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デリバティブ・コンパス

実務上級

コンプライアンス・法務

こんな人に
契約、規制上の扱い、顧客保護、報告を担うコンプライアンスと法務の人に向けています。
読み方
新人は先に共通基礎を読みます。実務経験者は段階 1 から、ISDA の契約と金融商品取引法に慣れている人は段階 3 から読みます。
先に読むロードマップ
新人の共通基礎
  1. 段階 1契約と法的な枠組み実務

    ISDA マスター契約、CSA、プロトコル、期限前解約の事由、一括清算と日本の一括清算法を押さえます。

    1. 入門ISDA マスター契約とスケジュール基本契約書を結ぶと、その後の各取引が同じ条件で行われることをはっきりさせる助けになります。契約・法務
    2. 実務CSA(担保契約)CSA は、基本契約に基づく取引の時価が動いたときに、どちらがどれだけ担保を受け渡すかを、前もって決めておく契約書です。契約・法務
    3. 実務ISDA プロトコルプロトコルを使うと、相手の数だけ要る改定契約の手続が、ISDA の文書への批准にまとまります。契約・法務
    4. 実務期限前解約の事由基本契約書は、倒産、支払の不履行、信用力の低下などを、取引を期限前に終えるきっかけとして定めます。契約・法務
    5. 実務一括清算(クローズアウト・ネッティング)一括清算では、相手の破綻の時に、全取引の評価額の純額が 1 つの債権か債務になります。契約・法務
    6. 実務日本の一括清算法一括清算法の本則は 4 か条で、目的、定義、倒産手続との関係、更生手続での担保の扱いを定めます。契約・法務
  2. 段階 2日本の規制実務

    金融商品取引法を軸に、金融サービス提供法、商品先物取引法、監督指針、清算集中義務、証拠金規制、取引報告、電子取引基盤、適合性原則を押さえます。

    1. 入門日本のデリバティブ規制の全体像金融商品取引法はデリバティブ取引を市場、店頭、外国市場の 3 つに分け、商品の取引は商品先物取引法が定めます。規制:日本
    2. 実務金融商品取引法とデリバティブ金商法はデリバティブ取引を、取引を行う場で 3 つに定義し、取引の型と原資産の範囲を条文で決めています。規制:日本
    3. 実務金融サービス提供法顧客等の保護と利用環境の整備を目的に、業態別の法律を横断して金融商品の販売のルールを置きます。規制:日本
    4. 実務商品先物取引法商品デリバティブ取引は、商品市場の取引、外国商品市場の取引、店頭商品デリバティブ取引の 3 つで、商品には農産物、鉱物、電力などが入ります。規制:日本
    5. 実務金融庁の監督指針義務を定めるのは銀行法などの法令で、監督指針は当局が態勢を確かめる着眼点を示します。規制:日本
    6. 実務清算集中義務義務は、指定された取引のうち、内閣府令が定める例外に当たらないものを行うときに生じます。規制:日本
    7. 実務証拠金規制証拠金規制は、清算されない店頭デリバティブ取引で、変動証拠金と当初証拠金の受け渡しを求めます。規制:日本
    8. 実務取引情報の報告制度根拠は金融商品取引法の 156 条の 63 から 156 条の 66 と内閣府令です。規制:日本
    9. 実務電子取引基盤の使用義務改正後は、TONA 複利(後決め)の円金利スワップなど、告示の要件をすべて満たす取引が対象です。規制:日本
    10. 実務適合性原則と説明義務金商法の適合性原則と契約前の説明は、顧客が個人か法人かではなく、特定投資家かどうかで適用が分かれます。規制:日本
  3. 段階 3顧客保護と行為規制実務

