非居住者や外国法人にデリバティブに関わる支払いをする業務では、その支払いが源泉徴収の対象になる区分なら、支払う側が税の徴収と納付を担います。日本の法人が支払いを受ける税務の業務では、一定の所得に課された所得税を法人税から控除します。

支払う側が税を差し引いて納める仕組み

源泉徴収では、支払いを受け取る人ではなく、支払う者が税を国に納めます。居住者に利子等や配当等を国内で支払う者は、支払いの際に税を徴収し、徴収した日の属する月の翌月 10 日までに国に納めます1。非居住者や外国法人に、源泉徴収の対象に挙げた区分の国内源泉所得を支払う者も、同じ形で徴収し、納めます2。支払いが国外で行われても、支払う者が国内に住所、居所、事務所などを持つときは、国内で支払ったものとみなします。そのときの納付期限は、翌月末日です3。

国内源泉所得の区分に、デリバティブ取引という名前の区分はありません45。

源泉徴収の対象になる支払い

非居住者や外国法人に支払うときに源泉徴収が要るのは、国内源泉所得のうち、所得税法が源泉徴収の対象に挙げる区分に当たるものです。外国法人には、給与などの区分は含まれません。政令で定めるものは除かれ、外国法人については、恒久的施設を持つ外国法人の特例と、信託財産の利子等の特例の対象になるものも除かれます26。恒久的施設に帰せられる所得、国内にある資産の運用または保有による所得、国内にある資産の譲渡による所得と、政令に委ねた区分は、この対象に挙がっていません2。

税率は区分ごとに所得税法が定めています7。次の表は、条文の構造を示すために、区分の一部を抜き出したものです。

国内源泉所得の区分(第 161 条第 1 項) 第 212 条第 1 項の源泉徴収の対象 税率(所得税法第 213 条)
第 8 号 利子等(国債、地方債、内国法人の債券の利子、国内の営業所の預貯金の利子など) 対象 15%
第 9 号 配当等(内国法人から受ける剰余金の配当など) 対象 20%
第 10 号 国内で業務を行う者への貸付金の利子 対象 20%
第 2 号 国内にある資産の運用または保有による所得 挙がっていない 源泉徴収の対象外(課税の有無は別)
第 17 号 政令で定めるその他の所得 挙がっていない 源泉徴収の対象外(課税の有無は別)

「挙がっていない」は、この条の源泉徴収の対象ではないという意味です。課税されないという意味ではなく、別の方法で課税される場合があります。

税率は所得税の率で、復興特別所得税が別に加わります。2027 年分以後は、防衛特別所得税も加わります478。デリバティブの支払いが表のどの行に当たるか、または表にない区分に当たるかは、支払いの中身ごとに判断が要ります。

恒久的施設を持つ非居住者が、その施設に帰せられる一定の国内源泉所得を受け取るときは、税務署長の証明書を支払う者に示せば、支払う者は源泉徴収をしなくてよい制度があります9。外国法人にも同じ趣旨の制度があります10。

租税条約で税率を下げる届出書

租税条約に基づいて、源泉徴収される所得税の軽減や免除を受けるには、受け取る非居住者や外国法人が「租税条約に関する届出書」を出します。書式は支払いの内容によって違い、主なものは、配当(様式 1)、利子(様式 2)、使用料(様式 3)です。届出書は、所得を支払う者ごとに作ります。最初の支払いを受ける日の前日までに、支払う者を経由して、支払う者の納税地の所轄税務署長に出します8。

特典条項を持つ租税条約で、その対象の所得の軽減や免除を受けるときは、届出書に、特典条項に関する付表(様式 17)と居住者証明書を添えます8。

支払いの前日までに届出書が出ていないと、支払う者は租税条約に規定している限度税率ではなく、国内法の税率で源泉徴収します。受け取る側は後日、届出書と租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書(様式 11)を出して、差額を請求できます11。

日本の V 社が、非居住者の相手方に国内源泉所得 1,000 万円を支払う架空の例で考えます。国内法の税率は 20%、条約の限度税率は 10% とし、復興特別所得税などは入れません。手取りは、次の式で求めます。

手取り=支払額−支払額×税率\text{手取り} = \text{支払額} - \text{支払額} \times \text{税率}
場合 税率(%) 源泉徴収額(万円) 手取り(万円)
届出書が支払いの前日までに出ている(限度税率を適用) 10 100 900
届出書が間に合わない(国内法の税率を適用) 20 200 800

届出書が間に合わないと、受け取る側の手取りは、限度税率で徴収された場合より 100 万円少なくなります。後日の還付請求が認められれば差額の 100 万円を請求でき、手取りは 900 万円になります。

