株価指数は抽象的な数値で、指数そのものを受け渡せません。そのため、日経225先物などの株価指数先物は、現実の指数と約定した値段との差額をやり取りして決済します1。日本取引所グループの用語集は、反対売買で確定した損益の額だけを授受する決済方法を差金決済とし、反対売買で決まる株価指数先物の損益を例に説明しています2。このサイトの英語版は、この方法の見出し語を Cash settlement とします。日本取引所グループの英語の制度概要も、日経225先物の決済方法を Cash Settlement と書いています3。
日経225先物(取引単位は指数の 1,000 倍)を 15,000 円で 1 枚買う架空の例で考えます。SQ 値が 15,200 円なら、(15,200 − 15,000)× 1,000 で 20 万円を受け取ります。SQ 値が 14,800 円なら、同じ式で 20 万円を払います。どちらでも、日経平均株価の構成銘柄の現物を受け渡すことはありません。実物を受け渡す決済は受渡決済といい、実物の国債を受け渡す国債先物では、取引最終日までに決済しなかった建玉は、受渡決済期日に国債と代金を受け渡して決済します4。
「差金決済」と「現金決済」の使われ方は、資料ごとに違います。日本取引所グループは、現金決済でのみ建玉を決済できる商品先物取引(金ミニ、白金ミニ、原油、電力)を限月現金決済先物取引といいます5。財務総合政策研究所の資料は、スワップションの現金決済を、行使時点の時価をもとに差金決済をする方式と書きます6。日本銀行の勉強会の資料は、スワップの一種である日本円 OIS の決済方法を差金決済と書いています7。
注
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大阪取引所「契約(取引成立)から満期まで(先物)」(北浜投資塾)。 ↩
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日本取引所グループ「差金決済」(用語集)。 ↩
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日本取引所グループ「Contract Specifications」(日経225先物の英語の制度概要)の決済方法の欄。 ↩
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日本取引所グループ「受渡決済」(用語集)。国債先物取引で、取引最終日までに反対売買をしなかった建玉が受渡決済期日に受渡決済されることを説明しています。 ↩
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日本取引所グループ「限月現金決済先物取引」(用語集)。 ↩
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財務省 財務総合政策研究所「債券(金利)オプション入門 ―スワップションについて―」(服部孝洋)の「現物決済と現金決済」。 ↩
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リスク・フリー・レートに関する勉強会「日本円OIS(Overnight Index Swap)─取引の概要と活用事例─」(2018 年 3 月時点の情報)の「基本的な取引方式」の「決済方法:差金決済」。 ↩