架空の例として、想定元本 50 億円の 3 年の金利スワップに、ESG 連動の条件を付けます。支払側の固定金利は 0.80% で、その年の目標を達成すれば 0.10 ポイント引き下げ、達成しなければ 0.10 ポイント上乗せします。1 年目と 3 年目は達成し、2 年目は達成しませんでした。3 年間の固定金利の支払の合計は、いくらですか(変動金利の受け払いは考えません)。
理解度チェック: 新しい潮流
最終確認日: 2026年10月3日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「新しい潮流」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: B
達成した年の固定金利は 0.80% − 0.10% = 0.70% で、1 年分の支払は 50 億円 × 0.70% = 0.35 億円です。達成しなかった年は 0.80% + 0.10% = 0.90% で、50 億円 × 0.90% = 0.45 億円です。3 年間では 0.35 + 0.45 + 0.35 = 1.15 億円になります。
調整のないスワップなら 50 億円 × 0.80% = 0.40 億円で、3 年間で 1.20 億円です。達成した年は支払が 0.05 億円少なくなり、達成しなかった年は 0.05 億円多くなるため、差し引きで 0.05 億円少なくなります。3 年とも達成すれば 0.35 × 3 = 1.05 億円、2 年が未達なら 0.35 + 0.45 + 0.45 = 1.25 億円で、結果によって支払が上下します。
詳しくは: ESG 連動のデリバティブ
問 2
英国の ESG 連動のデリバティブの契約について、2023 年 5 月の英国の法律事務所の解説が示した内容として、正しいものはどれですか。
正解と解説
正解: D
この時点では、共通の標準の雛形がなく、一般的なデリバティブの契約書へ、KPI を含む条件を加えて組み立てていました。
KPI の条件は、通常は取引確認書に書き、別の合意に書いて確認書から参照する形もありました。調整の受け払いは、取引のほかの受け払いと同じ時期に行うのが通常でした。KPI の作り方の指針を 2021 年 9 月に公表したのは国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)で、FCA は 2022 年 10 月の協議文書で、デリバティブ専用の規則を設けない考えを示した、という別の話です。当時の規制の面では、ほかの店頭デリバティブとほぼ同様に扱われていました。
詳しくは: ESG 連動のデリバティブ
問 3
架空の例として、無期限スワップの価格が現物を上回る状態が続き、資金調達率が 1 回あたり +0.02% で、8 時間ごとに受け払いされるとします。資金調達率は、買い持ちの側と売り持ちの側のあいだで受け払いする率で、ここでは取引額 × 率で受け払いする、という架空の取り決めとします。取引額 200 万円の買い持ちの側が 2 日間に払う金額の合計は、どれですか(手数料と価格の変動は考えません)。
正解と解説
正解: A
1 回あたりの金額は 200 万円 × 0.02% = 400 円です。8 時間ごとなので 2 日間(48 時間)は 6 回で、400 円 × 6 = 2,400 円です。価格が現物を上回るときは、買い持ちの側が売り持ちの側へ払うため、買い持ちの側は 2,400 円を払います。
400 円は 1 回分だけで数えた値、1,200 円は 1 日分の 3 回で数えるのをやめた値、24,000 円は 0.02% を 0.2% と取り違えた値(200 万円 × 0.2% = 4,000 円、× 6 回)です。
詳しくは: 暗号資産のデリバティブ
問 4
日本の金融商品取引業者が、暗号資産を対象にするデリバティブ取引を結ぶ場合の、証拠金に関する内閣府令の定めについて、2026 年 10 月時点で当てはまるのは、どれですか(2026 年に成立した改正法の中身は含みません)。
正解と解説
正解: C
内閣府令は、個人の顧客について、契約の締結時と、営業日ごとの決まった時刻に、預託額が取引額の 50% の必要な額に足りないのに、不足をすぐには預けさせないまま契約を続けることを、金融商品取引業者等に禁じています。比べる預託額は、評価損益を足し引きした値です。
必要な額の算出は、1 件ずつの取引でも、顧客の複数の取引をまとめた単位でもできます。預けた額に数える預託先には、取引所と清算機関も入ります。50% の下限は、個人の顧客との取引について定められています。正解以外の 3 つは、この 3 点と合いません。必要な額が取引額の 50% なら、持てる取引は預託額の 2 倍の大きさまでで、これは高いレバレッジを抑える形です。
詳しくは: 暗号資産のデリバティブ
問 5
2024 年 10 月の金融安定理事会(FSB)の報告書は、トークン化をどう定義していますか。
正解と解説
正解: B
FSB の報告書は、トークン化を、分散型台帳技術(DLT)などの新しい技術で、資産をトークンという電子的な形で発行し、表すことと定義しています。対象になる資産は、株式、債券、銀行預金のいずれでもよいとされます。
暗号資産を原資産にしたデリバティブは、トークン化とは区別して扱います。FSB の報告書も、中央銀行デジタル通貨と暗号資産を対象から外しています。取引とライフサイクルの出来事を共通の形で表すのは、CDM というデータモデルの役割で、トークン化とは別の動きです。
詳しくは: 取引のデジタル化(CDM、トークン化)