相手方非居住者V 社支払う側国日本届出書900 万円を支払い届出書を提出100 万円を納付
図 1届出書が支払いの前日までに出ている場合の V 社の支払いと納付
図の説明

点線は届出書の流れ、実線はお金の流れです。届出書の提出先は、支払う者の納税地の所轄税務署長です。

支払いの前日まで届出書が出されないまま、支払いの日になる支払いの日V 社が国内法の税率 20% で200 万円を差し引き、800 万円を払う翌月 10 日までV 社が差し引いた 200 万円を国に納める後日相手方が届出書と還付請求書を出し、差額 100 万円の還付を請求できる
図 2届出書が間に合わなかった場合の V 社の支払いと、後日の還付請求
図の説明

国内で支払う場合の図です。間隔は時間の長さに比例しません。

国をまたぐ取引の利益のグループ内での配分は、国をまたぐ取引の移転価格で扱います。

米国の配当同等額に対する源泉徴収

米国では、米国株の配当に連動する一定の支払いを、米国源泉の配当とみなして、源泉徴収の対象にします12。この支払いを配当同等額といいます。米国から見て非居住者の個人が受け取る、米国の事業に実質的に関連しない米国源泉の配当などには、30% の税が課されます13。外国法人にも、同じ条件で 30% の税が課されます14。租税条約がある国の居住者には、軽減や免除が適用されることがあります15。配当同等額の税の額は、その時点で条約の特典を受けられたかどうかも反映して決まります16。

配当同等額になる支払い

配当同等額になるのは、証券貸借か売戻条件付取引の代替配当、特定想定元本契約の支払い、特定の株式連動商品の支払いのうち、米国源泉の配当を条件にするか、配当を基準に決まるものです。これらに実質的に似た支払いも含まれ、受け取る側が株式を持っていても課税されない分配などは除かれます1217。想定元本契約は、財務省規則 § 1.446-3(c) で定義される契約です18。株式連動商品は、先物、先渡し、オプションなど、株式の値を基準にする取引です19。

2017 年以後の規則では、計算の時点で確かめられる単一の固定の株数を基準に支払いを計算し、満期か行使日が 1 つの単純な契約が、デルタが 0.8 以上のときに対象になります2021。デルタは、契約の価値の変化と、基準にする株数の価値の小さな変化の比です22。

深掘りデルタを測る時点と、単純でない契約の判定

デルタは、契約の価格を決めた時か、契約を発行した時のどちらか早い時点で測ります。ただし、価格決定が発行の 14 暦日より前なら、発行の時に測ります22。単純でない契約は、デルタ 0.8 の単純な契約と比べる、実質的同等性のテストで判断します23。

配当同等額の計算

単純な契約の配当同等額は、配当のたびに、次の式で求めます24。

配当同等額=D×N×δ\text{配当同等額} = D \times N \times \delta

DD は 1 株当たりの配当の額、NN は契約が基準にする株数、δ\delta はデルタです。配当同等額は、配当の基準日と、権利落ち日の前日のうち早い日に決めます24。

配当同等額を受け取る側をロング側、支払う側をショート側といいます25。

深掘り支払いの数え方と、暗黙の配当

支払いは総額で数えます。配当を基準にした総額が、受け払いの差し引きの計算に使われていれば、差し引きの結果が 0 でも、ロング側が純額を払っていても、支払いがあったことになります26。

配当が条件に書かれていなくても、金利や価格などの条件が配当を織り込んで決まっていれば、配当を基準にした支払いに含まれます。デルタの計算の時点で、ショート側が妥当な予想配当を書面で示さなければ、実際の配当額が使われます26。

非米国のロング側が、米国株 1,000 株を基準にした単純なエクイティ・スワップの契約を、想定元本契約に当たるものとして 2018 年 1 月 1 日以後に発行した、架空の例で考えます。1 株の配当は 2 ドルで、ほかに特定想定元本契約になる条件はなく、取引の合算や濫用防止の規定にも当たらないものとします。源泉徴収の税率は、法定の 30% と、条約の仮定の 15% の 2 通りです。

ケース デルタ 特定想定元本契約 配当同等額(ドル) 税率 30%(ドル) 税率 15%(ドル)
A 0.9 当たる 1,800 540 270
B 0.5 当たらない 0 0 0

ケース A は、2×1,000×0.9=1,8002 \times 1{,}000 \times 0.9 = 1{,}800 ドルが配当同等額で、30% なら 540 ドルが源泉徴収され、手元に 1,260 ドルが残ります。15% なら 270 ドルで、1,530 ドルが残ります。ケース B は、デルタが 0.8 を下回るので、この規則では配当同等額がなく、源泉徴収もありません。同じ株数と配当でも、デルタが違うと、源泉徴収の有無が変わります。

