確率微分方程式 では、 の項の係数 がドリフトです。ドリフトが定数 で、 も定数なら、 で、MIT の資料はこれを、ドリフト のブラウン運動と呼びます。期待値は で、 の項は平均に効きません12。
たとえば、(1 年あたり)、 なら、3 年後の期待値は です。実際の値は、 の動きの分だけ、これより上にも下にもなります。
ドリフトは定数でなくてもよく、現在の値に依る形にもできます。ハル・ホワイト・モデルの短期金利のドリフトは で、水準 に向けて引き戻す平均回帰を表します3。また、同じ過程でも、確率の測度を取り替えるとドリフトが変わります。LIBOR マーケット・モデルでは、満期 の割引債を基準にしたフォワード測度で、最後のフォワードレートのドリフトは 0 になり、ほかのフォワードレートのドリフトは 0 になりません4。
注
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Massachusetts Institute of Technology「Lecture 18: Itō Calculus」の例 1.3 (i)(2 ページ)と、3 章 Change of measure(5〜7 ページ)。本文は、資料の を に置き換えています。 ↩
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Massachusetts Institute of Technology「Lecture 17: Stochastic Processes II」の例 2.6(5 ページ。ドリフト のブラウン運動の期待値が であること)。例の計算は、この式による。 ↩
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「Interest Rate Modelling and Derivative Pricing」(Humboldt-Universität zu Berlin、Sebastian Schlenkrich、2020/21 年冬学期)の Part IV、スライド p. 254(ハル・ホワイト・モデルの式 )。 が水準であることは、式からの導出による。 ↩
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Martin Haugh「Market Models」(Columbia University、Term Structure Models: IEOR E4710、2010 年)の 6 ページ、式 (14) と、8 ページ、式 (24) と (25)、Remark 3。 ↩