ワンファクターの形では、社 ii の値を Xi=ρ M+1−ρ ZiX_i = \sqrt{\rho}\, M + \sqrt{1-\rho}\, Z_i と置きます。MM は全社に共通の要因、ZiZ_i は社ごとの要因で、どちらも互いに独立な標準正規分布に従います1。XiX_i が低い社ほどデフォルトしやすく、MM を決めると各社は独立になります。

100 社のポートフォリオで ρ=0.3\rho = 0.3 の架空の例で考えます。共通要因 MM が −2 なら、各社の 5 年のデフォルト確率は 9.5% から 39.9% に上がり、MM が 2 なら 0.2% に下がります。

Hull の 2005 年の講演資料は、当時の市場がインデックスのトランシェに、どの 2 社の相関も同じ値のガウシアン・コピュラを使っていたと書いています2。Li の講演資料は、ガウシアン・コピュラを Normal copula と書いています3。評価の流れと限界は、記事で扱います。

注

  1. Damiano Brigo、Andrea Pallavicini、Roberto Torresetti, "Credit Models and the Crisis, or: How I learned to stop worrying and love the CDOs"(arXiv:0912.5427v3、2010 年 2 月)の 3.1 節(22 ページ)。 ↩

  2. John Hull, "Credit Derivatives Markets"(講演資料、2005 年 2 月 7 日)の 12 枚目。 ↩

  3. David X. Li の講演資料(2000 年 12 月 8 日)の 19 枚目。 ↩