デリバティブ取引を業として行う金融商品取引業者や登録金融機関では、登録、広告や契約前の書面交付、顧客の区分による規制の違いといった業務が、金商法の規定に基づきます。

金商法の根拠と所管

金融商品取引法(金商法)は、企業内容の開示、金融商品取引業を行う者、金融商品取引所の運営などを定める法律です。有価証券の発行と金融商品等の取引を公正にして、投資者の保護に資することを目的とします1。デリバティブ取引に関わる規定は、取引の定義、業の登録、顧客を保護する行為規制、特定投資家の区分、店頭デリバティブ取引の規制に分かれます。法による権限は、一部を除いて内閣総理大臣から金融庁長官に委任され、金融庁長官は一部の権限を証券取引等監視委員会に委任します2。日本の規制全体の地図は日本のデリバティブ規制の全体像で扱います。

法律の本文が骨組みを決め、細目は政令と内閣府令に委ねられています。この記事が引く規定は次のとおりです。

法令 この記事が引く規定 条
金融商品取引法 デリバティブ取引の定義 第 2 条
金融商品取引法 登録 第 28 条から第 33 条の 2
金融商品取引法 行為規制と特定投資家 第 34 条から第 45 条
金融商品取引法 取引所 第 80 条、第 84 条
金融商品取引法 清算集中と取引情報の報告 第 156 条の 62 から第 156 条の 64
金融商品取引法施行令 法が「政令で定める」と委ねた事項。たとえば第 38 条の対象の一部 第 16 条の 43
金融商品取引業等に関する内閣府令(金商業等府令) 契約の種類 第 53 条
金商業等府令 特定投資家の期限日と要件 第 58 条から第 62 条
金商業等府令 特定投資家に規定を適用する例外 第 156 条
金商業等府令 証拠金 第 123 条
金商業等府令 帳簿書類 第 157 条
金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(定義府令) 適格機関投資家 第 10 条
定義府令 特定投資家に当たる法人 第 23 条
店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令(店頭デリバティブ府令) 清算集中の対象 第 2 条
店頭デリバティブ府令 取引情報の保存と報告 第 3 条から第 11 条の 2

次の表は、デリバティブ取引と特定投資家の定義が変わるかを確かめた版だけを載せています4。

日付 区分 内容
2026 年 7 月 23 日 公布 金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和 8 年法律第 64 号)
2026 年 8 月 12 日 施行 この記事が使う条文の版
2027 年 4 月 1 日 施行 有価証券の募集や私募の勧誘の規定が変わる。デリバティブ取引と特定投資家の定義は変わらない
2027 年 7 月 22 日の版(公布から 1 年を超えない範囲で政令が定める日として e-Gov が載せる日付) 施行予定 暗号資産取引業が加わり、第 28 条第 8 項が第 10 項になる

条文は 2026 年 10 月 3 日時点で公開されている版(金商法は 2026 年 8 月 12 日施行の版、内閣府令は同じ日の本文)を確かめました。

デリバティブ取引の定義と 3 つの区分

金商法は、デリバティブ取引を、取引を行う場で市場デリバティブ取引、店頭デリバティブ取引、外国市場デリバティブ取引の 3 つに分けます5。

区分 取引を行う場 定義の条件
市場デリバティブ取引 金融商品市場(有価証券の売買か市場デリバティブ取引を行う市場) 金融商品市場で、市場を開設する者の定める基準と方法に従って行う、条文が号に分けて挙げる取引
店頭デリバティブ取引 金融商品市場と外国金融商品市場の外 条文が号に分けて挙げる取引。公益や投資者の保護に支障がないものとして政令で定めるものを除く
外国市場デリバティブ取引 外国金融商品市場 外国金融商品市場で行う、市場デリバティブ取引に類似する取引

市場デリバティブ取引と店頭デリバティブ取引は、取引の型ごとに同じ順で号が並びます6。

取引の型 市場デリバティブ取引 店頭デリバティブ取引
先物取引と先渡取引の型7 第 1 号、第 2 号 第 1 号、第 2 号
オプション取引の型。一方の意思表示で取引を成立させる権利を付与し、相手方が対価を支払う取引 第 3 号 第 3 号、第 4 号
スワップ取引の型。元本として定めた金額について、金融商品の利率等や金融指標の約定した期間の変化率に基づく金銭を、当事者が相互に支払う取引 第 4 号(商品を対象にするものは第 4 号の 2) 第 5 号
あらかじめ定めた事由(法人の信用状態に係る事由など)が起きたときに、相手方が金銭を支払う取引 第 5 号 第 6 号
上記に類似する取引で政令が定めるもの 第 6 号 第 7 号

