架空の例として、運用会社が 20 万株のトータル・リターン・スワップ(TRS)で、株式のリターンを受け取ります。開始時の株価 5,000 円、想定元本10 億円、金利は変動金利2.00% にスプレッド 0.50% を足した年率、期間は 3 か月(0.25 年)です。3 か月後の株価は 4,800 円、配当は 1 株 50 円(期末に受け払い)です。運用会社の受け払いは、差し引きでいくらですか。
理解度チェック: 店頭商品
最終確認日: 2026年9月25日
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「店頭商品」の章の内容を確かめる 2 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: D
差し引きは 3,625 万円の支払いです。株式の側は、株価の変化の分と配当の分を足します。株価の変化の分は (4,800 − 5,000) × 20 万株 = −4,000 万円です。配当の分は 50 円 × 20 万株 = 1,000 万円の受け取りです。金利の側は、10 億円 × (2.00% + 0.50%) × 0.25 = 625 万円の支払いです。差し引きは −4,000 万円 + 1,000 万円 − 625 万円 = −3,625 万円です。対象が株式の TRS は、エクイティ・スワップとも呼ばれます。
5,625 万円の支払いは、配当の分を受け取りでなく支払いとして引いた値です。3,000 万円の支払いは、金利の分を引き忘れた値です。2,375 万円の支払いは、金利を受け取ると考えて 625 万円を足した値です。
仮に 3 か月後の株価が 5,200 円に上がっていたとします。株価の変化の分は (5,200 − 5,000) × 20 万株 = 4,000 万円の受け取りです。配当と金利が同じなら、差し引きは 4,375 万円の受け取りです。
問 2
ある銀行が、運用会社との株式のリターンと金利を交換する取引(TRS)で、株式のリターンを払う側に立ち、対象の株式を想定元本と同じ額だけ買ってヘッジしました。株価が下がったとき、この銀行の持つ株式の損と TRS の受け払いは、合わせてどうなりますか。
正解と解説
正解: C
打ち消し合い、運用会社から受け取る金利が残ります。株式のリターンを払う側に立つディーラーは、ふつう対象の株式を買ってヘッジします。株価が下がると、銀行が持つ株式は値下がりし、銀行は同じ額の値下がり分を運用会社から受け取ります。株式の損と TRS の受け取りは同じ額なので打ち消し合い、銀行には金利が残ります。株価が上がるときは向きが逆になり、持つ株式の値上がりと、運用会社に払う値上がり分が打ち消し合います。銀行はこの金利で、株式を持つための資金の費用をまかないます。
打ち消し合わないとする選択肢は、運用会社から受け取る値下がり分を見落としています。利益が出るとする選択肢は、受け取る値下がり分を株式の損より大きいと見ていますが、2 つは同じ額です。金利を払うとする選択肢は、金利の向きが逆で、銀行は金利を受け取る側です。