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デリバティブ・コンパス

理解度チェック: 日々の業務

最終確認日: 2026年9月26日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「日々の業務」の章の内容を確かめる 6 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    架空の例として、想定元本 200 億円の金利スワップを約定し、固定金利 年 1.5% を払うことにしました。約定の入力で想定元本を 20 億円と誤って入れた場合、社内の記録の支払いは毎年いくら少なくなり、米国の連邦準備制度理事会の検査の手引き(1998 年)は誤りを見つけて知らせる場所をどこと位置づけていますか。

    正解と解説

    正解: A

    システムは、入力した条件で計算します。固定金利の支払いは、入力した想定元本から 20 億円 × 1.5% = 3,000 万円と記録されます。約定どおりなら、200 億円 × 1.5% = 3 億円です。記録は約定どおりの額より、毎年 3 億円 − 3,000 万円 = 2.7 億円少なくなります。3,000 万円は記録された支払いの額で、少なくなる額ではありません。

    入力した記録は、1 つの業務だけでなく、その後の業務のもとになります。金融機関は約定の記録を、会計の記帳と満期までの決済に使います。記録した取引は定期的に評価し直し、満期の支払いの指図もこの記録から出します。そのため、支払いだけでなく、時価と持ち高も 10 分の 1 の取引として計算されます。

    1998 年の検査の手引きは、フロント(営業・トレーディング)とバック(事務・決済)の職務を分け、バックを、入力の誤りを見つけてフロントのトレーダーに知らせる場所と位置づけています。ミドル(リスク管理など)が限度を確かめる形では、確かめるのは入力した取引が限度に収まるかで、入力を約定の記録と照らすのはバックです(限度を誰が確かめるかは金融機関によって違います)。

    詳しくは: 約定の管理

  2. 問 2

    店頭デリバティブの取引期間中に起きる出来事(ライフサイクル・イベント)のうち、元の取引が終わらずに続くものはどれですか。

    正解と解説

    正解: D

    当事者が交渉して条件を変えたときは、取引は続き、条件だけが新しくなります。取引が続くイベントには、ほかに、利息の期間ごとの金利の確定と利払いがあります。

    ほかの 3 つでは、元の取引が終わり、別の取引に置き換わります。取引の全部を第三者に移すノベーションでは、元の取引が終わり、残る当事者と新しく入った当事者の間に新しい取引ができます。清算機関への持ち込みでは、元の当事者どうしの取引が終わり、清算機関を相手にする取引に置き換わります。スワップションを行使すると、原資産の金利スワップが新しい取引として生まれます。スワップが始まるので取引が続くように見えますが、スワップションの取引そのものは終わります。

    詳しくは: 取引期間中のイベント処理

  3. 問 3

    架空の例として、金利スワップを扱うあるデスクでは、損益の説明で、説明できない損益の大きさ(プラスかマイナスかを問わない)が 100 万円を超えたら原因を調べると決めています。ある日の損益を要因に分けると、市場の動きが −700 万円、時間の経過が 100 万円、新しい取引が 200 万円で、実際の損益は −550 万円でした。この日の説明できない損益と、その扱いの組み合わせはどれですか。

    正解と解説

    正解: B

    説明できない損益は、実際の損益から、要因に分けた損益(説明できた損益)を引いて求めます。説明できた損益は、−700 + 100 + 200 = −400 万円です。説明できない損益は、−550 − (−400) = −150 万円です。大きさの 150 万円が基準の 100 万円を超えるので、原因を調べます。

    説明できた損益から実際の損益を引くと、符号が逆の 150 万円になります。新しい取引の 200 万円を足し忘れると、説明できた損益は −600 万円で、説明できない損益は 50 万円に見えます。時間の経過の 100 万円を足し忘れると、説明できた損益は −500 万円で、説明できない損益は −50 万円に見えます。

    米国の連邦準備制度理事会の検査の手引き(2003 年 4 月)では、説明できない損益が大きいときは、評価の手続きに誤りがあり、報告した利益が多すぎたり少なすぎたりしているおそれがあります。調べた結果によっては、評価のモデルを直したり、評価の入力値の選び方を見直したりします。説明できない損益が利益の向きに出た日も、損失の向きと同じく調べる対象です。

