ヘストン・モデルは、オプションの価格モデルを作るクオンツや、そのモデルを検証する担当者が、市場のスマイルに合わせた価格を求める場面で使います。

株価と分散の 2 本の確率過程

ヘストン・モデルは、ブラック・ショールズ・モデルの一定のボラティリティを、時間とともに動く分散 vtv_t に置き換えた確率的ボラティリティ・モデルです。株価 StS_t と分散 vtv_t が別々の確率過程に従い、それぞれを動かす 2 つのブラウン運動が相関 ρ\rho を持ちます1。以下の式は、株価のドリフトを r−qr - q とした、リスク中立測度の下の式です。κ\kappa、vˉ\bar v は、分散のリスクの価格を織り込んだ値と読みます。リスクの価格の仮定は、「前提と限界」の節で扱います。

dSt=(r−q) St dt+vt St dWtSdS_t = (r - q)\,S_t\,dt + \sqrt{v_t}\,S_t\,dW_t^{S} dvt=κ(vˉ−vt) dt+ξvt dWtv,dWtS dWtv=ρ dtdv_t = \kappa(\bar v - v_t)\,dt + \xi\sqrt{v_t}\,dW_t^{v}, \qquad dW_t^{S}\,dW_t^{v} = \rho\,dt

rr は金利、qq は株価に連続して支払われる配当の率です。分散の式は、右辺の第 1 項が分散を長期の水準 vˉ\bar v へ速さ κ\kappa で引き戻す平均回帰を表し、第 2 項が vt\sqrt{v_t} に比例する揺れを表します。この形の過程を CIR 過程(平方根過程)といい、分散が負の値にならない性質を持ちます2。

モデルのパラメータは 5 つあり、それぞれ次の役割を持ちます。

記号 名前 役割 スマイルへの効き方(資料の FX の例)
v0v_0 初期の分散 今の分散の水準 スマイル全体の高さ
vˉ\bar v 長期の分散 分散が戻っていく先 高さ。v0v_0 と似た効き方
κ\kappa 平均回帰の速さ 分散が vˉ\bar v へ戻る速さ 中央付近。両端はほぼ変わらない
ξ\xi 分散のボラティリティ 分散の揺れの大きさ 曲がりの大きさ
ρ\rho 株価と分散の相関 2 つの動きの結びつき(向きと強さ) 傾き(非対称さ)

右端の列は、資料の FX の例で、パラメータを 1 つずつ動かしたときのスマイルの形の変化です3。ξ\xi は、ボラティリティのボラティリティ(vol of vol、ボル・オブ・ボル)とも呼ばれます。ただし、ヘストン・モデルの ξ\xi は分散の揺れの係数で、ボラティリティ vt\sqrt{v_t} の拡散項は ξ/2\xi/2 になります4。ボラティリティそのものの揺れの係数を ν\nu とする SABR モデルとは、値をそのまま比べることができません。

相関 ρ\rho は、株式では負の値を置くのが通例です。株価が下がるときに分散が上がる動きを表します5。

分散の平均回帰とフェラー条件

分散の期待値は、v0v_0 から vˉ\bar v へ指数関数的に近づきます。時点 tt の期待値は次の式です。

E[vt]=vˉ+(v0−vˉ) e−κtE[v_t] = \bar v + (v_0 - \bar v)\,e^{-\kappa t}

κ\kappa が大きいほど速く近づきます。v0=0.0225v_0 = 0.0225(ボラティリティ 15%)、vˉ=0.04\bar v = 0.04(20%)、κ=2\kappa = 2 の架空の例で考えます。満期ごとの期待値は次のようになります6。

満期 tt(年) e−κte^{-\kappa t} E[vt]E[v_t] E[vt]\sqrt{E[v_t]}(%)
0.25 0.606531 0.029386 17.14
1 0.135335 0.037632 19.40
3 0.002479 0.039957 19.99

満期が遠いほど、期待される分散は 20% に対応する 0.04 に近づきます。最右列は分散の期待値の平方根で、インプライド・ボラティリティそのものではありません。

深掘り分散の期待値の式の導出

分散の式の両辺の期待値を取ると、揺れの項 ξvt dWtv\xi\sqrt{v_t}\,dW_t^{v} の期待値が 0 になるため、次の微分方程式が残ります。

ddtE[vt]=κ(vˉ−E[vt])\frac{d}{dt}E[v_t] = \kappa\bigl(\bar v - E[v_t]\bigr)

