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デリバティブ・コンパス

理解度チェック: 市場インフラ

最終確認日: 2026年10月15日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「市場インフラ」の章の内容を確かめる 6 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    金融市場インフラのための原則(PFMI)が対象とする 5 種類のうち、証券集中振替機関(CSD)は何をする機関ですか。

    正解と解説

    正解: C

    金融市場インフラは、機能で分けると、資金決済システム、CSD、証券決済システム、清算機関、取引情報蓄積機関の 5 種類です。CSD の役割は、証券の口座を提供し、集中管理や償還などの管理のサービスを提供することです。 帳簿上の振替で証券の移転と決済を行うのは、証券決済システムです。取引データの電子的な記録を集中して管理するのは取引情報蓄積機関、取引の当事者の間に入って取引の履行を確保するのは清算機関です。 同じ事業体が複数の種類の機能を果たすこともあり、たとえば多くの CSD は、証券決済システムも運営しています。

    詳しくは: 市場インフラの全体像

  2. 問 2

    清算会員でない顧客が、清算会員に清算を依頼します。このとき、清算機関に対して顧客の債務の履行に責任を負うのは誰ですか。

    正解と解説

    正解: A

    清算機関に対して顧客の債務の履行に責任を負うのは、直接参加者である清算会員です。清算機関に直接参加する者を直接参加者、直接参加者を通して使う者を間接参加者と呼びます。 顧客は間接参加者にあたり、清算機関に対して直接責任を負う者ではありません。ほかの直接参加者が、依頼を受けていない顧客の債務の履行まで均等に負うわけでもありません。

    詳しくは: 清算機関(JSCC、LCH、CME など)

  3. 問 3

    日本の金融商品取引法で、取引情報を取引情報蓄積機関に送る者は、どう決められていますか。

    正解と解説

    正解: D

    金融商品取引法は、清算機関(金融商品取引清算機関等)に、自らが債務を負担した取引の情報を送らせます。金融商品取引業者等には、原則として、清算機関が債務を負担した取引を除く取引の情報を送らせます。清算機関が債務を負担した取引のうち、送る対象になるのは内閣府令が定める取引に限ります。 送る者は、清算機関が債務を負担したかどうかで分かれます。

    詳しくは: 取引情報蓄積機関

  4. 問 4

    架空の例として、ある参加者が、同じ清算機関で清算する、満期と変動金利の指標が同じ 2 本の金利スワップを持ちます。固定金利は年 2%、変動金利は年 3% で、固定金利を払う取引 A の想定元本は 100 億円、固定金利を受け取る取引 B は 60 億円です。 コンプレッションで取引 B を全部、取引 A を 60 億円分だけ解約すると、1 年分の利息の受け払いの合計は、前後でどうなりますか。

    正解と解説

    正解: B

    解約前は、取引 A が 100 億円 × (3% − 2%) = 1.0 億円の受け取りです。 取引 B は、60 億円 × (2% − 3%) = −0.6 億円で、0.6 億円の支払いです。合計は 1.0 億円 − 0.6 億円 = 0.4 億円の受け取りです。 解約後は、取引 A の想定元本が 40 億円になるため、40 億円 × (3% − 2%) = 0.4 億円の受け取りで、解約前の合計と同じです。 想定元本の合計は 160 億円から 40 億円に減りますが、受け払いの合計は減りません。コンプレッションは、リスク量を概ね変えないまま、想定元本の総額で測る残高を小さくします。 0.1 億円は、0.4 億円を想定元本の合計の比(40 ÷ 160)で減らした値です。1.0 億円は取引 B の支払いだけをなくした値、0.2 億円の支払いは取引 A の解約分の受け取り 0.6 億円だけをなくした値(0.4 − 0.6)で、どちらも反対側の受け払いも同時になくなることを見落としています。

    詳しくは: コンプレッション

  5. 問 5

    架空の例として、清算会員の H 社が破綻し、清算機関の損失を、H 社の資金、清算機関自身の資金、破綻していない会員の清算基金の順に埋めます。 H 社の証拠金と清算基金への拠出は合わせて 80 億円、清算機関自身の資金は 10 億円、ほかの会員の清算基金は合計 200 億円です。損失が 150 億円と確定したとき、破綻していない会員の清算基金から出る額はいくらですか。

    正解と解説

    正解: C

    損失の負担の順序に沿って、先の財源から使います。まず H 社の資金 80 億円を使い、残りは 150 − 80 = 70 億円です。次に清算機関自身の資金 10 億円を使い、残りは 70 − 10 = 60 億円です。この 60 億円を、破綻していない会員の清算基金から出します。200 億円の範囲内なので、足ります。 70 億円は、清算機関自身の資金を使う段を飛ばした値です。140 億円は、H 社の資金を使う段を飛ばした値(150 − 10)です。10 億円は、清算機関自身の資金の額で、破綻していない会員の負担の額ではありません。

    詳しくは: 清算機関の破綻処理

  6. 問 6

    架空の例として、スワップ・ディーラー 2 社が、スワップごとに時価を照らし合わせます。米国の CFTC の規則では、高い方の時価の 10% 未満の差は、食い違いとみなさなくてよいとされています。 2 社の時価がどちらもプラスのとき、照合の紛争の解決の対象となる食い違いとして扱うのは、次のどのスワップですか。

    正解と解説

    正解: D

    10% の線は、差が高い方の時価の 10% 未満かどうかで決まります。4.00 億円と 3.62 億円は、差 0.38 億円で 9.5% です。3.00 億円と 2.75 億円は、差 0.25 億円で約 8.3% です。1.50 億円と 1.40 億円は、差 0.10 億円で約 6.7% です。3 つとも 10% 未満なので、食い違いとみなさなくてよい差です。 2.00 億円と 1.80 億円は、差 0.20 億円で、高い方の時価のちょうど 10% です。「10% 未満」ではないため、食い違いとして扱います。

    詳しくは: ポートフォリオの照合