架空の例として、輸入企業の A 社は、6 か月後に代金 100 万米ドルを払います。A 社は B 銀行と、その 100 万ドルを 1 ドル 148.00 円で買う為替予約を結びました。予約を結んだ日の直物相場は 1 ドル 150.00 円です。受渡日の直物相場が 1 ドル 140.00 円になったとき、予約がない場合と比べて、A 社の支払額はどうなりますか。
理解度チェック: 為替予約と為替スワップ
最終確認日: 2026年9月25日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「為替予約と為替スワップ」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: C
為替予約を結んだ A 社の支払額は、受渡日の直物相場にかかわらず 1 億 4,800 万円(100 万ドル × 148.00 円)です。予約がなければ、A 社は受渡日の直物相場でドルを買い、1 億 4,000 万円(100 万ドル × 140.00 円)を払います。そのため、予約がある A 社は、予約がない場合より 800 万円多く払います。逆に受渡日の直物相場が 160.00 円の円安なら、予約がない場合より 1,200 万円少なく済みます。どちらの場合も、為替リスクによる支払額の増減はありません。
「800 万円少なく済む」は、向きを取り違えています。「1,000 万円多く払う」は、予約相場を予約を結んだ日の直物相場 150.00 円と取り違えた額です(100 万ドル ×(150.00 − 140.00))。A 社の予約相場は 148.00 円です。予約がない場合と同じ額を払うのは、受渡日の直物相場が予約相場と同じ 148.00 円のときです。
詳しくは: 為替予約
問 2
架空の例として、直物相場が 1 ドル 150.00 円、円の金利が年 0.50%、ドルの金利が年 4.50% で、利息は円を 365 日、ドルを 360 日で数えるとします。このとき、180 日後に受け渡す先物相場は 147.061 円で、直物相場より円高です。この先物相場の説明として正しいものはどれですか。
正解と解説
正解: B
先物相場は、円のまま運用した結果と、ドルに換えて運用した結果が同じになる相場です。この関係を式にしたものが金利平価です。ドルの金利が円の金利より高いと、ドルに換えて預金したほうが高い金利で運用できます。2 つの運用の結果が同じになるには、180 日後にドルを円に戻す相場が、その分だけ直物相場より円高・ドル安でなければなりません。このように先物相場が直物相場より円高・ドル安のときを、ドル・ディスカウントと呼びます。この例の先物相場と直物相場の差(フォワード・ポイント)は −293.90 銭です。
先物相場は、市場参加者が将来の直物相場をどう見ているかを表す値ではありません。2 つの通貨の金利の差から決まります。ドル・プレミアムは逆に、円の金利がドルの金利より高く、先物相場が直物相場より円安のときの呼び方です。ドルの金利が高いことを「プレミアム」と結びつけると、呼び方を取り違えやすくなります。
詳しくは: 金利平価と先物為替相場
問 3
架空の例として、F 銀行は G 銀行と 1,000 万ドルの為替スワップを結びました。F 銀行は、ニア・レグ(先に受け渡す取引)で、1 ドル 150.00 円の相場でドルを買います。180 日後のファー・レグ(後で受け渡す取引)では、同じ 1,000 万ドルを 1 ドル 147.061 円の相場で売ります。ファー・レグで F 銀行が受け取る円の額はどれですか。
正解と解説
正解: A
為替スワップでは、同じ額の外貨を 2 つのレグで逆の向きに売買します。F 銀行は、ファー・レグで 1,000 万ドルを払い、14 億 7,061 万円(1,000 万ドル × 147.061 円)を受け取ります。ニア・レグで払った円は 15 億円(1,000 万ドル × 150.00 円)です。ファー・レグで受け取る円は、ニア・レグで払った円より 2,939 万円少なくなります。2 つのレグの相場の差は、フォワード・ポイントの −293.90 銭(−2.939 円)です。
「15 億円」は、ニア・レグで払った円の額と同じです。ファー・レグの相場は、ニア・レグの相場とフォワード・ポイントの分だけ違います。「2,939 万円」は、2 つのレグの円の額の差です。2 つのレグの間に、金利の受け払いもありません。
詳しくは: 為替スワップ
問 4
架空の例として、ある企業が銀行と NDF(ノン・デリバラブル・フォワード)を結びました。想定元本は 1,500 万ドル、約定相場(NDF で約定した相場)は 1 ドル 84.00 インド・ルピーで、企業はルピーを売ってドルを買う側です。決済の通貨はドルです。評価日(差額を決める日)のフィキシング(差額を決めるために使う相場)が 1 ドル 90.00 ルピーのとき、決済日の受け払いはどうなりますか。
正解と解説
正解: D
NDF では、2 つの通貨の元本を受け渡さず、差額だけをドルで受け払いします。ルピーの差額は、1,500 万ドル ×(90.00 − 84.00)で 9,000 万ルピーです。これをフィキシングの 90.00 で割った 100 万ドルが決済額です。想定元本を 、約定相場を 、フィキシングを とすると、ルピーを売る企業の受取額は です。
フィキシングが約定相場よりルピー安なので、ルピーを売る側の企業が受け取り、銀行が払います。逆にフィキシングがルピー高の 80.00 ルピーなら、企業が銀行に 75 万ドルを払います。「企業が銀行に 100 万ドルを払う」は、向きを取り違えています。約 107 万ドルは、9,000 万ルピーをフィキシングではなく約定相場の 84.00 で割った額(9,000 万 ÷ 84.00)で、式の割る相場を取り違えています。9,000 万ルピーは、ドルに換える前の差額です。
詳しくは: NDF
問 5
架空の例として、L 銀行は M 証券と、ドルの元本 1 億ドル、円の元本 150 億円、期間 2 年の通貨スワップを結びました。円の元本は、開始時の直物相場 1 ドル 150.00 円で換えた額です。L 銀行は開始時に円を渡してドルを受け取りました。元本を期中に調整しない形の取引で、満期の直物相場が 1 ドル 160.00 円のとき、満期の元本の交換はどうなりますか。
正解と解説
正解: B
元本を期中に調整しない通貨スワップでは、満期の元本の交換にも開始時の直物相場を使います。そのため、期中に直物相場が動いても、L 銀行は満期に開始時と同じ 1 億ドルを払い、150 億円を受け取ります。満期の直物相場 160.00 円で測ると、L 銀行が払う 1 億ドルは 160 億円にあたり、受け取る 150 億円との差の 10 億円が L 銀行の損になります。満期の直物相場が 140.00 円なら、L 銀行は逆に 10 億円の得になります。L 銀行が受け取った 1 億ドルを期間 2 年で貸し出していれば、貸出の返済でスワップのドルの支払いをまかなえるので、満期に受け取る円は、どちらの場合も 150 億円です。
160 億円は、満期の直物相場で元本を交換すると考えたときの額です。「L 銀行が 1 億ドルを受け取り、150 億円を払う」は、満期の交換の向きを取り違えています。開始時に円を払ってドルを受け取った L 銀行は、満期にはドルを払って円を受け取ります。10 億円は満期の元本の交換の損益で、元本を調整しない形では、差額ではなく元本そのものを交換します。
詳しくは: 通貨スワップ