実務上級
バック(決済・担保・会計)
- こんな人に
- 約定の確認から決済、担保、報告、会計処理までを担う人に向けています。
- 読み方
- 新人は先に共通基礎を読みます。実務経験者は段階 1 から、担保と報告の実務に慣れている人は段階 4 から読みます。
- 先に読むロードマップ
- 新人の共通基礎
段階 1取引の一生実務
約定の管理と確認書から、期間中のイベント、決済、日次の時価と損益、期限前解約まで、1 件の取引が辿る流れを押さえます。
- 入門約定の管理取引をした部署とは別の部署が入力を確かめ、誤りがあれば訂正し、確かめ終えた取引を取引相手との照合に回します。業務(金融機関内)
- 入門確認書(コンファメーション)確認書は、当事者、売買の向き、金額、相場、受渡日など、電話などで合意した取引の条件を書面に残し、誤りや不正を決済の前に見つける手段です。業務(顧客向け)
- 実務取引期間中のイベント処理期間中のイベントによって、取引は続くか、終わるか、別の取引に置き換わります。業務(金融機関内)
- 入門決済決済が予定どおりにできないと、受け取るはずの資金を失ったり、穴埋めの資金を急いで集めたりすることになります。業務(金融機関内)
- 実務日次の時価と損益の確定取引をする人が自分の損益を決めると誤りや不正が隠れるため、損益はフロントの数字をそのまま使わず、取引をしない部署が確かめます。業務(金融機関内)
- 実務期限前解約顧客は自分の都合などで中途解約することがありますが、原則として中途解約できない取引もあります。業務(顧客向け)
段階 2担保と清算実務
CSA と担保管理の実務、担保の調達、先物の証拠金、清算機関の仕組みと、清算集中義務と証拠金規制を押さえます。
- 実務CSA(担保契約)CSA は、基本契約に基づく取引の時価が動いたときに、どちらがどれだけ担保を受け渡すかを、前もって決めておく契約書です。契約・法務
- 実務担保管理閾値、最低受渡額、受け入れる担保の種類とヘアカット、付利の金利は相手との契約ごとに違うため、毎日の計算は相手ごとの条件で行います。業務(金融機関内)
- 実務担保の調達と差し替え担保は、保有する資産を渡すほか、受け取った担保の再利用や、担保の変換で用意する方法があります。流動性・資金調達のリスク
- 入門先物の証拠金と値洗い清算機関の JSCC が清算する先物では、顧客は取引した日の翌日までに証拠金を差し入れます。取引形態
- 入門清算機関(JSCC、LCH、CME など)清算機関が取引の相手方になると、取引相手の破綻の影響は清算機関に集まるため、清算機関は参加者に対する信用リスクに事前の財務資源で備えます。市場インフラ
- 実務清算集中義務義務は、指定された取引のうち、内閣府令が定める例外に当たらないものを行うときに生じます。規制:日本
- 実務証拠金規制証拠金規制は、清算されない店頭デリバティブ取引で、変動証拠金と当初証拠金の受け渡しを求めます。規制:日本
段階 3報告と照合実務
規制当局への報告と取引情報蓄積機関、識別子、ポートフォリオの照合、コンプレッション、約定後の電子確認のサービスを押さえます。
- 実務規制当局への報告取引情報は取引ごとに取引情報蓄積機関へ送り、自己資本比率やリスクの状況は決まった時期に当局へ送ります。業務(金融機関内)
- 実務取引情報の報告制度根拠は金融商品取引法の 156 条の 63 から 156 条の 66 と内閣府令です。規制:日本
- 実務取引情報蓄積機関取引情報蓄積機関は、当局が店頭デリバティブ市場の全体を見られるようにするために設けられました。市場インフラ
- 実務LEI、UTI、UPILEI は法人を、UTI は取引を、UPI は商品を識別するコードで、それぞれ ISO の規格で形が決まっています。データ・システム
- 実務ポートフォリオの照合照合では、取引の主な条件と、前営業日の営業終了時点の時価を交換し、食い違いを解決します。市場インフラ
