期間中の TONA(無担保コール翌日物金利)がどの日もプラスのとき、後決め複利の利率と、同じ期間の単利の平均(日々の金利を日数で重み付けして平均した値)の関係として正しいものはどれですか。
理解度チェック: 後決め複利
最終確認日: 2026年9月25日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「後決め複利」の章の内容を確かめる 4 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: B
後決め複利は、営業日ごとに 1 + 金利 × 日数 ÷ 365 を掛け合わせて求めます。掛け合わせると、足し合わせた分に加えて、利息に付く利息の分が積に入るため、金利がプラスなら後決め複利は単利の平均より高くなります。利息に付く利息は金利の水準が高いほど大きくなります。架空の例として、88 日の期間で金利が毎日 0.5% なら、後決め複利は 0.5003% で、単利の平均(0.5%)との差は 0.0003% です。毎日 5% なら後決め複利は 5.0296% で、差は 0.0296% に広がります。
差が金利の水準が低いほど大きいとする選択肢は、利息に付く利息が水準が高いほど大きくなる点と逆です。単利の平均のほうが高いとする選択肢は、向きが逆です。金利の水準が低いと差は小さく、2 つがほぼ同じに見えることはありますが、金利がプラスなら同じ値にはなりません。
詳しくは: 後決め複利の計算
問 2
架空の例として、利息の期間を木曜日から次の月曜日までの 4 日とします。祝日はなく、期間の営業日は木曜日と金曜日で、TONA は木曜日が 0.365%、金曜日が 0.730% でした。利率を途中で丸めず、利息の 1 円未満を四捨五入すると、元本 1 億円の利息はいくらですか。
正解と解説
正解: A
営業日ごとに 1 + 金利 × 日数 ÷ 365 を求めます。木曜日は 1 日分で、1 + 0.365% × 1 ÷ 365 = 1.00001 です。金曜日は土曜日と日曜日を含めた 3 日分で、1 + 0.730% × 3 ÷ 365 = 1.00006 です。掛け合わせると 1.0000700006 になり、1 を引いた 0.0000700006 が 4 日間の増え方です。これに 365 ÷ 4 を掛けると、期間の利率は約 0.638755% です。利息は 1 億円 × 0.638755…% × 4 ÷ 365 で、7,000.06 円を四捨五入して 7,000 円です。
3,000 円は、金曜日の金利を 1 日分しか使わなかった値です(1.00001 × 1.00002 − 1 = 0.0000300002)。休日の分は日ごとに積み上げず、直前の営業日の金利に、次の営業日までの暦日の日数を掛けて使います。6,000 円は、2 つの金利を日数で重み付けせずに平均した 0.5475% で計算した値です(1 億円 × 0.5475% × 4 ÷ 365)。638,755 円は、年率の利率を元本に掛けただけで、期間の日数の 4 ÷ 365 を掛けていません。
詳しくは: 後決め複利の計算
問 3
後決め複利の貸出にロックアウトを付けます。期間の終わりの何営業日か前の日(カットオフ日)のあと、期間の最後の数日に金利が下がったとします。ロックアウトがない場合と比べて、借り手の払う利息はどうなりますか。
正解と解説
正解: D
ロックアウトは、カットオフ日の金利を、期間の最後の営業日まで繰り返し使う慣行です。ロックアウトの間に金利が動いても、その動きは利率に入りません。金利が下がる前のカットオフ日の金利を使い続けるため、下がった分が反映されず、借り手の払う利息は増えます。反対に、期間の最後に金利が上がった場合は、上がった分が反映されず、借り手の払う利息は減ります。架空の例として、28 日の期間で金利が 0.477% 前後から 0.727% 前後に上がり、最後の 2 営業日にその金利を使うとき、ロックアウト 3 営業日にすると、元本 1 億円の利息は 2,732 円少なくなります。ロックアウトの間の金利の上げ下げは、貸し手と借り手のどちらにとっても、損にも得にもなり得ます。
変わらないとする選択肢は、金利の動きが利率に入らない点を、利息の額が変わらない意味に取り違えています。金利が上がった場合にだけ変わるとする選択肢は、下がった場合にも、下がった分が反映されず利息が変わる点を見落としています。減るとする選択肢は、金利が上がった場合の向きです。
詳しくは: ルックバック、ロックアウト、支払い遅延
問 4
後決め複利の貸出に「支払い遅延」を付けると、何が変わりますか。
正解と解説
正解: C
後決め複利の利率は、期間の最後の営業日の金利が公表されるまで決まりません。ルックバックは何営業日か前の金利を使って利率が分かる日を早め、ロックアウトは最後の数日の金利を固定して利率が分かる日を早めます。これらに対して、支払い遅延は利率を変えません。期間の終わりの日に利率を決め、支払いまでの数営業日で額を確かめて払います。たとえば日本円の OIS では、期間の終わりの日に TONA の公表を待って変動金利の額を計算し、その 2 営業日後に差額を決済します。
支払日が遅れる分、投資家はその間の運用の収入を得られないことがあります。何営業日か前の金利に置き換える選択肢はルックバック、金利を見る期間をずらす選択肢はルックバックのうちオブザベーション・シフトありの方式、金利を固定する選択肢はロックアウトの説明です。
詳しくは: ルックバック、ロックアウト、支払い遅延