込まれたボラティリティ(バリアンス)の差です。ボラティリティの変動に備える対価として、オプションの買い手が払う上乗せを表します。
- ボルカールールVolcker Rule
- ボルカールールは、銀行事業体に、自己勘定取引を禁じ、ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドへの持分の保有と後援を制限することを求める米国の規制です。
- 香港金融管理局(HKMA)Hong Kong Monetary Authority (HKMA)
- 香港金融管理局(HKMA)は、香港の当局で、店頭デリバティブの報告の提出先である取引情報蓄積機関を置き、証券先物事務監察委員会の規則の制定に同意を与えます。
- 本質的価値Intrinsic value
- 本質的価値は、オプションを今行使したとすると得られる値打ちで、コール・オプション(コール)は原資産の価格から行使価格を引いた額、プット・オプション(プット)は行使価格から原資産の価格を引いた額です。計算した額がマイナスなら、本質的価値はゼロです。
- 本人確認Know your customer (KYC)
- 本人確認は、金融機関などが顧客と取引を始めるときに、顧客が誰で、何のために取引するのかなどを確認することです。日本では、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)が、銀行や金融商品取引業者などに「取引時確認」として求めています。
ま
- マーケット・メイカーMarket maker
- マーケット・メイカーは、買いの値段(ビッド)と売りの値段(アスク)を出し続け、その値段でほかの参加者の売りにも買いにも応じる業者です。
- マージンコールMargin call
- マージンコールは、担保を受け渡す取引で、時価の変動に合わせて、相手に担保(証拠金)の差し入れや返還を求めることです。
- マージン・ピリオド・オブ・リスクMargin period of risk
- マージン・ピリオド・オブ・リスク(MPOR)は、取引相手からの担保の受け渡しが止まってから、相手の破綻で取引を処理し終え、市場のリスクをヘッジし直すまでの期間です。この間の時価の動きは変動証拠金で埋まらず、エクスポージャーとして残ります。
- マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策Anti-money laundering and countering the financing of terrorism
- マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CFT)は、犯罪で得た収益の移転と、テロリズムへの資金供与を防ぐために、金融機関などが顧客の確認、取引の記録の保存、疑わしい取引の届出などを行う対策です。日本では、犯罪による収益の移転防止に関する法律が基本的な措置を定めています。
- マルチカーブMulti-curve framework
- マルチカーブは、金利スワップなどを評価するときに、将来の受け払いを割り引くカーブと、変動金利を予想するカーブを分け、参照する金利とその期間ごとに別のカーブを使う考え方です。担保付きの取引では、割引に担保に付く金利に合わせた OIS のカーブを使います。
- マルチンゲールMartingale
- マルチンゲールは、確率過程のうち、各時点で、その時点までにわかっている情報のもとでの将来の値の期待値が、今の値に等しいものです。デリバティブの価格を期待値で表すときの、土台になる性質です。
- 未公表の重要情報Material nonpublic information
- 未公表の重要情報は、公表されていない情報で、投資者の投資判断や有価証券などの価格に影響を与えるものです。インサイダー取引の規制は、国ごとに、当たる情報の定め方が違います。
- 見せ玉Spoofing
- 見せ玉は、約定させるつもりのない買い注文や売り注文を出し、他の投資者に自然な相場だと思い込ませて、売買に引き込もうとする行為です。相場操縦の手口の一つとして扱われます。
- 見積り要求Request for quote
- 見積り要求は、取引基盤で、参加者が特定の商品を売買するときの気配を、ほかの複数の参加者に求める取引の方式です。米国の CFTC の規則は、スワップ執行ファシリティでの見積り要求の依頼先を、3 者以上と定めています。
- ミドル・オフィスMiddle office
- ミドル・オフィスは、金融機関で、取引をする部署から独立して、リスクの把握と報告や、フロント・オフィスが出した価格の検証などをする部署です。リスク管理部門がその中心です。
- 無期限スワップPerpetual swap
- 無期限スワップは、期限がなく、いつでも決済できる、暗号資産の価格に連動する取引です。無期限スワップの価格と現物の価格の差に応じた資金調達率を、買い持ちと売り持ちの間で定期的に受け払いして、価格を現物に近づけます。
- 無裁定No-arbitrage
- 無裁定は、元手なしでリスクを負わずに利益を得られる取引の機会(裁定の機会)が、市場にないことです。デリバティブの価格の理論は、この条件を出発点にしています。
- メモリー付きクーポンMemory coupon
- メモリー付きクーポンは、観測日の株価が水準に届かず払われなかったクーポンを、後の観測日にまとめて払う形のクーポンです。払い方は商品の条件で決まり、オートコールなど、観測日ごとにクーポンの有無が決まる仕組債で使われる形です。
- 目的関数Objective function
