次のうち、証券会社がブローカーとして行っている業務はどれですか。
理解度チェック: 市場参加者
最終確認日: 2026年10月15日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「市場参加者」の章の内容を確かめる 6 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: C
ブローカーは、自分では取引の相手方にならず、顧客の注文を取引所に取り次ぐ業者です。取引所の先物を売買できるのは取引参加者などに限られるため、ほかの投資家の注文は、証券会社などが顧客の委託による注文として取引所に出します。架空の例として、顧客の注文で日経225先物 1 単位(日経225の数値に 1,000 円を掛けた額)を 30,000 で買い、31,000 か 29,000 で転売すると、差額の 100 万円の得も損も顧客のものです。
ほかの 3 つは、ディーラーとして自己の計算で(自分の資金と損益で)する業務です。自社の判断と資金で買った先物の得と損は、証券会社のものです。マーケット・メイカーが出した値段で売買が成立すると、その取引はマーケット・メイカーの計算による取引になります。店頭の金利スワップで顧客の相手方になって固定金利を受け取るのもディーラーの役割で、金利が上がると不利になります。ディーラーは、ブローカーと違って、ヘッジを終えるまでの相場の動きで得も損もします。
詳しくは: ディーラーとブローカー
問 2
架空の例として、3 か月後に輸出の代金 100 万ドルを受け取る予定の A 社が、銀行と 1 ドル 150 円で 100 万ドルを売る為替予約を結びました。その後、輸出が 70 万ドルに減り、A 社は足りない 30 万ドルを 3 か月後のその日の相場で買って渡すことにしました。その日の相場が 1 ドル 160 円のとき、足りない 30 万ドルの分の損益はいくらですか。
正解と解説
正解: D
実際の取引がヘッジの量より少なくなっても、為替予約の約束はそのまま残ります。A 社は、30 万ドルを 1 ドル 160 円で買うので 30 万 × 160 = 4,800 万円を払い、為替予約で 1 ドル 150 円で売るので 30 万 × 150 = 4,500 万円を受け取ります。差し引き 300 万円の損です。相場が 1 ドル 140 円なら、4,200 万円で買ったドルを 4,500 万円で売ることになり、300 万円の得になります。
輸出で受け取る 70 万ドルは為替予約の 150 円で円にできるため、残る損は足りない 30 万ドルの 300 万円だけです。
700 万円の損は、足りない 30 万ドルではなく、輸出で受け取る 70 万ドルに 160 円と 150 円の差の 10 円を掛けた値です。1,000 万円の損は、100 万ドル全体に同じ 10 円を掛けた値です。0 円は、輸出が減った分の約束もなくなると考えると選びます。為替予約は原則として途中で解約できず、A 社の都合で解約すると解約清算金が要ることがあります。
詳しくは: 事業会社の利用
問 3
架空の例として、機関投資家である生命保険会社が 1 億ドルの米国債を持ち、今の相場が 1 ドル 150 円のときに、1 年後に 1 億ドルを 1 ドル 147 円で売る為替予約を結んだとします。ドルで見た債券の価格は変わらないものとし、利息は考えません。1 年後の相場が 1 ドル 140 円のとき、為替予約の損益はいくらですか。
正解と解説
正解: B
為替予約では、1 ドル 140 円のドルを 147 円で売れるため、1 億ドル × (147 − 140) で 7 億円の得になります。ヘッジなしの円での価値は 150 億円から 140 億円へ 10 億円減りますが、為替予約の得を合わせると 147 億円です。反対に 1 ドル 170 円の円安になると、為替予約で 23 億円の損が出て、合計はやはり 147 億円です。このように為替リスクを小さくする為替ヘッジは、円高による損を防ぐ代わりに、円安による得も手放します。
10 億円の得は、今の相場の 150 円で売れると考えた値です。為替予約の相場は、今の相場と 2 つの通貨の金利の差で決まり、ドルの金利が円の金利より高いと、今の相場より円高になります。この例の 147 円はその前提の値で、今の 150 円との差の 3 億円はヘッジコストです。3 億円の損は、このヘッジコストだけを数えた値です。7 億円の損は、損益の向きを逆にした値です。
詳しくは: 機関投資家の利用
問 4
架空の例として、運用資産 1 兆円の年金基金が、目標より 200 億円多くなった国内株式を売り、資産配分を目標に戻すとします。株式を売り終えるまでに数日かかるため、まず 200 億円分の株価指数先物を売り、株式を売り終えたら先物を買い戻します。保有する株式と先物は同じ率で動くとし、手数料は考えないとき、この先物の取引について正しいのはどれですか。
正解と解説
正解: C
先に売った先物は、株式を売り終えるまでの値動きの影響を打ち消します。株価が 5% 上がると、株式の売却額は 210 億円に増えますが、先物で 10 億円の損が出て、合計は 200 億円です。株価が 5% 下がると、売却額は 190 億円に減りますが、先物で 10 億円の得が出て、合計はやはり 200 億円です。売ると決めた時点の株価に近い金額で配分を戻せる一方、その後の値上がりによる得は手放します。
先物の損益は出ないとするのは、売った先物にも株価と逆向きの損益が出ることを見落としています。値下がりで先物でも損が出るとするのは、売った先物の損益の向きを逆にしています。値上がりによる得を残せるとするのは、先物の損を見落としています。値下がりを予想して利益を狙う取引は投機です。この例の先物は、株式の売却の一時的な代わりです。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のように、保有する資産の売却の一時的な代わりとして株価指数先物を使い、投機を目的とした取引はしない運用もあります。
詳しくは: 機関投資家の利用
問 5
架空の例として、固定金利 2.0% の貸出 100 億円を預金でまかなう A 銀行は、預金の金利を毎年その年の指標金利と同じ水準に見直します。A 銀行は、想定元本 100 億円で、固定金利 1.5% を払い指標金利を受け取る金利スワップを結びました。指標金利が 1.0% の年、スワップの差し引きはいくらですか。
正解と解説
正解: A
A 銀行は固定金利 1.5% を払い、指標金利 1.0% を受け取るので、差し引き 0.5% を払います。100 億円の 0.5% は 5,000 万円です。この年の貸出の利息は 2 億円、預金の利息は 1 億円です。スワップなしの利ざやは 1 億円です。スワップの支払い 5,000 万円を引くと、利ざやは 5,000 万円になります。指標金利が 2.5% に上がる年は、スワップで 1 億円を受け取り、預金の利息が 2.5 億円に増えても、利ざやは同じ 5,000 万円です。
1.5 億円の支払いは、受け取る指標金利を引かず、払う固定金利 1.5% の分だけを数えた値です。1 億円の支払いは、この年の預金の利息の額で、スワップの差し引きではありません。0 円になるのは、指標金利が 1.5% と固定金利に等しい年です。
詳しくは: 地域金融機関の利用
問 6
正解と解説
正解: B
金融安定理事会(FSB)は、レバレッジを財務レバレッジと合成レバレッジに分けています。デリバティブで作る持ち高によるレバレッジが合成レバレッジです。少ない手元資金で、元手より大きな持ち高を作れます。
財務レバレッジは、借入やレポ取引などで資金を調達して持ち高を大きくするもので、デリバティブによるものではありません。グロスレバレッジは、レバレッジの種類ではなく、現金などを除いたグロスの持ち高を純資産で割った大きさの表し方です。グロスの倍率は持ち高の相殺やヘッジを反映しないため、買いと売りを組み合わせた取引では、実際のリスクより大きく見えることがあります。
詳しくは: ヘッジファンドの利用