確率変数 の特性関数は、 です。 なので、実数の ごとに複素数の値をとります。MIT の講義資料は、どんな確率変数でも、どの でも定義できることを、特性関数の利点に挙げています。独立な と の和の特性関数は、それぞれの特性関数の積になります1。
たとえば、 が と を等しい確率 0.5 でとるなら、 です。
金融では、満期の対数株価の特性関数が、多くのモデルで簡単な式で書けます。一方、確率密度は、式で書けないか、数値計算に向かない形のことが多いと、Janek らの論文は説明します。そこで、特性関数からオプションの価格を数値積分で求める方法(フーリエ逆変換を使う Carr と Madan の方法)が使われます2。ヘストン・モデルでは、対数株価の特性関数が閉じた式で書け、ヨーロピアン・オプションの価格を速く求められます。式と数値の不安定さは、関連する記事のページにあります。
注
-
Scott Sheffield「Lecture 12: DeMoivre-Laplace and weak convergence」(Massachusetts Institute of Technology、18.175 Theory of Probability、2014 年春学期)の 14 ページ「Characteristic functions」。本文は変数の記号を から に置き換えています。 ↩
-
Agnieszka Janek ほか「FX smile in the Heston model」(arXiv)の 1.3.4 節(9 ページ)。Carr と Madan の方法が特性関数を使い、フーリエ逆変換で価格を求めること、対数株価の特性関数は多くのモデルで簡単な形で、確率密度は式で書けないか数値計算上複雑なことが多いこと、ヘストン・モデルでは が式 (1.17) の で表されること。 ↩