金融庁の「主要行等向けの総合的な監督指針」は、デリバティブ取引の説明で、最悪のシナリオを想定した想定最大損失額を、前提と違う状況になれば損失がさらに広がるおそれも含めて説明することを着眼点に挙げています。中途解約で解約清算金が出る取引では、最悪のシナリオを想定した解約清算金の試算額と、試算額を超えるおそれがあればそのことも説明します1。
1 ドル 140 円で 100 万ドルを買う為替予約で、最悪のシナリオを 1 ドル 100 円とする架空の例で考えます。直物で買う場合と比べた損失は (140 − 100) × 100 万ドル = 4,000 万円です。1 ドル 170 円なら、逆に 3,000 万円の得になります。ドルの支払いの予定があり、予約をその支払いに充てるなら、どちらの場合も支払いは 1 億 4,000 万円に決まります。
「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」は、「最悪のシナリオ」と「最悪シナリオ」の両方の書き方を使っています2。顧客が許容できる損失額は、最悪のシナリオに至る前に超えることもあり、そのときはそのことも説明します1。