CVA デスクは、取引相手のクレジット・スプレッドの変動を取引相手の CDS などで、市場の要因によるエクスポージャーの変動を先物、スワップ、オプションなどでヘッジします1。担保契約を見直して変動証拠金や当初証拠金をやりとりするようにすると、エクスポージャーが減って CVA の額を抑えられるため、見直しも担います。

ある取引相手の CVA が 444 万円で、信用力の低下で 888 万円に増える架空の例で考えます。CVA デスクが何もヘッジしていなければ、増えた 444 万円が評価の損になります。CDS などで信用スプレッドの変動のヘッジをしていれば、その分は CDS の損益と相殺されます。ただし、ヘッジで消せない分は残ります。

バーゼル委員会が 2017 年 12 月に最終化した CVA リスクの枠組みでは、標準的方式(SA-CVA)を使うための最低限の要件に、CVA のリスク管理とヘッジに責任を持つ CVA デスク(か似た機能)を置くことが入っています12。一部の CVA デスクは、資金調達、担保管理、賦課資本の削減までを管理する「xVA デスク」として機能していると、2018 年の日本銀行金融研究所の論文は注記しています3。

注

  1. 前田壮一、長谷川達也「CVAリスク計測の枠組みの見直し」(『金融財政事情』2018 年 2 月 12 日号)の「実務におけるCVA管理」(33 ページ)と「標準的方式(SA-CVA)」(36 ページ)。 ↩ ↩2

  2. 金融庁、日本銀行「「信用評価調整(CVA)リスクの最低所要自己資本」の概要」の「5.標準的方式(SA-CVA)~主な要件①~」(8 ページ)。 ↩

  3. 川上高志「ヘッジ取引におけるデリバティブ信用評価調整の影響についての考察」(日本銀行金融研究所『金融研究』2018 年 4 月)の 5 節の脚注 26(147〜148 ページ)。 ↩