取締役会が、戦略を決めるときに、どのリスクをどこまで取るかを同時に決めます。リスク・アペタイトは、金利、為替、株価、複雑な仕組商品などについて、どこまで許容するかを示すものです1。

日本銀行の資料の例では、マイナス金利政策の導入前の金融機関が、期間利益を稼ぐために国債を中心に金利リスクを取る一方、金利の上昇による評価損の発生額を 3 年分の期間利益の範囲内とし、リスクの内容が不明確な投資は行わないと定めています2。

リスク許容力(金融機関が規制資本や流動性の制約に触れずに引き受けられるリスクの最大の水準)とは別のものです。リスク・アペタイトは、リスク許容力の範囲内で決めます3。金融安定理事会(FSB)の原則は、リスク・アペタイトを数値の指標と定性的な文章の両方で書くとしています3。監督指針は「リスク選好度(リスクアペタイト)」の語を使います4。

注

  1. 日本銀行金融機構局 金融高度化センター「市場リスク管理態勢の整備」(2019 年 9 月)の「戦略、リスクアペタイト、リスク管理方針の決定」(8 ページ)。 ↩

  2. 日本銀行金融機構局 金融高度化センター「市場リスク管理態勢の整備」(2019 年 9 月)の「(例)市場リスクのアペタイト ― マイナス金利政策導入前」(9 ページ)。 ↩

  3. FSB「Principles for An Effective Risk Appetite Framework」(2013 年 11 月 18 日)の冒頭の定義の表(2〜3 ページ)の "Risk appetite statement"、"Risk capacity"、"Risk appetite"。 ↩ ↩2

  4. 金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」(2026 年 10 月)のⅢ-3-6-2(2)(260 ページ)。 ↩