企業が社債の発行で払う上乗せ分には、デフォルトしたときの損失の期待値と、デフォルトの確率が不確かなことへの補償のほか、社債の市場流動性の低さなどに対する分も含まれます1。

CVA の計算では、市場で観測されるクレジット・スプレッドから、リスク中立確率でのデフォルト確率を推計します。取引相手を直接参照する CDS のスプレッドが最も信頼できるとされ、ない場合は取引相手の債券のスプレッドや、似た企業の CDS で代用します。

2017 年の日本銀行金融研究所の論文(斎藤祐一)は、評価式の中のデフォルトの強さを表す記号 λ\lambda を「クレジット・スプレッド」と呼んでいます。このサイトでは、λ\lambda はハザード率と書き、クレジット・スプレッドは利回りの差や CDS のスプレッドを指します。国債の利回りが 1.0%、同じ満期の社債の利回りが 1.5% の架空の例で考えます。クレジット・スプレッドは 0.5%(50bp)です。スプレッドが 1bp 動いたときの価値の変化額は CS01 といいます。

注

  1. 日本銀行「日本の社債発行スプレッドの変動要因」。 ↩