- 実務コンプレッション持ち高が打ち消し合う取引を両方持つと、想定元本の合計は、正味の持ち高より大きくなります。市場インフラ
- 実務約定後の電子確認と照合のサービス電子確認では、条件が一致するか当事者が受け入れると、確認が成立します。市場インフラ
段階 4会計と税務実務
会計処理の業務、時価評価の基準、ヘッジ会計と日本基準の繰延ヘッジ、注記での開示、損益の課税と源泉徴収を押さえます。
- 実務会計処理の業務取引は、契約書の写しを裏付けに元帳へ記入し、決済日と評価し直すたびに更新します。業務(金融機関内)
- 実務時価評価(IFRS 第13号、ASC 820、時価のレベル)公正価値は、資産を売って受け取る価格、負債を移して払う価格(出口価格)で、保有や決済の意図は関係しません。会計
- 実務日本の時価算定会計基準事業年度の期首から適用され、早期適用も認められました。会計
- 実務ヘッジ会計の基本ヘッジ手段は時価で評価されるのにヘッジ対象はそうとは限らず、2 つの損益が別の期間に出ます。会計
- 実務日本基準の繰延ヘッジ日本基準のヘッジ会計は、原則が繰延ヘッジで、時価ヘッジは例外です。会計
- 実務注記での開示日本基準は、対象物の種類ごとに契約額等と時価を書き、ヘッジ会計を適用していない取引には評価損益も加えます。会計
- 実務デリバティブ損益の課税同じデリバティブ取引でも、法人は法人税法の規定で、個人は租税特別措置法の特例で、計算の方法が違います。税務
- 実務源泉徴収日本では、非居住者や外国法人への一定の国内源泉所得の支払いで、支払う者が税を差し引き、翌月 10 日までに納めます。税務
段階 5失敗を防ぐ実務
入力ミス、決済の失敗、報告の誤りの起こり方と、監査への対応、期限前解約の事由と一括清算の仕組みを押さえます。
- 入門デリバティブ取引のオペレーショナル・リスク規制上の定義は、法的リスクを含み、戦略リスクと風評リスクを除きます。オペレーショナル・リスク
- 入門約定の入力ミスと確認書の不一致売買の向きや桁を誤って入力すると、持ち高、担保、決済の金額が誤ったまま動きます。オペレーショナル・リスク
- 実務決済の失敗と取引報告の誤り決済の失敗は費用や補償、取引相手の不履行の損失に、取引報告の誤りは訂正の工数や制裁金になります。オペレーショナル・リスク
- 実務監査への対応金融機関は、社内の内部監査、監査法人による外部監査、金融庁の検査と日本銀行の考査を、実施する者も根拠も違う別々の監査として受けます。業務(金融機関内)
- 実務期限前解約の事由基本契約書は、倒産、支払の不履行、信用力の低下などを、取引を期限前に終えるきっかけとして定めます。契約・法務
- 実務一括清算(クローズアウト・ネッティング)一括清算では、相手の破綻の時に、全取引の評価額の純額が 1 つの債権か債務になります。契約・法務
段階 6破綻時の扱いと上級の会計上級
IFRS と米国基準のヘッジ会計、清算機関の破綻処理、ネッティングの法的有効性、早期解約の一時停止に進みます。
- 上級IFRS 第9号と ASC 815 のヘッジ会計3 つの型の処理は似ていますが、IFRS 第 9 号は非有効部分を損益に出し、ASC 815 は非有効部分を別に測りません。会計
- 上級清算機関の破綻処理JSCC は、破綻した清算会員のポジションをヘッジとオークションなどで処理して損失を確定させます。市場インフラ
- 上級ネッティングの法的有効性(リーガル・オピニオン)リーガル・オピニオンは、一括清算が関係する法域で有効と認められる見通しを、書面で述べたものです。契約・法務
- 上級早期解約の一時停止(ステイ)プロトコル大手の金融機関が破綻処理に入ると、取引相手の一斉の解約が市場を乱し、破綻処理の措置を妨げるおそれがあります。組織・ブッキングモデル
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