取引の価格付けや採算の判断、ポートフォリオの資本コストの管理では、KVA を扱う場面があります1。

KVA が表すもの

銀行がデリバティブを持つと、取引相手のデフォルトや市場の値動きに備えて、規制で決まった額以上の自己資本を持つことになります。この資本には、株主に対して収益を支払う必要があります。KVA(Capital Valuation Adjustment)は、取引を満期まで続けるために要る規制資本のコストを、現在価値で表した調整です23。XVA の 1 つで、リスク・フリーの時価から引く向きに働きます。5 つの調整の向きと式は、XVA の全体像で扱います。

ある取引が 1 年間、規制資本 1 億円を要し、資本に求める収益率(ハードル・レート)が 10% の架空の例で考えます。1 年の資本のコストは 1,000 万円です。資本が 5 年間変わらなければ、毎年 1,000 万円のコストが 5 年続きます。実際は取引の資本が時間とともに変わるため、年ごとに資本を見積もって足し合わせます。この資本の時間変化の見積もりが、資本のプロファイルです。

KVA の求め方

KVA は、将来の各時点の所要資本の期待値にハードル・レートを掛け、割り引いて満期まで足し合わせて求めます。日本銀行金融研究所の斎藤祐一氏の 2017 年の論文(以下、斎藤論文)では、次の式で表されています4。

KVA=∫tTh(u) EQ ⁣[D(u) K(u)]du\mathrm{KVA} = \int_t^T h(u)\, \mathbb{E}^{Q}\!\left[D(u)\, K(u)\right] du

h(u)h(u) は資本に求める収益率で、斎藤論文の資本コスト γK\gamma_K にあたります(斎藤論文は式 (2) の γK\gamma_K を「資本コスト」と呼んでいます。ここでは hh をハードル・レートと呼びます)。K(u)K(u) は時点 uu の所要資本(規制資本)、D(u)D(u) は割引係数、EQ\mathbb{E}^{Q} はリスク中立確率での期待値です。hh と KK は式の中で掛け算になるため、hh が 2 倍でも、資本が 2 倍でも、KVA は 2 倍になります。

区間に分けて手で計算するときは、区間 ii の所要資本の期待値(平均)を KiK_i、区間の終わりの時点 tit_i の割引係数を D(ti)D(t_i)、区間の長さ(年)を Δti\Delta t_i として、次のように足し合わせます5。

KVA≈∑i=1nh×Ki×D(ti)×Δti\mathrm{KVA} \approx \sum_{i=1}^{n} h \times K_i \times D(t_i) \times \Delta t_i
深掘りGreen らの半複製モデルでの KVA の式

Green、Kenyon、Dennis の論文は、CVA と FVA に使われる Burgard と Kjaer の半複製の枠組みに、資本の項を足して KVA を導いています6。KVA を FVA と分けて整理した形では、割引にクレジット・スプレッドが入ります。

KVA′=∫tTh(u) e−∫tu(r(s)+λB(s)+λC(s))ds Et ⁣[K(u)]du\mathrm{KVA}' = \int_t^T h(u)\, e^{-\int_t^u \left(r(s)+\lambda_B(s)+\lambda_C(s)\right)ds}\, \mathbb{E}_t\!\left[K(u)\right] du

rr はリスク・フリー・レート、λB\lambda_B と λC\lambda_C は自社と取引相手のクレジット・スプレッドです。Green らの論文は符号を負にして定義しており、ここでは 0 以上の金額に直しています。資本のうち一部 ϕ\phi を資金調達に使えると見る場合は、資本のコストがその分だけ減ります。Green らの論文は基本のケースを ϕ=0\phi = 0 とし、ϕ=1\phi = 1 のケースも数値例に入れています。資本の発行や買い戻しを個別の取引や戦略に結び付けることは、バーゼル III が明示的に禁じているように見えるとも書いています7。