この規則は、2017 年 1 月 19 日以後の支払いに適用されます。ただし、特定想定元本契約と特定の株式連動商品の判定は、取引の発行時期で分かれます。デルタが 1 の取引(基準にする株式と同じだけ値が動く取引)は 2017 年 1 月 1 日以後の発行分から、そのほかの取引は 2018 年 1 月 1 日以後の発行分からです27。

支払う側と受け取る側の実務

日本で非居住者や外国法人に支払うとき

法令が支払者に求めることを、時間の順に並べると次のとおりです。

  1. 受け取る側が非居住者か外国法人かを確かめ、支払いが国内源泉所得の区分に当たるかを確かめます2。
  2. 租税条約の届出書と添付書類が、支払いの前日までに出ているかを確かめます。出ていれば限度税率を使い、出ていなければ国内法の税率を使います8。
  3. 支払いの際に、税額を差し引きます2。
  4. 徴収した日の属する月の翌月 10 日までに、国に納付します。国外で支払う場合は、翌月末日までです23。
  5. 支払調書を、財務省令に従って税務署長に出します。期限は原則として、支払いが確定した日の属する年の翌年 1 月 31 日です。配当等と、恒久的施設を通じて行う組合契約の事業利益の配分のうち政令で定めるものに関するものは、確定した日から 1 か月以内です28。

米国の配当同等額を支払うとき

配当同等額の支払いを定める契約の当事者は、米国の源泉徴収の規定では、その支払いを管理する者として扱われます12。源泉徴収の対象になる支払いは、フォーム 1042-S で報告し、フォーム 1042 の申告書を出します29。配当同等額は、受け払いの差し引きの前の総額で決まるため、資金の移動がなくても、報告の上では支払いがあることがあります30。

エクイティ・デリバティブのディーラーには、適格デリバティブ・ディーラー(QDD)の制度があります。一定の条件を満たす QDD は、その立場で受け取る配当同等額について、第 881 条の税を課されません。ただし、QDD 自らの 871(m) の額には、第 881 条(a)(1) の税が課されます。これは、QDD が基準株式の配当ごとに、自らの持ち高をもとに計算する、QDD 自身の負担分を指します31。IRS の 2026 年版の Publication 515 は、QDD がこの額の計算を 2027 年に始めると書いています32。

日本の法人が受け取るとき

日本の法人が、所得税法が挙げる利子等や配当等などの支払いを受けて、所得税を課された場合、その所得税の額は、政令に従って、その事業年度の法人税の額から控除します。確定申告書などに、控除の額と計算の明細を書いた書類を添えたときに限ります33。

外国で外国法人税を納めた場合は、控除限度額を上限に、その額を法人税の額から控除します。限度額を超えた年と満たない年は、前 3 年内の事業年度の控除限度額や控除対象外国法人税額を、政令に従って繰り越して使えます。どの外国の税が控除の対象かと、限度額の計算は、政令が定めます34。

この記事が書いていないこと

個々のデリバティブの支払いがどの国内源泉所得の区分に当たるかと、租税特別措置法による税率の特例は、この記事では扱いません。デリバティブの支払いに課された外国の税が個々に外国税額控除の対象になるかと、法令が定めていない社内の手順や担当する部署は、この記事では扱いません。

注

  1. 「所得税法」第 181 条第 1 項。居住者に対し国内において利子等または配当等の支払をする者は、その支払の際に所得税を徴収し、徴収の日の属する月の翌月 10 日までに国に納付する。e-Gov 法令検索で 2026 年 10 月 5 日に確認した条文。 ↩

  2. 「所得税法」第 212 条第 1 項。非居住者には第 161 条第 1 項第 4 号から第 16 号まで、外国法人には同項第 4 号から第 11 号まで、第 13 号から第 16 号までの国内源泉所得の支払いが対象で、政令で定めるものは除きます。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  3. 「所得税法」第 212 条第 2 項。国外の支払いも、支払う者が国内に住所、事務所などを持てば国内の支払いとみなし、納付期限を翌月末日とします。 ↩ ↩2

  4. 「所得税法」第 161 条第 1 項第 1 号から第 17 号。第 2 号は、第 8 号から第 16 号に当たるものを除く、国内にある資産の運用または保有による所得です。第 17 号は、前各号のほか、その源泉が国内にある所得として政令で定めるものです。第 8 号から第 10 号の内容は表のとおりです。 ↩ ↩2

