架空の例として、日本の個人の先物取引に係る雑所得等の金額が、1 年目は 80 万円の損失、2 年目は 30 万円の損失、3 年目は 150 万円の利益でした。繰越控除の要件は毎年満たし、所得税の税率は 15%、復興特別所得税などは入れずに計算します。3 年目に繰越控除を使うと、先物取引に係る雑所得等に対する所得税はいくらですか。
理解度チェック: 税務
最終確認日: 2026年10月15日
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問 1
正解と解説
正解: C
6 万円です。繰越損失は、最も古い年の損失から順に、その年の先物取引に係る雑所得等の金額を限度として差し引きます。150 万円から 1 年目の 80 万円、2 年目の 30 万円を順に引くと、課税の対象は 40 万円です。40 万円 × 15% = 6 万円で、1 年目と 2 年目の税額は 0 円です。繰越控除は、損失が生じた年の翌年以後 3 年間に使えます。要件は、申告書付表と計算明細書を添付した確定申告書を連続して出すことです。
22.5 万円は、繰越控除を使わずに 150 万円へ課税した場合(150 万円 × 15%)です。10.5 万円は 1 年目の損失だけを差し引いた場合(70 万円 × 15%)、18 万円は 2 年目の損失だけを差し引いた場合(120 万円 × 15%)で、どちらも引ける損失の一部を使っていません。
詳しくは: デリバティブ損益の課税
問 2
日本の法人の担当者が、「決算の日に決済していないデリバティブ取引の損益は、決済するまで所得に入れなくてよい」と考えています。この取引は、ヘッジ処理の適用を受けず、みなし決済の対象から除かれない取引とします。法人税法の規定では、所得の計算でどう扱われますか。
正解と解説
正解: A
法人税法は、事業年度の終わりに決済されていないデリバティブ取引を、その時に決済したものとみなします。そのときの利益の額か損失の額(みなし決済損益額)を、その事業年度の益金の額か損金の額に入れるため、決済していない取引でも、決算の日の損益が所得に入ります。ヘッジ処理を使う場合や、財務省令で定める取引は、この一般の扱いと異なります。利益と損失はどちらも決算の日に入れるので、決済するまで先送りするという担当者の考えは当てはまりません。
法人の収益と費用は、別段の定めがあるものを除いて、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算します。デリバティブ取引の決算の時点の扱いは、この別段の定めに当たる規定が定めるため、課税の所得は会計の損益と一致するとは限りません。個人の先物取引の損益をほかの所得と分けて申告分離課税にする仕組みは、法人税法ではなく租税特別措置法の特例で、個人の損益に適用されます。
詳しくは: デリバティブ損益の課税
問 3
架空の例として、日本の V 社が、非居住者に源泉徴収の対象になる区分の国内源泉所得 1,000 万円を支払います。2026 年 4 月 1 日現在、この所得の国内法の税率は 20%、租税条約の限度税率は架空の 10% で、受け取る側は届出書を支払いの前日までに出していません。復興特別所得税などは入れずに、V 社が源泉徴収する額はいくらですか。
正解と解説
正解: C
200 万円です。届出書が支払いの前日までに出ていないと、支払う者は、条約の限度税率ではなく国内法の税率で源泉徴収します。1,000 万円 × 20% = 200 万円で、受け取る側の手取りは 1,000 万円 − 200 万円 = 800 万円です。
100 万円(1,000 万円 × 10%)は、届出書が間に合って限度税率が適用される場合の額です。受け取る側は、後日、届出書と還付請求書を出して差額を請求でき、認められれば差額の 100 万円が戻って、手取りは 900 万円になります。0 円は、支払う者が徴収しない場合で、対象の区分の支払いには当てはまりません。800 万円は、徴収額ではなく、徴収後の手取りです。
詳しくは: 源泉徴収
問 4
架空の例として、W 社は、固定金利 1.10% を受け取る想定元本 100 億円の金利スワップと、外国の完全子会社に 1.08% を払う逆のスワップを結びます。変動金利は相殺され、差額は寄附金に当たりません。独立企業間価格の固定金利は 1.05% です。2026 年 10 月時点の租税特別措置法第 66 条の 4 第 1 項で、この価格とみなされると、損金にならない年間の差額はいくらですか。
正解と解説
正解: D
300 万円です。W 社が外国の完全子会社(ブッキング法人)に払う対価が、独立企業間価格(固定金利 1.05%)を超えているため、その取引は 1.05% で行われたものとみなされます。固定金利の差は 1.08% − 1.05% = 0.03% で、100 億円 × 0.03% = 300 万円が、損金に算入されない差額です。W 社に残る年間の金額は、実際は 100 億円 × (1.10% − 1.08%) = 200 万円です。独立企業間の水準なら 500 万円(100 億円 × (1.10% − 1.05%))で、300 万円少なくなっています。
200 万円は、実際に W 社に残る金額です。500 万円は、独立企業間の水準で W 社に残る金額で、どちらも差額ではありません。0 円は、W 社が払う側なので規定の対象外と読む誤りです。規定は、国外関連者に払う対価が独立企業間価格を超えるときも対象にします。なお、独立企業間価格の 1.05% は例のために置いた値で、第 66 条の 4 の算定方法で求めたものではありません。
詳しくは: 国をまたぐ取引の移転価格