資本のプロファイルは何で決まるか

所要資本 K(u)K(u) は、自己資本比率の側では、取引にかかる規制資本の合計です。Green らは取引相手のデフォルトへの資本(CCR 資本)、CVA 資本、市場リスクの資本の 3 つを足し合わせます8。レバレッジ比率の側では、自己資本比率の側とは別に KVA を求め、あとで比べて大きい方を取ります。斎藤論文は、CCR 資本、CVA 資本、レバレッジ比率の 3 つを対象にし、市場リスクの資本はヘッジ取引で相殺されるとして扱っていません9。

資本 備える対象 求め方の要点
取引相手のデフォルトへの資本(CCR 資本) 取引相手のデフォルトによる損失 KCCR(u)=c×RWACCR(u)K_{\mathrm{CCR}}(u) = c \times \mathrm{RWA}_{\mathrm{CCR}}(u)、RWACCR(u)=RW×EAD(u)\mathrm{RWA}_{\mathrm{CCR}}(u) = \mathrm{RW} \times \mathrm{EAD}(u)。cc は所要資本水準、RW は RWA の計算に使うリスク・ウェイト、EAD はデフォルト時エクスポージャー10
CVA 資本 取引相手の信用力の変化による CVA の変動 バーゼル III で CCR 資本とは別に導入された賦課11
市場リスクの資本 金利や為替などの値動きによる損失 ポートフォリオ全体のネットで計算する。標準的方式では、取引の満期、クーポン、想定元本などの関数12
レバレッジ比率の資本 リスク・ウェイトを使わない資本の下限 KLev(u)=cL×Exposure(u)K_{\mathrm{Lev}}(u) = c_L \times \mathrm{Exposure}(u)。最低水準 3.0% に一定の上乗せ13

CCR 資本は、RWA に所要資本水準 cc を掛けた額です。斎藤論文は RWA を 12.5×w×EAD12.5 \times w \times \mathrm{EAD} と書き、12.5 は 8% の逆数で、資本の額を RWA に換算する係数です。ここでの RW は、斎藤論文の 12.5×w12.5 \times w にあたります。斎藤論文の cc は、バーゼル規制の最低水準 8.0% に各種の資本バッファーを加味した水準です10。EAD を求める方式には SA-CCR などがあります。RWA と自己資本比率の基本は、リスク・アセット(RWA)で扱います。

どの資本も時間とともに変わります。標準的方式の EAD もレバレッジ・エクスポージャーも、将来のデリバティブと担保の時価の関数なので、将来の時価をシミュレーションして各時点の資本を求めます14。市場リスクの資本も、残存期間が短くなれば変わります12。取引の期間全体のコストを知るには、現在の資本だけでなく生涯にわたる資本が要ります15。

自己資本比率とレバレッジ比率のどちらの資本が効くかは、斎藤論文では両方の KVA を求めて大きい方を取る形にしています16。

KVA=max⁡(KVACCR+KVACVA, KVALev)\mathrm{KVA} = \max\left(\mathrm{KVA}_{\mathrm{CCR}} + \mathrm{KVA}_{\mathrm{CVA}},\ \mathrm{KVA}_{\mathrm{Lev}}\right)

斎藤論文の数値例では、標準的方式で RWA の資本が大きく、内部モデル方式(IMM)で CCR 資本が小さくなるとレバレッジ比率の資本が大きくなっています。どちらが効くかは、規制資本の測り方と金融機関のポートフォリオで変わると考えられます17。

計算例:K 社との 5 年の無担保の取引

銀行が K 社と、担保の契約なしで期間 5 年の金利スワップを結ぶ架空の例で考えます。資本のプロファイルは、満期に向かって減る単純な形を仮定します。

仮定は次のとおりです。EAD の年平均は 7.5 億円から始まって 1 年に 1.5 億円ずつ減り、RWA の計算に使う RW は 50%、所要資本水準 cc は最低水準の 8% とします。CVA 資本は CCR 資本の半分、市場リスクの資本は CCR 資本の 6 分の 1 とします。ハードル・レートは 10%、割引は年 1% の複利で、割引係数は各区間の終わりの値を使います。

区間 EAD(万円) CCR 資本(万円) CVA 資本(万円) 市場リスクの資本(万円) 所要資本 KiK_i(万円)
0〜1 年 75,000 3,000 1,500 500 5,000
1〜2 年 60,000 2,400 1,200 400 4,000
2〜3 年 45,000 1,800 900 300 3,000
3〜4 年 30,000 1,200 600 200 2,000
4〜5 年 15,000 600 300 100 1,000

