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デリバティブ・コンパス

理解度チェック: 検証と規制

最終確認日: 2026年9月26日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「検証と規制」の章の内容を確かめる 4 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    架空の例として、ある銀行の持ち高は、日本株の株価指数先物の買い(株価が 1% 下がると 2 億円の損)、円の金利スワップの固定金利の受け(DV01 500 万円)、ドル買い円売り(円高が 1% 進むと 3,000 万円の損)です。ストレステストで、株価が 15% 下がり、金利が 100bp 下がり、円高が 10% 進むシナリオを置くと、感応度に動いた幅を掛けて足す近似で、損益はいくらですか。

    正解と解説

    正解: B

    損益は −28 億円です。この近似では、リスクファクター(持ち高の価値を動かす要因)ごとに、感応度に動いた幅を掛けて足し合わせます。株価は 15% 下がるので、−2 億円 × 15 = −30 億円です。固定金利を受けるスワップは金利が上がると損になり、下がると益になります。金利が 100bp 下がると、500 万円 × 100 = +5 億円です。円高が 10% 進むと、−3,000 万円 × 10 = −3 億円です。合計は −30 + 5 − 3 = −28 億円です。

    −38 億円は、金利の低下でもスワップが損になると取り違え、−5 億円を足した値です。−22 億円は、円高を益と取り違えて、為替の +3 億円を足した値です。

    逆に、株価が 15% 上がり、金利が 100bp 上がり、円安が 10% 進むシナリオでは、+30 − 5 + 3 = +28 億円の益になります。この計算は、損益が動いた幅に比例するという前提に立った近似です。オプションを含む持ち高のように、価格がリスクファクターに比例して動かない持ち高では、この前提が崩れます。

    詳しくは: ストレステスト

  2. 問 2

    リバース・ストレステストの説明として正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: D

    リバース・ストレステストは、耐えられない損失の大きさ(規制の最低水準を下回る自己資本比率、資金の枯渇など)を先に決め、そこに至るシナリオを探す方法です。ふつうのストレステストがシナリオから損失を求めるのに対し、損失からシナリオを逆算します。

    ほかの選択肢は、別のシナリオの種類の説明です。過去の危機の変動を当てはめるのはヒストリカル・シナリオです。1 つのリスクファクターだけを動かすのは感応度分析です。過去にない出来事を想定して多くのリスクファクターを同時に動かすのは、仮想のシナリオです。この 3 つは、シナリオから損失を求める向きです。

    詳しくは: ストレステスト

  3. 問 3

    架空の例として、ある銀行がバックテストで、保有期間 1 日、信頼水準 99% の VaR(バリュー・アット・リスク)と日々の損益を比べます。5 営業日の値は次のとおりです。

    日 その日の終わりに計った VaR(億円) その日の損益(億円)
    1 日目 10 2
    2 日目 12 −11
    3 日目 12 14
    4 日目 8 −10
    5 日目 10 −9

    2 日目から 5 日目までに、超過(損失が VaR を上回った日)は何回ありますか。

    正解と解説

    正解: A

    超過は 2 回です。バックテストでは、ある日の損益を、前日の終わりの持ち高で計った VaR と比べます。2 日目の損失 11 億円は、前日(1 日目)の VaR 10 億円を上回るので超過です。5 日目の損失 9 億円も、前日(4 日目)の VaR 8 億円を上回るので超過です。4 日目の損失 10 億円は、前日の VaR 12 億円を下回るので、損失の日でも超過になりません。3 日目は利益なので、超過に数えません。

    1 回は、損益を同じ日に計った VaR と比べた数です。この比べ方では 4 日目(10 億円 > 8 億円)だけが超過になり、2 日目(11 億円 < 12 億円)と 5 日目(9 億円 < 10 億円)が外れます。3 回は、3 日目の利益 14 億円も、前日の VaR 12 億円を上回ったとして数えた数です。超過は損失だけを数え、利益の日は数えません。

    詳しくは: バックテスト

  4. 問 4

    架空の例として、ある銀行の直近 250 営業日の VaR のバックテストで、超過が 6 回でした(仮想損益と実損益で数えた回数の多い方)。自己資本比率の告示(2026 年 8 月 24 日更新の全体版)の3 ゾーン・アプローチで、この結果の見方として正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: C

    6 回はアンバー・ゾーンです。告示は、直近 250 営業日の超過が 0〜4 回をグリーン・ゾーン、5〜9 回をアンバー・ゾーン、10 回以上をレッド・ゾーンとしています。アンバー・ゾーンは、モデルに問題がある可能性が示されるものの、決定的ではない結果です。6 回のときの乗数は 1.76 で、グリーン・ゾーンの 1.50 より高くなります。アンバー・ゾーンになった銀行は、原因と対処の方針を書いた書類を添えて、金融庁長官に届け出ます。

    モデルが正しく、超過が日ごとに独立に 1% の確率で起きるとすると、250 日の超過の平均は 250 × 0.01 = 2.5 回です。それでも、超過が 5 回以上になる確率は 10.78%、6 回以上は 4.12% あります。そのため、6 回はモデルの問題を示してはいるものの、決め手にはなりません。超過が平均の 2.5 回を上回ること自体は正しいモデルでもよく起きますが、グリーン・ゾーンは 4 回までです。10 回以上になる確率は、正しいモデルでは 0.03% しかありません。レッド・ゾーンは 10 回以上で、平均の 2 倍を超えたかどうかでは決まりません。

    詳しくは: バックテスト