静的ヘッジの組み合わせは、ヘッジの対象が生み出すキャッシュフローを、近似的に、あるいは理論上は完全に合成するように作ります。組み合わせは、たとえばバニラのコールの買いと、行使価格の違うプットの売りのように、バニラ・オプションで作ります1。市場の動きに応じて原資産の持ち高を直していく動的ヘッジとは違い、連続した売買が要りません23。
バリア・オプションの例では、バリアに触れずに満期を迎えたときの受け取りをバニラ・コールで複製し、バリアに触れたときの組み合わせの価値が 0 になるように、ほかのオプションの数量を決めます3。
完全な複製をめざす既存の方法は、特定の行使価格と満期のオプションが売買できることや、原資産の分布についての強い仮定に頼ります4。ボラティリティを一定とみて作った組み合わせは、ボラティリティが変動したときのヘッジの誤差が大きくなります3。
注
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Dominique Y. Dupont "Hedging Barrier Options: Current Methods and Alternatives"(University of Twente、2002 年 2 月)の 8 ページ。ダウン・アンド・アウト・コール(行使価格 K、バリア H、H < K)を、行使価格 K のコールの買いと行使価格 H²/K のプットの売りでヘッジする例です。 ↩
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Dupont、前掲論文の 4 ページ。市場の摩擦があると動的ヘッジは費用が大きくなりすぎ、実務では組み直しの頻度を下げ、静的ヘッジを採ると書いています。 ↩
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新原祐喜「確率局所ボラティリティ・モデルのもとでのヘッジ戦略:最尤経路を利用したバリア・オプションの静的ヘッジ」(日本銀行金融研究所「金融研究」2011 年 10 月)の 1 節(126 ページ)と 2 節(1)ロ(132 ページ)。 ↩ ↩2 ↩3
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Dupont、前掲論文の 1 ページ(要旨)。現在の静的ヘッジの方法は、特定の行使価格や満期の取引可能なオプションがあることや、原資産の分布についての強い仮定に頼ると書いています。 ↩