架空の例として、A 社(買い手)と B 銀行(売り手)が、想定元本 100 億円、約定金利 年 2% の FRA を結んでいます。期間は 0.5 年で、決済日に決まった指標金利は年 4% でした。差額は、期間の終わりの利息の差を指標金利で割り引いて、決済日に受け渡します。決済日の受け払いはどれですか。
理解度チェック: 金利の先渡しと先物
最終確認日: 2026年9月25日
下書きです。公開前の確認のために表示しています。
「金利の先渡しと先物」の章の内容を確かめる 5 問の問題です。選択肢を選んで「回答する」を押すと、正解と解説が出ます。「正解と解説」を開いて、先に答えを見ることもできます。
問 1
正解と解説
正解: B
FRA の買い手は、約定金利を払って指標金利を受け取る側と同じ立場です。指標金利が約定金利を上回ったので、売り手の B 銀行が買い手の A 社に払います。期間の終わりの利息の差は 100 億円 × (4% − 2%) × 0.5 = 1 億円です。これを 1 + 4% × 0.5 = 1.02 で割った約 9,804 万円(98,039,215.6… 円)を決済日に受け渡します。受け取った約 9,804 万円を年 4% で 0.5 年運用すると、9,804 万円 × 1.02 で約 1 億円になります。期間の終わりに 1 億円を受け取るのと同じ価値です。
指標金利が約定金利を下回れば、向きは逆になります。たとえば指標金利が年 1% に決まったときは、利息の差が 100 億円 × (1% − 2%) × 0.5 = −5,000 万円です。これを 1 + 1% × 0.5 = 1.005 で割った約 4,975 万円を、A 社が B 銀行に払います。「A 社が B 銀行に払う」は、指標金利が下がった場合の向きです。1 億円は割り引く前の、期間の終わりの利息の差です。約 9,615 万円は、1 億円を 1 + 4% = 1.04 で割った値です。割り引くときに期間の長さ 0.5 年を掛け忘れています。
詳しくは: FRA(金利先渡取引)
問 2
架空の例として、A 社は、6 か月後に C 銀行から 100 億円を 6 か月借りる予定で、利率はそのときの 6 か月物の指標金利です。A 社は B 銀行から、6 か月後に始まる 6 か月の FRA を、想定元本 100 億円、約定金利 年 1% で買っています。決済日の受け払いは、満期日まで同じ指標金利で運用または調達できるとします。この A 社について正しいのはどれですか。
正解と解説
正解: C
FRA を買うと、借入と合わせた負担は約定金利に固定されます。指標金利が年 2% に上がった場合、借入の利息は 100 億円 × 2% × 0.5 = 1 億円です。一方で FRA で決済日に約 4,950 万円を受け取り、満期日まで年 2% で運用すると約 5,000 万円になります。差し引きの負担は約 5,000 万円(年 1%)で、FRA がない場合より約 5,000 万円得です。指標金利が年 0.5% に下がった場合、借入の利息は 2,500 万円で済みます。一方で決済日に FRA で約 2,494 万円を払い、満期日の価値に直すと約 2,500 万円です。負担はやはり約 5,000 万円(年 1%)で、FRA がない場合より約 2,500 万円損になります。
借入の利息が減る分だけ負担が軽くなると考えると、1 つ目の選択肢を選びやすくなります。しかし FRA の差額の支払いが同じだけ増えるため、金利が下がったときに利払いが減る利点は手放すことになります。FRA は、指標金利が約定金利を上回っても下回っても差額を受け渡す取引で、払わなくてよい側はありません。想定元本は差額を計算するための元本で、受け渡しません。A 社が借りる 100 億円は、FRA とは別の C 銀行からの借入です。
詳しくは: FRA(金利先渡取引)
問 3
架空の例として、大阪取引所の TONA3か月金利先物を価格 99.250 で 4 単位買いました。価格は 100 から、TONA(無担保コール翌日物金利)の 3 か月の複利を年率に直した金利を引いた値で、0.01 動くと 1 単位の損益は 2,500 円動きます。その金利が年 0.950% に決まり、最終決済価格が 99.050 になったとき、損益はいくらですか。
