多角的システムは、金融商品について、第三者の複数の売買の意向がシステムの中で交わりうる仕組みです1。MTF の運営者は、注文の執行について非裁量的なルールを定めて実施します2。顧客の注文を自己資本で執行することも、マッチド・プリンシパル取引(運営者が買い手と売り手の間に入り、市場リスクを負わずに同時に反対の取引をして、手数料などのほかに損益を出さない取引)をすることも、加盟国は認めません3。

MTF と OTF は、どちらも運営者に取引の規則を求めますが、執行の裁量の有無が違います。OTF では、運営者が裁量で執行します4。詳しくは、記事の「電子取引基盤(SEF など)」で説明します。

注

  1. Directive 2014/65/EU 第 4 条第 1 項(19)(多角的システム)と(22)(MTF)。legislation.gov.uk の採択版(2014 年)の条文で、その後の改正は確かめていない。 ↩

  2. Directive 2014/65/EU 第 19 条第 1 項。 ↩

  3. Directive 2014/65/EU 第 19 条第 5 項。マッチド・プリンシパル取引の定義は同第 4 条第 1 項(38)。 ↩

  4. Directive 2014/65/EU 第 20 条第 6 項。 ↩