先物の取引の期限や損益は、取引できる期限の月(限月)、取引単位、呼値の単位などの条件で決まり、これらは商品ごとに違います。
限月は取引できる期限の月
限月は、先物やオプションで、取引できる期限の月です。先物やオプションは期限ごとに別の商品に分かれていて、3 月を限月とする商品を「3 月限(さんがつぎり)」と呼びます1。たとえば日経平均株価を対象にした日経225先物(上場デリバティブ)では、2026 年 12 月限と 2027 年 3 月限は別の商品として取引します。先物の仕組みそのものは先渡しと先物で扱います。
日経225先物の限月は 3 月、6 月、9 月、12 月の四半期ごとです。6 月限と 12 月限は直近の 16 限月、3 月限と 9 月限は直近の 3 限月を取引できます2。あわせて 19 の限月が並びます。ある限月の取引最終日が来ると、その翌営業日の日中の取引時間(日中立会)から新しい限月の取引が始まります3。
限月の並び方は商品ごとに違います。2026 年 9 月時点の限月は次のとおりです。
| 商品 | 限月 | 同時に取引できる限月 |
|---|---|---|
| 日経225先物 | 3 月、6 月、9 月、12 月 | 6 月限と 12 月限は直近の 16 限月、3 月限と 9 月限は直近の 3 限月(最長 8 年) |
| 日経225mini | 3 月、6 月、9 月、12 月と、そのほかの月 | 四半期の限月は最長 5 年、そのほかの月は最長 5 か月 |
| 長期国債先物 | 3 月、6 月、9 月、12 月 | 3 限月 |
日経225mini は日経225先物より小さい取引単位の商品で、四半期の限月のほかの月にも限月があります。四半期の限月は、6 月限と 12 月限が直近の 10 限月、3 月限と 9 月限が直近の 3 限月です。そのほかの月の限月は直近の 3 限月です4。長期国債先物は、長期国債標準物(6%、10 年)を取引の対象にした先物で、同時に取引できるのは 3 つの限月です5。
取引最終日と最終決済
限月ごとに取引最終日が決まっていて、その日までに決済しなかった取引は、商品ごとに決まった方法で最終決済します。日経225先物の 2026 年 12 月限なら、取引最終日は 2026 年 12 月 10 日(木)です6。翌日の 11 日(金)は、この限月の満期日(SQ 日)です3。
日経225先物の取引最終日は、原則として各限月の第 2 金曜日(SQ 日)の前の営業日です。第 2 金曜日が休業日のときは、前の営業日に繰り上げます7。休業日に当たった日を前後の営業日にずらす決まりを営業日の調整といいます。2026 年 12 月の第 2 金曜日は 11 日なので、取引最終日は前の日の 10 日です。取引最終日を迎える限月は、その日の日中の取引時間が終わると取引も終わります8。
取引最終日までは、先物を買った人は売り(転売)、売った人は買い(買戻し)によって決済できます。最初の取引と反対の取引をするので、この決済を反対売買といいます9。
まだ決済していない数量を建玉(たてぎょく)といい、日経225先物の建玉は、取引最終日を過ぎても残っていると、特別清算数値(SQ 値)で最終決済します。SQ 値は、SQ 日の日経平均株価の構成銘柄の始値から計算する値です。最終決済では約定した値段と SQ 値の差額だけを受け渡し、この方法を差金決済といいます10。SQ 値が約定した値段より高ければ、買った人が差額を受け取り、売った人が払います。低ければ、その逆です11。
長期国債先物は、取引最終日の決め方も最終決済の方法も違います。限月の 20 日(休業日なら後の営業日に繰り下げる)が受渡決済期日で、その 5 営業日前(休業日を除いて数える)が取引最終日です12。建玉が残っていると、受渡決済期日に国債と代金を受け渡して決済します(受渡決済)。売った人が受け渡す国債の銘柄を選んで渡し、買った人が代金(受渡決済代金)を払います13。2026 年の 2 つの限月は次のとおりです14。
| 限月 | 20 日の曜日 | 受渡決済期日 | 取引最終日 |
|---|---|---|---|
