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デリバティブ・コンパス

理解度チェック: 約定から期日まで

最終確認日: 2026年9月26日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「約定から期日まで」の章の内容を確かめる 6 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    取引報告書(契約締結時等交付書面)は、取引確認書(コンファメーション)とは別の書面です。取引報告書の説明として正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: C

    取引報告書は、金融商品取引法 37 条の 4 の「契約締結時等の情報の提供」の決まりに基づいて、金融機関が顧客に取引の内容を知らせる書面です。書く事項は内閣府令が決めていて、売買の別、数量、単価などの取引の中身のほかに、手数料や、顧客が金融機関に連絡する方法も入ります。

    同じ相手との取引に共通する条件を書き、相手ごとに 1 つ作るのは、基本契約書(マスター契約)です。顧客が特定投資家なら、この決まりは原則として適用されません。店頭デリバティブの取引で、契約するごとに取引の条件を書いた契約書を渡しているときも、この情報の提供は要りません。約定の前に渡す書面は、契約締結前交付書面です。

    詳しくは: 確認書(コンファメーション)

  2. 問 2

    1998 年の米国の連邦準備制度理事会の検査の手引きに沿うと、事業会社との為替予約の確認書は、誰がどこに送りますか。

    正解と解説

    正解: A

    検査の手引きでは、確認書を送るのは取引をしたフロントではなくバックです。フロントが約定して取引の条件をシステムに入力し、バックがその内容を確かめてから確認書を作って送ります。相手の側でも、取引をした担当から独立した部署あてに送ります。

    同じ手引きは、確認書を、実務の確かめと不正の防止に役立つ手段とし、取引の誤りや不正に対する最後の守りと位置づけていました。送る側と受け取る側のどちらか一方でも、取引をした担当が確認書を扱う形は、この手引きの手順と違います。確認書を受け取った顧客は、自社の記録と比べ、一致すれば署名した 1 通を返し、違っていれば違う項目を銀行に知らせます。

    詳しくは: 確認書(コンファメーション)

  3. 問 3

    銀行等取引残高確認書(以下、残高確認書)で、店頭デリバティブの時価が届く流れとして正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: C

    残高確認書では、顧客の監査人が、顧客の名前の依頼状を金融機関に送ります。金融機関は、依頼状で決めた日(確認基準日)の時価を含む取引の残高を、監査人に直接回答します。監査人が回答を金融機関から直接受け取るため、証明力の強い証拠になります。金融機関が顧客に知らせ、顧客が監査人に渡す形は、この直接の受け取りに当たりません。

    特定投資家でない顧客に、報告の期間の末日の未決済のデリバティブ取引の明細と評価損益を知らせるのは、金融商品取引法に基づく取引残高報告書です。顧客の求めに応じて時価と解約清算金の額などを知らせるのは、金融庁の「主要行等向けの総合的な監督指針」と「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」が、金融機関の態勢として確かめる点に挙げている報告です。どちらも、金融機関から顧客に届きます。

    詳しくは: 時価の報告

  4. 問 4

    架空の例として、ある事業会社は、変動金利(指標の金利に上乗せ幅を足した率)で 30 億円を借り、想定元本 30 億円の金利スワップで固定金利 1.2% を払い、借入れと同じ指標の変動金利を受け取っています。決算日の時価の報告で、このスワップの時価は −1,500 万円でした。この報告の読み方として正しいものはどれですか。

    正解と解説

    正解: B

    デリバティブ取引の価値は、契約の権利と義務の価値の純額で、マイナスなら金融負債になります。時価が −1,500 万円なのは、決算日の市場で見ると、この会社の権利(変動金利の受け取り)の価値が、義務(固定金利の支払い)の価値を下回っていることを示します。時価が +1,500 万円なら、その逆で、金融資産になります。マイナスの時価を金融資産と読むのは、符号の向きの取り違えです。

    時価がプラスでもマイナスでも、この会社はスワップで受け取る変動金利を借入れの利払いに充て、固定金利 1.2% を払う関係のままです。そのため、両方を期日まで続ければ、借入れの上乗せ幅を除いた利払いの率は 1.2% で変わりません。マイナスの時価を見て、利払いの率が上がったと読むのは誤りです。

    詳しくは: 時価の報告

  5. 問 5

    架空の例として、ある事業会社は、変動金利の借入れと、固定金利を払って変動金利を受け取る金利スワップを組み合わせています。借入れを期日の前に返し、顧客の申し出による期限前解約(中途解約)でスワップを終えます。会社から見たスワップの時価は +800 万円、時価に加わるコストは 150 万円(払う額を増やし、受け取る額を減らす向き)です。解約清算金は、会社から見てどうなりますか。

    正解と解説

    正解: A

    時価がプラスなので、会社は受け取る側です。コストは受け取る額を減らす向きに働きます。受け取る額は 800 万円 − 150 万円 = 650 万円です。

    800 万円は、時価をそのまま解約清算金とした値です。時価は取引の費用を除いて計算した値なので、実際に取引を終える額は、時価と同じとは限りません。150 万円を払うのは、時価を清算の額に入れず、コストだけを払うとした値です。解約清算金の出発点は取引の時価で、コストはそれに加わる額です。

    950 万円を払うのは、市場の金利が下がって、会社から見た時価が −800 万円になった場合です。固定金利を払い続ける約束が会社に不利になり、会社は時価とコストを合わせた 800 万円 + 150 万円 = 950 万円を払います。借入れとスワップを両方続けていれば、スワップの受け払いの増減は借入れの利息の増減と打ち消し合い、払う金利は固定されます。中途解約すると、スワップの側だけが、残りの期間の分をまとめて清算されます。

    詳しくは: 期限前解約

  6. 問 6

    金融庁の「主要行等向け」「中小・地域金融機関向け」「金融商品取引業者等向け」の 3 つの総合的な監督指針(2026 年 10 月版)は、約定の前に説明する中途解約と解約清算金の事項を着眼点に挙げています。このうち、主要行等向けと中小・地域金融機関向けにあり、金融商品取引業者等向けには項目がないものはどれですか。

    正解と解説

    正解: D

    期限の利益を失う事由の説明は、主要行等向けと中小・地域金融機関向けの監督指針にだけあります。この 2 つは、銀行の融資取引にデリバティブ取引が含まれるとき(デリバティブ取引だけを行うときを含む)が対象です。銀行との取引では、銀行取引約定書などに定める期限の利益を失う事由に当たると、デリバティブ取引も期限の利益を失い、顧客に解約清算金を払う義務が生じる場合があります。

    ほかの 3 つは、3 つの監督指針のどれにもあります。原則として中途解約できない取引ならその旨を説明し、最悪のシナリオを想定した解約清算金の試算額と、それを超える可能性があればその旨も説明します。顧客が許容できる解約清算金の額を確かめ、最悪のシナリオでなくても許容額を超える可能性があることも、説明の対象です。

    詳しくは: 期限前解約