日本の規制では、短期の再売却、短期の価格変動からの利益、市場間の裁定取引による利益、またはこれらのためのヘッジを目的に持つ商品は、トレーディング勘定に入ります1。このほかにも、商品の種類でトレーディング勘定に入るものが定められており、どれにも入らない商品は銀行勘定に入ります2。

バーゼル 2.5 では、境界を「トレーディングの意図」という主観的な基準で決めていたため、解釈が難しく、勘定の間の規制裁定を防ぎきれないという課題が残りました3。

FRTB は、保有の目的と商品の種類で線を引き、勘定の間の振替を原則として禁止しました4。

注

  1. 「銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成十八年金融庁告示第十九号。金融庁の全体版、2026 年 8 月 24 日更新)の第 11 条の 3 第 1 項(55 ページ)。 ↩

  2. 同告示の第 11 条の 4 第 1 項(57 ページ)。 ↩

  3. 金融庁、日本銀行「「マーケット・リスクの最低所要自己資本」の概要」(2016 年 4 月)の 3 ページ「バーゼル 2.5 と未解決の課題」。 ↩

  4. 同資料の 4〜6 ページ「トレーディング勘定と銀行勘定の境界」と「勘定間の振替と内部取引」。日本の告示では、第 11 条の 6 第 1 項(58 ページ)が勘定間の振替を禁じ、第 2 項が例外を定めている。 ↩