一括清算法の第 2 条第 1 項は、金利や通貨の価格、相場などの指標の変動に基づいて算出される金銭の授受を約する取引などのうち、金融商品取引法の店頭デリバティブ取引その他の内閣府令で定めるものを特定金融取引と定めます1。施行規則は、第 1 条で、店頭デリバティブ取引、銀行法の金融等デリバティブ取引、有価証券の買戻条件付売買と売戻条件付売買、有価証券の貸借、先物外国為替取引、店頭商品デリバティブ取引などと、それぞれの担保取引を挙げています2。

金融機関等の銀行が事業会社と、金利スワップと先物外国為替取引を 1 つの基本契約書の下で結ぶ架空の例で考えます。どちらも施行規則の列挙に当たる特定金融取引です。基本契約書で一括清算を約定していれば、どちらかに破産手続開始の申立てがあったとき、2 つの取引の評価額の純合計額が 1 つの債権か債務になります。

施行規則の列挙に挙がっていない取引は、一括清算法の特定金融取引ではありません。デリバティブ取引一般を指す語ではなく、法律が一括清算の対象として挙げた取引の名前です。

注

  1. 「金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律」第 2 条第 1 項。 ↩

  2. 「金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律施行規則」第 1 条第 1 号から第 7 号。 ↩