偏微分方程式を解きたい範囲に格子の点を置き、方程式の中の微分を、隣り合う点の値の差で置き換えます1。置き換えた式は、格子の点の値についての連立方程式か、前の時点の値から次の時点の値を求める式になります。時間の進め方には、前の時点の値だけで次を求める陽解法、連立方程式を解く陰解法、その平均のクランク・ニコルソン法があります。

原資産の価格 100、行使価格 100、残存期間 1 年、金利 1%、ボラティリティ 20% のコール・オプションの架空の例で考えます。価格の対数で間隔 0.02 の格子と 200 回の時間刻みのクランク・ニコルソン法で解くと、価格は 8.4235 です。ブラック・ショールズの式の値 8.4333 より 0.0098 低く、格子を細かくすると差は小さくなります。

二項ツリーも、満期から 1 段ずつさかのぼる格子の計算です。割引と移流の項がない拡散方程式の陽解法の式は、安定の条件の下で、三項ツリーをさかのぼる計算と同じ形になります1。乱数で経路を作るモンテカルロ法とは、方程式を格子で解くか、経路の平均で近似するかが違います。

注

  1. Yuh-Dauh Lyuu の講義資料(National Taiwan University、2006 年 5 月 17 日)の Page 543("Finite-Difference Methods")、547〜549("Explicit Methods")と Page 552("Explicit Method and Trinomial Tree")。 ↩ ↩2