0〜1 年の RWA は 75,000×50%=37,50075{,}000 \times 50\% = 37{,}500 万円で、CCR 資本は 8%×37,500=3,0008\% \times 37{,}500 = 3{,}000 万円です。ほかの区間の CCR 資本も同じ式で求めます。割引係数は D(ti)=1.01−iD(t_i) = 1.01^{-i} で、小数第 7 位を四捨五入した値を使います。

区間 KiK_i(万円) D(ti)D(t_i) Ki×D(ti)K_i \times D(t_i)(万円)
0〜1 年 5,000 0.990099 4,950.50
1〜2 年 4,000 0.980296 3,921.18
2〜3 年 3,000 0.970590 2,911.77
3〜4 年 2,000 0.960980 1,921.96
4〜5 年 1,000 0.951466 951.47
合計 14,656.88
区間の所要資本(万円)所要資本 K_i割り引いた所要資本 K_i × D(t_i)01,0002,0003,0004,0005,0000123451 年2 年3 年4 年取引開始からの年数
図 1K 社との取引の所要資本の年ごとの減り方
図の説明

所要資本は区間ごとに階段状に、年ごとに 1,000 万円ずつ減ります。割り引いた値も同じ階段の形で、所要資本より少し下をたどります。値は上の表と同じです。KVA は、割り引いた値を足した合計にハードル・レートを掛けた額です。

KVA は 10%×14,656.88=1,465.6910\% \times 14{,}656.88 = 1{,}465.69 万円で、約 1,466 万円です。K 社との取引の時価は、リスク・フリーの時価より約 1,466 万円低くなります。資本の種類別では、CCR 資本の分が約 879.41 万円、CVA 資本の分が約 439.71 万円、市場リスクの資本の分が約 146.57 万円です。

レバレッジ比率の資本も比べます。レバレッジ・エクスポージャーが 10 億円から 1 年に 1 億円ずつ減り、cLc_L を最低水準の 3% とすると、資本は 3,000 万円、2,700 万円、2,400 万円、2,100 万円、1,800 万円です。同じハードル・レートとすると、このレバレッジ比率の KVA は約 1,167.72 万円です。前の節の max の左項は市場リスクを除いた約 1,319.12 万円(879.41 + 439.71)で、レバレッジ比率の約 1,167.72 万円より左項が大きくなります。大きい方は自己資本比率の側です。市場リスクの資本は斎藤論文の範囲外のため、この比較に入れていません。

次に、入力を変えます。

場合 KVA(万円) 最初との差(万円)
最初の例(ハードル・レート 10%) 1,466
ハードル・レートが 8% 1,173 −293
ハードル・レートが 12% 1,759 +293
所要資本がすべて 1.2 倍 1,759 +293
CVA 資本が半分になる 1,246 −220

KVA は、ハードル・レートと資本のどちらにも比例します。CVA 資本が半分になる場合は、CVA 資本の分の約 439.71 万円が半分の約 219.85 万円になり、約 1,246 万円です。この計算は CVA 資本を半分にする手段のコストを含みません。表の KVA は整数に丸めた値で、差は丸める前の値の差を整数に丸めた値です。

価格に入れるか、採算の基準にするか

KVA の評価式は 2014 年の論文で示されました。2017 年の斎藤論文は、Sherif と Chambers を引いて、取扱いに市場のコンセンサスはなく、KVA の一定割合を価格に反映する金融機関もそうでない金融機関もあるとしていました。会計上の報告は、FVA や MVA に比べて慎重論が多いとされていました1。価格に使わない場合でも、KVA は取引の採算の基準(ハードル・レート)や、ポートフォリオの資本コストを管理する道具として使われていました1。

価格に入れる場合、取引の価格は KVA の分だけ変わります。入れない場合、価格はそのままで、KVA は銀行の内部で取引が採算に合うかを見る基準として使われます。K 社の例で、取引から銀行が得る収益の現在価値を、KVA を考える前で 1,800 万円とします。