  5. 「法人税法」第 138 条。外国法人の国内源泉所得を定める条で、デリバティブ取引という名前の区分は挙げていません。 ↩

  6. 「所得税法」第 212 条第 1 項のかっこ書き。外国法人については、第 180 条第 1 項、第 180 条の 2 第 1 項、第 2 項の規定に該当するものも除きます。 ↩

  7. 「所得税法」第 213 条第 1 項。第 212 条第 1 項により徴収する所得税の額は、原則として金額の 20%(第 1 号)。第 161 条第 1 項第 5 号は 10%(第 2 号)、第 8 号と第 15 号は 15%(第 3 号)。 ↩ ↩2

  8. 国税庁「No.2888 租税条約に関する届出書の提出(源泉徴収関係)」(令和 8 年 4 月 1 日現在法令等)の「概要」の「共通事項」、「特典条項を有する租税条約の場合」。復興特別所得税と、令和 9 年分以後の防衛特別所得税は、「概要」の冒頭の記述。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  9. 「所得税法」第 214 条第 1 項。恒久的施設を有する非居住者で政令の要件を備えるものが、第 161 条第 1 項第 4 号、第 6 号、第 7 号、第 10 号、第 11 号、第 12 号イ(給与に係る部分を除く)、第 14 号の所得で恒久的施設に帰せられるものにつき、納税地の所轄税務署長の証明書を支払う者に示したとき、支払う者は証明書が有効な間は第 212 条第 1 項の徴収を要しない。 ↩

  10. 「所得税法」第 180 条第 1 項。恒久的施設を有する外国法人で政令の要件を備えるものについて、第 214 条と同じ趣旨の制度を定める。 ↩

  11. 国税庁「No.2889 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求」(令和 8 年 4 月 1 日現在法令等)の「概要」。 ↩

  12. 26 U.S.C. § 871(m)(1)、(2)、(3)、(7)。(2) は配当同等額を、証券貸借か売戻条件付取引の代替配当、特定想定元本契約に基づく支払い、実質的に似た支払いと定義。(1) は米国源泉の配当とみなす扱い、(7) は第 3 章と第 4 章の適用上、契約の当事者を支払いの管理者とする扱い。特定想定元本契約の定義は (3)。 ↩ ↩2 ↩3

  13. 26 U.S.C. § 871(a)(1)(A)。米国源泉の利子、配当、賃料、給与、年金などの固定または確定できる年次か定期的な所得のうち、米国内の事業に実質的に関連しない部分の 30% を、非居住者の個人に課税。Legal Information Institute, Cornell Law School で 2026 年 10 月 5 日に確認。 ↩

  14. 26 U.S.C. § 881(a)。外国法人が受ける米国源泉の同種の所得のうち、米国内の事業の遂行に実質的に関連しない部分(not effectively connected)に 30% を課す。 ↩

  15. IRS「Publication 515 (2026)」の「Withholding of Tax」の冒頭の説明。米国源泉の所得は多くの場合 30% の米国税の対象で、居住地国との間に租税条約があれば、免除を含む軽減がありうるとする。 ↩

  16. 26 CFR § 1.871-15(j)(4)。配当同等額の税の額は、配当同等額を決めた時に、条約の特典を受けられたかどうかなど、その時点の事実で決まる。 ↩

  17. 26 CFR § 1.871-15(c)(1)。配当同等額を、証券貸借か売戻条件付取引、特定想定元本契約、特定の株式連動商品に基づく、配当を基準にした支払いなどとする。(c)(2) は、受け取る側が株式を持っていても課税されない分配などを除く。 ↩

  18. 26 CFR § 1.871-15(a)(7)。想定元本契約は § 1.446-3(c) の想定元本契約。 ↩

  19. 26 CFR § 1.871-15(a)(4)。株式連動商品は、証券貸借、売戻条件付取引、想定元本契約を除く、原資産の値を基準にする取引。 ↩

  20. 26 CFR § 1.871-15(d)(2)(i)。単純な想定元本契約で、計算の時点のデルタが 0.8 以上のものは、特定想定元本契約((d)(2) と (e) の適用の開始は、発行時期ごとに (r)(2) が定める)。同(d)(2)(ii) は、単純でない想定元本契約を、(h) の実質的同等性のテストで判断する。2017 年より前に結んだ契約の条件は、同(d)(1)。 ↩

  21. 26 CFR § 1.871-15(a)(14)(i)。単純な契約は、支払いがすべて、契約の計算時に確かめられる単一の固定の株数を基準に計算され、基準にする支払いの満期か行使日が 1 つの契約。デジタル・オプションのように金額が不連続に増減する条件を含む契約は、単純な契約でない。 ↩

