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デリバティブ・コンパス

理解度チェック: 解約とネッティング

最終確認日: 2026年10月3日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「解約とネッティング」の章の内容を確かめる 6 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    基本契約書が定める期限前解約の事由が起きた後の進み方として、正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: C

    事由が起きた後の進み方は、契約で 2 通りに分かれます。相手方の請求で取引を終える形と、請求を待たず、事由の発生で自動的に終了する形です。どちらの形でも、取引が終わった後に、清算金の額が算出されます。請求をするのは、事由が起きた側ではなく、相手方です。

    猶予期間を置く契約では、事由が起きた日に取引が終わるとは限りません。契約の手続に時間がかかり、清算が大きく遅れる場合もあります。

    詳しくは: 期限前解約の事由

  2. 問 2

    基本契約書のクロス・デフォルト条項とは、どのような条項ですか。

    正解と解説

    正解: A

    クロス・デフォルト条項は、ある契約の事由が、ほかの契約の終了にも及ぶようにする条項です。事由と清算の範囲を広げる工夫の 1 つです。

    関係会社の債務や債権まで相殺に含めるのは、関係会社間相殺条項です。相手方が終了を請求せずに様子を見ることを認めるのは、ISDA マスター契約書式の 2 条(a)(iii)の条項です。国の債務の支払猶予や再編は、事由の定義に入れるかどうかの話で、ほかの契約の終了に及ぶ範囲を決める条項とは別です。

    詳しくは: 期限前解約の事由

  3. 問 3

    架空の例として、自社と取引相手が、1 つの基本契約書の下で 3 つの取引を結んでいます。相手に一括清算事由が生じた時の評価額は、自社から見て、取引 1 が +10 億円、取引 2 が −6 億円、取引 3 が −2 億円です。プラスは受け取る額、マイナスは払う額です。一括清算の後に、自社と相手の間に何が残りますか。

    正解と解説

    正解: B

    一括清算では、基本契約書の下にあるすべての取引の評価額を合算して、純額を 1 つの債権か 1 つの債務にします。+10 億円、−6 億円、−2 億円を合算すると +2 億円で、純額はプラスなので、自社が相手に対して持つ債権 2 億円になります。

    債権 10 億円は、取引 1 の評価額だけを見た値です。債務 8 億円は、払う側の取引 2 と取引 3 の合計で、受け取る側の取引 1 を差し引いていない値です。債権と債務の両方が残る形は、個々の取引の受け払いが残る場合の見方です。一括清算では、受け払いが 1 つの債権か債務に置き換わります。仮に取引 1 が +2 億円なら、合算は −6 億円で、自社が負う債務 6 億円になります。

    詳しくは: 一括清算(クローズアウト・ネッティング)

  4. 問 4

    米国の連邦破産法が、スワップ契約の当事者に認めている契約上の権利について、正しい説明はどれですか。

    正解と解説

    正解: D

    同法は、スワップ参加者と金融参加者の当事者に、破産の申立てなどを理由とするスワップ契約の清算、解約、期限の利益の喪失と、解約額や支払額の差引き(ネッティング)の権利を認めます。これらの権利の行使は、同法のどの規定によっても、裁判所や行政機関の命令によっても、停止、取消し、制限されません。差引きも、清算や解約と同じ扱いです。

    管財人が、裁判所の承認の下で未履行の契約を引き継ぐか拒絶するかを選べるのは、別の規定です。この規定とは別に、スワップ契約の当事者の権利が守られています。また、破産の申立てによる自動停止についても、スワップ契約などに関する担保と差引きの権利の行使は、停止の対象から除かれています。

    詳しくは: 一括清算(クローズアウト・ネッティング)

  5. 問 5

    架空の例として、銀行と Y 社が、一括清算を約定した基本契約書で複数の取引をしています。Y 社に破産手続開始の申立てがされ、その後に開始の決定がされました。日本の一括清算法の下で、銀行と Y 社の間の 1 つの債権か債務の額は、どの時点の評価額の合計で決まりますか。

    正解と解説

    正解: A

    一括清算法の下では、一括清算事由が生じた時の全取引の評価額の純合計額が、当事者間の 1 つの債権か債務になります。一括清算事由は破産手続開始の申立てなので、額は申立ての時の評価額の合計で決まります。開始の決定がされると、この結果が破産手続の中で認められます。

    開始の決定は、結果が手続の中で認められる段階の話で、額を決める時点ではありません。手続の中で額を確かめる時点も同じです。一括清算は当事者の意思にかかわらず働くので、銀行の請求を待って額が決まることもありません。

    詳しくは: 日本の一括清算法

  6. 問 6

    架空の例として、日本の銀行が、R 国で設立された W 社の本店と取引します。W 社は S 国にも支店を持ちますが、銀行は支店と取引しません。個々の取引と基本契約書は日本の法律に準拠します。この銀行が、ネッティングの効果を使う前提としてリーガル・オピニオンで一括清算の有効性を確かめるとき、どの法域の法律を確かめますか。

    正解と解説

    正解: B

    確かめる法律は、取引相手に設立の許認可を与えた国の法律、取引相手の海外支店が含まれるときのその支店の所在国の法律、ネッティングの対象になる個々の取引に係る法律、ネッティングの実行に要る契約に係る法律の組み合わせです。この例では、設立の国が R 国、個々の取引と基本契約書の準拠法の国が日本で、支店は取引に含まれないので、2 つの法域です。

    R 国だけでは、取引と契約の準拠法が抜けます。S 国は、支店が取引に含まれるときに加わる法域で、この例では対象外です。S 国と日本だけでは、設立の国が抜けます。契約の準拠法が別の国の法律なら、確かめる法域は増えます。

    詳しくは: ネッティングの法的有効性(リーガル・オピニオン)