架空の例として、原資産の今の価格を 20,000 円とします。行使価格 21,000 円のプット・オプション(プット)のプレミアムが 1,300 円のとき、このプットの時間的価値はいくらですか。
理解度チェック: オプションの基本
最終確認日: 2026年9月25日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「オプションの基本」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: C
オプションのプレミアムは、本質的価値と時間的価値に分けられます。本質的価値は今権利を行使したとすると得られる値打ちで、時間的価値はプレミアムのうち本質的価値を超える部分です。プットの本質的価値は「行使価格 − 原資産の価格」なので、21,000 − 20,000 = 1,000 円です。時間的価値は、プレミアムから本質的価値を引いた 1,300 − 1,000 = 300 円です。時間的価値は、満期までに原資産の価格が有利な向きに動くことへの期待の値打ちで、満期が近づくと減ります。
1,300 円は、コール・オプション(コール)の式で本質的価値を「原資産の価格 − 行使価格」と計算すると選ぶ値です。20,000 − 21,000 はマイナスなので本質的価値をゼロとし、プレミアムのすべてを時間的価値とみなすことになります。プットは行使価格が原資産の価格より高いと本質的価値があり、この例のプットもそうです。1,000 円は本質的価値そのもので、2,300 円はプレミアムに本質的価値を足した値(1,300 + 1,000)です。
詳しくは: オプションの基本(コールとプット)
問 2
架空の例として、原資産を行使価格 200 円で売る権利(プット)を、プレミアム 8 円で 1 単位売ったとします。プレミアムを受け取る時点と満期の時点の間の金利、取引の手数料と税金は考えません。満期の原資産の価格が 180 円のとき、この売り手の満期の損益はいくらですか。
正解と解説
正解: A
プットの売り手は、満期の価格が行使価格の 200 円を下回ると行使され、200 円で原資産を買い取る義務を負います。そのため損益は「満期の価格 − 行使価格 + プレミアム」で、180 − 200 + 8 = −12 円、つまり 12 円の損失です。損益分岐点は 200 − 8 = 192 円で、満期の価格が 192 円を下回ると損失、上回ると利益になります。
満期の価格が 200 円以上なら行使されず、受け取った 8 円がそのまま利益になります。ただし、売り手の利益はこの 8 円までです。一方で損失は価格が下がるほど増え、原資産の価格が 0 円を下回らないとすると、価格が 0 円のときの 192 円が最大です。
12 円の利益は、同じプットの買い手の損益です。買い手は行使して 200 − 180 = 20 円のペイオフを得て、払ったプレミアムの 8 円を差し引くと 12 円の利益になります。同じオプションの買い手と売り手の損益は符号だけが逆で、足すと 0 になります。20 円の損失は、受け取ったプレミアムの 8 円を足し忘れた値です。8 円の利益は、行使されない場合(満期の価格が 200 円以上)の損益です。
詳しくは: オプションのペイオフと損益
問 3
満期までいつでも行使できるアメリカン・オプションでは、満期の前に行使するか、満期まで待つかを選べます。金利はプラスとします。次のオプションの買い手のうち、満期の前に行使するほうが有利になり得るのはどれですか。
正解と解説
正解: B
プットで得られる額は行使価格が上限なので、株価が大きく下がったときは、待って増える分が小さくなります。架空の例で、行使価格 200 円のプットで株価が 10 円なら、今行使して 190 円を受け取れます。満期まで待っても受け取りは最大で 200 円で、増える余地は 10 円までです。一方で、今受け取った 190 円には満期まで金利が付きます。そのため、配当のない株でも、早く行使するほうが有利になることがあります。
