金利カーブのブートストラップは、どんな計算ですか。
理解度チェック: 金利カーブ
最終確認日: 2026年10月4日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「金利カーブ」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: A
ブートストラップは、市場で取引されている金利スワップの固定金利などから、年限ごとの割引係数を 1 年、2 年、3 年と短い年限から順に求める計算です。求めた割引係数からはスポットレートも求められ、これらのカーブ(イールドカーブ)を、将来の受け払いの割引とフォワードレートの計算に使います。
途中に利息のない割引債の利回りは、多くの年限で市場から直接は観測できないため、固定金利から割引係数を逆算します。割引係数を使って固定金利でスワップを評価し直すのは、作ったカーブが市場の金利と合っているかを確かめるときの計算で、ブートストラップとは向きが逆です。
詳しくは: 金利カーブのブートストラップ
問 2
架空の例として、1 年のスワップの固定金利が 2.00%、2 年が 3.00% で、どちらも年 1 回の支払いとします。1 年の割引係数を 1 ÷ 1.02 の約 0.980392 とすると、ブートストラップで求めた 2 年の割引係数に最も近い値はどれですか。
正解と解説
正解: C
2 年のスワップは、元本 100 に対して 1 年後に 3、2 年後に 103 を受け取る債券とみなせます。市場で約定できる固定金利では、この債券の現在価値は元本と等しい 100 です。1 年後の 3 の現在価値は、1 年の割引係数を使って 3 × 0.980392 で約 2.941176 なので、2 年後の 103 の現在価値は残りの約 97.058824 です。2 年の割引係数は 97.058824 ÷ 103 で約 0.942318 になります。
0.942596 は、1 年後の 3 を、1 年の割引係数ではなく 1 ÷ 1.03 で割り引いたときの値です。このとき 1 年後の 3 の現在価値は約 2.912621 と小さくなり、2 年後の 103 に残る現在価値が大きくなるため、割引係数は 1 ÷(1.03 × 1.03)の約 0.942596 になります。ブートストラップでは、1 年後の受け払いは 1 年の固定金利から求めた 0.980392 で割り引きます。0.970874 は 1 ÷ 1.03 で、2 年後の受け払いを 1 年分しか割り引いていない値です。
詳しくは: 金利カーブのブートストラップ
問 3
架空の例として、連続複利で表したとき、2 年の割引係数が 0.960789(ゼロレート 2%)、5 年の割引係数が 0.740818(ゼロレート 6%)とします。2 年から 5 年の間を、割引係数の対数を直線で結ぶ補間でつなぐとき、3 年の割引係数に最も近い値はどれですか。
正解と解説
正解: A
割引係数の対数を直線で結ぶ補間では、2 年と 5 年の割引係数の対数を直線で結び、その上の値から割引係数を求めます。2 年の対数は約 −0.040000、5 年の対数は約 −0.300000 です。3 年は 2 年から 1 年進んだ点です。対数は −0.040000 + (−0.300000 − (−0.040000)) ÷ 3 で約 −0.126667 です。3 年の割引係数は、 で約 0.881027 です。
0.887465 は、割引係数そのものを直線で結んだ値で、0.960789 + (0.740818 − 0.960789) ÷ 3 です。0.904837 は、ゼロレートを直線で結んだ値です。3 年のゼロレートは 2% + (6% − 2%) ÷ 3 で約 3.3333% なので、割引係数は で約 0.904837 です。補間で直線にする量が違うと、同じ 2 点と 5 点の入力でも 3 年の割引係数が変わります。
詳しくは: カーブの補間
問 4
架空の例として、連続複利のゼロレートが 2 年で 5%、5 年で 3% とします。2 年と 5 年の間をつなぐ方法のうち、5 年の直前でフォワードレートが負になるものはどれですか。
正解と解説
正解: C
ゼロレートを直線で結ぶと、年限 の年率 (%)は です。フォワードレート は の傾きなので、 で、約 4.75 年で 0 になります。 は 2 年で 10%、4.75 年で約 15.04%、5 年で 15.00% です。区間の途中で最大になってから下がるため、5 年の直前でフォワードレートは負になります。5 年では約 −0.33% です。
割引係数は、2 年の で約 0.904837 から、5 年の で約 0.860708 へ下がっています。割引係数を直線で結ぶ方法は、この 2 点では割引係数が下がるため、フォワードレートは正のままです。割引係数の対数を直線で結ぶ方法は、2 年の対数が −0.10、5 年の対数が −0.15 なので、2〜5 年のフォワードレートは (0.15 − 0.10) ÷ 3 で約 1.67% の一定になります。同じ点の値でも、つなぎ方によってフォワードレートの符号が変わります。
詳しくは: カーブの補間
問 5
正解と解説
正解: B
マルチカーブでは、割引のカーブを担保の条件で決めます。円の現金の担保には円の翌日物金利が付くため、将来の受け払いはその付利の金利で割り引く必要があり、円の OIS の固定金利から作ったカーブが割引のカーブになります。
TIBOR のスワップの固定金利から割引係数まで作る考え方は、割引と予想に同じカーブを使うシングルカーブです。マルチカーブでは、TIBOR は変動金利の予想のカーブに使います。TIBOR のスワップと OIS の固定金利の差は、ベーシス・スプレッドにあたる値で、割引のカーブの材料にはなりません。TIBOR のフォワードレートは、OIS の割引係数で割り引いたときに TIBOR のスワップの時価が 0 になる条件から求めます。
詳しくは: マルチカーブ