初期値を E[v0]=v0E[v_0] = v_0 として解くと、上の式になります。

分散が 0 に届くかどうかは、フェラー条件で決まります。次の条件を満たすと、CIR 過程は 0 に届かず、厳密に正の値にとどまります7。

2κvˉ≥ξ22\kappa\bar v \ge \xi^2

同じ条件を 4κvˉ/ξ2≥24\kappa\bar v/\xi^2 \ge 2 と書くこともあります。上の例の κ=2\kappa = 2、vˉ=0.04\bar v = 0.04 では左辺が 2×2×0.04=0.162 \times 2 \times 0.04 = 0.16 です。ξ=0.3\xi = 0.3 なら ξ2=0.09\xi^2 = 0.09 で条件を満たします(4κvˉ/ξ2=3.564\kappa\bar v/\xi^2 = 3.56)。ξ=0.5\xi = 0.5 なら ξ2=0.25\xi^2 = 0.25 で満たしません(4κvˉ/ξ2=1.284\kappa\bar v/\xi^2 = 1.28)。

条件を満たさないと、分散は 0 に何度も触れます。ただし 0 にとどまることはありません。市場の価格にモデルを合わせると、条件を満たさないパラメータが出ることは珍しくありません。そのパラメータを使うと、ボラティリティが 1% を下回る水準に何度も達し、市場で観察されない動きになります8。条件は、モンテカルロ法で分散がマイナスに落ちないよう気を配る必要があるかどうかにも関わります。

スマイルの傾きと曲がりの決まり方

ブラック・ショールズ・モデルは、行使価格によらず同じインプライド・ボラティリティを与えます。ヘストン・モデルでは、2 つのパラメータがその形を崩します。

  • ξ\xi を大きくすると、スマイルの曲がりが大きくなります。ξ=0\xi = 0 なら分散が確定的になり、スマイルは平らになります。
  • ρ\rho を 0 から負に動かすと、プットが高くなり、行使価格が低いほどインプライド・ボラティリティが高い右下がりの形になります。正に動かすと、コールが高くなり、右上がりの形になります。

これらは資料の FX の例の説明です9。ρ=0\rho = 0 のとき、スマイルは左右ほぼ対称の形になりますが、完全な対称ではありません。

効き方を数値で見ます。原資産 100、金利 1%、満期 1 年、配当なしのヨーロピアン・オプションのコールの架空の例で考えます。初期の分散と長期の分散は 0.04(ボラティリティ 20%)、平均回帰の速さは 2 とします。半解析解(次の節)で価格を求め、ブラック・ショールズの式でインプライド・ボラティリティに直した値です10。

行使価格 ξ=0.02\xi = 0.02、ρ=0\rho = 0 ξ=0.3\xi = 0.3、ρ=0\rho = 0 ξ=0.3\xi = 0.3、ρ=−0.7\rho = -0.7 ξ=0.3\xi = 0.3、ρ=0.7\rho = 0.7
80 20.00 20.17 22.43 16.48
90 20.00 19.67 20.79 18.00
100 20.00 19.50 19.27 19.54
110 20.00 19.59 17.88 20.94
120 20.00 19.88 16.69 22.19

表のインプライド・ボラティリティの単位は % です。ξ\xi がほぼ 0 なら平らで、ξ=0.3\xi = 0.3 で ρ=0\rho = 0 なら両端が少し持ち上がります。ρ=−0.7\rho = -0.7 は株式に多い右下がり、ρ=0.7\rho = 0.7 は右上がりです。ρ\rho の値は、形を見やすくするために大きくしています。資料には、株式に典型的な強いスキューを出すには、相関をかなり高く(または低く)置く必要があるとの記述があります11。

株式のオプション市場の典型は強い非対称のスキューで、FX の市場ではスマイルの形が見られます12。傾きを作る ρ\rho と曲がりを作る ξ\xi が別のパラメータなので、モデルはこの 2 つの違いを別々に合わせられます。

シミュレーターヘストン・モデルのパラメータとスマイルの形
入力
年
%
14161820222426708090100110120130インプライド・ボラティリティ(%)行使価格(原資産 100)
  • ヘストン・モデルのスマイル
  • ξ → 0 の平らなボラティリティ

行使価格ごとのコールの価格とインプライド・ボラティリティ

行使価格コールの価格ボラティリティ(%)
8022.331322.43
9014.445920.79
1008.143519.27
1103.816117.88
1201.421316.69
ATM(行使価格 100)のボラティリティ(%)
19.27
行使価格 80 と 120 の差(ポイント。正なら右下がり)
5.74
ξ → 0 の平らなボラティリティ(√平均した分散、%)
20.00
満期の分散の期待値の平方根(%)
20.00
フェラー条件の比 2κv̄/ξ²
1.78
1 以上で、条件を満たします(分散は 0 に届きません)。
E[S_T](特性関数 φ(−i)。S₀e^(rT))
101.0050

