モデルは現実を単純にした表現で、仮定を伴います。モデル・リスクは計算の誤りだけを指さず、誤りのないモデルを、設計時に想定した環境の外で使う場合も含みます12。

モデルで 10 億円と評価した取引が、市場では 9.5 億円で成立する架空の例で考えます。評価がモデルの値によっていれば、差の 0.5 億円は評価損になります。10.4 億円で成立すれば 0.4 億円の評価益ですが、モデルが成立する価格を再現できていない点は同じです。

注

  1. 金融庁「モデル・リスク管理に関する原則」(2021 年 11 月 12 日)の「Ⅲ. 定義」(b)(5 ページ)。 ↩

  2. 連邦準備制度理事会と通貨監督庁(OCC)"Supervisory Guidance on Model Risk Management"(2011 年 4 月 4 日)の "III. Overview of Model Risk Management"(3〜4 ページ)。 ↩