場合 KVA(万円) 収益の現在価値 − KVA(万円)
最初の例 1,466 +334
ハードル・レートが 12% 1,759 +41
所要資本が 1.5 倍 2,199 −399

収益の現在価値が KVA を上回れば、資本のコストを賄ったうえで残りがあり、下回れば賄えません。同じ取引でも、規制資本の増え方や社内のハードル・レートで、結論が分かれます。収益の現在価値 − KVA は、1,800−1,465.69=334.311{,}800 - 1{,}465.69 = 334.31、1,800−1,758.83=41.171{,}800 - 1{,}758.83 = 41.17、1,800−2,198.53=−398.531{,}800 - 2{,}198.53 = -398.53 で、表では整数に丸めています。

ハードル・レートの値は、外から見えるとは限りません。Green らは、資本コストを取締役会が株主と相談して決める社内のパラメータとし、銀行が公表する自己資本利益率(ROE)の目標が近い代わりの値になると述べています。Green らの数値例は 10% を使っています18。斎藤論文の数値例は、本邦大手金融機関の ROE を参考に、RWA に対する資本コストを 6.0% と仮定しています19。計算例の 10% は、計算を追いやすくするために置いた値です。

CVA の調整と CVA 資本、二重計上

CVA(評価調整)と CVA 資本は別のものです。CVA は取引相手の信用力の変化を時価に反映する調整、CVA 資本は CVA の変動に備えて規制が求める自己資本です11。KVA の所要資本 K(u)K(u) には CVA 資本が入るため、CVA を減らす手段は KVA にも効きます。

規制上の適格ヘッジ手段で CVA をヘッジすると、CVA 資本賦課が減り、CVA 資本に対する KVA も軽減されます。このとき、取引の開始時に CVA と KVA の両方を価格に入れると、取引相手のリスクのヘッジ・コストを過剰に計上するという指摘があります21。上の計算例で CVA 資本が半分になると KVA が約 220 万円減る計算は、この関係を数値にしたものです。

ヘッジ取引は、資本を減らすだけではありません。Green らの例は、無担保の 10 年金利スワップを顧客と結び、市場リスクのヘッジに担保付きの 10 年スワップを市場の取引相手と結ぶものです。この場合、ヘッジ取引にも少額の CCR 資本と CVA 資本がかかる一方、全体の市場リスクの資本は大きく減ります22。KVA をヘッジする取引にも資本がかかります22。

規制が変わると KVA も変わる

KVA は規制資本の見込みから求めるため、規制の計算方式が変われば値が変わります。斎藤論文の時点(2017 年)では、いずれの規制も計算方式の変更が予定されていました。CCR 資本の標準的方式は現行のカレント・エクスポージャー方式(CEM)から SA-CCR に変わる予定でした。レバレッジ・エクスポージャーも SA-CCR をもとにした計算方法が提案されていました。CVA 資本は枠組みの見直しに向かっていました23。その後に BCBS が最終化した CVA の枠組みは、計測方法を標準的方式(SA-CVA)と基礎的方式(BA-CVA)の 2 つと簡便法に見直しています24。

方式による KVA の差は大きくなりえます。斎藤論文は、2015 年 12 月 30 日の市場データによる 5 年の円金利スワップ(ペイヤー)の数値例で、無担保の取引の KVA を比べています。条件は、自社と取引相手が A 格でクレジット・スプレッドが 50bp、資本コストが 6.0% です。SA-CCR の KVA は、内部モデル(IMM)の約 2 倍でした。変動証拠金を授受すると、IMM の KVA はゼロに近くなりましたが、SA-CCR の KVA はそこまで小さくなりませんでした25。IMM に標準的方式を使うフロアを入れる案では、フロアが標準的方式の 75% なら、IMM の KVA が 1.5 倍になるという簡単な見積もりも示しています25。この数値は斎藤論文の条件での結果で、規制が最終化された後の水準ではありません。