単純化している点

  • 原資産の価格は 100、配当はなく、リスク中立の下で、株価と分散が記事の 2 本の確率過程に従うとします。分散が負にならないよう、フェラー条件の比(2κv̄/ξ²)を結果に出します。
  • 価格は、特性関数(Albrecher ほかの安定な形)を数値積分した半解析解です。積分は区間を節に分けた 8 点のガウス・ルジャンドル求積で、上端は被積分関数が小さくなるまで延ばします(既定値は 130 ほど、分散が小さく ξ が大きいときは数千)。範囲の端のパラメータでも、別の式(ルイス型)の積分との価格の差は 1e-6 より小さくなります。
  • ボラティリティは、価格からブラック・ショールズの式で逆算します。フォワードより低い行使価格はプットの価格(パリティで求める)、高い行使価格はコールの価格から求め、求まらないとき(アウト・オブ・ザ・マネーの価格が 1e-8 より小さいなど)は「—」にし、グラフは最も長い連続した区間だけを描きます。
  • ξ の下限は 0.02 です(ξ = 0 では式が使えません)。ρ は ±0.95 までです。実際のキャリブレーション(市場の価格にパラメータを合わせる計算)は扱わず、入力したパラメータをそのまま使います。

このシミュレーターは学習のために単純化した計算で、実際の取引の評価やリスク管理には使えません。(免責事項)

シミュレーターの説明

初期の分散、長期の分散、平均回帰の速さ、分散のボラティリティ ξ、相関 ρ、満期、金利を動かして、行使価格ごとのインプライド・ボラティリティの曲線を見ます。初期値は上の計算例の ξ = 0.3、ρ = −0.7 の列で、右下がりのスマイルです。ρ を 0.7 にすると右上がりに、0 にすると両端が少し持ち上がった形になります。ξ を 0.02 まで下げると平らな形になります(グラフの破線は、ξ → 0 の極限の平らなボラティリティです)。ξ を 0.5 に上げると、フェラー条件を満たさないと結果欄で知らせます。価格は、特性関数を数値積分した半解析解で、満期が短く ξ が大きいときも、積分の範囲を広げて精度を保っています。

特性関数を使った半解析解

ヘストン・モデルでは、満期の対数株価の特性関数 φ(u,T)=E[exp⁡(iuln⁡ST)]\varphi(u, T) = E[\exp(iu \ln S_T)] が閉じた式で書けます。配当のない場合(q=0q = 0)、現在の株価を S0S_0 とすると、ヨーロピアン・コールの価格は、この特性関数を数値積分した 2 つの項から作ります13。

C=S0P1−Ke−rTP2C = S_0 P_1 - K e^{-rT} P_2

P1P_1 と P2P_2 は、対数株価の分布から決まる項で、φ\varphi を使った次の積分で書けます。KK は行使価格、Re\mathrm{Re} は実部です。

P2=12+1π∫0∞Re ⁣[e−iuln⁡K φ(u,T)iu]duP_2 = \frac12 + \frac1\pi\int_0^\infty \mathrm{Re}\!\left[\frac{e^{-iu\ln K}\,\varphi(u,T)}{iu}\right]du P1=12+1π∫0∞Re ⁣[e−iuln⁡K φ(u−i,T)iu φ(−i,T)]duP_1 = \frac12 + \frac1\pi\int_0^\infty \mathrm{Re}\!\left[\frac{e^{-iu\ln K}\,\varphi(u-i,T)}{iu\,\varphi(-i,T)}\right]du

P1P_1 の分母の φ(−i,T)\varphi(-i,T) は、E[ST]E[S_T](=S0erT= S_0 e^{rT})に当たる値で、式全体を確率として使える大きさにそろえる分母です。

積分の中身が解析的に書けるため、積分だけを数値で計算すればよく、これを半解析解といいます。モンテカルロ法のように確率的な揺れの経路を作る必要がなく、キャリブレーションで価格を何度も計算するときの速さが、モデルの長所です。

