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デリバティブ・コンパス

実務上級

ミドル(リスク管理)

こんな人に
市場リスク、信用リスク、流動性リスクを計測し、限度額と評価の検証を担う人に向けています。
読み方
新人は先に共通基礎を読みます。実務経験者は段階 1 から、VaR とエクスポージャーの計測に慣れている人は段階 3 から読みます。
先に読むロードマップ
新人の共通基礎
  1. 段階 1リスクの測り方実務

    グリークスとセンシティビティ、VaR と期待ショートフォール、ストレステストとバックテストで、市場リスクをどう数えるかを押さえます。

    1. 入門グリークス架空のコール(価格 8.43)は、デルタが 0.5596 なので、原資産の価格が 1 上がると価格がおよそ 0.56 上がると見積もれます。評価
    2. 実務センシティビティ(DV01、ベガ、年限別の感応度)リスクファクターは商品ごとに決まり、金利は年限ごとの金利をそれぞれ 1 つのリスクファクターとして扱います。市場リスク管理
    3. 入門VaR信頼水準 99% の VaR は、損失がその額を超える確率が 1% になる金額です。市場リスク管理
    4. 実務期待ショートフォールVaR が同じでも、VaR を超えた先に大きな損失がある持ち高ほど、期待ショートフォールは大きくなります。市場リスク管理
    5. 実務ストレステストVaR は過去のデータにもとづくため、環境の変化と裾の損失を示せず、ストレステストで補います。市場リスク管理
    6. 実務バックテストVaR は推定値で外れることがあるため、毎日の VaR と翌営業日の損益を比べ、直近 250 営業日の超過を数えます。市場リスク管理
  2. 段階 2カウンターパーティとエクスポージャー実務

    取引相手が倒れたときの損失の出方と、ネッティングと担保による削減、与信枠、証拠金の資金負担を押さえます。

    1. 入門カウンターパーティ・クレジットリスクとは取引相手が破綻すると、時価がプラスの側だけがその額を失うおそれがあります。クレジットリスク
    2. 実務エクスポージャーの種類と計測CE は今の時価のプラスの部分、PFE は将来のエクスポージャーの分布の高い分位点、EE はその平均、EPE は EE の期間平均です。クレジットリスク
    3. 実務商品ごとのエクスポージャーの出方エクスポージャーの形は、市場の値が動く幅の広がりと、残りの受け払いの減り方の組み合わせで決まります。クレジットリスク
    4. 実務ネッティングと担保による削減効果一括清算があると、エクスポージャーは取引ごとのプラスの時価の和ではなく、取引の時価の合計のプラスの部分になります。クレジットリスク
    5. 実務与信枠の管理与信枠は、取引相手が破綻したときに失いうる額の上限を、取引相手ごとに決めたものです。クレジットリスク
    6. 実務変動証拠金と当初証拠金の資金負担資金流動性リスクは、支払いや担保の資金を用意できなくなるリスクで、デリバティブでは追加の担保の要求が原因の 1 つです。流動性・資金調達のリスク
    7. 実務マージンコールへの対応相対取引では、時価の評価、必要額の計算、請求、額の合意、受け渡しの順に進め、両方の当事者がそれぞれ額を計算します。流動性・資金調達のリスク
  3. 段階 3評価の検証と管理の枠組み実務

