金利キャップは権利行使のタイミングが複数回あるため、複数のオプションの組み合わせとみなせます。そのうちの 1 つのオプションだけを取り出したものがキャップレットで、キャップはキャップレットのポートフォリオです。キャップレットの価格が求まれば、キャップの価格も求まるため、評価の理論ではキャップレットの形で議論します1。
期間の長さを 、期間の初めに決まる変動金利を 、行使金利を とすると、想定元本 1 あたりの受け取りは、期間の終わりに です2。
想定元本 100 億円、行使金利 2.0%、期間 0.5 年のキャップレットの架空の例で考えます。変動金利が 2.5% に決まれば、受け取りは 100 億円 × 0.5 × (2.5% − 2.0%)= 0.25 億円です。変動金利が 2.0% 以下に決まれば、受け取りは 0 で、買い手の負担は払ったプレミアムだけです。
市場では、キャップの価格を、キャップレットごとのブラックの式の価格を足し合わせて見積もります3。LIBOR マーケット・モデルでは、各キャップレットを、自分の支払日のフォワード測度で、ブラック・モデルの式と一致させて評価します。同じ 1 期間分をフロアにしたものは、フロアレットです1。
注
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服部孝洋「債券(金利)オプション入門―スワップションについて―」(財務省、「ファイナンス」2021 年 8 月号)の 6.3「キャップレットとフロアレット」(PDF 11 ページ)。資料の表記ゆれ(「キャプレット」が 1 か所ある)は、このサイトの見出し語にそろえた。 ↩ ↩2
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Martin Haugh「Market Models」(Columbia University、Term Structure Models: IEOR E4710、2010 年)の 2 ページ「Black's Formula for Caplets」。時点 の受け取りが であること。本文は想定元本 1 の形で、記号を置き換えた。例の計算は、この式による。 ↩
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同「Market Models」の 2 ページ(キャップの価格はキャップレットの価格の和で、市場の慣行はブラックの式で価格を見積もること)と、8 ページ、式 (25)、(26)(LMM で各キャップレットのブラックの式が導かれること)。 ↩