特性関数は次の形です。ii は虚数単位、uu は積分の変数、TT は満期、qq は 0 とします14。

φ(u,T)=exp⁡(iu(ln⁡S0+rT)+C(u,T)+D(u,T) v0)\varphi(u, T) = \exp\bigl(iu(\ln S_0 + rT) + C(u,T) + D(u,T)\,v_0\bigr) C(u,T)=κvˉξ2((κ−ρξiu−d) T−2ln⁡1−g e−dT1−g)C(u,T) = \frac{\kappa\bar v}{\xi^2}\left((\kappa - \rho\xi iu - d)\,T - 2\ln\frac{1 - g\,e^{-dT}}{1 - g}\right) D(u,T)=κ−ρξiu−dξ2⋅1−e−dT1−g e−dTD(u,T) = \frac{\kappa - \rho\xi iu - d}{\xi^2}\cdot\frac{1 - e^{-dT}}{1 - g\,e^{-dT}} d=(ρξiu−κ)2+ξ2(iu+u2),g=κ−ρξiu−dκ−ρξiu+dd = \sqrt{(\rho\xi iu - \kappa)^2 + \xi^2(iu + u^2)}, \qquad g = \frac{\kappa - \rho\xi iu - d}{\kappa - \rho\xi iu + d}
深掘り特性関数の 2 つの書き方と数値の不安定さ

dd の符号を反転した形の特性関数も、文献に出てきます。複素数の平方根の 2 つの値のどちらを取るかが違うだけで、2 つは数学的に同じ関数です。ところが、複素数の対数の主値を取ると、引数が負の実軸をまたぐたびに値が不連続に飛びます。原論文の形は、上の式と dd の符号の向きが反対で、数値積分のときにこの飛びが問題になり、満期が長い(資料の例では 3〜5 年を超える)と価格が大きくずれることがあります。上の式の形は、全パラメータの範囲で安定していることが示されています15。

キャリブレーションで合わせるもの

同じ満期のスマイルにヘストン・モデルを合わせる手順は、次のとおりです。

  1. 市場から、同じ満期のインプライド・ボラティリティの並びを用意する。
  2. 初期の分散 v0v_0 をアット・ザ・マネー(ATM)の値に置き、平均回帰の速さ κ\kappa を固定する。長期の分散 vˉ\bar v、分散のボラティリティ ξ\xi、相関 ρ\rho には、仮の値を置く。
  3. このパラメータで特性関数を数値積分し、コールの価格を求める。
  4. ブラック・ショールズの式で、インプライド・ボラティリティに直す。
  5. 市場の並びと比べ、差が小さくなるよう vˉ\bar v、ξ\xi、ρ\rho を決める。差が大きければ、v0v_0 と κ\kappa はそのままに vˉ\bar v、ξ\xi、ρ\rho だけを変えて、手順 3 から繰り返す。

モデルの価格をそのまま市場と比べるのではなく、同じ尺度のインプライド・ボラティリティに直して比べる点が要です。

ヘストン・モデルは、同じ満期のヨーロピアン・オプションのインプライド・ボラティリティの並びに合わせます。資料の FX の例では、5 つのうち実質的に合わせるのは 3 つで、長期の分散 vˉ\bar v がスマイルの水準(ATM の値)、ξ\xi が曲がり(市場ではバタフライの建値)、ρ\rho が傾き(リスク・リバーサルの建値)に当たります16。初期の分散は ATM の値から先に決めておき、κ\kappa は ξ\xi の効き方と重なるため固定してしまう、という絞り方も示されています17。

資料の FX の例では、満期ごとにスマイルを別々に合わせると、パラメータの値が満期ごとに違いました18。合わせ込みの手順、目的関数、過剰適合はキャリブレーションで扱います。

前提と限界

短い満期のスマイルは、このモデルでは合わせにくくなります。資料の EUR/USD の例(2004 年 7 月 1 日と 2010 年 7 月 22 日)では、3 か月以上の満期はよく合う一方、3 か月未満は不十分でした。短い満期を合わせようとすると、ξ\xi と平均回帰の速さが大きくなりすぎる傾向があり、資料は、これが価格の過程がジャンプしたがっている兆候だとしています。ジャンプを加えたモデルが検討されてきました19。

モンテカルロ法で分散の経路を作るときは、普通のオイラー法の離散化では分散がマイナスになることがあります。分散を 0 で切る、反射させる、厳密な遷移分布から抽出する、といった対処が使われます20。

合わせたパラメータは、時点によって大きく変わります。同じ資料の例では、満期 1 か月以上の ρ\rho が、2004 年には −0.01 から 0.05、2010 年には −0.4 から −0.3 でした21。

株価と預金だけでは、分散の動きを複製できません。複製には、別のオプションを加える必要があります。そのため、価格を求めるには市場の分散のリスクの価格に仮定を置く必要があります。ヘストンの原論文は、これを分散に比例するとおきました22。ヘストン・モデルで求めた値は、このモデルの前提の下での値です。

