フォワードを FtF_t、ボラティリティを αt\alpha_t として、dFt=αtFtβdWt(1)dF_t = \alpha_t F_t^{\beta} dW^{(1)}_t、dαt=ναtdWt(2)d\alpha_t = \nu \alpha_t dW^{(2)}_t と置き、2 つのブラウン運動の相関を ρ\rho とします。パラメータは α\alpha(ボラティリティの初期値)、β\beta、ρ\rho、ν\nu(ボラティリティのボラティリティ)の 4 つです。名前は Stochastic Alpha Beta Rho の頭文字です1。

フォワードが 2.00%、満期が 1 年で、α=0.03\alpha = 0.03、β=0.5\beta = 0.5、ρ=−0.3\rho = -0.3、ν=0.4\nu = 0.4 の架空の例で考えます。近似式から求めたインプライド・ボラティリティは、行使価格 2.00%(ATM)で 21.40%、行使価格 2.50% で 19.53% です2。

近似式は厳密な解ではなく、フォワードが負のときは β=0\beta = 0 の場合を除いて使えないため、シフトを足して使います1。

注

  1. 服部孝洋「スワップション入門(モデル編)」(「ファイナンス」2021 年 10 月号)の 4.2 節(印刷ページ 62〜63)と 4.5 節(印刷ページ 65)。 ↩ ↩2

  2. Hagan, Kumar, Lesniewski, Woodward, "Managing Smile Risk"(Wilmott magazine, 2002)の式 (2.15a)〜(2.18)(印刷ページ 88〜89)。例の値は、式から計算し直した値。 ↩