ブラック・ショールズの偏微分方程式は、オプションの価格を原資産の価格 SS と時間 tt の関数 V(S,t)V(S, t) と見て、VV の時間についての 1 階の微分、価格についての 1 階と 2 階の微分、VV 自身の関係を表します12。偏微分方程式の語は、未知の関数が 2 つ以上の独立変数を持つ方程式に使われます3。満期の受け取りを条件として、この方程式を満期から今に向けて解くと、各時点、各価格でのオプションの価格が得られます。

ブラック・ショールズ・モデルは、金利とボラティリティが期間を通じて一定であることを前提にします1。ヨーロピアンのコール・オプションには価格の式(解析解)がありますが2、一般には式で解けず、数値で解きます1。

注

  1. Michael Holst "Computational Finance: Differential Equation Techniques [Lectures 8-10]"(University of California, San Diego、2015 年 6 月 1 日)の 1.3 節(5〜6 ページ。金利とボラティリティが一定という前提)と 1.4 節(6 ページ以降。価値関数 V(S,t)V(S, t) に伊藤の補題を使う導出)。冒頭(2 ページ)に、最も単純な場合を除いて閉じた形では解けないとあります。 ↩ ↩2 ↩3

  2. M. B. Giles "Crank-Nicolson time-marching"(Oxford-Man Institute of Quantitative Finance)の 2 節(2〜3 ページ)。方程式を満期までの時間 τ=T−t\tau = T - t で ∂V/∂τ=−rV+rS ∂V/∂S+12σ2S2 ∂2V/∂S2\partial V / \partial \tau = -rV + rS\, \partial V / \partial S + \tfrac{1}{2}\sigma^2 S^2\, \partial^2 V / \partial S^2 と書き、ヨーロピアン・コールの数値解を "known analytic solution"(既知の解析解)と比べている。 ↩ ↩2

  3. Holst の講義ノートの 12〜13 ページ。資料は、独立変数を 2 つ以上持つ問題を偏微分方程式(PDE)の問題と呼びます。未知の関数 uu は dd 個の変数の実数値の関数です。資料に定義を 1 文で述べた箇所はなく、このページの定義文は資料の使い方に合わせて書きました。 ↩