先物取引と先渡取引の型は、将来の一定の時期に、金融商品と対価を授受する売買(反対売買などで差金の授受による決済ができるもの)と、約定数値と現実数値の差に基づく金銭の授受を約する取引です。

原資産の範囲は、金融商品と金融指標で決まります8。金融商品は、有価証券、政令で定める預金債権など、通貨、暗号等資産、政令で定める資産、金融商品取引所が条件を標準化した標準物、商品です。商品は、商品先物取引法の商品のうち政令で定めるものです。金融指標は、金融商品の価格や利率等、気象庁などが発表する気象の観測の成果に係る数値、政令で定める指標や統計の数値、これらに基づいて算出した数値です。

店頭デリバティブ取引の定義には、商品に係る取引を除く号があります9。

市場デリバティブ取引が行われる金融商品市場を開設できるのは、内閣総理大臣の免許を受けた者だけです。認可金融商品取引業協会は、この免許の対象から除かれています。免許を受けて金融商品市場を開設する会員制法人か株式会社が、金融商品取引所です10。金融商品取引所は、上場と上場廃止の業務や、会員等の法令などの遵守状況の調査といった自主規制業務を適切に行わなければならず、内閣総理大臣の認可を受けて自主規制法人に委託できます11。

業として行うときの登録

金融商品取引業は、法が挙げる行為のいずれかを業として行うことです。デリバティブ取引に関わる行為は、次のとおりです12。

  • 市場デリバティブ取引と外国市場デリバティブ取引を行うこと(商品関連市場デリバティブ取引を除く)
  • その媒介、取次ぎ、代理
  • 取引所金融商品市場や外国金融商品市場での取引の委託の媒介、取次ぎ、代理
  • 店頭デリバティブ取引と、その媒介、取次ぎ、代理
  • 清算機関に債務を負担させる条件で、顧客の委託を受けて取引を行う有価証券等清算取次ぎ

金融商品取引業を行うには、内閣総理大臣の登録が必要です。登録を受けた者が金融商品取引業者です。店頭デリバティブ取引とその媒介などは、第一種金融商品取引業です13。内閣総理大臣は、申請者に業務を適切に行うための体制が整っていると認められないときなどは、登録を拒否しなければなりません14。第一種金融商品取引業を行う者には、自己資本規制比率を毎月末などに内閣総理大臣に届け出て、120% を下回らないようにする義務もあります15。

銀行などの金融機関は、別の枠組みで規制されます。有価証券関連業は、有価証券の売買やその媒介などと、有価証券関連デリバティブ取引等を業として行うことです。有価証券関連デリバティブ取引等は、有価証券か有価証券指標を対象にするデリバティブ取引などです16。

銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関は、有価証券関連業を行えません。ただし、法は例外を挙げています。店頭デリバティブ取引では、国債証券などに係る取引と、決済が差金の授受に限られる有価証券の取引が挙がっています。後者には、相手方が多数となる場合のうち政令が定めるものは対象外とする、という条件が付きます17。例外の取引を行うときも、登録金融機関としての登録を受けます。

有価証券に関連しないデリバティブ取引等(金利や通貨を対象にするものなど)を業として行うときも、金融商品取引業者としての登録は要らず、登録金融機関としての登録を受けます18。この登録を受けた者が登録金融機関です。

項目 金融商品取引業者 登録金融機関
登録の根拠 第 29 条 第 33 条の 2
登録を受けた者 第 29 条の登録を受けた者 第 33 条の 2 の登録を受けた銀行、協同組織金融機関、その他政令で定める金融機関19
デリバティブ取引に関する範囲 店頭デリバティブ取引等は第一種金融商品取引業 第 33 条第 2 項の例外と、有価証券関連以外のデリバティブ取引等を業として行うために登録を受ける。有価証券関連業は、例外を除いて行えない

登録の根拠を、2 つの質問で順に確かめると、図 1 のようになります。

はいいいえ第 2 条第 8 項が挙げるデリバティブ取引の行為を、業として行うか金融商品取引業に当たらないはいいいえ行う者は、銀行、協同組織金融機関など政令で定める金融機関以外か第 33 条の 2 の登録(登録金融機関)第 29 条の登録(金融商品取引業者)
図 1デリバティブ取引を業として行うときの登録の根拠
図の説明

