架空の例として、行使価格 100、期間 1 年のコール・オプション(コール)を考えます。原資産の価格を 3 か月ごとに 4 回(最後は満期の日)観測し、順に 105、117、99、111 でした。4 回の観測の平均から行使価格を引いた額を受け取るアジアン・オプションの受け取りは、いくらですか。
理解度チェック: エキゾチック・オプションの型
最終確認日: 2026年9月25日
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「エキゾチック・オプションの型」の章の内容を確かめる 7 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: B
アジアン・オプションは、期間中の平均の価格で受け取りを決める経路依存型オプションです。4 回の観測の平均は (105 + 117 + 99 + 111) ÷ 4 = 108 です。受け取りは、平均から行使価格を引いた 108 − 100 = 8 です。
11 は、満期の価格の 111 から行使価格を引いた値です。満期の価格だけで受け取りが決まる標準的なコール(バニラ・オプション)なら、受け取りは 11 になります。17 は、最高値の 117 から行使価格を引いた値で、最高値で受け取りを決めるルックバック・オプションの受け取りの形です。7 は、満期の日の観測を平均に入れ忘れ、(105 + 117 + 99) ÷ 3 = 107 から計算した値です。平均で決めるアジアン・オプションも、最高値で決めるルックバック・オプションも、エキゾチック・オプションのうちの経路依存型です。この価格の並びでは、平均、最高値、満期の価格のどれで決めるかで、受け取りが 8、17、11 と変わります。
詳しくは: エキゾチック・オプションの全体像
問 2
バリア・オプションのうち、満期にだけ行使できるアップ・アンド・アウト・コール(ノックアウト)とアップ・アンド・イン・コール(ノックイン)を考えます。行使価格、バリア、満期は同じで、リベートはありません。バリアの監視を、常に見る連続監視から、毎日の終値などにだけ見る離散監視に変えると、2 つの価格はどう変わりますか。
正解と解説
正解: A
離散監視では、見ていない時点にバリアを越えて戻った経路は、触れなかったことになります。そのため、連続監視よりバリアに触れにくくなります。権利が消えにくいノックアウトは価格が高く、権利が生まれにくいノックインは価格が低くなります。
「ノックアウトは低くなる」は、離散監視のほうがバリアに触れやすいという誤解から出る答えです。「ノックアウトは変わらず、ノックインは低くなる」は、2 つの価格の和が変わらないことと合いません。リベートのないこの例では、和は、行使価格と満期が同じでバリアのないコール(バニラ・コール)の価格に等しくなります。バニラ・コールはバリアを見ないため、監視の方式を変えても価格は変わりません。ノックインが低くなれば、和を保つために、ノックアウトは高くなります。「どちらも変わらない」は、監視の方式が価格に効かないと思い込んだ答えです。ノックアウトとノックインの価格は、どちらも監視の方式で変わります。
詳しくは: バリア・オプション
問 3
架空の例として、行使価格 200 円、支払額 20 円のキャッシュ・オア・ナッシングのデジタル・オプションのコール(デジタル・コール)を、プレミアム 9 円で買いました。プレミアムの金利、取引の手数料と税金は考えません。満期の原資産の価格が 260 円のとき、買い手の満期の損益はいくらですか。
正解と解説
正解: C
キャッシュ・オア・ナッシングのデジタル・コールは、満期の価格が行使価格を超えていれば決めた額を受け取り、超えていなければ何も受け取りません。超えた幅が大きくても受け取る額は変わらないため、満期の価格が 260 円でも、受け取りは 20 円です。先に払ったプレミアムを引くと、損益は 20 − 9 = 11 円の利益です。満期の価格が 200 円以下なら受け取りはなく、払ったプレミアムの 9 円が損失になります。
51 円の利益は、同じ行使価格の標準的なコール(バニラ・コール)のように受け取るとした値です。その場合の受け取りは 260 − 200 = 60 円です。プレミアムを引くと 60 − 9 = 51 円になります。バニラ・コールの受け取りは満期の価格とともに増えますが、デジタル・コールは行使価格を超えたところで 0 円から 20 円に跳び、その先は増えません。20 円の利益は、プレミアムを引き忘れた値です。9 円の損失は、満期の価格が行使価格を超えなかった場合の損益です。
詳しくは: デジタル・オプション
問 4
架空の例として、原資産の価格を毎月末に 6 回観測し、6 回目を満期とする、平均価格型のアジアン・オプションのコールを考えます。平均は算術平均で、行使価格を上回っているとします。4 回目の観測が終わった時点で、まだ観測していない 2 回の価格がどちらも 1 円上がると、コールの受け取りは約何円増えますか。
正解と解説
正解: D
観測済みの 4 回の価格は後から変わらないため、平均を動かせるのは、まだ観測していない 2 回の価格だけです。平均は 6 回の価格の合計を 6 で割った値で、2 回の価格がどちらも 1 円上がると、合計は 2 円増えます。平均は 2 ÷ 6 = 約 0.33 円上がり、平均が行使価格を上回っているため、受け取りも同じだけ増えます。この約 0.33 円は、受け取りが原資産の価格の動きに反応する大きさ(デルタに当たるもの)の上限です。観測が進むほど、この上限は下がります。
