限度枠の基本的な考え方は取締役会が決め、定期的に見直します1。取締役会が市場リスク全体の枠を決めたうえで、債券の金利リスクや株式のリスクなど管理の対象ごとに、フロントが管理しやすい形の枠を置きます2。

取引相手ごとに置く与信枠は、1 つの取引相手に対するエクスポージャーの上限です。限度枠は取引の部門やトレーダーに置く枠で、上限を置く相手が違います。

枠を超えたときの決まりには、持ち高を強制的に減らすか閉じることを求めるハードリミットと、運用方針を話し合うことを求めるソフトリミットがあります。枠より低い水準(枠の 50% や 75% など)にアラームポイントを置き、超える前に注意を促す方法もあります3。VaR の限度枠が 10 億円でアラームポイントが 7.5 億円の架空の例で考えます。VaR が 8 億円の日は枠の中ですが、アラームポイントを超えています。

注

  1. 金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」(2026 年 10 月)のⅢ-2-3-3-2(2)⑦(125 ページ)。 ↩

  2. 日本銀行金融機構局 金融高度化センター「市場リスク管理態勢の整備」(2019 年 9 月)の「市場リスク全体枠:設定の考え方」(16 ページ)と「各種リスク枠、損失限度:設定の考え方」(18 ページ)。 ↩

  3. 同じ資料の「ハードリミット、ソフトリミット、アラームポイント」(26 ページ)。 ↩