    詳しくは: 日次の時価と損益の確定

  4. 問 4

    架空の例として、ある金融機関は、金利のトレーディングのデスクに、VaR の限度枠 20 億円を置き、枠の 75% の水準にアラームポイントを置いています。ある日のデスクの VaR は 16 億円でした。2019 年の日本銀行の研修資料の説明に沿うと、この日の枠の使用率と、この日にすることの組み合わせはどれですか。

    正解と解説

    正解: C

    使用率は、その日の値を限度枠で割って求めます。16 ÷ 20 = 80% です。アラームポイントは 20 億円の 75% の 15 億円で、VaR の 16 億円はこれを超えていますが、限度枠の 20 億円には届いていません。アラームポイントは、枠を超える前に気づけるよう、枠より低い水準に置くものです。超えたら注意を促したり、今後の運用方針を話し合ったりします。

    限度枠をその日の値で割ると、20 ÷ 16 = 125% になり、枠を超えたと取り違えます。持ち高を強制的に減らすか閉じるのは、ハードリミットで枠を超えたときの決まりです。ハードリミットでは、枠を超えたらすぐ持ち高を減らすことになるため、アラームポイントを超えた段階で、枠を超えたときの対応を先に話し合っておけます。上位の管理者から書面で承認を受けるのは、1998 年の米国の連邦準備制度理事会の検査の手引きでは、市場リスクの枠を超えるときの手続きでした。

    詳しくは: リスク管理の日次業務

  5. 問 5

    架空の例として、ある金融機関が取引相手と結んだクレジット・サポート・アネックス(CSA)の閾値は双方 0、最低受渡額は 1 億円で、国債のヘアカットは 2%(時価から 2% 差し引く)です。金融機関が相手から担保として受け取っているのは、現金 3 億円と時価 10 億円の国債です。この日、金融機関から見た取引の時価の合計は 15 億円でした。この日の担保の受け渡しはどうなりますか。

    正解と解説

    正解: D

    国債の評価額は、時価 10 億円から 2% を引いて、10 − 10 × 0.02 = 9.8 億円です。受け取っている担保の評価額は、現金と合わせて 3 + 9.8 = 12.8 億円です。閾値が 0 なので、時価の合計の全額を担保で埋めます。受け渡す額は 15 − 12.8 = 2.2 億円です。2.2 億円は最低受渡額の 1 億円を超えるので、相手が金融機関に 2.2 億円を差し入れます。

    ヘアカットを引き忘れると、担保の評価額を 13 億円とし、受け渡す額を 2 億円と数えてしまいます。最低受渡額は、受け渡すかどうかを決める基準で、受け渡す額から差し引くものではありません。そのため、2.2 − 1 = 1.2 億円にはなりません。時価が金融機関に有利に動いた日は相手が担保を出し、不利に動いた日は金融機関が担保を返します。仮に時価の合計が 11 億円に下がれば、11 − 12.8 = −1.8 億円で、金融機関が相手に 1.8 億円を返します。

    詳しくは: 担保管理

  6. 問 6

    ある金融機関が、決済日に取引相手に資金を払い、同じ日に取引相手から資金を受け取ります。1999 年の米国の連邦準備制度理事会の検査の手引きの測り方と、2000 年の日本銀行の資料の考え方に沿うと、この取引相手への決済リスクを抱える期間は、いつからいつまでですか。

    正解と解説

    正解: B

    1999 年の検査の手引きは、取引相手への決済リスクを、支払いの指図を自社だけでは取り消せなくなる時刻から、入金の照合が済むまでの間に抱える額として測ります。支払いの指図は、送った後でも、決められた時刻までなら取り消せます。送っただけでは、まだ支払いを止められるので、抱え始めるのは取り消せなくなる時刻です。

    2000 年の日本銀行の資料は、決済リスクがなくなる時刻を、入金があった時刻ではなく、入金を確かめた時刻とみて管理するとしています。照合が遅れると、決済リスクを抱える時間が長くなります。たとえば、決済日の翌日の午前中まで照合できないと、前日に払ってこなかった取引相手に、その日の支払いを取り消せないまま送ってしまうことがあります。

    詳しくは: 決済