1 円は、満期の価格だけで受け取りが決まる標準的なコール(バニラ・オプション)の動きです。バニラ・オプションは、行使価格を超えているとき、満期の価格が 1 円動けば受け取りも 1 円動きます。約 0.83 円は、平均行使価格型で、最後の観測の価格だけが 1 円上がったときの動きです。この型の受け取りは「満期の価格 − 平均」で、最後の観測の価格だけが 1 円上がると 5 ÷ 6 = 約 0.83 円動きます。約 0.17 円は、2 回のうち 1 回だけが上がったと数えた 1 ÷ 6 の値です。
受け取りの動きが小さいので、買い手にとっては、満期の直前に原資産の価格が上がっても受け取りが増えにくくなります。反対に、直前に下がっても、受け取りは減りにくくなります。
詳しくは: アジアン・オプション
問 5
ルックバック・オプションのうち、変動行使価格型のコールの満期の受け取りは、どのように決まりますか。開始日と満期の価格も観測する通常の形で考えます。
正解と解説
正解: B
変動行使価格型のコールは、期間中の最安値で原資産を買える権利で、受け取りは満期の価格から最安値を引いた額です。最安値の候補には満期の価格も入るため、この額はマイナスになりません。また、開始日の価格も最安値の候補なので、受け取りは、行使価格を開始日の価格とした標準的なコール(バニラ・オプション)を下回りません。
期間中の最高値から満期の価格を引いた額は、変動行使価格型のプット・オプション(プット)の受け取りで、コールとプットを取り違えた答えです。期間中の最安値から満期の価格を引いた額は、正解の引き算の向きを逆にした値で、0 以下になります。満期の価格から開始日の価格を引いた額は、行使価格を開始日の価格とした標準的なコールの受け取り(マイナスなら 0)で、期間中の価格を見ない形です。
途中で原資産の価格が深く下がった経路ほど、最安値が低くなり、受け取りは大きくなります。それに応じて、買い手が先に払うプレミアムは、標準的なコールより高くなります。受け取りがプレミアムを下回れば、買い手は損をします。
詳しくは: ルックバック・オプション
問 6
架空の例として、銘柄 X と銘柄 Y の株価を 0.5 ずつの重みで合計したバスケットの値を原資産とする、バスケット・オプションのヨーロピアン・コールを考えます。行使価格は 100 円で、満期の株価は X が 140 円、Y が 70 円でした。1 単位あたりの満期の受け取りはいくらですか。
正解と解説
正解: C
バスケットの値は、銘柄の価格を重みで合計した値です。満期のバスケットの値は 0.5 × 140 + 0.5 × 70 = 105 円です。受け取りは、バスケットの値が行使価格を上回った分で、105 − 100 = 5 円です。X の上昇の 0.5 × 40 = 20 円と、Y の下落の 0.5 × 30 = 15 円を合計してから受け取りを決めます。差し引きは 20 − 15 = 5 円です。
20 円は、X と Y のコールを 0.5 単位ずつ別々に買った場合の受け取りです。0.5 × (140 − 100) + 0.5 × 0 = 20 円になります。銘柄ごとのコールは、上昇分だけを受け取り、下落分を打ち消しに使いません。重みが正で、銘柄ごとの行使価格を 100 円とするこの例では、バスケットのコールの受け取りは、X と Y のコールを 0.5 単位ずつ買う組み合わせの受け取りを上回りません。40 円は、X の 40 円の上昇だけを見て、Y の下落を無視した値です。0 円は、Y が行使価格を下回っているため全体の受け取りが消えると考えた値です。バスケットの値が 100 円を上回っていれば、受け取りは生まれます。
満期のバスケットの値が 100 円以下なら、受け取りは 0 円で、買い手は払ったプレミアムを失います。たとえば X が 80 円、Y が 90 円なら、バスケットの値は 85 円です。
詳しくは: バスケット・オプション
問 7
日本の企業が、ドル建ての株式を原資産とするクオント・オプションのコールを買いました。満期に株価が行使価格を上回ったとき、ドル建ての受け取りを円に換えるレートはどれですか。
正解と解説
正解: A
クオント・オプションは、外国の通貨で値が付く原資産の価格を、取引の初めに決めた固定レートで円に換えて、受け取りを決めます。満期の為替レートは受け取りに入りません。
架空の例として、行使価格 100 ドル、100 株分、固定レート 1 ドル = 150 円で、満期の株価が 120 ドルなら、受け取りは 20 ドル × 100 株 × 150 円 = 300,000 円です。満期の為替レートが 1 ドル = 160 円のドル高でも、1 ドル = 140 円のドル安でも、この額は変わりません。満期の為替レートで換える通常の外貨建てオプションなら、受け取りは 160 円で 320,000 円、140 円で 280,000 円と変わります。
「満期の日の為替レート」は、この通常の外貨建てオプションの換え方です。「買い手に有利なほう」は、ドル高のときは満期の為替レート、ドル安のときは固定レートが使われると考えた誤解です。クオントでは、どちらの場合も固定レートで換えます。「期間中の毎日の為替レートの平均」は、レートを平均で決める形と取り違えた答えです。満期の株価が行使価格以下なら、どのレートで換えても受け取りは 0 円で、買い手はプレミアムだけを失います。
詳しくは: クオント・オプション