デリバティブ取引を業として行うときの登録の根拠を、2 つの質問で順に確かめる図です。1 つ目が「いいえ」なら、金融商品取引業に当たりません。2 つ目で、行う者が銀行などの政令で定める金融機関なら登録金融機関の登録、それ以外なら金融商品取引業者の登録が根拠です。金融機関が行う有価証券関連業は、例外を除いて行えません。

金利を対象にする店頭スワップ取引を業として行う架空の例で考えます。

1 つ目は、I 銀行が取引を業として行う場合です。I 銀行は銀行で、金利は有価証券に関連しないため、図 1 の 1 つ目の質問は「はい」、2 つ目は「いいえ」です。I 銀行は、登録金融機関として行います。

2 つ目は、銀行などの金融機関ではない会社が、同じ取引を業として行う場合です。この会社は金融機関ではないため、図 1 の 2 つの質問はともに「はい」です。会社は、金融商品取引業者として行い、店頭デリバティブ取引は第一種金融商品取引業になります。

金融商品取引業者と登録金融機関は、あわせて金融商品取引業者等と呼ばれ、次の行為規制の名宛人になります20。

顧客を保護する行為規制の構造

金融商品取引業者等が受ける行為規制は、広告から契約の前後の情報提供、勧誘の禁止行為、損失補塡の禁止まで、取引の流れに沿って並びます。表の最後の列は、顧客が特定投資家のときの扱いで、適用しない規定は金商法が列挙しています。「勧誘の相手方」は契約の締結の勧誘の相手方、「契約の相手方」は申込みを受けた相手方か契約を締結した相手方を指します21。

規制 条 定めること 顧客が特定投資家のとき
広告等の表示 第 37 条22 商号、登録番号などを表示する。利益の見込みなどについて、著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示をしない 適用しない(勧誘の相手方が特定投資家のとき)
取引態様の事前明示 第 37 条の 223 店頭デリバティブ取引の注文を受けたとき、自己が相手方か、媒介、取次ぎ、代理かをあらかじめ明らかにする 適用しない(契約の相手方が特定投資家のとき)
契約締結前の情報の提供等 第 37 条の 324 契約の概要、手数料、損失のおそれなどの情報を、契約の前に顧客へ提供する。実務では契約締結前交付書面の交付で行う 適用しない(契約の相手方が特定投資家のとき)
契約締結時等の情報の提供 第 37 条の 425 契約が成立したときなどに、遅滞なく契約に関する情報を提供する 適用しない(契約の相手方が特定投資家のとき)。内閣府令が定める場合を除く
保証金の受領に係る書面の交付 第 37 条の 526 顧客が預託する保証金を受領したとき、直ちに書面を交付する 適用しない(契約の相手方が特定投資家のとき)。内閣府令が定める場合を除く
書面等による解除 第 37 条の 627 政令で定める契約について、一定の日数のあいだ、書面か電磁的記録で契約を解除できる 適用しない(契約の相手方が特定投資家のとき)
禁止行為 第 38 条28 虚偽の告知、断定的判断の提供、不招請勧誘、勧誘前に意思を確認しない勧誘、契約しない意思を示した顧客への勧誘の継続、根拠のない算出基礎情報の提供など 不招請勧誘、意思確認のない勧誘、勧誘の継続は適用しない(勧誘の相手方が特定投資家のとき)。それ以外は、適用を除く規定に挙がっていない
損失補塡等の禁止 第 39 条29 損失の補塡や利益の追加を、約束することも提供することも禁じる 適用を除く規定に挙がっていない
適合性原則 第 40 条第 1 号30 顧客の知識、経験、財産の状況、契約の目的に照らして不適当な勧誘を行って、投資者の保護に欠けることにならないようにする 適用しない(勧誘の相手方が特定投資家のとき)

金融商品取引業者等は、契約締結前の情報の提供のうち損失のおそれなど一部を除く事項を、原則として、顧客に理解されるために必要な方法と程度で説明しなければなりません。顧客が理解したことを適切な方法で確認した場合などは除かれます24。不招請勧誘は、勧誘の要請をしていない顧客への訪問や電話による勧誘で、対象の契約は政令が定めます。禁止行為には、勧誘の前に意思を確認しない勧誘、契約しない意思を示した顧客への勧誘の継続、特定金融指標の算出者への根拠のない算出基礎情報の提供も含まれます28。

