BA-CVA は、取引相手ごとに、リスク・ウェイト、ネッティング・セットの債務不履行時のエクスポージャー(EAD)、実効マチュリティ、規制上の割引係数を掛けた値を求め、取引相手の間の相関を使って合算します1。取引相手の信用スプレッドのヘッジ(単一の債務者を参照する CDS、インデックス CDS など)の効果を反映する形を「完全な BA-CVA」、反映しない形を「限定的な BA-CVA」といいます。どちらも、最後に割引係数 0.65 を掛けた額が CVA リスク相当額です1。

取引相手が 1 社で、SA-CCR の EAD が 14 億円、実効マチュリティが 3 年、リスク・ウェイトが 5.0% の架空の例で考えます。ヘッジなしの CVA リスク相当額は約 0.905 億円です。計算の流れは、記事「CVA リスクの資本賦課」に書いています。

BA-CVA の入力の EAD は、取引相手の信用リスク(CCR)の計算で使う値です。会計上の CVA の測り方とは別の計算で、会計で CVA を計算していなくても使えます。ヘッジの効果は、取引相手の信用力のヘッジだけを反映し、市場要因によるエクスポージャーの変動のヘッジは反映しません2。

注

  1. 「銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(金融庁の全体版、2026 年 8 月 24 日更新)第 270 条の 3 から第 270 条の 3 の 4(395〜399 ページ)。 ↩ ↩2

  2. 金融庁、日本銀行「「信用評価調整(CVA)リスクの最低所要自己資本」の概要」(2018 年 2 月)の「3.CVAリスクの見直しの概要」(4 ページ)。 ↩