  22. 26 CFR § 1.871-15(g)(1)、(2)。(g)(1) はデルタの定義。(g)(2)(ii) と (iii) は、計算の時点が、契約の価格が決まった時と発行された時のどちらか早い方で、価格決定が発行の 14 暦日より前なら発行の時とする。上場オプションなどの扱いは (g)(4)。 ↩ ↩2

  23. 26 CFR § 1.871-15(h)(1)、(2)、(3)。単純な契約の基準は、デルタが 0.8 で、基準にする原資産と満期などが同じ実際の、または仮定の単純な契約。 ↩

  24. 26 CFR § 1.871-15(j)(1)(ii)、(j)(2)。単純な契約では、配当同等額は、1 株当たりの配当の額、株数、デルタの積。決める日は、配当の基準日と権利落ち日の前日のうち早い日。単純でない契約は、(j)(1)(iii) に従い、1 株当たりの配当の額と初期ヘッジの株数の積。 ↩ ↩2

  25. 26 CFR § 1.871-15(a)(9)(i)、(ii)。ロング側は、配当同等額を受け取る側。ショート側は、それを支払う義務を負う側。 ↩

  26. 26 CFR § 1.871-15(i)(1)、(2)。(i)(1) は、配当を基準にした総額が受け払いの差し引きに使われていれば、純額が 0 でも支払いに含めます。(i)(2)(ii) は、金利、価格などに暗黙に織り込まれた配当も含めます。(i)(2)(iii) は、ショート側が妥当な予想配当額を書面で示さなければ、実際の配当額とみなします。 ↩ ↩2

  27. 26 CFR § 1.871-15(r)(1)、(2)。(r)(1) は 2017 年 1 月 19 日以後の支払いに適用します。(r)(2) は (d)(2) と (e) の適用を、デルタが 1 の取引は 2017 年 1 月 1 日以後の発行分から、ほかは 2018 年 1 月 1 日以後の発行分からとし、通知で指定された上場の仕組債は 2020 年 1 月 1 日以後の支払いからとします。 ↩

  28. 「所得税法」第 225 条第 1 項第 8 号。非居住者または外国法人に対し国内において第 161 条第 1 項第 4 号、または第 6 号から第 16 号までの国内源泉所得を支払う者が、支払調書を提出する。提出の期限は同項の本文と括弧書き。括弧書きは、第 8 号の調書のうち、第 2 号に規定する配当等と第 161 条第 1 項第 4 号の所得に関するものを、確定した日から 1 か月以内とする。 ↩

  29. IRS「Publication 515 (2026)」の「Forms 1042 and 1042-S Reporting Obligations」。内国歳入法の第 3 章(chapter 3)の源泉徴収の対象になる支払いを、フォーム 1042-S で報告し、フォーム 1042 を出す。 ↩

  30. IRS「Publication 515 (2026)」の「Dividend Equivalents」。配当同等額は総額で決まるため、資金の移動がなくても、報告の上では支払いがありうる(Regulations section 1.871-15(i) を参照)。 ↩

  31. 26 CFR § 1.871-15(q)(1)。QDD は、エクイティ・デリバティブのディーラーの立場で受け取る配当同等額について、適格仲介人の源泉徴収の合意を守っていれば第 881 条の税を負いませんが、自らの 871(m) の額には第 881 条(a)(1) の税を負います。(q)(3) は、その額を配当ごとの純デルタ・エクスポージャーと 1 株当たりの配当の額の積とします。 ↩

  32. IRS「Publication 515 (2026)」の「Definitions」の「Dividend equivalents」。QDD が自らの 871(m) の額の計算を 2027 年に始めるとする Notice 2024-44 に言及。 ↩

  33. 「法人税法」第 68 条第 1 項、第 4 項。第 1 項は、内国法人が所得税法第 174 条各号の利子等、配当等などの支払いを受けて課された所得税の額を、政令に従って法人税の額から控除します。第 4 項は、控除の明細を書いた書類を確定申告書などに添付したときに限ります。e-Gov 法令検索で 2026 年 10 月 5 日に確認。 ↩

  34. 「法人税法」第 69 条第 1 項、第 2 項、第 3 項。第 1 項は、外国法人税を控除限度額を上限に法人税の額から控除する。外国法人税は、外国の法令により課される法人税に相当する税で政令で定めるもの。第 2 項と第 3 項は、前 3 年内事業年度の控除限度額と控除対象外国法人税額の繰越しを定める。 ↩