損失補塡等の禁止は、顧客の側にもかかります。自分の要求による約束と、その約束による、自分の要求による提供の受領が禁じられます。事故による損失の補塡には、条件つきの例外があります29。

適合性原則と説明の中身は適合性原則と説明義務で扱います。

特定投資家(プロ)の区分と規制の違い

金融庁の解説は、特定投資家を「プロ」、一般投資家を「アマ」と呼んで区別します31。この記事では、法の語にそろえて、アマに当たる顧客を特定投資家以外の顧客と書きます。特定投資家は、適格機関投資家、国、日本銀行、投資者保護基金その他の内閣府令で定める法人です32。適格機関投資家の範囲は定義府令が定め、銀行や保険会社、金融商品取引業者の一部などが挙がっています。内閣府令で定める法人も定義府令が定め、上場会社、資本金が 5 億円以上と見込まれる株式会社、金融商品取引業者、外国法人などが挙がっています33。

区分は、顧客の属性だけでは決まりません。契約の種類ごとに、申出で変えられます。契約の種類は、有価証券の取引、デリバティブ取引、投資顧問契約、投資一任契約の 4 つです34。デリバティブ取引は、有価証券の取引とは別の契約の種類です。

顧客 区分 申出でできること 条
適格機関投資家、国、日本銀行 特定投資家 特定投資家以外の顧客として扱うよう申し出る対象にならない 第 34 条の 235
投資者保護基金その他の内閣府令で定める法人(以下、内閣府令で定める法人の特定投資家) 特定投資家 契約の種類ごとに、特定投資家以外の顧客として扱うよう申し出られる 第 34 条の 235
上記以外の法人 特定投資家以外の顧客 申出と承諾、書面による同意で、特定投資家とみなされる 第 34 条の 336
個人(適格機関投資家を除く) 特定投資家以外の顧客 匿名組合の営業者である個人など、または、内閣府令が定める要件を満たす個人が、申し出られる 第 34 条の 437

内閣府令で定める法人の特定投資家からの申出を、金融商品取引業者等は、最初の勧誘か契約の締結までに承諾しなければなりません。承諾後も、顧客はいつでも特定投資家への復帰を申し出られます35。

申出の効果は次のとおりです。内閣府令で定める法人の特定投資家が申し出て、金融商品取引業者等が承諾し、書面を交付したとします。すると、承諾日以後に行う勧誘の相手方と、承諾日以後に結ぶ契約の相手方について、申出者は特定投資家以外の顧客とみなされます。対象は申出で指定した種類の契約です35。

法人が申し出て、金融商品取引業者等が承諾し、書面による同意を受けたとします。すると、承諾日から期限日までに行う勧誘の相手方と、その間に結ぶ契約の相手方について、申出者は特定投資家とみなされます。対象は申出で指定した種類の契約です36。期限日は、最長で承諾日から 1 年を経過する日で、更新の申出もできます。期限日の後は、特定投資家以外の顧客に戻ります。

個人の場合、内閣府令が定める要件は、知識、経験、財産の状況に関するもので、特定投資家に相当すると認められることを求めます。承諾の手続は法人の規定を準用しますが、個人には、書面の交付と、申出者が要件に当たることの確認も求められます37。

内閣府令で定める法人の特定投資家から申込みを受け、同じ契約の種類の契約を過去に結んだことがないとします。このとき金融商品取引業者等は、契約の締結までに、特定投資家以外の顧客として扱うよう申し出られる旨を告知しなければなりません20。

金商法は、顧客が特定投資家であるときに適用しない規定を列挙しています。行為規制の表の最後の列のとおり、勧誘の相手方が特定投資家であるときは、広告等の表示、不招請勧誘など禁止行為の一部、適合性原則を適用しないとします。申込みを受けた相手方か契約を締結した相手方が特定投資家であるときは、表の取引態様の事前明示から書面等による解除までの規定と、そのほかの 2 つの条の規定を適用しないとします。投資顧問契約と投資一任契約に関する規定も、同じ形で列挙されています21。この列挙に挙がっていない規定、たとえば損失補塡等の禁止や、禁止行為のうち虚偽の告知は、適用が除かれていません。