    本人確認と与信審査、適合性、書面、販売問題の事例と苦情対応、コンダクト・リスク、相場操縦、インサイダー取引、マネロン対策、最良執行、記録の保存を押さえます。

    1. 入門本人確認と与信審査本人確認は犯罪収益の移転を防ぐため、与信審査は顧客の破綻による損失に備えるためにあります。業務(顧客向け)
    2. 実務適合性の確認金融機関は、顧客の知識、経験、財産の状況、契約の目的に照らして不適当な勧誘をしてはなりません。業務(顧客向け)
    3. 実務取引説明書と契約締結前交付書面記載事項は、金融商品取引法 37 条の 3 の 7 つの号に、内閣府令が取引の種類ごとの事項を足して決まります。業務(顧客向け)
    4. 入門販売問題の事例3 つの事例は、商品も争点も結果も違います。顧客保護・コンダクト
    5. 実務苦情への対応と紛争解決(FINMAC など)顧客は FINMAC に相談や苦情を申し出ることができ、FINMAC が金融機関に調査を依頼します。顧客保護・コンダクト
    6. 実務コンダクト・リスクコンダクト・リスクは、利用者保護、市場の公正・透明、金融機関自身の風評への悪影響につながる行為のリスクで、共通した理解が形成されているとは必ずしも言えません。顧客保護・コンダクト
    7. 実務相場操縦と見せ玉日本の金融商品取引法は、仮装売買、馴合売買、変動操作取引などを禁じ、違反に刑事罰、課徴金、損害賠償を定めています。規制:地域共通のテーマ
    8. 実務インサイダー取引金商法は、重要事実などを知った者の公表前の売買等と、他人の利益や損失回避を目的とする情報伝達・取引推奨を禁じています。規制:地域共通のテーマ
    9. 実務マネー・ローンダリング対策と経済制裁マネー・ローンダリング対策は犯罪収益の移転とテロ資金供与を防ぎ、経済制裁は特定の対象者との支払や取引を止める、別の法令に基づく規制です。規制:地域共通のテーマ
    10. 実務最良執行日本の金商法は、最良執行方針等を定めて公表し、それに従って顧客の注文を執行することを求めます。規制:地域共通のテーマ
    11. 実務記録の保存日本は、金融商品取引業者に業務の帳簿書類の作成と保存を求め、種類と期間は内閣府令が定めます。規制:地域共通のテーマ
  4. 段階 4海外の規制実務

    G20 の改革を出発点に、米国のドッド・フランク法とスワップ・ディーラー登録、欧州の EMIR と MiFID II、アジア・オセアニアの全体像を押さえます。

    1. 入門G20 の店頭デリバティブ改革項目は、取引基盤での取引、中央清算、取引情報の報告、非清算取引の資本で、証拠金はあとから加わりました。規制:国際基準
    2. 入門米国のデリバティブ規制の全体像ドッド・フランク法の第 7 編が、店頭のスワップと証券ベースのスワップの規制を新しく定めました。規制:米国
    3. 入門CFTC と SEC の役割分担CFTC は商品取引所法に基づく先物とスワップの、SEC は証券取引所法に基づく証券ベースのスワップの規制を担います。規制:米国
    4. 実務ドッド・フランク法第7編第 7 編は、スワップの市場を Subtitle A、証券ベースのスワップの市場を Subtitle B が定めます。規制:米国
    5. 実務スワップ・ディーラーの登録スワップ・ディーラーと主要スワップ参加者は、CFTC に登録しなければなりません。規制:米国
    6. 入門欧州・英国のデリバティブ規制の全体像EU の規則は加盟国にそのまま適用され、指令は加盟国が国内法で実現します。規制:欧州・英国
    7. 実務EMIR清算義務、清算されない取引のリスク管理、報告義務の 3 つを、EU の金融機関と事業会社に課します。規制:欧州・英国
    8. 実務MiFID II と MiFIRMiFID II は加盟国が国内法にする指令、MiFIR は加盟国に直接適用される規則です。規制:欧州・英国
    9. 入門アジア・オセアニアのデリバティブ規制の全体像香港、シンガポール、中国、韓国、オーストラリアは、G20 の店頭デリバティブ改革を、それぞれの国内の法令で実施しています。規制:アジア・オセアニア
  5. 段階 5上級の論点上級

    ボルカールール、ベンチマーク規制、新商品の審査、ネッティングの法的有効性、再建・破綻処理の計画と早期解約の一時停止に進みます。

    1. 実務ボルカールール規則は 5 つの当局が、所管する銀行事業体ごとに定めています。規制:米国
    2. 実務ベンチマーク規制規則の大部分は、重要なベンチマークなど 4 種類のベンチマークにだけ適用されます。規制:欧州・英国
    3. 実務新商品を導入する際の審査経営陣と関係者が商品を理解し、リスクの計測と管理の仕組みに組み込めるまでは、一般に、取引すべきではありません。ガバナンス・内部統制
    4. 上級ネッティングの法的有効性(リーガル・オピニオン)リーガル・オピニオンは、一括清算が関係する法域で有効と認められる見通しを、書面で述べたものです。契約・法務
    5. 上級再建・破綻処理の計画再建計画は金融機関が、破綻処理計画は当局が作り、破綻処理では当局が事業の移転、ブリッジ・バンク、ベイルインなどを単独か組み合わせて使います。組織・ブッキングモデル
    6. 上級早期解約の一時停止(ステイ)プロトコル大手の金融機関が破綻処理に入ると、取引相手の一斉の解約が市場を乱し、破綻処理の措置を妨げるおそれがあります。組織・ブッキングモデル

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