確率変数 XX の特性関数は、φX(u)=E[eiuX]\varphi_X(u) = E[e^{iuX}] です。eiu=cos⁡u+isin⁡ue^{iu} = \cos u + i \sin u なので、実数の uu ごとに複素数の値をとります。MIT の講義資料は、どんな確率変数でも、どの uu でも定義できることを、特性関数の利点に挙げています。独立な XX と YY の和の特性関数は、それぞれの特性関数の積になります1。

たとえば、XX が +1+1 と −1-1 を等しい確率 0.5 でとるなら、φX(u)=(eiu+e−iu)/2=cos⁡u\varphi_X(u) = (e^{iu} + e^{-iu})/2 = \cos u です。

金融では、満期の対数株価の特性関数が、多くのモデルで簡単な式で書けます。一方、確率密度は、式で書けないか、数値計算に向かない形のことが多いと、Janek らの論文は説明します。そこで、特性関数からオプションの価格を数値積分で求める方法(フーリエ逆変換を使う Carr と Madan の方法)が使われます2。ヘストン・モデルでは、対数株価の特性関数が閉じた式で書け、ヨーロピアン・オプションの価格を速く求められます。式と数値の不安定さは、関連する記事のページにあります。

注

  1. Scott Sheffield「Lecture 12: DeMoivre-Laplace and weak convergence」(Massachusetts Institute of Technology、18.175 Theory of Probability、2014 年春学期)の 14 ページ「Characteristic functions」。本文は変数の記号を tt から uu に置き換えています。 ↩

  2. Agnieszka Janek ほか「FX smile in the Heston model」(arXiv)の 1.3.4 節(9 ページ)。Carr と Madan の方法が特性関数を使い、フーリエ逆変換で価格を求めること、対数株価の特性関数は多くのモデルで簡単な形で、確率密度は式で書けないか数値計算上複雑なことが多いこと、ヘストン・モデルでは E{exp⁡(iφlog⁡ST)}E\{\exp(i\varphi \log S_T)\} が式 (1.17) の f2f_2 で表されること。 ↩