ただし、公益の確保や特定投資家の保護に支障が出るおそれがあるとして内閣府令が定める場合は、顧客が特定投資家でも適用されます。金商業等府令が定めるのは、次の場合です。契約締結時等の情報の提供と保証金の受領に係る書面の交付は、それぞれ個別の取引、個別の保証金の受領について顧客から問い合わせを受けたとき、すぐ答えられる体制がない場合に適用されます。投資顧問契約と投資一任契約に関する規定についても、同じ府令が定めています38。

金融商品取引業者等の I 銀行が店頭デリバティブ取引の契約を、上場会社の J 社と結ぶ架空の例で考えます。どちらの例も、契約締結前の情報の提供が適用されるかを見ます。上場会社は、定義府令が挙げる特定投資家です。

1 つ目は、J 社がデリバティブ取引について特定投資家以外の顧客として扱うよう申し出ていない場合です。契約の相手方は特定投資家なので、契約締結前の情報の提供の規定は適用されません21。損失補塡等の禁止は、適用が除かれていないため、同じ場面でも適用されます2129。

2 つ目は、J 社がデリバティブ取引について特定投資家以外の顧客として扱うよう申し出て、I 銀行が承諾し、書面を交付したとする場合です。承諾日以後に結ぶ契約の相手方は、申出で指定した契約の種類(デリバティブ取引)について、特定投資家以外の顧客とみなされます35。承諾日以後の契約には、契約締結前の情報の提供の規定が適用されます。

店頭デリバティブ規制の置き場所

清算集中、証拠金、取引情報の報告は、金商法の別の条と、その下の内閣府令に置かれています。

制度 金商法の条 内閣府令 中身を扱うページ
清算集中 第 156 条の 6239。金融商品取引業者等は、内閣府令で定める取引に基づく債務を、清算機関などに負担させる 店頭デリバティブ府令第 2 条(対象になる取引)40 清算集中義務
証拠金規制 第 40 条第 2 号41 金商業等府令第 123 条(変動証拠金と当初証拠金の措置の状況) 証拠金規制
取引情報の報告 第 156 条の 63(清算機関など)、第 156 条の 64(金融商品取引業者等)42 店頭デリバティブ府令第 3 条から第 11 条の 243 取引情報の報告制度

このほか、店頭デリバティブ取引を業として行う金融商品取引業者等は、特定店頭デリバティブ取引を行う場合、電子情報処理組織を使って行わなければなりません。特定店頭デリバティブ取引は、取引高などに照らして、概要に関する情報の迅速な開示が必要と認められるものとして内閣府令が定める店頭デリバティブ取引です。その電子情報処理組織を使用に供した者は、その上で行われた特定店頭デリバティブ取引の価格、数量などの概要を公表しなければなりません44。

実務への影響

申出による区分の変更は、契約の種類ごとに決まります3536。特定投資家であれば広告等の表示や契約締結前の情報の提供などの規定は適用されませんが、損失補塡等の禁止などは適用が除かれません21。申出による区分の効果は、金融商品取引業者等の承諾日、書面の交付、特定投資家とみなす期限日で決まります3536。

この記事が書いていないこと

施行前のほかの版と 2027 年の版で変わる条の中身、契約前後の書面の記載事項、適合性原則と説明の詳しい中身は、この記事では扱いません。特定投資家への適用を定める規定のうち本文で挙げたもの以外と、清算集中、証拠金、取引情報の報告の中身は、この記事では扱いません。

注

  1. 「金融商品取引法」第 1 条。 ↩

  2. 「金融商品取引法」第 194 条の 7 第 1 項、第 2 項。 ↩

  3. 「金融商品取引法施行令」第 16 条の 4 第 1 項(法第 38 条第 4 号に規定する政令で定めるもの)。 ↩

  4. 「金融商品取引法」の e-Gov 法令検索の改正履歴と、令和 8 年法律第 64 号の附則第 1 条(施行期日)、第 2 条。2027 年 4 月 1 日の版は第 2 条第 3 項、第 4 項、第 33 条などを変え、第 2 条第 20 項から第 23 項と第 31 項は変えません。2027 年 7 月 22 日の版は、第 33 条、第 34 条の 2、第 37 条の 5 なども変えます。 ↩