| 2026 年 9 月限 | 日曜日 | 9 月 24 日(木) | 9 月 14 日(月) |
| 2026 年 12 月限 | 日曜日 | 12 月 21 日(月) | 12 月 14 日(月) |
図の説明
長期国債先物の 2026 年 9 月限について、取引最終日と受渡決済期日の間の日を、日付の順に示した図です。取引最終日の 14 日(月)の後に営業日が 4 日続き、19 日から 23 日は休業日です。限月の 20 日が休業日のため、受渡決済期日は 24 日(木)に繰り下がります。日付の間隔は日数に比例させていません。
2026 年 9 月は、20 日が日曜日で、21 日(敬老の日)から 23 日(秋分の日)まで JPX の休業日が続きます15。そのため受渡決済期日は 24 日(木)に繰り下がり、そこから休業日を除いて 5 日さかのぼった 14 日(月)が取引最終日です。12 月限は、20 日が日曜日なので受渡決済期日は 21 日(月)になり、取引最終日は同じく 14 日(月)です。
取引単位は 1 単位の取引の大きさ
取引単位は、1 単位の取引の大きさを決める条件で、日経225先物では指数に掛ける金額、長期国債先物では額面で決まります。日経225先物の取引単位は日経平均株価 × 1,000 円です16。値段が 40,000 円の架空の例で考えます。1 単位の取引の金額は 40,000 × 1,000 で 4,000 万円です。
日経225先物では、この 1 単位を 1 枚と数えます3。日経225mini の取引単位は日経平均株価 × 100 円で4、同じ 40,000 円なら 1 単位は 400 万円です。日経225mini は株価指数先物の一つで、日経225先物の 10 分の 1 の大きさで取引できます。
長期国債先物の取引単位は額面 1 億円で17、値段は額面 100 円あたりの金額で示します18。値段が 140.00 円の架空の例で考えます。1 単位の取引の金額は 1 億円 × 140.00 ÷ 100 で 1 億 4,000 万円です。超長期国債先物(ミニ)は、取引単位が額面 1,000 万円です17。
呼値の単位は値段の刻み
呼値の単位は、注文で示す値段の刻みです。日経225先物の呼値の単位は 10 円で16、40,000 円の 1 つ上の値段は 40,010 円、1 つ下は 39,990 円です。
呼値は、取引参加者が取引所の市場で売買しようとするときに、売りか買いかの別や値段などの注文の内容を示すことです19。呼値の単位は、そのうち値段をどの細かさで示せるかを決めます。日経225mini の呼値の単位は 5 円です4。呼値の単位は、大阪取引所が商品ごとに制度要綱で定めています20。
長期国債先物の呼値の単位は、額面 100 円につき 1 銭(0.01 円)です17。値段が 140.00 円なら、1 つ上の値段は 140.01 円、1 つ下は 139.99 円です。
呼値の単位 1 つ分の損益
値段が呼値の単位 1 つ分動いたときの 1 単位あたりの損益は、呼値の単位に取引単位を掛けた額です。日経225先物なら 10 円 × 1,000 で 1 万円です3。主な商品では次のとおりです。
| 商品 | 呼値の単位 | 取引単位 | 呼値の単位 1 つ分の損益(1 単位、円) |
|---|---|---|---|
| 日経225先物 | 10 円 | 日経平均株価 × 1,000 円 | 10,000 |
| 日経225mini | 5 円 | 日経平均株価 × 100 円 | 500 |
| 長期国債先物 | 額面 100 円につき 1 銭 | 額面 1 億円 | 10,000 |
| 超長期国債先物(ミニ) | 額面 100 円につき 1 銭 | 額面 1,000 万円 | 1,000 |
長期国債先物の損益は、額面 1 億円が額面 100 円の 100 万倍なので、0.01 円 × 100 万で 1 万円です。超長期国債先物(ミニ)は額面が 10 分の 1 なので、1,000 円です。
