金融安定理事会(FSB)は 2014 年の報告書で、リスク・フリー・レート(RFR)を作ることを提言しました。RFR の説明として正しいものはどれですか。
理解度チェック: 主な指標金利
最終確認日: 2026年9月25日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「主な指標金利」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: C
RFR は、銀行の信用リスクをほとんど含まない指標金利です。FSB の報告書は、RFR を主にデリバティブ取引で使うと想定していました。デリバティブ取引の多くでは、当事者は銀行の信用リスクを取引で持ちたいわけではないため、その信用リスクまで含む金利を参照する必要がありません。
銀行がほかの銀行に担保なしで期間を決めて貸すときの金利は、IBOR(銀行間の指標金利)の性質で、銀行の信用リスクを含みます。
日本円の RFR に選ばれた TONA(無担保コール翌日物金利)は、翌営業日に返す貸し借りの金利で、期間の初めに 3 か月の利率を決める金利ではありません。そのままでは、期間の初めに利率を決めたい取引に使えません。そのため日本では、ターム物金利の RFR として TORF(東京ターム物リスク・フリー・レート)が別に算出されています。
また、TONA は担保のない(無担保の)取引の金利です。日本円の RFR に有担保の金利が選ばれたわけではありません。
詳しくは: 指標金利とは
問 2
架空の例として、ある日に短資会社が仲介した無担保コールの O/N 物(翌日物)の取引が、0.460% で 5,000 億円、0.470% で 2,000 億円、0.480% で 3,000 億円成立したとします。日本銀行の算出の方法で求めると、この日の TONA は何 % ですか。
正解と解説
正解: A
日本銀行は、レートごとの出来高で加重平均して TONA を求めます。レートと出来高を掛けた積数は、0.460 × 5,000 = 2,300、0.470 × 2,000 = 940、0.480 × 3,000 = 1,440 で、合計は 4,680 です。これを出来高の合計の 10,000 億円で割ると 0.468 になり、この日の TONA は 0.468% です。結果は小数第 3 位まで(第 4 位を四捨五入)で求めます。
0.470% は 3 つのレートの単純な平均で、出来高の違いを考えていません。この例では、低い 0.460% の出来高(5,000 億円)が最も多いため、加重平均は単純な平均より低くなります。0.460% は出来高が最も多いレートです。0.472% は、出来高を逆の順(0.460% に 3,000 億円、0.470% に 2,000 億円、0.480% に 5,000 億円)に当てて加重平均した値で、レートと出来高の対応を取り違えています。日本銀行は、加重平均のほかに、その日の最高値と最低値、O/N 物の出来高も公表しています。
詳しくは: TONA
問 3
TORF の算出に使うデータはどれですか。
正解と解説
正解: B
TORF は、日本円 OIS の固定金利側の金利から算出します。OIS は、固定金利と、一定期間の TONA を複利で計算した変動金利を交換する金利スワップで、その固定金利には期間中の TONA の見通しが表れます。算出に使うのは、日本証券クリアリング機構(JSCC)か LCH の清算機関で清算する、期間 1 か月、3 か月、6 か月の円 OIS の約定データと、取引の意思を持って出された注文の気配データです。データは、QUICK ベンチマークスが選んだブローカー(レポーティング・ブローカー)が報告します。清算機関で清算する取引に限るのは、取引相手の信用リスクを算出するレートに入れないためです。
期間中の TONA を複利で積み上げる方法は、RFR からターム物金利を作るもう 1 つの方法(TONA の後決め複利)で、利率は期間の終わりに決まります。TORF は OIS の取引から導くため、期間の始めに利率が決まります。その日の TONA は翌日物の金利で、そのままでは既存の契約が参照していた 3 か月物や 6 か月物のようなターム物金利の代わりになりません。取引を前提としない参考の気配(Indicative データ)は、TORF の算出には使いません。
詳しくは: TORF
問 4
架空の例として、想定元本 50 億円で、変動金利が 3 か月物の日本円 TIBOR(東京銀行間取引金利)の金利スワップを考えます。計算期間が 91 日の回に使う TIBOR は 0.73% で、金利の日数は 365 日ベースで数えます。この回の変動金利の利息はいくらですか。
正解と解説
正解: D
TIBOR を変動金利にする取引では、計算期間が始まる前に決まった TIBOR から、その期間の利息を計算します。日数計算の慣行は 365 日ベースなので、利息は 50 億円 × 0.73% × 91 ÷ 365 = 9,100,000 円です。
次の回の TIBOR が 0.93% に上がると、同じ 91 日の利息は 11,593,151 円(円未満を四捨五入)です。この回の 9,100,000 円より 2,493,151 円多く、変動金利を払う側はその分多く払い、受け取る側はその分多く受け取ります。反対に TIBOR が 0.53% に下がると、利息は 6,606,849 円です。この回より 2,493,151 円少なく、払う側はその分少なく払い、受け取る側はその分少なく受け取ります。
36,500,000 円は 1 年分の利息(50 億円 × 0.73%)で、期間の長さを掛けていません。9,125,000 円は期間を 0.25 年とした値で、9,000,000 円は期間を 90 日と丸めた値です。日本円 TIBOR の金利の日数は 365 日ベースで、360 日ベースだったのは2024 年 12 月末で公表を停止したユーロ円 TIBOR です。
詳しくは: TIBOR
問 5
架空の例として、ある対象日に算出に使う米国債のレポ取引が、次の 5 つだけだったとします。金利 1.00% が 100 億ドル、1.01% が 150 億ドル、1.02% が 200 億ドル、1.04% が 300 億ドル、1.18% が 250 億ドルです。ニューヨーク連邦準備銀行の方法で求めると、SOFR(Secured Overnight Financing Rate)は何 % ですか。
正解と解説
正解: B
SOFR は、取引量で重み付けした中央値です。取引を金利の低い順に並べて取引量を順に足していき、足した量が全体の 50% に達したところの取引の金利を SOFR にします。取引量の合計は 1,000 億ドルで、その半分は 500 億ドルです。足した取引量は、3 番目の取引までで 450 億ドル、4 番目の取引までで 750 億ドルになるため、500 億ドルは 4 番目の取引に入ります。この日の SOFR は 1.04% です。公表する値は 1bp(0.01%)単位に丸めます。
1.02% は、取引量を考えずに、5 つの取引の真ん中(3 番目)の金利を選んだ値です。1.05% は 5 つの金利の単純な平均で、1.06% は取引量で重み付けした平均(1.0625%)を 1bp 単位に丸めた値です。中央値は、端にある取引の金利が動いても変わりません。この例で 5 番目の取引の金利が 1.18% から 2.00% に変わっても SOFR は 1.04% のままですが、単純な平均は 1.05% から 1.214%(丸める前の値)に上がります。
詳しくは: SOFR