本文へ移動
デリバティブ・コンパス

理解度チェック: 基本構造

最終確認日: 2026年9月24日

下書きです。公開前の確認のために表示しています。

「基本構造」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。

  1. 問 1

    次のうち、デリバティブの取引で、損失が取引を始めるときに払った代金までに限られる立場はどれですか。

    正解と解説

    正解: D

    オプションは、ある金融商品(原資産)をあらかじめ決めた価格(行使価格)で売買するかどうかを選べる権利の取引で、買い手は権利を買う代金(プレミアム)を払います。買い手は得になるときだけ権利を行使するため、損失は払ったプレミアムまでに限られます。価格が行使価格より有利な向きに動き、その幅が払ったプレミアムを上回れば、買い手は得をします。

    売り手は、プレミアムを受け取る代わりに、買い手が行使すればそれに応じる義務を負います。そのため、売り手の損失は受け取ったプレミアムを大きく上回ることがあります。買う権利(コール)の売り手の損失は、原資産の価格が上がるほど大きくなり、上限がありません。

    先渡取引で買う側は、約束した後に原資産の価格が上がれば得、下がれば損で、下がった分だけ損失が出ます。金利スワップで固定金利を払って変動金利を受け取る側は、金利が上がれば得、下がれば損です。どちらも、値動きの向きによって得も損も出ます。

    詳しくは: デリバティブとは

  2. 問 2

    架空の例として、原資産 2 億円分の先物取引を、証拠金 1,000 万円を差し入れて買ったとします。原資産の価格が 8% 下がったとき、この先物取引の損失はいくらですか。

    正解と解説

    正解: B

    先物取引の損益は、差し入れた証拠金ではなく、原資産 2 億円分の取引の大きさに対して出ます。2 億円 × 8% = 1,600 万円の損失で、差し入れた証拠金の 1,000 万円を上回ります。価格が同じ 8% 上がれば、1,600 万円の利益です。少ない元手で大きな取引ができることをレバレッジ効果といい、大きな利益が出ることがある一方で、見通しを誤れば損失も大きくなります。

    80 万円は、証拠金の 1,000 万円に 8% を掛けた値で、損益が証拠金に対して出ると考えると選びます。1,000 万円は、損失が差し入れた証拠金までに限られるという思い込みから出る値です。先物取引の損失は、差し入れた証拠金を上回ることがあります。

    詳しくは: デリバティブとは

  3. 問 3

    架空の例として、原資産の今の価格が 200 円、1 年の資金を年 3% で借りられ、原資産を 1 年持つと 2 円の利子を受け取れるとします。現物価格に調達コストを足し、保有中の収入を引く考え方(保有コストモデル)で、1 年後の先渡価格はいくらですか。

    正解と解説

    正解: A

    資金の調達コストは 200 × 3% で 6 円なので、先渡価格は 200 + 6 − 2 = 204 円です。この水準になる理由は、原資産を渡す約束をした側で考えると分かります。その側は今原資産を買って満期まで持てば、約束どおりに渡せます。買うための資金の調達コストを買った価格に足し、持っている間に受け取る利子を引いた価格にすれば、損をしません。

    206 円は、調達コストの 6 円を足しただけで、受け取る利子の 2 円を引き忘れた値です。200 円は、現物の価格をそのまま先渡価格とした値で、満期まで持つためのコストを入れていません。196 円は、調達コストを引いて利子を足した値で、足し引きの向きが逆です。

    詳しくは: 先渡しと先物

  4. 問 4

    先渡取引と先物取引の違いについて、正しいのはどれですか。

    正解と解説

    正解: C

    先物取引では、取引所を通じて知らない多数の相手と売買するため、相手が約束を守るかどうかが問題になります。そこで、持っている取引を毎日の終値で評価し直して損益を計算し(値洗い)、その損益をいったん精算して、十分な証拠金を求めています。先渡取引には、取引所の値洗いはありません。2 つは将来の売買を予約する点では同じで、違いは取引の場とそれに伴う制度にあります。

    先物取引は、途中で反対の売買ができるように、取引所が契約の条件(対象、受け渡す時期など)を標準化した先渡取引です。先渡取引は当事者どうしが条件を決め、取引所で反対売買して終える仕組みはありません。満期の決済の方法は商品によって決まっていて、日経225先物は差額だけを受け払いする差金決済ですが、長期国債先物は国債と代金を受け渡す受渡決済です。

    詳しくは: 先渡しと先物

  5. 問 5

    架空の例として、A 社は変動金利で 30 億円を借り、B 銀行と想定元本 30 億円のスワップ(A 社が年 3% の固定金利を払い、変動金利を受け取る)を結んでいます。借入の金利はスワップの変動金利と同じで、差額だけを払い合います。変動金利が 1% の年に、借入の利息とスワップの受け払いを合わせた A 社の負担はいくらですか。

    正解と解説

    正解: B

    A 社はスワップで、固定金利の 0.9 億円(30 億円 × 3%)を払い、変動金利の 0.3 億円(30 億円 × 1%)を受け取るので、差し引き 0.6 億円を B 銀行に払います。借入の利息は 0.3 億円なので、合わせた負担は 0.9 億円(年 3%)です。

    変動金利が 4% の年は、借入の利息が 1.2 億円に増えます。スワップでは 1.2 億円を受け取り 0.9 億円を払うので、差し引き 0.3 億円を受け取ります。負担はやはり 0.9 億円です。変動金利の借入に固定金利を払うスワップを組み合わせると、固定金利の借入と同じ形になり、金利が上がったときの負担に備えるヘッジになります。B 銀行のスワップの受け払いは、どちらの年も A 社の符号を逆にした額です。

    0.3 億円は、借入の利息だけを見て、4% の年より借入の利息が減った分の得が残るとした値です。実際には、スワップでの支払いが増えて借入の利息の減った分と打ち消し合うため、その得は受けられません。0.6 億円は、スワップの差額の支払いだけを見て、借入の利息を足し忘れた値です。1.2 億円は、スワップの固定金利の 0.9 億円に借入の利息 0.3 億円を足し、スワップで受け取る変動金利の 0.3 億円を引き忘れた値です。

    詳しくは: スワップの基本構造