  5. 「金融商品取引法」第 2 条第 20 項(デリバティブ取引の 3 つの区分)、第 21 項(市場デリバティブ取引)、第 22 項(店頭デリバティブ取引)、第 23 項(外国市場デリバティブ取引)、第 14 項(金融商品市場)。 ↩

  6. 「金融商品取引法」第 2 条第 21 項第 1 号から第 6 号、第 22 項第 1 号から第 7 号。 ↩

  7. 「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 167 条は、帳簿の記載の区分として、市場デリバティブ取引の第 1 号と第 2 号を先物取引、店頭デリバティブ取引の第 1 号と第 2 号を先渡取引と呼びます。 ↩

  8. 「金融商品取引法」第 2 条第 24 項第 1 号から第 5 号(金融商品)、第 25 項第 1 号から第 4 号(金融指標)。 ↩

  9. 「金融商品取引法」第 2 条第 22 項第 1 号、第 2 号、第 4 号、第 5 号は、第 24 項第 3 号の 3 の商品に係る金融商品や金融指標を除いています。 ↩

  10. 「金融商品取引法」第 80 条第 1 項、第 2 条第 16 項。 ↩

  11. 「金融商品取引法」第 84 条第 1 項、第 2 項第 1 号から第 3 号、第 85 条第 1 項。 ↩

  12. 「金融商品取引法」第 2 条第 8 項第 1 号(市場デリバティブ取引と外国市場デリバティブ取引)、第 2 号(その媒介、取次ぎ、代理)、第 3 号(取引の委託の媒介、取次ぎ、代理)、第 4 号(店頭デリバティブ取引とその媒介、取次ぎ、代理)、第 5 号(有価証券等清算取次ぎ)、第 27 項(有価証券等清算取次ぎ)。 ↩

  13. 「金融商品取引法」第 29 条、第 28 条第 1 項第 2 号。 ↩

  14. 「金融商品取引法」第 29 条の 4 第 1 項第 1 号ヘ。 ↩

  15. 「金融商品取引法」第 46 条の 6 第 1 項、第 2 項。同条は第 3 節第 1 款「第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者」の条。 ↩

  16. 「金融商品取引法」第 28 条第 8 項第 1 号、第 2 号、第 3 号から第 6 号(有価証券関連デリバティブ取引等は第 33 条第 3 項が第 28 条第 8 項第 3 号から第 6 号に掲げるものと定める)。 ↩

  17. 「金融商品取引法」第 33 条第 1 項、第 2 項第 5 号(イ: 第 1 号の有価証券に係る店頭デリバティブ取引。ロ: 第 2 号から第 4 号の有価証券を対象にする店頭デリバティブ取引のうち、決済が差金の授受だけで行われるもの。ロについては、相手方が多数となる場合のうち政令が定めるものは除く)。 ↩

  18. 「金融商品取引法」第 33 条第 3 項、第 33 条の 2 第 2 号(第 33 条第 2 項各号の取引。同条第 1 項ただし書に当たるものを除く)、第 3 号。 ↩

  19. 「金融商品取引法」第 2 条第 9 項(金融商品取引業者)、第 11 項(登録金融機関)。 ↩

  20. 「金融商品取引法」第 34 条(金融商品取引業者等は、金融商品取引業者と登録金融機関をいう)。第 34 条の告知は、特定投資家から申込みを受け、同じ契約の種類の契約を過去に結んだことがないときに、契約の締結までに行う。 ↩ ↩2

  21. 「金融商品取引法」第 45 条第 1 号(第 37 条、第 38 条第 4 号から第 6 号、第 40 条第 1 号)、第 2 号(第 37 条の 2 から第 37 条の 6、第 40 条の 2 第 4 項、第 43 条の 4)。第 3 号、第 4 号は投資顧問契約と投資一任契約に関する規定で、ただし書は内閣府令で定める場合。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  22. 「金融商品取引法」第 37 条第 1 項、第 2 項。 ↩

  23. 「金融商品取引法」第 37 条の 2。 ↩

  24. 「金融商品取引法」第 37 条の 3 第 1 項、第 2 項と、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 79 条第 1 項第 1 号イ(契約締結前交付書面)、第 93 条、第 94 条(デリバティブ取引等と店頭デリバティブ取引契約の記載事項)。 ↩ ↩2

