規則は、トレーディング勘定の持ち高と、公正価値で測る勘定の持ち高の両方に、プルーデントな評価の基準を当てはめます。資産ならプルーデントな値は公正価値以下、負債なら公正価値以上で、追加の評価調整(AVA)は両者の差の絶対値です。AVA がマイナスになることはありません。
公正価値が 100 億円の資産の価格が不確かで、プルーデントな値が 98 億円である架空の例で考えます。AVA は 2 億円で、資本の調整としてこの額を見込みます。会計上の評価がすでに 98 億円なら、同じ不確かさを見込んだ調整が済んでいるため、この不確かさによる AVA は 0 です。
AVA は、普通株式等 Tier 1 資本を調整するためだけに決めます。所要自己資本の額には影響しないと、規則の前文が書いています。ただし、CRR(資本要求規則)の第 94 条にある小規模トレーディング勘定業務の特例が適用される場合は、この限りではありません。評価の不確かさの分け方(市場価格の不確実さ、手仕舞いのコスト、モデル・リスクなど)と、データの使い方は、規則が決めています。市場データを使うときは、独立した時価の検証で使うデータと同じ範囲を見ます。