- 目的関数は、最適化で最小にする量を、探すパラメータの関数として表したものです。キャリブレーションでは、モデルの価格と市場価格の差の重みつき二乗和などを使います。
- 持ち高Position
- 持ち高(ポジション)は、外国為替取引や信用取引、先物・オプション取引で、取引を行ったあと、反対の取引や決済で終えずに残している取引のことです。買い持ちと売り持ちを比べて、買い持ちが上回る状態をロング、売り持ちが上回る状態をショート、つり合う状態をスクエアといいます。
- モデル化できないリスクファクターNon-modellable risk factor
- モデル化できないリスクファクターは、FRTB の内部モデル方式で、リスクファクターのモデル化可能性テストに通らず、期待ショートフォールのモデルに入れられないと判定されたリスクファクターです。これらは、ストレス・シナリオによる別の資本で計ります。
- モデルの検証Model validation
- モデルの検証は、モデルが設計の目的と使い方に沿って期待どおりに働いているかを調べ、限界と仮定を明らかにする一連の作業です。
- モデル・リスクModel risk
- モデル・リスクは、モデルの誤りや不適切な使い方を前提にした判断が、望ましくない結果を招くリスクです。モデルの設計に本質的な誤りがある場合と、モデルを想定した範囲の外で使うなどの不適切な使用の場合に生じます。
- モンテカルロ法Monte Carlo method
- モンテカルロ法は、乱数を使った数値の実験を何度も繰り返し、多数の結果から目的の値を求める計算の方法です。デリバティブの評価では、原資産の価格の経路を多数作り、経路ごとのペイオフを割り引いて平均して価格を推定します。
や
- 夜間のバッチ処理End-of-day batch processing
- 金融機関が、その日の取引を締めた後に、時価やリスク量の計算、担保の額の計算、報告用のデータの作成などをまとめて動かす処理です。利用者の操作に応じてその場で動く日中のオンラインの処理と分けるための呼び方です。
- 約定の入力Trade capture
- 約定の入力は、約定した取引の条件を、社内のシステムに記録することです。入力した記録は、取引をした部署から独立した担当者が約定の記録と照らし合わせ、会計の記帳、時価の計算、決済のもとになります。
- 有限差分法Finite difference method
- 有限差分法は、偏微分方程式の微分を、格子の点どうしの値の差で置き換えて、数値で解く方法です。オプションの評価では、価格が満たす偏微分方程式を、満期から今に向けて格子の点ごとに解きます。
- ヨーロピアン・オプションEuropean option
- ヨーロピアン・オプションは、買い手が満期の日にだけ権利を行使できるオプションです。
- 与信枠Credit limit
- 与信枠は、金融機関が 1 つの取引相手に対して持ってよいエクスポージャー(取引相手が破綻したときに失いうる額)の上限です。デリバティブでは、取引相手ごとに決め、取引の前と日々の計測で使用額を上限と比べます。
- 呼値の単位Tick size
- 呼値の単位は、上場デリバティブなどの注文で示す値段の刻みで、商品ごとに取引所が決めます。
ら
- ライフサイクル・イベントLifecycle event
- ライフサイクル・イベントは、デリバティブの取引が始まってから終わるまでの間に起きて、受け払いや取引の状態を変える出来事です。利払い、オプションの行使、期限前解約、ノベーション、クレジット・イベントなどがあります。
- ランダムウォークRandom walk
- ランダムウォークは、一定の間隔ごとに、それまでの動きと独立に決まる幅だけ値が動く確率過程です。1 歩ごとに +1 か −1 に同じ確率で動く対称なランダムウォークでは、n 歩後の平均は 0、分散は n です。
- リーガル・オピニオンLegal opinion
- リーガル・オピニオンは、契約や取引が関係する法律の下で有効かどうかについて、法律の専門家が書面で示す法的見解です。デリバティブでは、取引相手が破綻したときに一括清算が有効と認められるかを、関係する法域ごとに判断するために使います。
- リスク・アセット(RWA)Risk-weighted assets (RWA)
- リスク・アセット(RWA)は、銀行が負うリスクの大きさを金額で表した量で、自己資本比率の分母です。資産や取引の額にリスク・ウェイトを掛けた額などを足し、マーケット・リスクとオペレーショナル・リスクの相当額は 8% で割って加えます(マーケット・リスクは条件を満たせば算入しないことができます)。
- リスク・アペタイトRisk appetite
- リスク・アペタイトは、金融機関が、戦略と事業計画を実現するために、自らのリスク許容力の範囲内で引き受けるリスクの種類と量を、全体で示したものです。リスク・アペタイトを部署やリスクの種類ごとに割り振った上限が、リミットです。
- リスク中立確率Risk-neutral probability
- リスク中立確率は、デリバティブの価格を受け取りの期待値の割り引きで表すときに使う計算上の確率で、原資産の期待収益率が無リスク金利に等しくなるように決まります。投資家が予想する現実の確率とは別のものです。
- リスク中立評価Risk-neutral valuation
- リスク中立評価は、デリバティブの価格を、リスク中立確率で求めた将来の受け取りの期待値を無リスク金利で割り引いて求める考え方です。原資産などで複製できる商品では、複製で求めた価格と一致します。
- リスクの総合指標(SRI)Summary risk indicator (SRI)
