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デリバティブ・コンパス

理解度チェック: エクイティのエキゾチック

最終確認日: 2026年10月15日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「エクイティのエキゾチック」の章の内容を確かめる 6 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    EB 債(他社株転換債)のように、ノックインの条件を持つ株式の仕組債には、参照する株式のプット・オプション(プット)が組み込まれています。この仕組債を買う投資家の立場と、高めのクーポンの主な源泉について、正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: B

    投資家は、仕組債を通じて、参照する株式のプットを売ることになります。このプットを買う側に立つのは、仕組債を組成する金融機関(ディーラー)です。高めのクーポンの主な源泉は、ノックインしたときに投資家が大きな損失のリスクを負うことの対価で、オプションのプレミアムに当たります。値上がり益をあきらめることの対価の面もあります。

    高めのクーポンを受け取ることから、投資家が有利な権利を持つと考えると、プットを買う側とする選択肢を選びやすくなります。クーポンは、権利を持つ対価ではなく、プットを売って損失のリスクを負う対価です。発行者の財務の状況によって元本や利息の支払いが滞ることはありますが、高めのクーポンの主な源泉はプットのプレミアムです。

    株価が大きく下がらずノックインしなければ、投資家はクーポンを受け取り、元本で償還されます。ノックインし、満期の株価が当初の水準を下回ると、償還額が元本を下回ります。ディーラーは、買ったプットのリスクを、原資産の株式やオプションを売買してヘッジします。

    詳しくは: エクイティ・エキゾチックの全体像

  2. 問 2

    架空の例として、ある投資家が、ある株価指数の配当スワップを買います。買い手は、決めた期間に実際に支払われた配当を満期に受け取り、その代わりに固定の配当レートを払います。配当は指数の水準に直したポイントで表し、固定の配当レートは 30 ポイント、1 ポイントは 20 万円とします。満期に実現した配当が 24 ポイントだったとき、買い手の損益はどうなりますか。

    正解と解説

    正解: D

    買い手の損益は、(実現した配当 − 固定の配当レート)× 1 ポイントの金額です。(24 − 30)× 20 万円 = −120 万円で、買い手は 120 万円の損失を負います。差額だけを受け渡す決済でも、損益は同じです。

    実現した配当が固定の配当レートを上回れば買い手の利益、下回れば損失になります。480 万円の利益は、受け取る 24 ポイント分(24 × 20 万円)だけを見て、払う固定の配当レートの分を引いていない値です。600 万円の損失は、払う 30 ポイント分(30 × 20 万円)だけを見て、受け取る配当の分を足していない値です。1,080 万円の損失は、受け取る 24 ポイントと払う 30 ポイントを足した 54 ポイント分(54 × 20 万円)を、すべて払いとして数えた値です。

    実現した配当が 36 ポイントなら、(36 − 30)× 20 万円 = 120 万円の利益です。配当は 0 を下回らないため、買い手の損失は、配当が 0 のときの 600 万円までです。

    詳しくは: 配当スワップと配当先物

  3. 問 3

    架空の例として、ある株価指数のバリアンス・スワップを買います。ストライクはボラティリティで 25%(バリアンスで 625)、ベガ想定元本は 1 ポイントあたり 100 万円で、バリアンス想定元本は、ベガ想定元本をストライク(ボラティリティ)の 2 倍で割って決めます。満期の実現ボラティリティが 30%(バリアンスで 900)だったとき、買い手の受け取りはいくらですか。

    正解と解説

    正解: C

    バリアンス想定元本は、100 万円 ÷(2 × 25)= 2 万円です。買い手の受け取りは、バリアンス想定元本 ×(実現バリアンス − ストライク)なので、2 万円 ×(900 − 625)= 550 万円です。ボラティリティの差は 5 ポイントでも、2 乗した差は 275 になります。

    500 万円は、2 乗せずに、ボラティリティの差 5 ポイントに 100 万円を掛けた値です。同じ 25% をストライクにしたボラティリティ・スワップの受け取りに当たり、バリアンス・スワップの受け取りは、上がる側ではこの値を上回ります。1,100 万円は、バリアンス想定元本をストライクの 2 倍ではなくストライクで割った(100 万円 ÷ 25 = 4 万円)値です。

    実現ボラティリティが 20%(バリアンスで 400)なら、2 万円 ×(400 − 625)= −450 万円で、買い手が 450 万円を払います。同じ条件のボラティリティ・スワップでは、100 万円 ×(20 − 25)= −500 万円なので、下がる側では、バリアンス・スワップの買い手の払いのほうが小さくなります。