Green らも、規制の施行の日付と中身がしばしば不確実で、資本の見積もりが難しくなる理由の 1 つだと述べています15。

前提と限界

KVA の大きさは、2 つの見積もりに左右されます。1 つは資本のプロファイルで、将来の時価と担保のシミュレーションと、使う規制の計算方式で決まります。もう 1 つはハードル・レートで、社内で決める値です。どちらが違っても、同じ取引の KVA は変わります。この計算例は、満期に向かって減る単純なプロファイルを仮定しており、実際のプロファイルは取引の種類、担保の契約、金利などの動きで形が変わります。

KVA の式は、評価の枠組みによって形が変わります。Green らの式では、割引にクレジット・スプレッドが入ります。また、資本の一部を資金調達に使えると見るかで資本のコストが変わります。Green らは、資本を資金調達にどう使うかは、一部は金融機関の社内の方針で決まるとしています7。

KVA に対するヘッジも、ほかのヘッジと同じ問題を持ちます。市場の値動きで必要な資本が増える分を、取引で得る利益で賄うという見方ができますが、ヘッジ取引にも資本がかかります22。KVA を価格に入れるか、会計上どう報告するかについても、2017 年の時点で市場の合意はありませんでした1。

注

  1. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(日本銀行金融研究所『金融研究』2017 年 4 月)の 1 節(113 ページ)。価格への反映、会計上の報告、ハードル・レートとしての活用の記述で、Sherif and Chambers [2015] を引いています。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  2. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(日本銀行金融研究所『金融研究』2017 年 4 月)の 5 節(3)(130 ページ)。KVA を「取引満期までに要する規制資本を調達するコスト(資本コスト)の割引現在価値の期待値」としています。1 節(110 ページ)は、規制資本の調達コスト(資本コスト)に係る評価調整として KVA が考慮されはじめていると書いています。 ↩

  3. Andrew Green、Chris Kenyon、Chris Dennis "KVA: Capital Valuation Adjustment"(arXiv:1405.0515v3、2014 年 10 月 24 日版)の 3.1 節(10 ページ)。資本コストを、株主が派生商品の取引に資本を投じる判断に応じて、規制資本に対して株主へ支払う収益率としています。 ↩

  4. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(『金融研究』2017 年 4 月)の 2 節(2)の式 (2)(115〜116 ページ)。斎藤論文は KVA を負の符号で定義し、ここでは 0 以上の金額に直しています。γK\gamma_K が hh、DF(u)DF(u) が D(u)D(u) にあたり、5 節(2)(125 ページ)も参照。 ↩

  5. 区間に分けた和は、計算例のための簡単な書き方です。斎藤論文の式は積分で、区間の中の値の取り方と割引の時点は、実装によって変わります。 ↩

  6. Green らの論文の 2 節、式 (27)〜(34)(8〜9 ページ)。式 (34) が KVA′ にあたり、式 (32) は資本の項にクレジット・スプレッドを含む形です。 ↩

  7. Green らの論文。資本のうち資金調達に使う割合 ϕ\phi は 1 節(2〜3 ページ)。社内の方針で決まる点は 3 ページ、資本のコストが減る点は式 (65) の直後(18 ページ)。 ↩ ↩2

  8. Green らの論文の 4 節、式 (36)(10 ページ)。K=KMR+KCCR+KCVAK = K_{MR} + K_{CCR} + K_{CVA} と 3 つに分けています。 ↩

  9. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(『金融研究』2017 年 4 月)の 5 節(1)(124〜125 ページ)と表 2。マーケット・リスク資本は、ヘッジ取引で相応に削減されるため対象外としています。 ↩

  10. 同じ資料の 5 節(2)イ(125 ページ)の式 (10)、(11)。所要資本水準 cc は、バーゼル規制の最低所要水準の 8.0% に各種資本バッファーを考慮した水準と書いています。論文の RWA の 12.5 は 8% の逆数で、ここでの RW は斎藤論文の 12.5×w12.5 \times w(ww は論文のリスク・ウェイト)にあたります。 ↩ ↩2

  11. 同じ資料の 5 節(1)(124 ページ)。バーゼル III(2013 年から導入)が CVA 変動リスクへの資本賦課を CCR 資本とは別に導入したと書いています。2010 年公表の点は、金融庁、日本銀行「「信用評価調整(CVA)リスクの最低所要自己資本」の概要」(2018 年 2 月)の 2 ページ。 ↩ ↩2