- リスクの総合指標(SRI)は、基本情報文書(KID)に示す、商品のリスクを 1 から 7 の数字で表す指標で、市場リスクの区分と信用リスクの区分を組み合わせて決めます。
- リスクファクターRisk factor
- リスクファクターは、金利、為替、株価など、動くことで持ち高の価値を変える市場の要因です。感応度や VaR は、リスクファクターの動きから持ち高の時価の変化を求めます。
- リスク・フリー・レートRisk-free rate
- リスク・フリー・レート(RFR)は、銀行の信用リスクをほとんど含まない指標金利です。日本円では、リスク・フリー・レートに関する勉強会が 2016 年に、日本銀行が算出・公表する TONA(無担保コール翌日物金利)を日本円の RFR に特定しました。
- リスクリバーサルRisk reversal
- リスクリバーサルは、デルタの絶対値が同じコール・オプションの買いとプット・オプションの売りを組み合わせた取引です。通貨オプションの市場では、25 デルタなどのコールとプットのインプライド・ボラティリティの差で建値します。
- リバース・ストレステストReverse stress testing
- リバース・ストレステストは、自己資本比率が規制の最低水準を下回る、資金が枯渇するといった耐えられない結果を先に決め、どのような出来事が起きればその結果に至るかを探すストレステストです。ふだんのシナリオでは見落としやすい弱点を見つけるために使います。
- リバースデュアル債Reverse dual currency bond
- リバースデュアル債は、元本の償還が円建て、クーポンが外貨建ての債券です。クーポンの部分にクーポンスワップを組み込んでクーポンを高くしたものが、日本銀行の資料では PRD 債と呼ばれる債券の形です。
- 流動性カバレッジ比率Liquidity coverage ratio
- 流動性カバレッジ比率(LCR)は、30 日間のストレス下で資金が流出しても対応できるよう、銀行に適格流動資産を持つことを求める規制で、適格流動資産を 30 日間の純資金流出額で割った比率を 100% 以上にします。
- 理論価格Theoretical price
- 理論価格は、金利や満期までの日数などの条件から計算で求めた、先物やオプションの価格です。
- ルックバックLookback
- ルックバックは、後決め複利で、利息の期間の中の日ごとに何営業日か前の翌日物金利を使う計算の慣行です。期間の終わりより前に利率が分かるため、利息の支払いを準備できます。
- ルックバック・オプションLookback option
- ルックバック・オプションは、満期までの期間中に観測した原資産の最高値か最安値を使って、受け取りが決まるオプションです。行使価格を決めておいて最高値か最安値と比べる形と、コールなら期間中の最安値で買え、プットなら最高値で売れる形があります。
- レバレッジLeverage
- レバレッジは、借入やデリバティブを使って、元手(ファンドでは純資産)より大きな持ち高を持つことです。大きさは、持ち高を純資産で割った倍率で表します。
- レバレッジ比率Leverage ratio
- レバレッジ比率は、銀行の Tier1 資本を、オンバランス項目とオフバランス項目を合わせたエクスポージャー額で割った比率です。リスク・ウェイトを使わず、国際的な最低水準は 3% です。
- レポ取引Repo
- レポ取引は、一定の期間、資金と債券を交換する取引です。資金の運用や調達の手段であると同時に、債券を貸し借りする手段としても使われます。
- レンジアクルーアルRange accrual
- レンジアクルーアルは、参照する指標(金利など)があらかじめ決めた範囲の中にある日は高い利率、外にある日は低い利率(0% のこともある)で、日ごとに利息を積み上げる商品です。範囲の中にあった日数の割合で利息が決まります。
- ローRho
- ローは、金利が少し動いたときに、オプションの価格がどれだけ変わるかを表す量です。ふつう金利 1% の変化に対する価格の変化で表します。
- ローカル・ボラティリティ・モデルLocal volatility model
- ローカル・ボラティリティ・モデルは、原資産の価格のボラティリティを、その時点の原資産の価格と時点で決まる関数にしたモデルです。この関数を、ローカル・ボラティリティ(局所ボラティリティ)といい、市場のオプションの価格に合わせて決めます。
- ロックアウトLockout
- ロックアウトは、後決め複利で、利息の期間の終わりの何営業日か前の日の翌日物金利を、期間の最後の日まで繰り返し使う計算の慣行です。期間の終わりより前に利率が分かるため、利息の支払いを準備できます。
わ
- ワースト・オブWorst-of option
- ワースト・オブは、複数の株式や株価指数のうち、最も値動きの悪いものの値で受け取りが決まる型です。そのコールは、コール・オン・ミニマムとも呼びます。
- ワラントWarrant
- ワラントは、株式などを決めた価格で買う権利か売る権利を表示した証券です。会社が自社の株式について発行する新株予約権証券と、証券会社などの第三者が他社の株式を対象に発行するカバード・ワラントがあります。
- 割当Allocation
- 割当は、複数の口座の分をまとめて執行した注文を、約定のあとに、口座ごとの取引に振り分けることです。
- 割引係数Discount factor
- 割引係数は、将来のある時点に受け取る 1 単位のお金の、今の時点の価値です。将来の金額に掛けて現在価値を求めます。
- 割引債Zero-coupon bond
- 割引債は、クーポン(利息)がなく、額面より低い価格で発行される債券です。額面と発行の価格の差と、満期までの期間で利回りが決まります。