  25. 「金融商品取引法」第 37 条の 4 第 1 項。 ↩

  26. 「金融商品取引法」第 37 条の 5 第 1 項。 ↩

  27. 「金融商品取引法」第 37 条の 6 第 1 項。 ↩

  28. 「金融商品取引法」第 38 条第 1 号(虚偽の告知)、第 2 号(断定的判断の提供)、第 4 号(不招請勧誘)、第 5 号(勧誘の前の意思確認)、第 6 号(勧誘の継続)、第 7 号(算出基礎情報の提供)、第 9 号と、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 117 条(第 9 号が委ねる行為)。第 45 条第 1 号が適用しないのは、第 38 条第 4 号から第 6 号。 ↩ ↩2

  29. 「金融商品取引法」第 39 条第 1 項(業者の約束と提供の禁止)、第 2 項(顧客の側の禁止。顧客の側は、自分の要求による約束と、その約束による、自分の要求による提供の受領が対象(第 3 号は前二号の約束による場合に限る))、第 3 項、第 5 項(事故による損失の補塡の例外。第 3 項のただし書は、内閣総理大臣の確認などが条件)。 ↩ ↩2 ↩3

  30. 「金融商品取引法」第 40 条第 1 号。 ↩

  31. 金融庁「アクセスFSA 第83号」(2010 年 3 月)の「4.特定投資家(プロ)と一般投資家(アマ)の移行手続きの見直し」。 ↩

  32. 「金融商品取引法」第 2 条第 31 項第 1 号から第 4 号。適格機関投資家は第 2 条第 3 項第 1 号。 ↩

  33. 「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令」第 10 条(適格機関投資家の範囲)、第 23 条(特定投資家の範囲。第 7 号が金融商品取引所に上場されている株券の発行者である会社、第 8 号が資本金の額が 5 億円以上であると見込まれる株式会社、第 9 号が金融商品取引業者など、第 10 号が外国法人)。 ↩

  34. 「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 53 条第 1 号から第 4 号。 ↩

  35. 「金融商品取引法」第 34 条の 2 第 1 項(申出の対象は、第 2 条第 31 項第 4 号の者に限る)、第 2 項、第 3 項(書面の交付)、第 5 項、第 10 項、第 11 項。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  36. 「金融商品取引法」第 34 条の 3 第 1 項、第 2 項、第 4 項、第 7 項、第 9 項。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  37. 「金融商品取引法」第 34 条の 4 第 1 項、第 2 項(書面の交付と、申出者が第 1 項各号に当たることの確認)、第 6 項(第 34 条の 3 第 2 項から第 8 項などを準用)。個人の要件は、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 61 条、第 62 条。 ↩ ↩2

  38. 「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 156 条第 1 号(第 37 条の 4)、第 2 号(第 37 条の 5)、第 3 号、第 4 号(投資顧問契約と投資一任契約に関する規定)。 ↩

  39. 「金融商品取引法」第 156 条の 62。 ↩

  40. 「店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令」第 2 条第 1 項、第 2 項。 ↩

  41. 「金融商品取引法」第 40 条第 2 号と、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 123 条第 1 項第 21 号の 10(変動証拠金)、第 21 号の 11(当初証拠金)(非清算店頭デリバティブ取引の変動証拠金と当初証拠金について、措置を講じていないと認められる状況)。 ↩

  42. 「金融商品取引法」第 156 条の 63 第 1 項、第 156 条の 64 第 1 項。 ↩

  43. 「店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令」第 2 章(第 2 条、第 2 条の 2)、第 3 章「取引情報の保存及び報告」(第 3 条から第 11 条の 2)の目次。 ↩

  44. 「金融商品取引法」第 40 条の 7 第 1 項(業の対象は店頭デリバティブ取引。電子情報処理組織は、自己か、他の金融商品取引業者等などが業務の用に供するもの)、第 2 項(電子情報処理組織を使用に供した者の公表義務)。 ↩

  45. 「金融商品取引法」第 34 条の 3 第 2 項第 2 号、第 5 号、第 6 号、第 7 項と、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 60 条第 1 項。 ↩

  46. 金融庁「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(令和 8 年 10 月)のⅢ-2-3-2-1(1)⑥(PDF の 64 ページ目、印刷ページは 53)と、Ⅰ-2-1(PDF の 15 ページ目、印刷ページは 4)。 ↩

  47. 「金融商品取引業等に関する内閣府令」第 157 条第 1 項第 1 号イ(1)(2)、第 2 号イ。 ↩