  12. Green らの論文の 4.1 節(10〜12 ページ)。市場リスクの資本はポートフォリオ全体のネットで計算されること(11 ページ)、標準的方式では満期、クーポン、想定元本などの取引の性質の関数であること(12 ページ)。 ↩ ↩2

  13. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(日本銀行金融研究所『金融研究』2017 年 4 月)の 5 節(2)ハ(129〜130 ページ)の式 (19)。所要資本水準は最低水準の 3.0% に一定の水準を上乗せしたもので、G-SIBs への上乗せの水準は BCBS で議論中と書いています(論文の時点)。 ↩

  14. 同じ資料の 5 節(3)(130 ページ)。標準的方式の EAD とレバレッジ・エクスポージャーが、デリバティブと担保の時価の関数で表されること、IMM の KVA は被積分関数の計算自体に期待エクスポージャーのシミュレーションが要るため複雑であること。アメリカン・モンテカルロ法は 5 節(5)。 ↩ ↩2

  15. Green らの論文の 1 節(2 ページ)。資本の価格付けが難しい理由の 2 点目に、現在の資本だけでなく生涯にわたる資本のコストが要ることを、4 点目に、規制の施行の日付と中身がしばしば不確実なことを挙げています。 ↩ ↩2

  16. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(『金融研究』2017 年 4 月)の 6 節(1)の式 (30)(137 ページ)。数値例の資本コストと所要水準の設定は、同じページ。 ↩

  17. 同じ資料の 6 節(2)ロ(140 ページ)。標準的方式では RWA が支配的で、IMM では(A 格のケースで)レバレッジ比率が支配的になること、どちらが支配的になるかは規制資本の計測方法と金融機関のポートフォリオで変わると考えられること。 ↩

  18. Green らの論文の 3.1 節(10 ページ)。資本コストは取締役会が株主と相談して決める社内のパラメータで、外から見えないことがあり、近い代理が各銀行の ROE 目標であること。Roland Berger と Nomura の報告(Reboul ら 2014)が典型的なグループの ROE 目標を 10% としたこと。数値例では γK\gamma_K に 10% を使っています。 ↩

  19. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(日本銀行金融研究所『金融研究』2017 年 4 月)の 5 節(6)イ(135 ページ)。RWA に対する資本コストを、本邦大手金融機関の ROE を参考に 6.0% と仮定し、所要水準を最低所要水準に各種資本バッファーを加味した 13.5% としています。 ↩

  20. Green らの論文の 3 節(9 ページ)と 4.1 節(11 ページ)。規制資本はポートフォリオ単位の要求で、デリバティブの価格付けでは、新しい取引だけでなく取引とヘッジ取引の影響を見る必要があること。市場リスクの資本はネットで計算されるため、ポートフォリオ全体の要求から資本を割り当てる必要があること。 ↩ ↩2

  21. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(『金融研究』2017 年 4 月)の 2 節(2)(114 ページ)。CVA と KVA の二重計上の指摘で、Gregory [2015] と Sherif and Chambers [2015] を引いています。 ↩

  22. Green らの論文の 3 節(9 ページ)。ヘッジ取引が資本を要することと、10 年の金利スワップの例。ヘッジ取引にも資本がかかるが、資本が通常小さな割合(O(1/10) と書かれています)なので要求は速く収束すること、KVA のヘッジにも資本がかかること。 ↩ ↩2 ↩3

  23. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(日本銀行金融研究所『金融研究』2017 年 4 月)の 5 節(1)(124 ページ)。 ↩

  24. 金融庁、日本銀行「「信用評価調整(CVA)リスクの最低所要自己資本」の概要」(2018 年 2 月)の「3.CVAリスクの見直しの概要」(4 ページ)。2 つの計測手法と 1 つの簡便法に見直した点は、この資料の説明にもとづきます。 ↩

  25. 斎藤祐一「金融規制の複合的影響を考慮したXVA」(『金融研究』2017 年 4 月)の 5 節(6)(134〜136 ページ)。設定は 134〜135 ページ、結果は 136 ページ。フロア 75% は 136 ページの脚注 31。 ↩ ↩2