配当のない株のコールは、満期の前に行使するより、市場で売るほうが受け取る額が大きくなります。架空の例で、行使価格 200 円、株価 230 円、コールの市場での価格が 34 円とします。今行使して受け取るのは本質的価値(今行使したときの値打ち)の 230 − 200 = 30 円で、売れば 34 円です。金利がプラスで配当がないとき、コールの価格は満期前には本質的価値より高くなるためです。差の 4 円が時間的価値で、満期前に行使すると、この分を手放すことになります。コールの価格が本質的価値より高いとき(選択肢 C)も、同じ理由で売るほうが有利です。
満期の日にだけ行使できるヨーロピアン・オプションは、満期の前には行使できません。配当のない株のコールでは早く行使する理由がないため、アメリカン・オプションとヨーロピアン・オプションの価値は同じになります。原資産の価格が行使価格を大きく上回っているときに早く行使するほうが有利になり得るのは、配当や利息を払う原資産のコールです。受け取る配当や利息が、行使価格を早く払う分の金利より大きいときに限られ、配当のない株のコールには当てはまりません。
問 4
架空の例として、配当のない原資産の今の価格を 200、満期を 1 年後、1 年の割引係数を 0.97 とします。この原資産の、行使価格 200、満期 1 年後のヨーロピアン・オプションのプットの価格は 10 です。原資産、行使価格、満期が同じコールの価格をプット・コール・パリティから求めると、いくらですか。
正解と解説
正解: D
プット・コール・パリティでは、原資産、行使価格、満期が同じヨーロピアン・オプションのコールの価格 とプットの価格 、原資産の今の価格 、行使価格 、満期までの割引係数 の間に、次の関係が成り立ちます。
行使価格の現在価値は 200 × 0.97 = 194 なので、コールの価格はプットの価格より 200 − 194 = 6 高く、10 + 6 = 16 です。この関係は、2 つの組み合わせの比較から導かれます。1 つはコールの買いとプットの売り、もう 1 つは原資産の買いと、満期に を返す約束の借入です。今借りられる額は の現在価値の なので、2 つ目を今作るのに要るお金は です。どちらも満期の受け払いが「満期の価格 − 」になるため、今の価値も同じになります。
6 はコールとプットの価格の差で、プットの価格を足し忘れた値です。4 は差の向きを逆にし、プットの価格から 6 を引いた値です。10 は割引を考えない(割引係数を 1 とする)と選ぶ値で、金利が 0 なら行使価格 200 のコールとプットの価格は等しくなりますが、この例の割引係数は 0.97 です。
価格の差が式から外れたときは、割高な側を売って割安な側を買う裁定取引で、手数料などの費用を除けば差額を確定できます。
詳しくは: プット・コール・パリティ
問 5
架空の例として、今の株価が 200 円の株を原資産とし、満期が同じで行使価格 200 円のコールとプットを、プレミアム 9 円ずつで両方売ったとします(ストラドルの売り)。この組み合わせの満期の損益について、正しいものはどれですか。
正解と解説
正解: B
組み合わせの満期の損益は、組み合わせた取引それぞれの満期の損益を足したものです。ストラドルの売りの損益の形は、同じコールとプットを両方買うストラドルの買いを、上下に折り返したものです。受け取るプレミアムは合わせて 9 + 9 = 18 円です。満期の株価が 230 円なら、売ったコールが行使されて 230 − 200 = 30 円の損失になり、損益は 18 − 30 = −12 円、つまり 12 円の損失です。株価が上がるほど、売ったコールの損失は際限なく増えます。
下がる側では、売ったプットの損失が増えます。ただし、損失は株価が 0 になったときの 200 − 18 = 182 円が最大です。そのため、損失に上限がないのは上がる側だけで、182 円を下回っても利益にはならず、損失が増えます。
損益分岐点は「行使価格 ± 受け取ったプレミアムの合計」の 182 円と 218 円で、株価がその間なら利益が残ります。株価がちょうど 200 円なら、どちらも行使されず、受け取った 18 円がそのまま利益で、これが最も大きな利益です。「200 円のとき損失が最も大きい」「182 円から 218 円の間なら損失」「182 円を下回ると利益」は、ストラドルの買いの損益の形です。
詳しくは: オプションの組み合わせ戦略