    ボラティリティと担保が時価をどう動かすかを押さえ、日次の業務、損益の要因分析、三線管理、リミット、独立した時価の検証、モデル・リスク管理に進みます。

    1. 実務インプライド・ボラティリティインプライド・ボラティリティは、債券の価格を利回りで示すように、オプションの価格をボラティリティで言い換えた値です。評価
    2. 実務ボラティリティ・スマイルとサーフェス株式のオプションでは、行使価格が低いほど高い右下がりの形(スキュー)が多く、満期が短いほど傾きが急です。評価
    3. 実務担保と割引カーブ担保の通貨、付利の金利、受け渡しの頻度、閾値はクレジット・サポート・アネックス(CSA)で決め、割引に使う金利はこの条件で変わります。評価
    4. 実務リスク管理の日次業務リスク管理部門がフロントを牽制するには、リスクの計測と報告書の作成の作業がフロントから独立している必要があります。業務(金融機関内)
    5. 実務損益の要因分析損益を要因に分けるのは、損益の出どころを示し、時価の評価の誤りや捉えていないリスクに気づくためです。資本・収益管理
    6. 入門三線管理(スリー・ライン・モデル)三線管理は、リスクを管理する役割と、その管理が働いているかを確かめる役割を、組織の中で分けて持たせる考え方です。ガバナンス・内部統制
    7. 実務リミットの体系リスク・アペタイトは経営が引き受けるリスクの種類と量で、リミットはそれを部署やリスクの種類に割り振った数値の上限です。ガバナンス・内部統制
    8. 実務独立した時価の検証(IPV)IPV は、フロントが付けた時価を独立した人や部署が独立した価格で確かめ直し、見積もりへの偏りを防ぐ統制です。ガバナンス・内部統制
    9. 実務モデル・リスク管理(SR 11-7、金融庁の原則)モデル・リスクは、モデルの誤りや不適切な使い方を前提にした判断が、望ましくない結果を招くリスクです。ガバナンス・内部統制
  4. 段階 4規制資本実務

    バーゼル規制の枠組みとリスク・アセット、カウンターパーティ・リスクの規制上の扱い、証拠金規制と SIMM、レバレッジ比率を押さえます。

    1. 入門バーゼル規制とデリバティブバーゼル規制は BCBS が策定する国際基準で、3 つの柱(最低所要自己資本、自己管理と監督上の検証、情報開示)で成り立ちます。規制:国際基準
    2. 入門リスク・アセット(RWA)RWA は銀行のリスクの大きさを金額で表した額で、自己資本比率の分母です。資本・収益管理
    3. 実務規制上の扱いの概要(SA-CCR、内部モデル方式、CVA リスク)規制は、取引相手のデフォルトに備える資本と、CVA の時価の変動に備える資本の 2 つを求めます。クレジットリスク
    4. 実務BCBS-IOSCO の証拠金規制枠組みの目的は、清算されない取引のシステミック・リスクを減らすことと、中央清算を促すことです。規制:国際基準
    5. 実務当初証拠金の標準モデル(ISDA SIMM)清算機関を通さない店頭デリバティブの当初証拠金は、標準表か、日本では届け出た定量的計算モデルで計算します。評価
    6. 実務レバレッジ比率分子は Tier 1 資本、分母はリスク・ウェイトを掛けずに測った資産と取引の額で、リスクベースの自己資本比率を補う規制です。資本・収益管理
  5. 段階 5XVA と上級の資本規制上級

    モンテカルロ法と XVA の全体像から、CVA と DVA、FVA と MVA、誤方向リスク、SA-CCR、FRTB、CVA リスクの資本賦課、KVA に進みます。

    1. 実務モンテカルロ法経路は、原資産の期待収益率を無リスク金利と置いたリスク中立の動きで作ります。評価
    2. 実務XVA の全体像CVA、FVA、MVA、KVA は時価を下げ、DVA は時価を上げます。評価
    3. 上級CVA と DVA取引相手のデフォルトと市場の値動きが独立なら、CVA は区間ごとの割引係数、期待エクスポージャー、デフォルト確率、損失率の積の和になります。評価
    4. 上級FVA と MVAFVA は、担保なしの取引と担保付きの反対取引の間で生じる、担保の資金調達のコストを時価に反映します。評価
    5. 上級誤方向リスクCVA の評価で、エクスポージャーと相手のデフォルトを別々に見積もると、誤方向のときに損失を小さく見積もることになります。クレジットリスク
    6. 上級SA-CCR与信相当額は、1.4 ×(再構築コスト + PFE)で、ネッティング・セットごとに求めます。規制:国際基準
    7. 上級FRTB(トレーディング勘定の抜本的見直し)FRTB は、バーゼル 2.5 に残った課題に対応するため、BCBS が公表し、その後に改訂した市場リスクの資本規制です。規制:国際基準
    8. 上級CVA リスクの資本賦課CVA リスクの資本賦課は、デフォルトに備える資本とは別に、CVA の変動に備える資本を求めます。規制:国際基準
    9. 上級資本評価調整(KVA)KVA は、満期までに持つ規制資本のコストの現在価値で、時価を下げる向きの調整です。資本・収益管理

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