注

  1. Albrecher ほか「The Little Heston Trap」(Wilmott Magazine, 2006 年 1 月)の 2 節(3 ページ)。記号は η\eta、λ\lambda、σ02\sigma_0^2 を vˉ\bar v、ξ\xi、v0v_0 に置き換えています。Janek ほか「FX smile in the Heston model」(arXiv, 2010 年)の 1.2 節(2 ページ)。外貨の金利の項は qq に読み替えています。 ↩

  2. Albrecher ほか「The Little Heston Trap」の 2 節(3 ページ)が、分散を平均回帰する平方根の確率過程(CIR 過程)として置いています。非負の性質は、Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.3 節(8 ページ)。 ↩

  3. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.1 節(11〜13 ページ)。v0v_0 は高さ、ξ\xi(資料の σ\sigma)は曲がり、vˉ\bar v(資料の θ\theta)は v0v_0 に近い効き方、κ\kappa は ATM の付近に効き、相関は非対称さを変えるという説明です。 ↩

  4. 係数が ξ/2\xi/2 になるのは伊藤の補題による(計算)。vol of vol の呼び名は Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.2 節(2 ページ)。SABR モデルの ν\nu は、SABR モデルのページの式(Hagan ほか)の dαt=ν αt dWtd\alpha_t = \nu\,\alpha_t\,dW_t によります。 ↩

  5. Albrecher ほか「The Little Heston Trap」の 2 節(3 ページ)。通例の相関は負で、株価が下がるときに分散が上がる動きと結びつくという記述です。 ↩

  6. 式の導出は深掘りのとおり(計算)。表の値は E[vt]=0.04−0.0175 e−2tE[v_t] = 0.04 - 0.0175\,e^{-2t} から求めています。 ↩

  7. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.3 節(8 ページ)の式 1.32。Albrecher ほか「The Little Heston Trap」の 2 節(3 ページ)は同じ条件を 2κη>λ22\kappa\eta > \lambda^2 と、等号なしで書いています。本ページは Janek ほかの形です。 ↩

  8. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.3 節(8 ページ)。条件を満たさないときの 0 への接触、市場の価格に合わせたときの頻度、1% を下回る水準が市場で観察されないこと、モンテカルロ法での配慮が書かれています。 ↩

  9. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.1 節(11〜13 ページ)。ξ=0\xi = 0 の極限、相関が 0 のときの形、正負の相関と、コールとプットの価格の関係が書かれています。 ↩

  10. 計算による。Albrecher ほかの特性関数を数値積分してコールの価格を求め、ブラック・ショールズの式でインプライド・ボラティリティに直した値です。 ↩

  11. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.1 節(13 ページ)。モデルが株式市場に典型的なスキューを出すのは、相関を非常に高いか低い値に置いたときだけという記述です(株式に典型的なスキューに限った条件)。 ↩

  12. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.2 節(2 ページ)。株式の典型は強い非対称のスキュー、FX にはスマイルが見られるという記述です。「より対称」なスマイルは、同じ資料の 2004 年の EUR/USD の例だけ(14 ページ)。 ↩

  13. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.1 節(5 ページ)の式 1.12〜1.18。P1P_1、P2P_2 は同じ節の PjP_j に当たります。FX の式を rd=rr_d = r、rf=0r_f = 0 と読み替えています。 ↩

  14. Albrecher ほか「The Little Heston Trap」の 3 節(4 ページ)の第 2 の形(φ2\varphi_2)。q=0q = 0 とし、記号は本文の式に置き換えています。Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.2 節(7 ページ)の式 1.29〜1.31 も同じ形。 ↩

  15. Albrecher ほか「The Little Heston Trap」の要旨(2 ページ)と 3 節(4 ページ)。しきい値の目安(3〜5 年)は Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.2 節(7 ページ)。 ↩

  16. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.3 節(14 ページ)。 ↩

  17. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.1 節(12〜13 ページ)。v0v_0 を ATM の値に置くこと、κ\kappa を固定して残りの 3 つを合わせること、条件を満たさなければ κ\kappa を変えて合わせ直すことが書かれています。 ↩

  18. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.5.1 節(16 ページ)。満期ごとに値が違うことから、資料は一部のパラメータに期間構造を考えることを示唆しています。 ↩

  19. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.3 節(14 ページ)と 1.5.2 節(19 ページ)。 ↩

  20. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3.2 節(7〜8 ページ)。 ↩

  21. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.4.3 節(14 ページ)。EUR/USD のボラティリティ・サーフェス(2004 年 7 月 1 日と 2010 年 7 月 22 日)に合わせた値。 ↩

  22. Janek ほか「FX smile in the Heston model」の 1.3 節(4 ページ)。取引できる資産だけでは足りずほかのデリバティブを加える必要があること、原論文が分散のリスクの価格を分散に比例すると仮定したことが書かれています。 ↩