    詳しくは: バリアンス・スワップとボラティリティ・スワップ

  4. 問 4

    架空の例として、2 つの銘柄を参照するワースト・オブのコールとプットの価格を、次の前提で計算します。株価は 2 銘柄とも 100 円、ボラティリティは 20%、行使価格は 100 円、満期は 1 年、金利と配当は 0% で、各銘柄は幾何ブラウン運動に従い、ボラティリティと相関は一定とします。銘柄どうしの相関が 0.5 から 0 に下がったとき、価格の動きとして正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: A

    相関が低いと、一方が上がっているときに他方が下がっている場面が増え、最も低い値は低くなりやすくなります。ワースト・オブのコールは、最も低い銘柄でさえ行使価格を上回って初めて受け取りが生まれるので、価格が下がります。プットは、どれか 1 つの銘柄が行使価格を下回れば受け取りが生まれるので、価格が上がります。この前提で計算した価格は、相関 0.5 でコール 3.7 円、プット 11.7 円、相関 0 でコール 2.0 円、プット 13.3 円です(1 単位あたり)。

    相関が低いと値動きが打ち消し合ってリスクが小さくなる、という考えは、プットの価格も下がる選択肢につながります。ワースト・オブは、打ち消し合った全体ではなく、最も低い銘柄だけを見ます。コールの価格が上がる 2 つの選択肢は、最も低い銘柄が下がりやすくなる向きを逆にしています。

    相関が下がると、コールの買い手には不利に、プットの買い手には有利になります。売り手は逆です。価格は、ボラティリティと相関の置き方で変わるため、この向きは上の前提での結果です。

    詳しくは: ワースト・オブ型

  5. 問 5

    架空の例として、想定元本 1 億円、期間 4 年、1 年ごとに観測する株価指数のクリケットを買います。期ごとの値上がり率にローカル・キャップ 4%、ローカル・フロア 0% を当て、その合計にグローバル・キャップ 8%、グローバル・フロア 2% を当てた率が、想定元本に掛かります。各期の値上がり率が +6%、−3%、+2%、−9% だったとき、プレミアムを考えない満期の受け取りはいくらですか。

    正解と解説

    正解: B

    ローカルの上下限を当てると、各期は 4%、0%、2%、0% になり、合計は 6% です。6% はグローバルの下限 2% と上限 8% の間なので、そのまま受け取りの率になり、1 億円 × 6% = 600 万円です。下がった期の分は引かないため、指数が期間全体で約 4.6% 下がっていても(1.06 × 0.97 × 1.02 × 0.91 ≒ 0.954)、受け取りがあります。

    800 万円は、ローカル・キャップを当てず、上がった期の +6% と +2% を足した値(8%)です。200 万円は、期間全体で下がったのでグローバル・フロアの 2% だけを受け取ると考えた値です。ローカルの上下限を当てた合計の 6% は下限の 2% を上回るため、グローバル・フロアは効きません。

    4 期とも +6% で上がっても、ローカル・キャップで各期は 4% になり、合計の 16% はグローバル・キャップの 8% に切られて、受け取りは 800 万円までです。受け取りがプレミアムを上回るかどうかで、買い手の損益が決まります。

    詳しくは: クリケット

  6. 問 6

    架空の例として、額面 100 万円、当初の株価 2,000 円のオートコール付き仕組債が、早期償還されませんでした。1,200 円以下になるとノックインし、償還は 100 万円 × 満期の株価 ÷ 2,000 円、ならなければ 100 万円です。最安値 900 円、満期の株価 1,250 円のとき、満期の株価だけで判定する型と期間中の株価で判定する型の、クーポンを除く償還額はいくらですか。

    正解と解説

    正解: C

    満期の株価だけで判定する型では、満期の株価 1,250 円がノックインの水準 1,200 円を上回るので、ノックインせず、償還は額面の 100 万円です。期間中の最安値 900 円は使いません。期間中の株価で判定する型では、最安値 900 円が水準以下なのでノックインし、償還は 100 万円 × 1,250 円 ÷ 2,000 円 = 62.5 万円です。

    型を逆にした組は、満期の株価と期間中の株価の見方を取り違えています。45 万円は、ノックインしたときの償還の計算に満期の株価ではなく最安値の 900 円を使った値です(100 万円 × 900 円 ÷ 2,000 円)。どちらの型も 100 万円とする組は、期間中の最安値がノックインの水準を下回ることを見落としています。

    満期の株価が 1,200 円ちょうどなら、満期の株価だけで判定する型でもノックインして償還は 60 万円で、1,200 円を少しでも上回ると 100 万円です。ノックインしたときの損失は、ノックインして初めて効くノックイン・プットを売ったのと同じ形です。

    詳しくは: オートコール