反対売買で決済したときの損益は、買った側なら(転売した値段 − 買った値段)× 取引単位 × 数量、売った側なら(売った値段 − 買い戻した値段)× 取引単位 × 数量で求めます9。日経225先物(1 単位が 1 枚)を 40,000 円で 2 枚買った架空の例で考えます。
| 転売した値段(円) | 値動き(呼値の単位の数) | 損益(円) |
|---|---|---|
| 40,150 | 15 | 300,000 |
| 39,850 | −15 | −300,000 |
40,150 円で転売すると、150 円は呼値の単位 15 個分なので、損益は 15 × 1 万円 × 2 枚で 30 万円の利益です。39,850 円で転売すると、同じ計算で 30 万円の損失です。同じ値動きで、40,000 円で 2 枚売った側は、値段が上がれば 30 万円の損失、下がれば 30 万円の利益になります21。
長期国債先物でも同じ考え方です。長期国債先物を 140.00 円で 1 単位売り、139.80 円で買い戻す架空の例で考えます。20 銭は呼値の単位 20 個分なので 20 × 1 万円で 20 万円の利益です。140.20 円で買い戻すと 20 万円の損失です21。値動きのたびの損益の受け払いと証拠金は先物の証拠金と値洗いで扱います。
注
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日本取引所グループ「限月」(用語集)。 ↩
-
日本取引所グループ「制度概要」(日経225先物、2024 年 11 月 4 日更新)の「限月取引」の行。 ↩
-
日本取引所グループ「商品概要」(日経225先物、2023 年 11 月 6 日更新)の「商品概要」と「証拠金」の「1単位あたりの例」。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
日本取引所グループ「制度概要」(日経225mini、2024 年 11 月 4 日更新)の「限月取引」「取引単位」「呼値の単位」の行。 ↩ ↩2 ↩3
-
日本取引所グループ「制度概要」(国債(JGB)先物)の「取引対象」(長期国債標準物(6%、10 年))と「限月取引」の行。 ↩
-
日本取引所グループ「取引最終日・開始日・受渡日等一覧表」の 2026 年の指数先物・オプションの取引最終日の表(Excel)。日経225先物の 2026 年 12 月の行。 ↩ ↩2
-
日本取引所グループ「制度概要」(日経225先物)の「取引最終日」の行。大阪取引所「指数先物取引制度要綱」(2026 年 4 月 13 日現在)の 3 ページ、「3 限月取引及びその数」も同趣旨。 ↩
-
大阪取引所「契約(取引成立)から満期まで(先物)」(北浜投資塾)。 ↩
-
大阪取引所「決済方法(先物)」(北浜投資塾)の「損益について」。 ↩
-
日本取引所グループ「制度概要」(国債(JGB)先物)の「取引最終日」の行。 ↩
-
大阪取引所「国債証券先物取引制度要綱」(2026 年 4 月 13 日現在)の 4 ページ、「7 受渡決済等」の「① 受渡決済」。日本取引所グループ「制度概要」(国債(JGB)先物)の「決済物件の受渡し」の行。 ↩
-
日本取引所グループ「取引最終日・開始日・受渡日等一覧表」の 2026 年の国債先物・オプションの取引最終日の表(Excel)。長期国債先物の 2026 年 9 月と 12 月の行。 ↩ ↩2
-
日本取引所グループ「営業時間・休業日一覧」(2026 年 2 月 6 日更新)の「休業日一覧」の 2026 年の表。 ↩
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大阪取引所「国債証券先物取引制度要綱」の 1 ページ、「1 取引対象」(長期国債標準物は額面 100 円)と、4 ページ、「③ 受渡決済代金」(受渡決済値段などに額面総額の 100 分の 1 を掛ける)。 ↩
-
日本取引所グループ「呼値」(用語集)。 ↩
-
大阪取引所「指数先物取引制度要綱」の 7 ページと「国債証券先物取引制度要綱」の 3 ページの、それぞれ「(3) 呼値の単位」。 ↩