正解と解説
正解: A
価格 99.250 で買ったことは、対象の期間の金利を年 0.750% として取引したことに当たります。金利が年 0.950% に上がると、価格は 99.050 に下がり、買い手は損をします。価格の差は 99.050 − 99.250 = −0.200 で、0.01 の 20 倍です。1 単位の損益は −20 × 2,500 = −5 万円、4 単位で 20 万円の損失です。
金利が下がれば逆になります。たとえば金利が年 0.550% に決まって最終決済価格が 99.450 になれば、価格の差は +0.200 で、4 単位で 20 万円の利益です。同じ先物を 99.250 で売った側の損益は、買い手と符号が逆で、金利が年 0.950% に上がると 20 万円の利益になります。20 万円の利益は、金利が上がると価格も上がると考えたときの答えで、売り手の損益です。5 万円の損失は 1 単位分で、4 単位を掛け忘れています。5 万円の利益は、向きと単位の数の両方を取り違えた値です。
詳しくは: 金利先物
問 4
金利先物と FRA は、どちらも将来の期間の金利を今決める取引です。2 つの違いの説明として正しいのはどれですか。
正解と解説
正解: D
金利先物は取引所で売買する上場デリバティブで、損益を毎日の値洗いで計算します。金利参照期間が終わって実際の金利が決まってから、最終決済価格と約定した価格の差で差金決済します。FRA は当事者どうしの相対の店頭デリバティブで、期間の始めに金利が決まった時点で、期間の終わりの利息の差を割り引いた額を 1 回だけ受け渡します。
1 つ目は FRA の説明です。金利先物は、1 単位の大きさと、四半期ごとの金利参照期間が取引所の規格で決まっています。想定元本と期間を当事者どうしで決めるのは FRA です。2 つ目は逆で、規格が取引所で決まっているのは金利先物です。FRA は当事者どうしの相対取引で、固定の金利(約定金利)を決めます。3 つ目は FRA の決済の方法です。
詳しくは: 金利先物
問 5
架空の例として、ある金融機関が 10 年利付国債を額面 60 億円保有し、その DV01 は額面 100 円あたり 9.6 銭です。この金利リスクを、長期国債先物(取引単位 額面 1 億円)の売りでヘッジします。最割安銘柄(CTD)の DV01 は額面 100 円あたり 6 銭、交換比率(CF)は 0.75 です。DV01 をそろえる方法で、売る枚数は何枚ですか。
正解と解説
正解: B
DV01 は金利が 1bp 動いたときの価格の変化額です。先物の値段は CTD の価格を CF で割った値にほぼ等しくなります。そのため先物の DV01 は CTD の DV01 ÷ CF で、6 ÷ 0.75 = 8 銭です。先物 1 枚(額面 1 億円)の DV01 は 1 億円 × 0.08 ÷ 100 = 8 万円です。保有する国債の DV01 は 60 億円 × 0.096 ÷ 100 = 576 万円です。売る枚数は 576 万 ÷ 8 万 = 72 枚です。
保有する国債と CTD の金利がともに 10bp 上がると、国債は 576 万円 × 10 = 5,760 万円値下がりします。先物 72 枚の売りは 72 × 8 万円 × 10 = 5,760 万円の利益になり、合計は 0 です。10bp 下がると、国債の 5,760 万円の値上がりを先物の 5,760 万円の損失が打ち消します。損失を抑えられる代わりに、金利が下がったときの利益も手放します。ここでは DV01 が一定で、2 つの金利が同じ幅だけ動くとしました。実際には、保有する 10 年国債と CTD の金利は同じ幅で動くとは限らず、その差だけ合計は 0 からずれます。
60 枚は、DV01 ではなく額面をそろえた値(60 億円 ÷ 1 億円)です。96 枚は、CTD の DV01 の 6 銭を CF で割らずに先物の DV01 とした値(576 万 ÷ 6 万)です。128 枚は、CF で割る代わりに掛けた値(6 × 0.75 = 4.5 銭、576 万 ÷ 4.5 万)です。
詳しくは: 国債先物